2008年08月22日

ミュージカル「エリザベート」名古屋公演

ミュージカル「エリザベート」 名古屋 中日劇場


ここ数日このブログのアクセス数が跳ね上がりびっくりしましたが、原因は
「エリザベート」のせいのようです。
キャストが変わった新生「エリザベート」かなりの話題作のようです。


ミュージカル「エリザベート」@名古屋 中日劇場
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ  音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎
8月3日〜8月28日まで


8月16日(土)に昼・夜の公演を観に行っています。

まずは12時開演の昼公演をA席(2階B列)で観ています。

主な配役です。
オーストリア皇后エリザベート・・・涼風真世
黄泉の帝王・トート・・・山口祐一郎
オーストリア皇帝 フランツ・ヨーゼフ・・・鈴木綜馬
皇太子フドルフ・・・浦井健治
少年ルドルフ・・・石川新太
アナーキスト、ルキーニ・・・高嶋政宏



<あらすじ>
煉獄の裁判所で、自殺後100年もの間オーストリア=ハンガリー帝国皇妃エリザベート殺害の
尋問を受けているルキーニ。
エリザベートが「死」を望んでいたと主張するルキーニ。
ルキーニはそれを証明するため、エリザベートと同時代を生きた人々を霊廟から呼び起こします。
舞台は19世紀末のヨーロッパ。

少女のエリザベートに恋をする「死=黄泉の帝王」トート。
エリザベートとトートの幻想的な物語と、ハプスブルグ家の崩壊の歴史が交差して描かれてゆきます。




会場に行くまで席の位置が分からなかったのですが、2階の脇に張り出している
バルコニーのような場所で、思っていたより観やすかったです。

「エリザベート」は大好きな作品で、去年の大阪・梅田劇場でのみ上演された
来日公演(ウィーンオリジナルバーション)も観に行ってしまいました。
(この時は、新宿コマ劇場でも上演が行われましたが小さな会場にあわせて舞台装置
と演出を変えての上演でした)

日本では宝塚歌劇(日本での上演権はこちらが持っています)と、東宝が交互に
上演を行っています。

東宝版の上演は2006年以来の二年ぶり。
東宝版のオーストリア皇后エリザベートは、今までずっと一路真輝さんが演じていましたが
今回初めて配役が変わりました。
前回東宝版を観た時、いつまでも同じ方が演じることに少々無理を感じだしたので、
ちょうどいい時期の交代だと思います。
(一路さんが悪いというのではなく、後継者は育てなければいかんでしょう、という意味です)

涼風真世さんのエリザベート、初めて観たときはさすがに違和感大でしたが観ているうちに
その感じも薄くなってきました。
長年演じてきて、それこそ風格のあるエリザベートを見せてくれた一路さんに比べると、演じ方が
どこか迷いつつ・・・という感じに見えてしまいました。

トート役の山口祐一郎さん、歌声に深みと味わいがあって文句など言いようがありません。
あえて言うとここ数年、体型がやや太めになっているのが気になります。
シルバーグレイのロングヘアの山口さん、申し訳ないけれど場面によってはほんの
一瞬中年おばちゃんに見えてしまい困りました。

高嶋政宏さんのルキーニ、こちらも手慣れた演技で見せてくれます。
以前はこのミュージカルではただの脇役だと思っていたのですが、回を重ねるごとに
エリザベートやトートより彼に魅力を感じるようになりました。
社会の最下層にすむルキーニが、王室の悲劇をヘラヘラと笑い飛ばしながら
紹介してゆく演出は観るたびにおもしろさを感じるようになりました。
私もトシを重ねてきて根がひねくれてきたせいかもしれません。

浦井健治さんのフドルフは、悩める青年という感じがいい。
鈴木綜馬さんのオーストリア皇帝、意志の強いエリザベートと一緒だとなおさら
ひ弱な皇帝に見えてきました。
でもこの役はこれでいいんでしょう。

第2部で登場する自分を皇后エリザベートと思い込んでいる精神病患者役の
河合篤子さん、歌声がすばらしいと思いました。
ほんの脇役ですが、とても印象に残りました。

演出で気になる場面をいくつか。
少年ルドルフとトートが初めて出会うシーンで、フドルフの後ろにいるトートが剣の切っ先を
何気ない様子で子どもの首筋に向ける場面、何度観てもゾッとします。


ラストシーン、これから見る方のために詳しく書くのは避けますが、いままでは
エリザベートとトート二人だけが登場する演出だったのが、今回初めて変わり
ここにルキーニが加わっていました。
この物語はエリザベートとトートとルキーニ、三人の物語だという印象が強く出た
感じがあり、この演出私は好きです。



5時開演の夜の部は、2階1列で観ています。

主な配役です。
エリザベート・・・朝海ひかる
トート・・・武田真治
フランツ・ヨーゼフ・・・鈴木綜馬
フドルフ・・・浦井健治
少年ルドルフ・・・田川颱眞
ルキーニ・・・高嶋政宏


東宝版のトートは、山口祐一郎さんと内野聖陽さんが演じてきましたが2006年から
内野さんに代わり武田真治さんが登場しました。
しかし2006年の時はチケットがとれず武田=トートは観ていません。
当時の評判は歌がちょっと・・・と、いう声が多かったようです。

今回みる武田さん演じる若々しくスマートなトート、写真で見ても舞台で観ても
その姿はとても美しいです。
若さを強調するかのように山口さんとは違って、胸元を大きく開けた衣装がセクシー
です。
まさに新生・黄泉の帝王の誕生か?と思うくらい。
で、その歌声は悪くないのですが、何しろこの日は最初に山口祐一郎さんを観て
しまっているのでどうしても比べてしまい、見劣りがします。
深みのある山口さんの歌声に比べると、武田さんはまだまだ声が出てない感じです。
歌がもっと良くなれば、もっとすばらしいトートになるはず。
まだまだ荒削りの原石、という感じの武田=トートでした。

そしてこれも初めて観る朝海ひかるさんのエリザベート。
歌も演技もいいですが、やはり初めて演じるエリザベートのせいか良くも悪くも初々しさを感じます。
こちらも初めて観る、というせいもあるかもしれませんね。
涼風さん、朝海さんの演じるエリザベート、私は甲乙つけがたいです。


今回、思いがけず名古屋公演のチケットがとれたので思い切って出かけてよかった
と思いました。(私は千葉県民)

11月、12月はいよいよ東京公演があります。
イープラスでの最先行抽選予約で、こちらも運良く山口、武田両バージョンのチケットが確保できました。
名古屋公演を一番高いA席で観るという贅沢をしたので、東京公演は一番安いB席で
取りました。
こちらも今から楽しみです。
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2008年08月15日

演劇集団キャラメルボックス公演「嵐になるまでまって」

演劇集団キャラメルボックス公演「嵐になるまでまって」


演劇集団キャラメルボックス公演「嵐になるまでまって」@サンシャイン劇場
脚本・演出:成井豊  原作:成井豊作「あたしの嫌いな私の声」
出演:渡邊安里、土屋裕一(客演)、細見大輔、久松信美(客演)、西川浩幸、他

8月14日(木)に観に行っています。
久し振りにサンシャイン劇場へ行くと中がすっかり改装されていました。
再演を重ねた作品で、4演目になるそうです。
私も初演から総べて観てきましたが、同劇団の作品ではよくできた見応えのある
作品だと思います。
ほのぼのタッチの多いキャラメルボックスの中では珍しくサスペンス仕立てです。

<あらすじ>
声優志願のユーリ(渡邊安里)は念願かなって、アニメの声優オーディションに
合格。初めての声優としての仕事。
緊張しつつも初顔合わせの会場へいき、そこで作曲家の波田野(細見大輔)と出会う。
両親を亡くした波田野には聾唖の姉・雪絵(温井摩耶)がいて、彼女を守るように
二人だけで暮らしていた。
波田野と俳優の高杉(石原善暢)は些細なことで対立し、その時ユーリには誰にも
聞こえない波田野の「死んでしまえ」というもう一つの声を聞いてしまう。
その後、高杉は行方不明になってしまう。
波田野の「第二の声」には人を操る力があるらしい。
ユーリが落としたペンダントを波田野が拾ったことで、呼び出されたユーリ。
波田野の要求を拒否したことで「声」を奪われてしまうユーリ。
助けを求めて、友人の幸吉(土屋裕一)と共に精神科医の広瀬教授(西川浩幸)のもとにむかうのですが・・・。



