2008年08月04日

人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演「星の王子さま」

人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演 2008年版「星の王子さま」


人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演 2008年版「星の王子さま」@プーク人形劇場
原作:サン=テグチュペリ
脚本・演出・美術・人形操演:平常

8月3日(日)に観に行っています。
人形劇俳優の平常(たいらじょう)さんの公演で、去年12月に初演された「星の王子さま」の再演です。
これはあえて大人向けとして作られた人形劇公演です
その時の感想はこちらにまとめています。

初演時よりさらに美しい舞台になっている、と感じました。
平さんの演技にも余裕が感じられ、とてもこなれて成熟した作品になったようです。

改めてサン・テグチュペリの「星の王子さま」は大人のための童話だなと感じます。

<あらすじ>
砂漠に不時着した飛行士は、どこかの星から地球にやってきた王子さまと出会います。
かわいらしい王子さまの質問に答える飛行士。
王子さまが、ここまでやってくるまでに出会った様々な星の住人達の話。
王子さまの小さな星に一輪だけ咲いた薔薇の花。わがままな花に心悩ます王子さま。
一度は見捨ててしまった花の事が気になってしょうがない王子さまは、やっぱり
僕がそばにいてあげなきゃ、とその花のもとに帰ることを決心します。
それは王子さまと飛行士の別れの時、でもありましたが・・・。


冒頭、「飛行士」が以前であった王子さまの姿をどうやって人形に表現したらいいかと、
悩んでいます。
人形を作っている平さんが、どうやって王子さまの姿を表現しようかとなやんでいる
のと二重になって見えてきます。
前回も感じましたがこの二重感覚がおもしろい。

以後、一人で全ての人形の操作をして物語を見せてしまいますが、手に赤い手袋
をはめて赤い薔薇の花を表現したり、自らのシルエットで別のキャラクターを表現したりと、
様々な工夫を凝らして見せてくれます。

王子さまと出会う狐は、平さんが片手で狐の頭を、もう一方の手で狐のしっぽを、
この二つを操作するだけでしなやかな身体をもつ狐が現れました。
そのうち王子さまの人形を操作する必要から、平さんは片方に王子さま、片方に
狐の頭だけ、で操作しだしますが、しっぽが見えなくても王子さまにまとわりつく狐の姿が見えてくるのが不思議でした。
最初にしっぽを見せているから、この時はしっぽが見えなくても違和感が無いようです。

王子さまと別れなければならず、王子さまをいとおしそうに抱きしめる飛行士。
そのようす、以前は単純にきれいとしか思わなかったのですが、今回はこれはもう
恋人同士の抱擁ではないか、と感じました。
ちょっとドキッとしたくらいです。

星がきらめくような空間に平さん=飛行士が立つラストシーン。ここで流れるのは前回と同じ
マスカーニ作曲のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の第2幕への間奏曲。
ラストシーンを飾るのにぴったりの美しい曲です。

多くの方に観ていただきたい公演だと思いました。


余談になりますが、ラストシーンが私の頭の中では同じ曲を使ったムットーニ(=武藤政彦)さん作品の
「アローン・ランデブー」と重なります。
爆発によって宇宙船から投げ出された宇宙飛行士が流れ星になる物語(原作:レイ・ブラッドベリ作
「万華鏡」)を自動人形作品に仕立てたものです。
(現在世田谷文学館の常設展示作品です)

平さんが公演会場で作り出した星空と、ムットーニさんが箱の中に作り出した大宇宙が頭の中でダブります。


2008年03月01日

平常公演「毛皮のマリー 人形劇版」

平常公演「毛皮のマリー 人形劇版」



平常公演「毛皮のマリー 人形劇版」@銀座 博品館劇場
作:寺山修司 監修:森崎偏陸  演出・美術・人形操作:平常(たいらじょう)

2月22日(金)に観に行っています。
2003年の初演から再演を重ねてきた公演です。
私もこの公演の魅力に惹かれ、再演のたびに足を運び(たしか一回抜けてますが)見てきました。