冒頭の手話をダンスの振りに見立てたシーンは優雅で美しいです。
(もっともこれはこの劇団が初めてやったことではなく、ドイツの振付家ピナ・バウシュが
先行して行っています)
雪絵が聾唖者という設定なので劇中にも手話が多数取り入れられています。
雪絵を守ることで、いつの間にか第二の声を使い人殺しをしてしまう波田野ですが
演じる細見さんの雰囲気もあって、誠実そうな人物に見えるのはいい演出だと
思います。

子どもの頃からたった一人のきょうだいである雪絵を守ってきた波田野。
留学先のアメリカで音楽の勉強を重ね、なおかつ雪絵との二人分の生活費まで
かせいできた波田野は実際真面目な人間だったはず。
それがはからずも雪絵を守るためだったとはいえ、人殺しをしてしまうようになって
しまうのは悲劇です。
弟のしてきたことを薄々感じてはいたけれど、そのままにしていてなおかつ弟を
助けられなかった雪絵も不幸です。
悲劇の物語ですが、ラストではあまり悲壮感がありません。

自分の声が嫌いという設定のユーリ。
物語は彼女が主人公のはずですが、なんだか印象が弱い。
演じている渡邊さん、がんばっているし悪くないけれどなんだか演技に物足りない
ものを感じます。

西川浩幸さん演じる広瀬教授は、西川さんの個性が発揮されてとてもコミカルです。
長年観てきたファンにはうれしいのですが、初めて見る方にはなんだこれ、ととまどう
かもしれません。

西川さん以外は出演者の中で一番演技が上手くてこちらも安心してみていられるな、と感じるのが
客演のお二人というのが、ちょっと寂しい。
とくに久松信美さん演じるディレクター(だったと思う)は、お調子者の感じが観ていて
楽しい。

聾唖を姉を思う波田野が絶望するラスト、舞台上は台風直撃の大嵐の夜、演出
効果は抜群です。
ネタバレを避けるためあえて書きませんが傘の柄の先を使って、ああするのは
よほど先端がとがってないと無理じゃないでしょうか。
今時そんな危険な傘があるとは思えません。

もう一つ気になるのは温井摩耶さん演じる雪絵は美人だけれど、自立出来るような
芯の強さをほとんど感じなかったことです。
これは温井さんだけのせいではないでしょう、舞台(=脚本)を見限り雪絵は今までまったく
「仕事」をしたことが無いようだし、今後も「仕事」があるように見えないからです。
これだとラストで今後彼女はひとりでやっていけるのか?と不安になってしまいます。


公演では平日の夜限定で、お客さんに出演者の座談会が約60分も収められた
特別CDが配られていました。
もちろんタダで。
これはうれしいです(^^)
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2008年08月12日

「女教師(じょきょうし)は二度抱かれた」

「女教師(じょきょうし)は二度抱かれた」



「女教師(じょきょうし)は二度抱かれた」@シアターコクーン
作・演出:松尾スズキ
出演:市川染五郎、大竹しのぶ、阿部サダヲ、市川実和子、荒川良々、他


北京オリンピックの開会式だったことなど完全に忘れて8月8日(金)にA席、
中2階で観に行っています。
しかも席は通常の客席の脇になるML列。舞台が見づらくて嫌いです。
抽選予約時に第一希望がとれず、たしか第二か第三希望がこの日でした。
この公演人気はとてもあるようです。当日券である立ち見のお客さんも多数でて
います。

松尾スズキの描く、猥雑な世界はどうも私の好みでは無いようです。
今回のチラシにもその世界の雰囲気はよく現れていると思います。
以前「キレイ」は観ていてそんなにイヤでは無かったし、今回は出演者がとても豪華
だったのですが話の中に気持が入れずこまりました。
時々意識が飛んでしまうし、ラストの一番肝心な時にも飛んでしまいました。
物語は好きになれず、感想書くどころではないのですがちょっとだけ。


<おおざっぱなあらすじ>
劇団ビリーバーズの演出家・天久六郎(市川染五郎)は、歌舞伎会の異端児と
されている女形・滝川栗之介(阿部サダヲ)と組んで新しい現代歌舞伎をつくり
だそうとしている。
そんな彼の目の前に、高校時代の演劇部の顧問だった教師・山岸良子(大竹しのぶ)
が現れる。当時二人は教師と教え子のワクをこえて肉体関係を持ってしまう。
山岸はこれが世間に露見して婚約者とも破談、退職にも追い込まれていた。
かつて女優志願だった山岸は、マネージャーと名乗る男を連れて天久の作品に
出演を願い彼に執拗につきまとうようになるのですが・・・


今回の舞台を観るとテネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」の主人公ブランチが思い浮かびました。
実際パンフレットを見ると作・演出の松尾スズキもブランチの事はモチーフの一つと
して頭にあったらしい。
「欲望という名の電車」は妹夫婦の元にやってきたブランチが次第にその過去(教え子と
関係を持ったこと、退職、その後の男性関係など)が暴かれて狂気に追い込まれていく物語。
しかし松尾スズキの描いた世界は、山岸だけでなく登場する人々全てが一癖も二癖
もあってみんなどこか変。

以下、感じたことを列挙します。
市川染五郎三演じる天久は風俗店の女の子に惚れ込んで店にしょっちゅうやってくる。
本物の歌舞伎役者によくこんな役をやらせたものです。いや、非難ではなくおもしろい。

阿部サダヲさん演じる滝川は普段の言動も歌舞伎的で実はホモ。
本物の歌舞伎役者が競演する舞台で、こんな役をやらせるとは挑戦的。

大竹しのぶさん演じる山岸は、いつもおどおどしていてはっきりしない。
何かを押さえ込んでいるようで、それがいつ爆発するか分からない怖さも感じます。

市川実和子さん演じる劇団マネージャー。黒のスーツ姿がかっこいい。
ぬぼーっとした風貌の荒川良々さん、役回りがどうのというよりそこにいるだけで
なんだかおかしい。
池津祥子さん演じる劇団女優は役を降ろされてしまい、天久の行動を監視するためおかしな
カッコで隠れてつきまとうようになる。それにしても役名が江川紹子(えがわしょうこ)とは、サリン事件がちらちらとします。
皆川猿時さん、大きな体にキュートなお顔。
音楽は「荒野のバンド」の生演奏です。
ストレートプレイかと思っていると、いきなり歌謡番組になったみたいに歌がはいります。
この唐突さ、イヤではありません。
やっぱり松尾スズキさんは、ちょい役でちょこちょこ顔出しますね。

冷静に観るとかなり怖い話かもしれませんが、笑える場面けっこうあります。


7時開演、8時半頃20分休憩が入って10時半頃終演でした。
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2008年08月06日

七月大歌舞伎 昼の部 「義経千本桜 川連法眼館」



七月大歌舞伎 昼の部
「義経千本桜 川連法眼館」@歌舞伎座

7月25日(金)、3階B席で観ています。

「義経千本桜」のなかでも「鳥居前」「吉野川」「川連法眼館」の、狐忠信の物語が
通しで上演される今回の公演。
板東玉三郎さん出演ということもあり、大変な人気だったようでチケット一般発売日、松竹の
モバイルサイトにアクセスできたときはすでに土日は完売。
仕方なく平日のチケットを購入しました。
(私はチケット購入はモバイルサイトをよく利用します)

楽しみにしていたのですが、公演当日体調不良でどうしても出かけられない。
やっぱりだめか・・・とあきらめていたのですが昼近くになってようやく体力回復。
最後の段ならまにあいそうだ、と思い出かけました。

「義経千本桜」は全編を観たことが無くて、物語の全体像を恥ずかしながら未だに
しりません。
途中の、人間に化けた狐の話の部分だけTVで観たことがあります。
実際の舞台を観るのは今回がはじめてでした。

前後の話は私もよく知らないので、ここに書くのは省きますが、この「川連法眼館」
の見せ場はこんな風。
静御前(坂東玉三郎)が「初音の鼓」を打ち鳴らすと、忠信が現れる。
あっちに現れ、引っ込んだと思ったらすぐ別の場所から現れる。
そのスピードちょっと尋常ではないです。
実はこれ狐が化けていて、鼓は彼の両親の皮をつかってつくられています。
鼓の音に両親の声と姿が重なるのか、彼はその音に聞き惚れています。
哀れに思った義経と静御前から鼓をもらい、喜ぶ狐忠信。
鼓にじゃれつくような仕草がかわいい。両親に甘えてるような感じです。
そして最大の見せ場、鼓を手にした狐忠信が宙に舞い紙吹雪の中故郷へ帰って
ゆきます。

昼の部を全部見られなかったのはとても残念。
とくに静御前(=玉三郎さん)の舞いが観られる「吉野山」は観たかった・・・。
しかし今回の段だけでも観られてよかった!と思いました。
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「道元の冒険」

「道元の冒険」


「道元の冒険」@シアターコクーン
作:井上ひさし  演出:蜷川幸雄 音楽:伊藤ヨタロウ
出演:阿部寛、栗山千明、北村有起哉、横山めぐみ、他


7月23日(水)に2階席で観ています。
蜷川幸雄さんは、大仕掛けな舞台美術をつかったハデな演出が多く人気の演出家ですが、
個人的にはあまり好みではないので観に行くのはパスするつもりでした。
しかしチラシをよくみれば作は好きな井上ひさしさん、音楽もこれまた好きな伊藤
ヨタロウさんではないですか。
調べるとまだチケット入手可能だったので行くことにしました。

曹洞宗(そうとうしゅう)の開祖、道元(どうげん)をモデルにしたお話し。
公家の家に生まれ、早くに両親を亡くし、比叡山で出家。
その後、天台宗の教えを学ぶが満足せず中国へ渡り禅を学んで帰国後。

舞台では男性4人、女性5人が複数の役をこなし入れ替わり立ち替わり登場
するので大忙し(のように演出。でも実際大変なんだと思います)。
実際舞台上をばたばた走り回る様子は、野田秀樹演出の演劇を観に来たのかと思う
くらいでした。

道元(阿部寛)の前で弟子達が「道元禅師」の半生記を余興で演じようとしていますが
道元は禅を組みつつ夢うつつの様子、その一方で現代の場面が現れ拘置所の中の
男が登場。
全体として、道元が夢の中で観た世界なのか、拘置中の男の妄想の世界なのか、現代の病院に
入院中の人々妄想の世界なのか、どうにでもとれる感じになっていたとおもいます。

言葉遊びのような場面もあり、舞台はテンポよく進行します。
夜7時開演、途中1回休憩がはいり午後10時頃終演でした。ちょっと長い。


パンフレットを購入したら、後ろの方に蜷川幸雄さんと萩原健一さんの対談が
のっていました。
内容はともかく、赤地に白の文字のページとは読みづらいです。
ちょっと見ただけでめまいがしそうで、未だに読み終わっていません。
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2008年08月04日

人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演「星の王子さま」

人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演 2008年版「星の王子さま」


人形劇俳優 平常(たいらじょう)公演 2008年版「星の王子さま」@プーク人形劇場
原作:サン=テグチュペリ
脚本・演出・美術・人形操演:平常

8月3日(日)に観に行っています。
人形劇俳優の平常(たいらじょう)さんの公演で、去年12月に初演された「星の王子さま」の再演です。
これはあえて大人向けとして作られた人形劇公演です
その時の感想はこちらにまとめています。

初演時よりさらに美しい舞台になっている、と感じました。
平さんの演技にも余裕が感じられ、とてもこなれて成熟した作品になったようです。

改めてサン・テグチュペリの「星の王子さま」は大人のための童話だなと感じます。

<あらすじ>
砂漠に不時着した飛行士は、どこかの星から地球にやってきた王子さまと出会います。
かわいらしい王子さまの質問に答える飛行士。
王子さまが、ここまでやってくるまでに出会った様々な星の住人達の話。
王子さまの小さな星に一輪だけ咲いた薔薇の花。わがままな花に心悩ます王子さま。
一度は見捨ててしまった花の事が気になってしょうがない王子さまは、やっぱり
僕がそばにいてあげなきゃ、とその花のもとに帰ることを決心します。
それは王子さまと飛行士の別れの時、でもありましたが・・・。


冒頭、「飛行士」が以前であった王子さまの姿をどうやって人形に表現したらいいかと、
悩んでいます。
人形を作っている平さんが、どうやって王子さまの姿を表現しようかとなやんでいる
のと二重になって見えてきます。
前回も感じましたがこの二重感覚がおもしろい。

以後、一人で全ての人形の操作をして物語を見せてしまいますが、手に赤い手袋
をはめて赤い薔薇の花を表現したり、自らのシルエットで別のキャラクターを表現したりと、
様々な工夫を凝らして見せてくれます。

王子さまと出会う狐は、平さんが片手で狐の頭を、もう一方の手で狐のしっぽを、
この二つを操作するだけでしなやかな身体をもつ狐が現れました。
そのうち王子さまの人形を操作する必要から、平さんは片方に王子さま、片方に
狐の頭だけ、で操作しだしますが、しっぽが見えなくても王子さまにまとわりつく狐の姿が見えてくるのが不思議でした。
最初にしっぽを見せているから、この時はしっぽが見えなくても違和感が無いようです。

王子さまと別れなければならず、王子さまをいとおしそうに抱きしめる飛行士。
そのようす、以前は単純にきれいとしか思わなかったのですが、今回はこれはもう
恋人同士の抱擁ではないか、と感じました。
ちょっとドキッとしたくらいです。

星がきらめくような空間に平さん=飛行士が立つラストシーン。ここで流れるのは前回と同じ
マスカーニ作曲のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の第2幕への間奏曲。
ラストシーンを飾るのにぴったりの美しい曲です。

多くの方に観ていただきたい公演だと思いました。


余談になりますが、ラストシーンが私の頭の中では同じ曲を使ったムットーニ(=武藤政彦)さん作品の
「アローン・ランデブー」と重なります。
爆発によって宇宙船から投げ出された宇宙飛行士が流れ星になる物語(原作:レイ・ブラッドベリ作
「万華鏡」)を自動人形作品に仕立てたものです。
(現在世田谷文学館の常設展示作品です)

平さんが公演会場で作り出した星空と、ムットーニさんが箱の中に作り出した大宇宙が頭の中でダブります。
posted by みどり at 08:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月24日

かわせみ座公演「まぬけなリュウの話」

かわせみ座公演「まぬけなリュウの話」



かわせみ座公演「まぬけなリュウの話」@赤坂区民センター
原作:斎藤星次  脚本・構成:吉永淳一
人形美術・舞台美術・演出:山本由也
出演:山本由也、益村泉、充湖すすき(語りべ)

7月18日(金)に観に行っています。
人形劇団、かわせみ座の公演です。
私は山本由也さんの作り出す人形が大好きで、かわせみ座の公演をよく見に行きます。

<あらすじ>
昔々、山奥の村はずれに気のよいリュウがたった一匹で住んでいました。
みんなから怖がられるリュウですが、一人の小さな女の子とだけは仲良しになります。
村は長雨で作物の収穫が出来ない。困った村人はお役人に長雨はリュウのせい、と
嘘をついて年貢を免除してもい、食べ物をもらおうとします。
嘘の話(リュウがいる)の証拠として、リュウの爪を役人に献上する事になる村人。
リュウは寝てる時に、大切な後ろ足の爪を切られてしまいます。
そのためまともに歩くことも出来なくなるリュウ。
翌年、今度は村は日照り続き。
すっかりやせた気のよいリュウは、村人のために山に向かうのですが・・・。



全く知りませでしたが、原作の「まぬけなリュウの話」は1976年にポプラ社で刊行
された創作童話だそうです。
このお話しに惚れ込んだ山本由也さんが舞台化したのが1990年代、その後
いったん中断。2001年リニューアル公演、以来各地で公演を続けているそうです。
私は今回初めて観ました。