男娼マリーと、血のつながらない息子、美少年欣也との奇妙な母子の物語。
平さんみずから欣也を演じ、自作の人形を操作しつつたった一人で物語をみせてしまいます。

去年の10月にも上演され、この時はそれまでの公演とはかなり違った感じがありました。
マリーや、昔マリーを辱めた少女が、それまでになく怖い感じだったのです。


そして今回の博品館公演。
どう変わるのか、変わらないのかと興味津々だったのですが、やはりまた進化を
遂げていました。

今まで演じられてきた劇場はプーク人形劇場や、駒場アゴラ劇場など比較的小さな
劇場、今回の博品館はそれに比べると大きい劇場ですが、舞台はさほど広くないところです。
今までと同じ赤い幕や小物などの飾り付けをされた舞台をみると、特別広い劇場と
いう感じはしませんでした。
むしろ今までの舞台が狭かったので、これくらいがちょうどいいのでは?と感じた
くらいです。

内容の方ですが、セリフはそのままだと思うのですが、特に後半が今までとまるで違う。
こんなセリフあったっけ?と思ってしまうくらい雰囲気が違っていました。
一つ一つのセリフにより思いが込められているような、ややゆっくりした進行の演出
になっていたような気がします。
去年の10月公演を見たときに感じた「怖さ」はむしろ薄れ、マリーの欣也に対しての複雑な
思いがより強調されていたように感じます。

物語により深みが増してきたような気がします。
期待以上のよい公演でした。

2007年12月17日

人形劇俳優 平常人形劇「星の王子さま」

平常人形劇公演「星の王子さま」


人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演
R-15指定人形劇「星の王子さま」@新宿 プーク人形劇場
原作:サン・テグチュペリ
脚本・演出・美術・人形操演:平常(たいらじょう)


12月15日(土)に観に行っています。
人形劇俳優の平常さんの、大人向け人形劇の新作公演です。

サン・テグチュペリの「星の王子さま」はかわいい王子さまが登場するし、作者自ら
素朴なイラストを描き添えているので、童話として位置づけられることが多いですがその内容は、
奥深くて子ども向けとは言い難い気がしていました。
はじめて原作を読んだとき、そう感じました。
原作はテグチュペリと、彼の奥さんのとの関係が深く投影されているようです。

<あらすじ>
砂漠に不時着した飛行士は、どこかの星から地球にやってきた王子さまと出会います。
かわいらしい王子さまの質問に答える飛行士。
王子さまが、ここまでやってくるまでに出会った様々な星の住人達の話。
王子さまの小さな星に一輪だけ咲いた薔薇の花。わがままな花に心悩ます王子さま。
一度は見捨ててしまった花の事が気になってしょうがない王子さまは、やっぱり
僕がそばにいてあげなきゃ、とその花のもとに帰ることを決心します。
それは王子さまと飛行士の別れの時、でもありましたが・・・。


幕が開くと、机らしきところに王子さまの人形が腰掛けて、その横で何か物を書い
ている平さんが。
原作では飛行士=作家テグチュペリが、以前出会った王子さまのことを文章でどう
紹介したらいいかと悩んでいますが、今回の舞台化では飛行士は王子さまの姿を
どう人形に表現したらいいかと悩んでいます。
飛行士=平さん、の形になっているようです。
ごく自然でなんの違和感もない出だしにうまいなと、思いました。

以後、王子さまは平さんが操作する人形で、飛行士は平さん自身が演じていました。
途中で登場する様々な星の住人は、大きく顔だけ作って一本の棒が着いた物。
たとえて言うと人形焼きの顔に棒が付いた感じです。
時には平さん自身がシルエットで登場して、別の人物になっていることもあり見せ方
にも変化が付けられていて観ていて飽きません。
薔薇の花はどう表現するのかと思っていたら、平さんが両手に赤い手袋をはめ両手
で花を表現していました。
王子さまを優しくいとおしそうに抱きしめる飛行士=平さんのようすが、とてもきれい。
ラストに流れる曲はマスカーニ作曲のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の第2幕への間奏曲。
きれいな曲を選んだなと思いました。

原作にほぼ忠実、大変丁重に作られた感のある作品でした。
10分の休憩時間を挟んで約2時間半の公演。
一人でこれだけのものを見せてくれる平さんの気力体力に驚きます。

普通一人芝居をやる役者さんは、上演時間がせいぜい1時間。
2時間半の一人芝居「審判」をみせてくれる加藤健一さんだって、その公演をやるの
は数年に一度なのですから。