リュウの大きさは約170センチあるそうで、いくら人形とはいえかなり重いのではと
思いますが、山本由也さんの操作はリュウの動きをとても軽々と見せています。
(リュウは糸操り人形になっています)
しっぽの長いリュウの姿を、どうしてこんなになめらかにきれいな動きで見せられる
のだろうかと感心します。


人形操作はリュウを山本由也、他の登場人物を主に益村泉さんが行い、物語は充湖すすきさん(女性です)の語りで進行していました。
充湖さんの語りは自分のおばあちゃんから昔話を聞かしてもらってるようななつかしい感じがします。
(初演時はテアトルエコーの熊倉一雄さんだったそうな。これも聞いてみたかった。)

音楽は録音ですが、松本政隆さんによるオリジナル音楽もなんだか懐かしい感じです。
松本さんは「ロバの音楽座」の方だそうで、このグループはヨーロッパの古楽器を使うグループです。
別のアーティストさんとのコラボレーションで聞いたことがあり、気にって一枚だけCDを持っています。
今回の音楽ではどういう楽器を使っているのかまでは未確認でわかりませでした。

かわせみ座の公演は、人形もかわいいですが舞台空間の使い方、照明の使い方も
きれいで上手いと思います。

ラスト、暗闇の舞台中央に突如出現する巨大な白い滝(多分布で表現していると思います)、
女の子を背中に乗せて飛び回るリュウの姿、なんて美しい。
水しぶきと、さわやかな空気まで感じさせるラストシーンでした。
posted by みどり at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月21日

宝塚歌劇花組公演「愛と死のアラビア」「Red Hot Sea」

宝塚歌劇花組公演「愛と死のアラビア」「Red Hot Sea」


宝塚歌劇花組公演「愛と死のアラビア」「Red Hot Sea」@東京宝塚劇場
出演:真飛聖、桜乃彩音、他

7月15日(火)に観に行っています。

宝塚公演はよく観に行くのですが、宝塚公演の華やかさが好きなだけなので
物語には、全く期待していません。
宝塚ファンの方に怒られてしまいそうで、ごめんなさいですが。

「愛と死のアラビア」
原作:ローズマリ・サトクリフ
脚本・演出:谷正純

1807年スコットランド兵トマス・キースはオスマントルコとの敗戦で捕虜となる。
その後、イギリスに戻ることなくアラブの戦士として生涯を終えたのだそうで、
実在の人物だそうです。

宝塚歌劇ですから戦いがどうのというのは、あまり比重は置かれていません。
捕虜となっているトマスの元に家族を亡くした女性アノウドがやってくることで二人の
間にロマンスが芽生えます。

衣装の華やかさ、特に白の衣装とゴールドのアクセサリーの組み合わせが
印象に残りました。

「Red Hot Sea」
作・演出:草野旦
海をめぐるいろいろなイメージを盛り込んだ華やかなショー。
こちらの方は、お話しはほんの添え物です。
posted by みどり at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月19日

七月大歌舞伎・夜の部 「夜叉ヶ池」「高野聖」

七月大歌舞伎・夜の部「夜叉ヶ池」「高野聖」


七月大歌舞伎・夜の部
「夜叉ヶ池」「高野聖」@東京 歌舞伎座


7月13日(日)に3階A席で観ています。
歌舞伎座の公演チケットはいつも松竹のモバイルサイトから購入しているのですが
7月は昼夜とも、坂東玉三郎さん出演とあってか一般発売日なかなかアクセスできない。
本当は安い3階B席が買いたかったのですが、松竹サイトにたどり着いたときはB席完売。
あわてて「ぴあ」のサイトに飛んだけど、「ぴあ」はB席の取り扱が無かったと気がつき
ましたが、A席はまだ残っている。
ここで迷ったら無くなってしまう、と購入を決めました。
夜の部は私の好きな泉鏡花の作品2本立てでした。

「夜叉ヶ池(やしゃがいけ)」
監修:坂東玉三郎  演出:石川耕士

<あらすじ>
三国岳の麓で鐘楼を守っている晃(市川段治郎)とその妻・百合(市川春猿)。
晃の親友・学円(市川右近)が訪れ、二人は再会を喜び合うが、百合は晃が
自分を置いて都会に帰ってしまうのではと心配する。
鐘は日に三度打つことになっていて、これにより夜叉ヶ池の龍神が封じ込まれて
いた。
夜叉ヶ池の主・白雪姫(市川笑三郎)は許嫁の千蛇ヶ池の主の元に行きたいが、
鐘が日に三度なっているうちは、夜叉ヶ池を出ることが出来ない。
そんな頃、麓の里は日照り続きで雨乞いの生け贄に百合を出せと晃の家に
押しかけてくるのですが・・・。


歌舞伎座の公演とは思えないくらい、照明が暗く静かな公演です。
人間ではない白雪姫やその配下達が登場する場面くらい、鳴り物入りで思いっきりハデにしても
いいんじゃないかと思ったのですが、かなり地味でした。
せっかくの歌舞伎座なのに、ちょっともったいない。
どうしても私の頭の中には昔、玉三郎さんが白雪姫と百合の人二役で出演した
映画版があります。あれはきれいでした。
映画と舞台では違う物ですから、比較してはいけないのですが春猿さんの百合は
いいとしても、笑三郎さんの白雪姫はやけにたくましそうで姫というより、普通の
オバサンというか、年増の花魁に見えて困りました。
ごめんなさい、期待したイメージとちょっと違う「夜叉ヶ池」でした。


「高野聖(こうやひじり)」
演出・補綴:坂東玉三郎、石川耕士

泉鏡花のこの作品は読んだことが無く、全文朗読のテープを聴いたことがあるだけ
です。
高野聖とは高野山に属し、諸国を回った僧のことだそうです。

<あらすじ>
飛騨から信濃へ越える参道。
高野聖の宗朝(市川海老蔵)は松本への行く途中の薬売りとであう。
本街道より近道の旧道を行こうとする薬売り。居合わせた猟師が危ないからと
止めるのも聞かず行ってしまう。
薬売りの身を案じた宗朝は、やはり不気味な旧道に入ってしまう。
山中で一軒家をみつけ一夜の宿を請う宗朝。
家にいたのは美しい女(坂東玉三郎)と、その身内らしい身体の不自由は次郎。
最初は断っていた女でしたが、なぜか急に態度を変え泊めることを承諾。
厩にいる馬は、宗朝に何かを告げたそうなようす。
川で汗を流す宗朝のそばに、着物を脱いでやって来て背中を流してくれる女。
おもわず女の色香に迷いそうになる宗朝。
夜中、女の元に獣たちが集まり怪しい様子をみせますが・・・。



こちらもほとんど全編薄暗く静かな舞台です。
ほとんど玉三郎さん演じる「女」と、海老蔵さん演じる宗朝の二人芝居の感じです。
やさしそうに見えるのに、足元にやってくるカエルを邪険に蹴飛ばそうとしたり、
この人はどういう人なのか?と思わせます。
海老蔵さん演じる宗朝、川で汗を流してるとき裸の女がそばに来てあわてふためく
様子がけっこうかわいいです。
消えた薬売りはどこへ行ったのか、宗朝になにかいいたそうな馬はもしかして・・・?
身体の不自由な次郎は女の「何」なのか?夜中に集まる獣たちは?
「女」は本当に人間なのか?

謎は謎のままではっきりとしたことは語られない物語ですが、妖しい雰囲気と耽美な世界を見せる舞台、おもしろかったです。
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2008年07月17日

3軒茶屋婦人会第3回公演「ウドンゲ」

3軒茶屋婦人会第3回公演「ウドンゲ」


3軒茶屋婦人会第3回公演「ウドンゲ」@ベニサン・ピット
作:赤堀雅秋 演出:G2&3軒茶屋婦人会
出演:篠井英介、深沢敦、大谷亮介

7月12日(土)に観に行っています。
男性3人による3軒茶屋婦人会。ジャック・ハイフナー作「ヴァニティーズ」、
ジャン・ジュネ作「女中たち」に続いての公演です。

<あらすじ>
高校時代クラスメートだった絵美(篠井英介)、薫(深沢敦)、澄子(大谷亮介)は
もう50歳。
三人はクラメートだった男性の通夜で約30年ぶりに再会する。
絵美が当時熱を上げていた加藤がその場にいたことから4人は居酒屋に繰り出し
泥酔した加藤と共に、深夜一人暮らしをしている澄子の部屋へ転がり込む。
しかし、澄子は朝早く仕事に出なければならないのでかなり迷惑に感じているし、
絵美はどこか挑発的、薫は回りを気にしてないように見えつつも、二人の様子がかなり気になっている。
朝まではまだまだ時間がある。三人の会話の行方は・・・。



絵美は結婚して子どももう手のかからない年齢になっているらしいし、薫も就職後
すぐ結婚、澄子は結婚したのかしなかったのか不明ですがアパートで一人暮らしの
ようす。
アパートも女性の一人暮らしとは思えないくらい実に殺風景な部屋。
でも三人とも、どこにでもいそうな普通の中年女性にみえます。

深沢敦さん演じる薫は、体型も豊満だし笑顔がとってもかわいく見えます。
今まで深沢さん演じる女性をみると、なんだか居心地が悪くて好きになれなかった
のですが今回は全く違いました。
天真爛漫といってもいいくらいかわいいです。
夜中に絵美と一緒に澄子の部屋に転がり込んでしまうのも、なんだか思い詰めて
るような澄子の様子が気になり放っておけなくなったから。
薫の笑顔の中に、ほんの一瞬過去の暗い面ものぞかせる演出はなかなか効果
的だったと思います。

篠井英介さん演じる絵美は、皮肉をいったりして意地悪なのかな?と思わせますが、
それにはちょっとした訳があることが後半になって判明します。

大谷亮介さんは本当なら女形は似合わない方だと思います。
実際、今回の澄子もおせいじにも似合ってるとは思えない・・・(^_^;)
しかしおとなしい澄子を、大柄でどちらかというとごっつい大谷さんが演じることで
うまく相殺されたような気がします。

かつて仲良しだった絵美と澄子が、どうして今気まずくなっているのか。
なぜ絵美が夜中にもかかわらず澄子の部屋に押しかけたのか。
それは30年前のある出来事に起因するわけですが、時を経て解決出来る様子が
とてもすがすがしかったです。

ラストで薫が、澄子と絵美が自分のことを名前で呼んでくれなかったくれなかった
ことで「私のこと覚えてないんでしょ!」という場面は、これはありそうだなあと思わず笑いそうになりました。


澄子の部屋で、テレビの下に転がっていた指輪は何の指輪だったのか。
なぜ、ほおっておかれたのか。澄子は何を悩んでいるのか。
それらははっきりとはわからないままで気になりますが、高校時代の仲違いが30年ぶりに
解決される物語、なんとも後味のよい公演でした。
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2008年07月16日

じゅんじゅんSCIENCE公演「アリス」

じゅんじゅんSCIENCE公演「アリス」


じゅんじゅんSCIENCE公演「アリス」@吉祥寺シアター
振付・演出:じゅんじゅん
出演:じゅんじゅん、伊藤キム、たかぎまゆ、森川弘和


7月11日(金)に観に行っています。
現在活動休止中のパフォーマンスグループ「水と油」のメンバー、じゅんじゅんさん
演出のダンス公演。
たかぎまゆさん、森川弘和さんは初めて観る方です。

ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の世界をモチーフにしたらしい。

たかぎまゆさん演じるのはたぶん、アリスでしょう。
かなりアイメイクの濃いアリス。かわいい少女のイメージではないですね(^_^;)
このアリスはしっかり大人。
伊藤キムさんは片目に眼帯しているけれど特別こういう演出ではなく、この方のいつものスタイル。
白い衣装を着ているから、長い耳はつけてないけれどやはりこれはウサギなんだろうな、と思います。

アリスとウサギが跳び回っているかと思うと、ウサギがアリスに襲いかかるような
危ない感じの場面もあったりします。
ちょっとドキッとして、このウサギただものではない、とにおわせます。
アリスとウサギの間をぬうように、森川弘和さん、じゅんじゅんさんが加わる。
森川さんの役回りはなんだろう?じゅんじゅんさんは完全に「アリス」の世界の
傍観者でこの舞台の世界の中でもやはり「演出家」のように見えます。
「アリス」の世界に演出家が自らはいってしまう。そんな柔軟な思考にひかれてしまいます。

伊藤キムさんのソロの場面では、ご本人に、さらにご本人の映像がかぶさって
二重になる。
同じ動きをしてるかと思うと、微妙にずれる部分もあり、なんだか今まで体験したこと
のない、脳の隅っこがむずがゆくなるような感じがしました。

4人が同じ空間で動き回ると、それぞれの役回りが途中で入れ替わるような場面
もありその転換がすばやくて鮮やか。
追う者と追われる者が、入れ替わってしまうおもしろさというのでしょうか。

客席は出演者の関係者が多数だったようで、こういう客席は舞台でなにをやっても
好意的な意見を言っているので、どうも居心地が悪くて嫌いです。
そうは書きましたがつまらなかったわけではなく、出だしこそ「不思議の国のアリス」でしたが、
後半は全く違う別の世界になっていておもしろかったです。
posted by みどり at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月15日

タカイズミプロジェクトVol.1 「Over The Rainbow・・・ アリス的不完全穴ぼこ墜落論」

タカイズミプロジェクトVol.1「OverThe Rainbow・・・ アリス的不完全穴ぼこ墜落論」


タカイズミプロジェクトVol.1
「Over The Rainbow・・・ アリス的不完全穴ぼこ墜落論」@青山円形劇場
作・演出:高泉淳子  衣装・美術:宇野亜喜良
出演:高泉淳子、山本光洋、遠藤守哉、大林洋平、羽田謙治、高島玲、眞中幸子



7月10日(木)に観に行っています。
高泉淳子さんの新作書き下ろしの舞台は6年ぶりだそうです。
前作は「テーブルの木下で」だと思いました。


今回宇野安喜良さんによる舞台美術、衣装はかわいくて、ほんのちょっと挑発的で退廃的。

冒頭舞台にいるのは高泉淳子さん演じる大きなリボンをつけてる女の子。アリス?
場面変わると、さっきまでまで少女を演じていた高泉さんが老婆になってそこにいます。このあたり展開はあざやか。
どうやら一人暮らしをしているらしい老婆は買い物から帰ってきたばかりのようで、
留守電のメッセージを聞いている。
メッセージは通販のお知らせや、振り込め詐欺の「おれおれ」を連発する男性の声。

老婆の思いは少女の頃に戻り、かつて憧れていた男の子のこと、少女から大人の
女性に成長してからの恋愛への思いなど、くるくる変わる。
変幻自在な高泉さんの演技、他の方にはなかなかマネできないと思います。

ただ今回はその舞台からは「家族」は全く見えていませんでした。
それが悪いというわけではないけれど、一人の少女(多分アリス)=老婆(多分年老いたアリス)
の思い(あこがれとか、とまどいとか、不満とか)が、永久循環のようにそこにとどまって
いるように見えて、私にはちょっとだけ息苦しい。
この舞台に登場するアリスは、落っこちた穴ぼこからはい上がれないでもがいているみたいに見えました。

かつての名作「僕の時間の深呼吸VOL.3」と、どうしても比較してしまいます。
高泉さん演じる小学生の山田のぼる君は、勉強は出来ないし、周囲ともうまくいかない。
でも、とまどいながらも「なんとかなるさ」とばかりに自分の時間をしっかり生きている。
軟弱に見えた彼は周囲のことを全て受け入れて、実はとてもたくましく生きていたのだと思う。
少年から定年退職する年齢になるまでのいろいろな場面をにごちゃ混ぜにしながらも、ラストは
頭のてっぺんから突き抜けるような爽快感と開放感がありました。
あの名作を超えるのはやはり難しいようです。


劇団遊機械全自動シアターが解散になってから、高泉淳子さんは役者ではなく歌手と
してライブハウスでの活動が目立っていました。
劇団では出演者がアイデアを持ち寄って芝居を作り上げていくという手法をとって
いて、アイデアをメインで出していたのは高泉さんだったそうです。