世のお母さん達の中から「『星の王子さま』なんだから、もっと上演時間を短くして
子ども向けにして」という声が出そうな気がしますがそんなことはしないでほしい、
大人にこそ見てほしい公演だと思いました。
クリスマスももうすぐ。
良い作品を見せていただきました。

下の画像はプーク人形劇場の入り口です。

プーク人形劇場


2007年11月03日

「毛皮のマリー 人形劇版」

平常「毛皮のマリー 人形劇版」



「毛皮のマリー 人形劇版」@新宿 プーク人形劇場
作:寺山修司 監修:森崎偏陸  演出・美術・人形操作:平常(たいらじょう)
10月23日〜10月28日まで(終了しています)


10月23日(火)に観に行っています。
2003年の初演から、毎年再演を重ねてきた公演です。

元々は作家の寺山修司さんが、美輪明宏さんに当て書きして書いた戯曲。
美輪明宏さんの他に、最近では篠井英介さんも演じてきた演目です。
(美輪明宏版、篠井英介版ともに観ています)

人形劇俳優の平常さんが人形劇化して東京で上演したのが2003年12月から2004年1月にかけてで、
たまたま見たチラシが気になって私が公演を観に行ったのが1月。以来すっかり平さんのファンに
なってしまいました。
何度も再演を重ね、私も飽きずに何度も足を運んでしまい去年9月に観たので、
「毛皮のマリー」とは約1年ぶりの再会となりました。

男娼マリーと、血のつながらない息子、美少年欣也との奇妙な母子の物語。

久し振りに観た「毛皮のマリー」は怖いくらい迫力がありました。
初演の頃は、どこかふわっとした甘さというかやわらかさというか・・・そんな味わいが
あったのですが、今回はそんな感じは薄くなんだかやけに怖い。
マリーが10代の頃、マリーを周囲の笑いものにして辱める少女の怖さ。
男娼マリーの家の下男の男性的なこと、そしてこの下男が女性化した醜女(しこめ)の
マリーの不気味さ。
血のつながらない欣也を引き取って育てているマリーが、何故そんなことをしてる
のか、その告白の場面のマリーの高笑い。
美輪明宏さんの公演も観ていますが「毛皮のマリー」が怖い話だ、と感じたのは
今回が初めてでした。

平さんの演技力も、以前より増してきたようです。
「毛皮のマリー」の感じが変わってきたのは、初演版の頃の平さんがまだ少年のような面影が
残っていたけれど、最近はすっかりそんな感じが抜けてきたことと無関係では無い気がします。
平さん自身が年齢を重ねてきたので当然なのですが、だんだん大人の男性としての
魅力が出てきた(私がこんな事かくのちょっとはずかしくなりますが(#^_^#) )ので
これが作品の味わいの変化に関係してるのは間違いないでしょう。
作品の味わいが変わってくるのを観るのは、これまた楽しいです。

東京下北沢の小さな会場で始まった「毛皮のマリー 人形劇版」も来年は、2月22日
の一回公演だけですが、銀座・博品館での公演が決定しているそうです。
初演から観てきた私としては「大きくなりましたねえ・・・」となんだか母親みたいな気分
で、平さんのファンとしてなんだかうれしいです。

12月には新作「星の王子さま」(原作:サン・テグチュペリ)の公演もあり、こちらも待ち
遠しいです。


2007年06月17日

平常ロングラン2007 「よだかの★星」「セロ弾きのゴーシュ」

平常(たいらじょう)ロングラン2007
「よだかの★星」「セロ弾きのゴーシュ」@新宿 プーク人形劇場

6月8日(金)に観ています。
人形劇俳優の平常さんの公演ですが、この二演目ともすでに観ていますが、また観たく
て出かけました。
この日のプログラムです。
「人形のじょうくんのお話」
「セロ弾きのゴーシュ」
「星めぐりの歌」
「よだかの★星」
「人形のじょうくんのお話」
「序文」
「雨ニモマケズ」


「人形のじょうくんのお話」以外は全て宮沢賢治作なので宮沢賢治特集とも言える一夜。
人形劇公演とはいえ、夜公演ということもあり場内はほとんど大人ばかりで子どもは
数人でした。