当時私が見て感動したのは1991年1月公演「僕の時間の深呼吸VOL,3」でした。
なんと17年前とは・・・。
当時のポスター(感動してサイン入りポスターを購入)を見ると構成・演出:吉澤耕一、
共同演出:白井晃、台本:高泉淳子となっていました。

今回の公演では吉澤耕一さんは、照明のみを担当されていました。
劇団解散後はいくつかの公演に出演が無いわけではなかったけれど、遊機械で
ご自身が作りだし、演じてきた名キャラクター「山田のぼる君」のイメージが強すぎて、
それを上手く振り払えてないように見えました。
最近の役者としての活動は毎年年末に行われる「ア・ラ・カルト」のみ。
この公演は大好きで毎年かかさず見ています。
この公演はかつての遊機械公演と同じく、吉澤耕一さんが演出を担当されていることが多いです。
以前は同じ劇団員で、今ではパートナーの白井晃さんも出演している。
どうやら私は「吉澤耕一+高泉淳子+白井晃」で作り出すハーモニーが好きなようです。
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2008年07月13日

劇団☆新感線2008年夏興行「五右衛門ロック」

劇団☆新感線2008年夏興行「五右衛門ロック」


劇団☆新感線2008年夏興行「五右衛門ロック」@新宿コマ劇場
作:中島かずき  演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、北大路欣也、他



7月8日(火)に観に行っています。
6日がプレビュー公演、8日が初日でした。
新宿コマ劇場も、今年いっぱいで終幕だそうでその前に来られてよかったと思い
ました。


実在した大泥棒、石川五右衛門は1594年に処刑されたという記録は確かにある
もののそれ以外の生前のことについてはよく分かっていないそうです。
謎が多い分、その人物像やエピソードを自由に盛り込めるわけで数々の物語や
舞台、映画のヒーローになったようです。

今回の話も、新感線らしい破天荒な展開を見せてくれました。
いったんは捕まった石川五右衛門(古田新太)。
逃げ出し、たどり着いた不思議な島・タタラ島。そこを治める謎の王クガイ(北大路欣也)。
島から採掘される月生石(げっせいせき)にはとてつもない価値があるらしい。
五右衛門を追いかける役人(江口洋平)、外国の武器商人(川平慈英)、
大将軍ボノー(橋本じゅん)、そしてグガイの妃であった母を殺され復讐を誓うカルマ
王子(森山未來)が入り乱れます。



劇団☆新感線の看板役者の古田新太を石川五右衛門に、そして新感線とはまったく接点がない
と思えた北大路欣也をゲストに迎えての今回の公演、物語も時代劇の
枠を軽く飛び越えてしまう展開を見せてくれます。
しかも歌の場面がやたら多い。
ミュージカルとはいいがたい、どちらかというとほとんど歌謡ショーののりです。
物語の進行は歌が入る分、パワフルな舞台ですがとにかく長い!
一気に見せてくれたよ、と思う方もいたでしょうが私にはちょっと長かった。
客席に長時間拘束されるのは苦手なので・・・。

とはいえ、古田新太さんはやはりすごい。ハンサムとは言いがたいのですが
この方の演じる石川五右衛門はどこかいい加減で、とんでも無い悪党だけど
いざとなるとかっこいい。
北大路欣也さん、さすがの風格をかんじさせてくれました。
べたべたの時代劇専門の方かと思ってましたが、いのうえひでのりの演出は
いい方へ持っていってくれたようです。
個性的な出演者の方々の競演も楽しい舞台でした。

6時開演、途中休憩20分はさんで終演が9時半頃でした。


劇団☆新感線2008年夏興行「五右衛門ロック」  新宿歌舞伎町にて
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2008年07月09日

「ニッポンの映像」展&「維新派という現象」展

「ニッポンの映像」展



「ニッポンの映像」展&「維新派という現象」展@早稲田大学演劇博物館
入場無料


7月4日(金)に早稲田大学構内にある演劇博物館へ久し振りに行ってみました。

「ニッポンの映像 写し絵・活動写真・弁士」展
7月1日〜8月3日まで

映画前史とも言うべき「写し絵」は、江戸後期から明治、大正に渡り庶民に親しまれた
和製の幻燈芝居で、西洋の幻燈を参考にした風呂と呼ばれた木製の幻燈機と
ガラス絵付きの種板(スライド)を用いたものだそうです。
「写し絵」という名前は聞いたことはありますが、実物は今回初めて見ました。
横長の種板には何枚かの絵が付いていて、演者が風呂と種板を操作して幕に
投影した絵に動きを与えたのだとか。
当然、ここに演者による語りも加わったのでしょう。

映画が上映されるようになると、当時はまだ無声映画なのでスクリーンの横で楽器演奏が
行われるようになりますが、さらにここで様々な解説・語りを行う弁士という職業が生まれたのは日本独特のものだったらしい。
日本では昔から人形浄瑠璃や、落語、講談などの語りの芸があったからその影響を
強くうけて生まれてきたようです。

今回の展示では弁士・駒田好洋の資料を中心に現存最古の国産映写機、当時の映画についての
新聞記事や、ポスターも紹介されていました。
映画史初期の頃の弁士は人気も高く、社会への影響力も大きかったようで、当時は
なんと免許制だったそうです。
弁士の活躍が、映画を日本全国に広めていく役割もになったようです。

なにかと興味津々の展覧会でした。


「維新派という現象」展


「維新派という現象」展
6月2日〜8月3日まで
維新派公式サイトはこちら

関西を拠点に活動をしている劇団維新派を紹介した展示です。
主に野外劇を上演している劇団で、私も好きでよく観に行きます。
公演は年に1、2度で関東に来てくれることがほとんどないのでこちらから出向くしか
ないので少々やっかいなのですが。

維新派の公演を始めて見たのは1991年の東京公演「少年街」。
1995年の「青空」以降、関東に来てくれないのでブランクがあり、しびれを切らして
観に行ったのは2001年の室生公演「さかしま」でした。

近年の公演は2006年に大阪・梅田劇場での公演「ナツノトビラ」(もちろん観に行ってます)。
2007年は大阪、埼玉(2008年2月京都公演)での公演「nostalgia」も劇場での公演。
今年10月びわ湖で行われる「呼吸機械」は2004年の「キートン」以来4年ぶりの
野外劇。
「キートン」は大阪までわざわざ観に行ったのに、当日大阪は台風の直撃で公演中止という
なさけない事になってしまいました。
(別の日に大阪まで行く財力は無かったので、結局この公演は観られませんでした)

展示は当初1階から3階までを使っての展示だったのですが、私が行ったときは1階の展示は
何かの事情で中止になっていました。


松本雄吉による作・演出の維新派の公演は、セットが大規模で、特に野外劇ともなれば
その大きさはびっくりするものがあります。
ジャンジャンオペラといわれる、関西弁のイントネーションを生かした変調子のリズム
を駆使した呪文のようにも聞こえるセリフ、内橋和久によるオリジナル音楽も心地よいです。

今回の展示は、公演の記録映像、写真、新聞・雑誌の記事、小道具などの展示でした。
展示コーナーの一角では以前の公演「ナツノトビラ」をモチーフにしたインスタレーション。
公演の記録映像と、公演で使われた衣装とセミのイメージを元にして作られたオブジェを組み合わせたもの。
映像、白いセミのオブジェ、人形、オブジェとして展示されているセリフの断片、これらで作られた空間。
これは公演を観ていた私にはとてもおもしろいものでした。

このインスタレーションを作った方の名前が無いのが残念でした。

10月のびわ湖水上特設舞台による野外公演「呼吸機械」観に行く予定です。
久々の維新派の野外劇、とても楽しみです。
またまた台風と遭遇しませんように・・・。

維新派公演「呼吸機械」
posted by みどり at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月07日

ティーファクトリー公演「路上2」

ティーファクトリー公演「路上2」


ティーファクトリー公演「路上2」@SPACE雑遊
作・演出:川村毅
出演:小林勝也、山崎美貴、伊澤勉、関洋甫、すがぽん、柊アリス
6月28日〜7月6日まで 終了しています


6月3日(木)に観に行っています。
「路上2」というタイトルからすると「路上」という作品があるようですが、前作に
ついては全く知りません。

SPACE雑遊はとても小さな会場です。
手を伸ばしたら役者さんにさわれちゃいそうです。

舞台スペースにあるのは棺桶のような細長い木の箱、そのそばには「ご自由にお使
い下さい」と書かれた立て札が。
現れた「男」(小林勝也)は、記憶喪失になっているようす。
入れ替わって「女」(山崎美貴)とその愛人らしき「もう一人の男」(伊澤勉)があらわれ、
女の夫殺害の相談をしているらしい。
「もう一人の男」が連れているのはジョン(すがぽん)。「女」が連れているのはノラ
(柊アリス)。
「男」と「女」と「もう一人の男」とジョンとノラと、路上で歯磨きをする男(関洋甫)。



小林勝也さんは、登場しただけでなんだか存在感があります。
他の出演者の方とは明らかにちがっていました。

どうやらジョンは犬でノラは猫らしいのですが、特にジョンは犬かと思っていると
人間的な振る舞いもみせるので犬?人間?のどちらなのか曖昧になっています。
こんな曖昧で変幻自在な表現が可能なのも、演劇の空間ならではのおもしろさ。
すがぽんさんは、もともとはパントマイムが専門の方なのでその表現はうまいです。
柊アリスさんは、くるくると回るダンスで機敏でしなやかな猫を表現していました。

路上で繰り広げられ、つい見かけてしまった、見てはいけない場面。
濃い内容かというとそうでもない。割とあっさりしています。
とりとめのない謎の世界をかいま見たような、そんな感じがする公演でした。
路上に何か置いて、そこに男と女と、もう一人の男を登場させて何か会話をさせれば
いくらでも話が作れそうなかんじです。
上演時間は約1時間20分でした。
posted by みどり at 09:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月01日

六月大歌舞伎 昼の部 「新薄雪物語」「俄獅子」

2008年 六月大歌舞伎



六月大歌舞伎 昼の部
「新薄雪物語」「俄獅子」@歌舞伎座

6月27日(金)に3階B席で観ています。
平日の昼間に芝居見物なんて久し振りです。年配の方が多く、私にはちょっと居心地がわるい。

「新薄雪物語(しんうすゆきものがたり)」
なかなか上演されることが少ない作品だそうなので興味を持ちました。
今回は序幕から三幕目までの上演で、約三時間。これでも全編では無いそうです。

薄雪姫(中村芝雀)と園部左衛門(中村錦之助)の若い二人の恋が話の発端。
二人が鎌倉将軍に呪いをかけた、という疑いがかけられ、互いの父親が相手の子
を預かり処分して見せようと意地をはりあい、結局は自分の命と引き替えに子を
守ろうとするまでの話。

桜の咲く清水の舞台が冒頭のシーン。華やかです。
物語はとてもわかりやすいです。今回は、ここまでで実際の物語はさらに先まで
あるわけで先がどうなるのか気になります。
薄雪姫の父の幸崎伊賀守を中村芝翫、園部左衛門の父の園部兵衛を松本幸四郎。
松本幸四郎さんが好きなので、うれしい配役でした。


「俄獅子(にわかじし)」
「俄」というのは、パンフレットから引用すると「太陰暦の八月朔日から晴天三十日間
に渡って行われた、吉原の代表的な行事のひとつで「仁和加(にわか)」とも記されます。
吉原の遊女や禿(かむろ)たちが仮装し、評判になった歌舞伎舞踊などをみせて郭を練り歩くというもの」、だそうです。

芸者を中村福助、鳶頭を市川染五郎という配役。
祭り囃子も賑やか、華やかな長唄舞踊でした。
こういうのは見ていて頭を使わないで済むので楽ですf(^―^;
posted by みどり at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月24日

デボラ・コルカー・カンパニー公演「ルート ROTA」

デボラ・コルカー・カンパニー公演「ルート ROTA」(



デボラ・コルカー・カンパニー公演「ルート ROTA」(日本初演)@神奈川県民ホール
振付:デボラ・コルカー Deborah Colker


6月21日(土)に観に行っています。
ブラジルのコンテンポラリー・ダンスのカンパニーの初来日公演ということなので、
興味を持って行ってきました。
もちろん初めて知った振付家さんです。
子どもの頃からクラシックバレエをやっていた、というのはよくあるパターンですが
10代の頃にピアノコンクールで大きな賞をとってコンサートを行ったり、バレーボール選手
として活躍したりとかなり多彩な経歴をもった方のようです。
テレビやショーの振付、カーニバルのサンバの振付などを行う中自身のダンス・カンパニーを
立ち上げたのは1994年、1995年には「VELOX」という作品で賞をとっているそうです。

今回の初来日公演「ROTA」は1997年に賞を受けている作品だそうですから、初演から
すでに10年たっていることになりますね。


前半。
冒頭はクラシックの音楽にのせて、バレエを思わせるカップルのダンス。
男性が女性を持ち上げるのはバレエでよく見る形ですが、女性が下がるときに
チュチュのようなドレスのスカートがめくれ上がるからパンツが丸見えf(^―^;
バレエと違ってタイツはいてないから素足にパンツが見えるのがちょっとドキッと
するというか、コミカルと言うとか、ぶざまというか、およそバレエらしからぬ景色です。
舞台の向こうに見える幾何学的図形は洋服の型紙だそうです。
チラシで初めて見たときは分かりませんでしたが、こうやって拡大して何種類が重ね
られているととてもおもしろい。
舞台の床にも同じ図形があったようですが、1階の私の席からは全く見えませんでした。
その後、数名の男女が流れるように動くダンス。
バレエ風に見えるけれど、やはりちょっと違う。その違う感覚が舞台が進行するにつれて、
だんだん強くなってきます。もちろんこういう演出なのでしょう最後は全員床に座って、
かけ声までかけてまるでボートに乗ってオールを元気よくこいでいるような動き。
これで前半が終幕。


後半、両脇にはハシゴのような物、中央には巨大なリング。ハムスターが中で走って
まわすあのリングを思わせます。
実際、このリングの中にダンサーが入って回したり、ぶら下がったりして、ダンスという
よりサーカスを思わせます。
リングの鉄ワクにぶら下がって丸くなってるダンサーを見るとなんだか繭玉を連想します。
そのままリングが回ると、まるで観覧車。
ハシゴを上下するダンサーの動きと、リングの中で回転するダンサーの動きの組み合わせがおもしろい。
縦の動きと、回転する円の動きの組み合わせの妙とでも言うのでしょうか。

配布物に乗っていたデボラさんのインタビュー記事をみると、前半は「水平」に関する
思考の流れを、そして後半は垂直方向の空間を構成してみたかった、とのこと。

前半と後半の雰囲気がまるで違いますが、おもしろかったです。
途中休憩が20分入り、公演そのものは正味約1時間でした。
このカンパニーの別の公演が観たくなりました。
posted by みどり at 09:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月21日

演劇集団キャラメルボックス公演「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」

演劇集団キャラメルボックス公演「ハックルベリーにさよならを」



演劇集団キャラメルボックス公演「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」@新宿シアターアプル
作・演出:成井豊


6月12日(木)に観ています。
上演時間60分の「ハーフタイムシアター」、通し券で2作品続けてみてきました。
こちらの劇団で言う「ハーフタイムシアター」、昔は上演時間45分の作品のこと
だったのですが、数年前から60分作品に変わってきました。

今回の上演作品「ハックルベリー・・・」は旧作、「水平線・・・」は新作公演です。
「ハックルベリー・・・」はかつて観ていて好きではない作品だし、新作もあまり
期待する気持も起きなかったため、今回ほとんど気持が舞台にのめりこめません
でした。
この劇団の公演を観ていると児童相手の劇団かと感じてしまいます。
もう20年(!)近く前から観ていますが、最初に観たときはこんな風ではなったのに。
昔はアットホームな感じがしていたのですが、いつの間にか何だかこちらのことを
子ども相手にしているような感じがする・・・ようになりました。
いいなと思っている役者さんは結婚や、TVで出演で消えてしまうし、在籍していても
役者からスタッフに変わっていている。
つまり私も長年観ているから劇団内も世代交代が進んでいる、とうことです。
芝居も劇団も「生もの」だということですね。なんだかかっがりします。
しかし1年間公演を見続ける「トライアスロンパス」は購入していますから必ず
見続けていきます。