前に観てるにも関わらず、なんだか新鮮です。
舞台は生ものですから、上演のたびにどこか違う物なのでしょうけれど。
特に「セロ弾きのゴーシュ」は以前観たときと比べて、ちょっと演出が違ってるような
気がしました。(気がしただけかも)
大きなトランクから、動物たち(お面タイプ)が次々登場、ゴーシュ役は平さん自身です。
最後にトランクのフタに、お面が並び登場キャラクター勢揃いするのがなんだか楽しい。

人形劇公演だけど、人形が一つも登場しない「よだかの★星」
平さんの手と全身使ってのパフォーマンスです。
この日の平さんの「よだかの★星」を観ていたらなんだか「色気」を感じてしまいました。
変な意味ではなくて、なんだかとてもいい味が出てるなという意味です。
以前は一生懸命やってる、という感じが全面に出ていたのですが、最近は少し余裕が
出てきたんでしょうか。

年末にはサン=テグチュペリ作の「星の王子さま」を大人向けに上演する予定だそうです。楽しみです。

2007年04月19日

「たいらじょうの人形劇大全集」

「たいらじょうの人形劇大全集」@新宿 プーク人形劇場


4月7日(土)に観に行っています。
6時開演だったのですが、7時と勘違いしていたため約20分遅刻して会場内に
入りました。

去年から今年にかけてのカウントダウン・年越し公演として上演された「人形劇大全
集」の通常公演ということでした。
カウントダウン公演は観に行っていたのですが、今回また行ってしまいました。
人形劇俳優の平常(たいらじょう)さんの、各種ネタの「触り」を見せてくれるのが
今回の公演です。出演は平常さんお一人です。

今回の内容はカウントダウン公演とほぼ同じ。
カウントダウン公演は演じる方も観てる方も、時間を気にしていなかったで夜10時に
開場、すぐ公演が始まってから終わるのが午前4時という約6時間に及ぶものにな
ってしまいましたが、今回は夜6時に始まり10時に終わる形におさまりました。

すでにある物語の人形劇化である「シンデレラ」や「セロ弾きのゴーシュ」「よだかの
星」、オリジナルのお話の「ジャンピングラビット!!」「「お花のハナックの物語」
など。
そして最後は人形を全く使わず、ご自分の両腕のみで演じる「ハンドラブ」
コールポーターの名曲「ソーイング・ラブ」に載せて、二本の腕を男女に見立てて演じ
られるものです。

私は単純なのか、平常さんの作品は何度見てもあきないし、何度でも観たくなります。
人形劇は子どものものだけではない、大人にも観てほしいと精力的に公演をこなして
いる平さん。
今年は4月18日から22日までドイツでの公演もあるそうですし、年末には大人向け
の新作サン・デグチュペリ原作「星の王子様」の公演もあるそうなので今から楽しみです。

後日、少し直接お話しをする機会がありましたがご自身の考えもしっかりしていて、
私にはとてもとても遙かに年下の25才の方とは思えませんでした。
私、毎回観に行っているので名前だけはしっかり覚えられていたようです。
なんかもう恥ずかしいです。

2007年03月17日

ダンボール人形劇場「お花のハナックの物語」

ダンボール人形劇場「お花のハナックの物語」

ダンボール人形劇場「お花のハナックの物語」@新宿 プーク人形劇場
作・演出・美術・出演:平常(たいらじょう)

3月8日(木)に観ています。
人形劇俳優の平常さんの公演は、大人向けの公演しか観たことがありませんでした。
「お花のハナック・・・」はもともと子ども向け公演。
大晦日のカウントダウン年越し公演でダイジェスト版を見せてもらっていますが、
フルバージョンを観るのは今回が初めてです。

北海道出身の平さんが、初めて東京に来て人形劇公演をやろうとしたとき、人形制作
の為の費用がないので眼を付けたのがダンボール。
タダでもらってきたダンボールを使って人形をつくり、公演をしたのだそうです。

当時の人形は、保管できる場所もないので破棄してしまったそうで今回の舞台で
登場しているダンボール人形達はその後、新たに作ったのだそうです。

<あらすじ>
小さなお花のハナック。いつもは地面から動けないハナックですが、ある日魔法で
一日だけ自由に動けるようになります。
そのかわり、周囲の動物たちは止まったまま。
ハナックが自分の花びらを一枚ちぎって、動物に貼り付ければその動物は動ける
ようになるのでした。
ハナックは、キリンさん、ライオンさん、猫や羊、へびさんとも出会うのですが、動いて
いるところを見たい為に自分の花びらを全部無くしてしまいます。
が、そこは植物のハナック。しばらくするとまたきれいな花を咲かせるのでした。


ダンボール人形と言っても、ハナック以外はライオンもキリンも羊もかなり大型で
手の込んだデザインになっています。
見ていると、ダンボールでこんな造形の人形が作れるのかと感心します。
感心したついでに、自分でも作ってみたくなります。

ハナックが自分の花びらをちぎっていく様子は、見ていてちょっと痛そうです。

観に行ったのは平日の夜の回なので、観客のほとんどは大人。
平さん、普段はこの演目を子供たちの前でやっていると反応が大で客席が大いにわく
らしいのですが、この日は冒頭客席からの反応がほとんど無し(^_^;)
これには、平さん自身ちょっととまどったようすでした。
それでも人形を持ったまま、客席に飛び込んでいったり、お客さんを舞台に引っ張ったりと
舞台と客席との一体化に務めてるようでした。
最前列にいた小さい子供たち三人(子どもはたぶんこの子達だけ
でした)は大喜びしてました。

上演時間約1時間ちょっとのですが、一人で演じている思えない豊かな内容の
楽しい公演でした。




2007年01月03日

「たいらじょうの人形劇大全集」

晦日ロングラン2006ファイナル!カウントダウン・年越し公演
「たいらじょうの人形劇大全集」@新宿・プーク人形劇場

12月31日(日)に観に行っています。
人形劇俳優の平常(たいらじょう)さんのカウントダウン・年越し公演です。
普段は子ども向け公演の多い平さんですが、今年は「晦日ロングラン2006」と題して、
4月、5月7月10月の最終日に大人向け人形劇公演を行っていました。
そのファイナルがこの日の公演でした。

この日の事をご紹介します。
チケットをもぎってもらうと、好きなドリンクと交換。
アルコールもありましたが、私はアルコールにはめっきり弱くてすぐ眠くなってしまう
のでオレンジジュースにしました。

夜10時開演だったのですが、10時になっても開場にならないのです。
ようやく開場して、開演は10時半近くになっていました。

平さんの説明がありましたが、舞台照明のデータはコンピューターにインプットしてお
くのだそうで、この日通し稽古をしようとしたらデータが全て消えていたんだとか。
そりゃ驚いたでしょう(^_^;
開演できて、良かったです。

演目は数々ある平さんの作品からいいとこ取り。時間の関係で全編観ることは
できませんが子ども向け演目のせいか私はまだ未見のダンボール人形劇場「お花の
ハナックの物語」が観られるとてもよい機会でした。

前半。
ハナックのキャラクターはダンボール紙で作られた人形ばかりですが、ライオンや
キリンなどその造形はとても良くできています。
平さんが17歳の時に人形劇コンクールで審査員にめちゃくちゃにけなされたという
「ウサギとカメの劇中劇」も興味深い。
いわゆるウサギとカメの競争の話ですが、ウサギは手袋状の簡単な物、のろいはず
のカメは実はかなり早いという展開をみせます。
そんなに悪いとは思わないんですが17才の多感な頃に、けなされたとあっては
かなりショックだったことでしょう。
「ごんぎつね」は片手にごんの頭、もう一方の手にごんのしっぽをもって演じるという
簡単な物ですが、これがなんの違和感がなくごんが走り回っているように見えます。

12時になる30秒前になると、スクリーンに平さんの手書きの絵が映し出されて
いよいよカウントダウン。
平さんが金の紙吹雪をまき散らして2007年ようこそ!
手書きのWELCOMEのEの字が抜けて“WELCOM”になっちゃってたのはご愛敬。

その後の休憩時間、数口ですが思いがけず年越しそばまでいただけてうれしい。

後半は、私は初めて見る「サロメの7つのヴェールの踊り」やこれも初めて見る
「あかずきんちゃん」
「あかずきんちゃん」の人形は最近見る平さんの人形とは雰囲気が違うと思ったら
かなり初期に作ったものだそうです。


開演が遅かったし、一つの演目にかける時間も予定より長くなっているらしく
終演予定の午前2時になっても当然終わりません。
お客さんが見たいというリクエストに応えて、ヒット作「毛皮のマリー」でのマリーの
身の上話の場面もしっかり時間をかけて見せてくれました。
そのしわ寄せで、来年上演するという「星の王子さま 予告編」は王子様の最初の
台詞「ねえ、羊の絵を描いて」という言葉を聞かせてもらうだけでおしまいでした(^_^;

ラストは蹴込み(黒い幕の台)を前に置いて、その後ろに平さんが隠れて両腕だけで
演じる「ハンドラブ」
これは名曲「ソーイングラブ」にのせて、片方の腕を男性、もう片方を女性に見立て
て演じる作品。短いので全編見せてもらえました。
私はきれいな音楽と、平さんのきれいな腕の動きのこの作品が大好きです。

終演はもう午前4時になっていました。上演作品は全22作。
平さん、ご苦労様!といってあげたいです。
たった一人のパフォーマーの公演を延々観て年末年始。
素敵な年越しになりました。

2006年11月18日

平常・人形劇公演「天守物語」

平常人形劇公演「天守物語」


平常(たいらじょう)人形劇公演「天守物語」@新宿・プーク人形劇場
  原作:泉鏡花  出演・演出・人形操作:平常


10月31日(火)に観に行っています。
大人のための人形劇公演です。

去年の11月に一回だけ上演された平版「天守物語」の再演ですが、単純に
再演ではなくさらにバージョンアップされた作品になっていました。

姫路城・天守閣に住む妖怪の富姫(とみひめ)と、若き鷹匠・姫川図書之助(ひめかわ
ずしょのすけ)の恋物語。

初演版では、平さん自身がまだよく段取りが飲み込めてないようでもたもたした感じ
があったのですが、今回は非常にスムースになっていました。
登場するキャラクターが多い物語なので、一人で人形操作する都合、手に持つ人形だけ
ではたりず舞台上に置いておく人形もあります。
その置く位置も前回はなんとなくその辺に・・・と、いう感じだったのが今回は見た目も
しっかりきれいに決まった位置になっていました。

平さん自身、いなせな江戸っ子のようなスタイルで登場。これは前回と同じですが
実にかっこいいです。
ある方が平常は相当のナルシストだと書いているのを見たことがありますが、一人
芝居やる人間、ナルシストでなければできるわけありません。

富姫夫人は抱え遣い人形、姫川図書之助は平さん自身で演じていました。
富姫夫人の着物代わりのレースのひるがえり方がとてもきれい。
平さんは、こんな動きもしっかり計算に入れているのでしょう。

地上の武士達、討手を客席の人達にやらせることにして、最前列のお客さんに
矢を持たせたりして、観客参加型の舞台にもなっていて楽しい。

天守物語の原文は、時代がかっていてそのままではちょっと分かりづらいのですが
今回の公演では平さんなりに読み込んで解釈し、部分的にはしょりながら、わかり
やすく見せてくれています。

ラストシーン。
金色の紙吹雪の中、舞台が下がっていき平さん演じるが消えますがとても華やかで美しかったです。

「天守物語」は、泉鏡花の硬質な美意識で固められた物語だと思うのですが
平さんの美意識が加わり、さらに平さんと客席とのほんのちょっとしたやりとりが
あることで、舞台版は暖かみのある物語に見えてきます。
前回の公演がラフスケッチなら、今回は透明水彩絵の具で描かれたとても美しい
絵画のような公演でした。

2006年09月21日

平常ワークショップ「体の動きを豊かにするレッスン」の見学

平常(たいらじょう)ワークショップ「体の動きを豊かにするレッスン」の見学
    @こまばアゴラ劇場

9月5日(火)の夜7時から9時まで人形劇俳優の平常さんによる、ワークショップ
があり、見学だけでも参加できるという事でしたので、チラシを見てから早速申し込み
をしました。受講は3000円、見学は1000円。
平さんの人形劇の舞台裏が知りたくて参加しました。
結果は、人形操作と言っても平さんのダンサーのような体の動きにびっくりしました。

以下は、ワークショップの見学報告です。

劇場の舞台に集まった受講者は16名、見学者は客席に座っての見学で約20名
でした。
受講者は人形劇をやっている人、役者をやっている人、役者ではないがダンスを
やっている人、特に何もやっていないが平さんの人形劇に感動して来た人・・・と、
さまざまな人が集まっていました。

この日の平さん、数日前に足の指をねんざしてしまい、あまり動くことができない
・・・と、言っていましたが、素人目にはかなり動き回っていました。
私も知らなかったことばかりなので、いろいろと興味深くおもしろいワークショップ
でした。

まずはストレッチについて。
手首、足首、首など平さん自身は公演前に約一時間かけてストレッチをするそうです。
ストレッチは、急な動きは禁。ゆっくりとスジをのばすようにすることが重要のようです。
これは私も、参考になりました。
疲れたからと言って、よく首をくるくるやることがあるのですが、これやるとかえって
首を痛くすることがあったので・・・なるほど。
ストレッチについては、かなり時間をかけて説明・指導がありました。


ストレッチがおわれば次は実技について。
人形劇を行う時の、人形操作をするときに操作している人間を隠すための
幕を「けこみ」と言うのだそうです。私はこういう言葉も知らない素人です。

こういう幕に隠れて人形操作をするため、人形劇ではしゃがんですり足で歩くこと
が重要なのだそうです。普通に歩くと、人形が上下に揺れてしまうから。
すり足・・・しゃがんだ姿勢でつま先だけで歩く。この時背筋をのばす。おしりが
かかとについてもOK。この姿勢だと、このままでの方向転換が楽なんだそうです。
確かに平さんが、その姿勢をとって見せてくれましたがつま先だけでくるくると
どちらにも向くことができます。

すり足の見本として平さんの実演で「ハンドラブ」を見せてくれました。
コール・ポーターの名曲「ソーイング・ラブ」のメロディに乗せて、男女に見立てた
平さん自身の「手」でのみで演じられる演目です。
しかも、けこみの裏側から観た形で、平さんは演じてくれたのです。
これははっきり言ってびっくりしました!
けこみの上にみえている平さんの手・腕の動きがなめらかなのはもちろんなのですが、
体全体の動きがまるで柔軟体操をしてるように柔らかで、みていてとてもきれい
なのです。
参加者が早速3,4人組になってけこみの後ろに隠れて、腕だけをけこみのうえに
出して演技を練習。
客席から観る分には、皆さんの手の動きはまあまあなのですがこちらからは見えない
けこみの裏では大変なことになっていたようです。
すり足で、動くと言っても狭い場所で何人もいると、なれない人は相手をすり抜ける
ようにして動く事が難しくてできないようです。


人形劇は、人形の動かし方が同じでも、その動かし方の早さが、早いか遅いかで
表情が変わるというのも初めて知りました。

また人形劇では目線が大事。動かす人間のことではなくて人形の目線のことで
この目線が対象からずれてしまうと芝居が活きて来ないというのは納得しました。
人間の演技でもそうですものね。

すでに人形劇をやっている方にとっては目新しい事では無いのかも知れませんが、
私にとっては初めて知ることばかりの楽しい見学となりました。


ところで、この日は午後三時からの平常さんの公演「毛皮のマリー」を観ています。
アフタートークを聞いて劇場を出たのが、5時半頃。
7時からのワークショップまでは時間があるし、お腹もすいてきたので腹ごしらえを
しようと劇場の近所を歩いてみました。
劇場の最寄りの駅は井の頭線「駒場東大前」。
しかしこの駅の周りは、お店がほとんど無いのです。意外。
渋谷に近いけれど、下町っぽい所です。

ラーメンが食べたい気分だったので、中華料理屋さんぐらいあるのではと歩き回って
みたら駅からのメインの道の一本裏に一件見つけました。
意を決して入ってみると、なんだかお風呂場を連想する白いタイルの店内。
田舎街の中華屋さんみたいな、このチープさがたまりません(^_^;
ここで食べた野菜ラーメンは、まるで自分で炒めた野菜炒めみたいな味でした。


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