今回あまり感想が書けません。しかもかなり辛口です。ごめんなさい。


「ハックルベリーにさよならを」
小学6年生のケンジは母と二人暮らし。「面会日」にはお父さんと会えるし、近くの
池でボートに乗れるのがとっても楽しみ。
ある日お父さんの部屋に見慣れないカオルと名乗る女性がいて、ケンジはびっくり
しますが・・・。

ケンジにしつこく寄ってくる女の子、役者さんの演技がうまくないし、ギャクの感覚も
言葉も古いままの演出なので観ていて非常にうっとうしい。


演劇集団キャラメルボックス公演「水平線の歩き方」




「水平線の歩き方」
岡崎(岡田達也)が仕事を終え、アパートに戻るとそこには彼が小学6年生の時に
亡くなった母が。怖いよりも懐かしく思う岡崎でしたが、なぜ今母は目の前にあらわれたのか・・・。

見終わると前にこの劇団の公演「クロノス」を思い出しました。
梶尾真治著「クロノス・ジョウンターの伝説」の舞台化です。この公演は私もすきで
一般的評判もよかったようです。
今回の「水平線・・・」も愛する人を助けるために・・・というあたりが「クロノス」に似ていると感じます。
というよりほとんど影響を受けて書かれた話としか思えません。
成井豊さん、作家としてはややオリジナリティーに欠けると感じました。
岡田達也さんの演技は良かったと思いました。
posted by みどり at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月18日

「恐竜と隣人のポルカ」

「恐竜と隣人のポルカ」



「恐竜と隣人のポルカ」@PARCO劇場
作・演出・出演:後藤ひろひと
出演:寺脇康文、水野真紀、手塚徹、竹内都子、石野真子、他


6月9日(月)に観に行っています。

お話はこんな風です。
戸田幸雄(寺脇)と、お隣の熊谷柿一郎(手塚)は幼なじみ。
幸雄は妻(水野真紀)と引きこもりの息子の三人家族、柿一郎は妹(竹内都子)と大学生の娘の三人家族。
ある日、幸雄の敷地内から骨が出たらしい。
戸田家ではコレを元に金儲けが出来ると考えたが、隣の家でも敷地内から恐竜の骨が出たらしい。
テレビ番組の取材でレポーターとして「石野真子」がやってくることになる。
「石野真子」は幸雄と柿一郎にとって、かつてのアイドル。
戸田家と熊谷家は、恐竜と「石野真子」をめぐり互いに先取権は「こっちだ」という
争いがエスカレートします。



なんというか、頭を使わなくても楽しめる作品です。
つまりはっきり言って、見終わって何にも全然残らない娯楽作でした。
開演前、会場に入って自分の席を探そうとしていたら、「探検隊」スタイルの役者さんが
ピーッと笛吹くから「なんだ?」と思ってそっちをみたら、両手を出して「ちょうだい」
のスタイル。案内するからこっちにチケット渡してちょーだい、ってことらしい。
早速案内してもらいました(^_^)

作・演出の後藤ひろひとさんは、登場場面は少なくても目立つおいしいキャラクター
を演じているのもいつもどおり。

見終わって何にも残らない、と書きましたが一つ疑問が残りました。
なんで片方の家は夫婦で、片方は兄妹なのか?
手塚徹演じる柿一郎はとっても変人で、これで娘がいるなんて不思議です。
こんな変人と結婚する女性なんているのか?今いないのは死別?離婚?
説明なんてありません。
ふくよかな竹内さん演じる妹は、パワフルな雰囲気がすごいですが、細身の手塚さんと
並んでしまうと妹というよりもっとオバサンの感じがします。
いっそのこと、柿一郎のお母さん役という設定でもいいんじゃないでしょうか??
マザコンの柿一郎という設定ならあの変人ぶりも理解できます。

寺脇さん、水野真紀さん演じる夫婦はごく普通の夫婦なので、両家とも夫婦にしなかった
のは話にアクセントをつけるためだったのか、それとも最初は手塚・竹内は夫婦役だったけど、
夫婦役はイヤだ、と申し出があったのか?

戸田家に比べると、手塚・竹内の熊谷家は変人一家と言えますが、こういう舞台で
観てしまうと、もっともっと羽目外してめちゃくちゃやってくれてよかったと思いました。

石野真子さんは最初「石野真子」の偽物役で登場しますが、偽物のいい加減ぶりがけっこう
はまっていて、もしかしてこの方石野真子のそっくりさん?と思ってしまいました。

後藤ひろひとさんの作品としては、中程度のまあまあの娯楽作品かとおもいました。
posted by みどり at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月17日

六月大歌舞伎 夜の部

2008年 六月大歌舞伎



六月大歌舞伎 夜の部「義経千本桜 すし屋」「身替坐禅」「生きている小平次」「三人形」@東京 歌舞伎座

6月7日(土)に3階B席で観ています。
5月は歌舞伎座公演を観に行かなかったので、6月は見ておこうとチケットを
取ったのですが、夜の部の演目は興味が持てませんでした。
「すし屋」はTVで何度も観たことあるし、「身替坐禅」は去年見てる演目ですし。
3階B席は2500円と安いからまあいいや、と思ったのでした。


「義経千本桜 すし屋」
「すし屋」は原作の三段目だそうです。私は未だにこの話の全貌を見たことがありません。
全貌知らないで、話の一部を見るのですからおもしろいわけがなく、雰囲気を楽しむだけです。
大和国吉野下市村にある釣瓶鮨屋(つるべすしや)が舞台。
店で奉公する弥助(市川染五郎)じつは、三位中将維盛(さんみちゅうじょうこれもり)。
訳あって身分を隠して、この店にかくまってもらっている身で、店の娘のお里(中村
芝雀)は彼に恋をしています。
恋するお里の積極的な様子がかわいい。


「身替坐禅(みがわりざせん)」
大名の右近(片岡仁左衛門)は知り合った遊女の花子に会いに行きたいが、奥方の
玉の井(市川団四郎)が怖くて屋敷を出られない。
屋敷の中で坐禅をすると言って、部屋にこもることにするが自分の身替わりを
太郎冠者(中村錦之助)に頼む。
途中で身替わりがばれたことも知らないで、機嫌良く帰っている右近ですが・・・。

配役は違いますが、たしか去年も見たことのある演目です。
これは話も分かりやすいし、玉の井の恐妻家ぶりがおもしろいのでよく上演される
ようです。
市川団四郎の玉の井がよかったです。


「生きてる小平次(こへいじ)」
作:鈴木泉三郎   演出:九代琴松(=松本幸四郎)

原作戯曲は大正13年に雑誌「演劇新潮」に発表されているそうです。
太九郎(松本幸四郎)と小平次(市川染五郎)は、ともに旅一座の役者で長年の友人
でもあった。太九郎の女房のおちか(中村福助)に恋している小平次は、ある日
太九郎におちかを譲ってくれと言いだす。
争っているうちに太九郎は小平次を殺してしまう。
その後、殺したはずの小平次が太九郎とおちかの前に姿を現しますが・・・。

大正時代に書かれただけあって他の歌舞伎演目とは、ちがってかなり新しい感じがします。
市川染五郎演じる小平次は、いかにも恋に盲目になるあまりせっぱ詰まったようすが
良く出ていたとおもいます。
松本幸四郎の演じる太九郎の粗野な雰囲気がよかったです。
中村福助演じるおちか、一見おとなしい女かと思ってると、結構身勝手。
約1時間ほどの作品ですが、見応えがありました。

「三人形」
夜桜の吉原仲之町。
傾城(中村芝雀)と若衆(中村錦之助)と奴(中村歌昇)の三人による舞踊。
おもしろいとは思いませんが、視覚的にきれいな舞台でした。
posted by みどり at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする