2008年08月13日

映画「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」

「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」


映画「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」@MOVIX亀有
監督:木下克英  脚本:沢村光彦
出演:ウエンツ瑛士、北乃きい、田中麗奈、大泉洋、間寛平、寺島しのぶ、他


8月11日(月)に観に行っています。
去年公開された劇場版は隅々まで丁重につくられた感じがあり、とてもよくできたエンターテイメントでした。
私は劇場に2度観に行ったし、特典映像満載のプレミアム・エディションのDVDまで購入してしまったくらいです。


<あらすじ>
巷で噂の都市伝説「呪いのかごめ歌」を聴いてしまった女子高生の楓(北乃きい)
の手に現れた不気味な「鱗」。
謎を追った鬼太郎(ウエンツ瑛士)達は千年前に封じ込められた悪霊が現世に解き放たれた事を知る。
鱗は悪霊が、襲う相手をあとで分かるようにつけた目印。
悪霊を封印するためには五つの古楽器が必要で、鬼太郎達はそれを探し回ります。
悪霊の正体は「濡れ女(寺島しのぶ)」。
もともとは猟師にいたずらをするだけの妖怪で、人間の若者と恋に落ち、ある時人間の姿になった妖怪だった。
若者との間に子どもまでもうけて幸せに暮らしていたが妖怪をおそれる村人に殺されてしまいます。
人間に復讐し、かつての美しい姿に戻りたいと願う「濡れ女」は「ぬらりひょん(緒方拳)」に
協力をしていたのですが、彼女自身も人間滅亡を企むぬらりひょんに騙されていた
ことを知ります。




期待していた今回ですが、何だか前作とかなり違うのでとまどってしまいました。
なんだかかなり荒っぽい。
監督が違うのかと思ったくらいですが、そうではありません。

演出のせいでしょうが猫娘なんて前作とかなり感じが変わってます。
前作はすなおにとってもかわいかったのに、今回はかなり粗野な感じ。
演じているのは前作と同じ田中麗奈さんが演じてますが最初別人かと思ったくらいです。

ソ・ジソブさん演じる異国の妖怪「夜叉」は胡弓を持ち、長いストレートヘアで
これはとてもかっこいい、素敵です。
緒方拳さん演じる「ぬらりひょん」悪くないけれど、この方はどんな役を演じていても
やっぱり緒方拳にしか見えないな、と感じてしまいます。

途中、夜叉に刺されて倒れた猫娘が後のシーンで元気になっているのはどういう
わけなのか。

鬼太郎達が濡れ女の事を知る場面で、再現ドラマを観て感心するとはなんだか
あまりにもお手軽すぎる表現でがっかり。
物語もあちこちの説明がちょっとだけ抜け落ちているような感覚があり、ここはこうなんだろうなあと、
自分の頭の中で補足しつつ観てました。

閻魔大王の計らいで鬼太郎は、生みの母と初めて会う機会を与えられていたのに、
物語の流れの中でその機会を逃します。
ただ一度の機会だったはず。
鬼太郎も絶対会いたかったはずなのに、それをあきらめるのです。
そのあたりの彼の心情が全くと言っていいほど描かれていないのがあまりにももったいない。
これが描かれていたら「濡れ女」が我が子に会いたい思いと、鬼太郎の母への思いが重なり、
物語にも深みが出たと思うのにじつにもったいないです。
posted by みどり at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月05日

映画「雪之丞変化 総集編」1935年作品

長谷川一夫と衣笠貞之助 特集


これから数日、7月に観に行って書き漏らしてしまった分を書き留めたいと思います。



特集「スターと監督 長谷川一夫と衣笠貞之助」
映画「雪之丞変化 総集編」1935年作品 @東京国立近代美術館フィルムセンター
脚本・監督:衣笠貞之助  原作:三上於菟吉
出演:林長二郎(=長谷川一夫)、嵐徳三郎、他


7月20日(日)に観に行っています。
 6,7月と約2ヶ月かけて開催された特集の最終日でした。
三上於菟吉の「雪之丞変化」は何度も映画化されていて、今回の特集でも市川崑
監督で長谷川一夫主演版(1963年)の上映があり、これも観ています。

親の仇討ちのため、旅回りの一座で女形として身を隠す中村雪之丞。
仇討ち物語に殿様のお抱えもので雪之丞に恋する波路、怪盗・闇太郎、スリのお初
が絡んできます。


1963年版は、市川崑の照明、画面構図などに実験的ものが感じられおもしろいのですが、
今見ると残念ながら、かえってセンスが古い感じがありました。
長谷川一夫(1908−1984)のやや太めの体型も気になる作品でもありました。

今回の衣笠版、製作年代が早いだけあって長谷川一夫(当時の名前は林長二郎)が
若い!細い!
市川版では主人公の雪之丞と闇太郎の一人二役でしたが、衣笠版ではさらに雪之丞の母親も
演じる一人三役を見せてくれています。

惜しいのは今回の上映は上映時間97分の「総集編」。
元を知らない私が観ても、かなりのダイジェスト版になっていると感じました。
もとは3時間くらいあったのではないでしょうか。そんな気がしました。
私は雪之丞と、彼に恋する波路のやりとりの場面が観たかったのですが、ほとんど
ありませんでした。

それでも雪之丞が舞台に出演し、その舞台下で陰謀が進行するようす、この二つを交互に見せる
場面が、とても迫力がありました。
テンポの早いお囃子で獅子が激しく舞い、舞台を観ている観客の興奮もつたわってくるようです。
舞台と舞台下のようすを観ているこちらもドキドキしてきます。
この先どうなるんだ!?ともりあがって来たところで舞台はクライマックスでチョーンと拍子木が鳴り
拍手喝采の中、幕が引かれ下の騒動もけりが付く。
舞台を観ている人達は舞台下の騒動は全く知らないまま終わるのです。
今見ても全然古びていません。
すばらしい演出だと思いました。



7月の早稲田退学構内のある演劇博物館へ行きましたが、長谷川一夫主演の
舞台版「雪之丞変化」の紹介もありました。
舞台で使った衣装の展示もあり、とても興味深かったです。
posted by みどり at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月27日

映画「崖の上のポニョ」

映画「崖の上のポニョ」


映画「崖の上のポニョ」@MOVIX亀有
監督:宮崎駿
声の出演:ポニョ(奈良柚莉愛)、宗介(土井洋輝)、フジモト(所ジョージ)、他
音楽:久石譲

公開初日、7月19日(土)夜10時10分上映開始のレイトショーを観に行っています。
公開前からさんざんテレビで流れているCMのおかげで、「ポーニョポニョポニョさかなのこ〜・・・」
とつい口ずさんでいる自分が怖いです。
このテーマ曲、大ヒットですね。

魚の女の子が人間の男の子が好きになって、人間になってしまうというお話し。
ほんとにそれだけです。


見終わってすぐ思ったのは、この作品監督は自分のお孫さんに見せたくてつくったんじゃないのかと思いました。
「トトロ」は大人にも楽しめる作品だったけど、今回は主人公が幼すぎるせいかしっかりお子様向け、
と感じました。
ひたすら子ども向けで大人が観るとやや物足りないかも。
でも隅々までていねいに作られたよい作品だと思います。

女の子は不思議な力があるらしく、普通の魚ではないらしい。
魚の女の子、本名はなんと「ブリュンヒルデ」、その後であった人間の男の子宗介が
「ポニョ」と名付けます。
お父さんは元は人間だったらしく人間の姿をしていますが、お母さんは魚ではなく
なんだか海の精霊か女神様のような感じ。
いろんな謎はあるけれど、細かい説明は一切ありません。

このお父さんとお母さんからどうやってポニョみたいな子がうまれるの?なんて
考えてしまったけれど、こんなこと考えるのは大人のいやらしさですね(#^_^#)

キャラクターの中ではお父さんのフジモトがなかなかいいです。
アニメの中では一切説明がありませんが、ジュール・ベルヌ作「海底二万リーグ」
の中で登場する唯一の日本人キャラクターを元にしているそうです。
この小説は以前読んだことがありますが、昔すぎてすっかり内容を忘れてしまい
ました。

ポニョが宗介を好きになって、ひたすら人間になりたい!と願い追いかける様子は
けなげを通り越して、バイタリティーに溢れています。
人間の女の子が、男の子を好きになって追いかける時のどこか不純なもの(どこか不純なの?と
いわれそうですが)は一切感じられず、ひたすら純粋。
すがすがしいくらい純粋です。

ポニョと宗介の話と並行して、宗介の両親リサと耕一の事も描かれていますが
仕事でなかなか家に帰ってこない船乗りの耕一に、リサは不満たらたら。
かえってこちらの様子が見ていて苦しい。
リサは老人のいるホーム(たぶんグループホーム)で働いています。
ここのおばあちゃん達がみんな明るく元気。
私は介護度「要介護5」の身内がいるので、元気なおばあちゃん達をみたら
おもわず涙がボロボロ・・・。

宮崎駿さんの作品では絵も細部に気を遣っているのが楽しい。
ポニョと宗介がインスタントラーメンを食べる場面、ハムとネギとゆで卵がのった
ラーメンのおいしそうなこと!
で、ラーメンを食べた直後、というか食べてる途中でポニョが倒れるように爆眠してしまうところで笑ってしまいました。

子ども向けを意識したのか、デフォルメした絵柄。
そんな漫画チックな絵柄に、フルオーケストラの久石譲さんの音楽は荘厳すぎるような気もしますが、とてもきれいです。
久石さんの音楽は好きなのですが、今回スターウォーズのパロディみたいなメロディを入れたのは
場面を盛り上げる為とはいえ、ちょっと止めていただきたかったなと
感じました。

最後にこれだけは言いたい。
海の魚のポニョが、男の子に捕まって、というか助けられた後水道水を入れたバケツに入れられるけれど、
ほんとにそんなことやったら死んじゃうでしょう。
アニメだし、ポニョは普通の魚じゃないし、と理由はあるけれど見ていてアレ?と
感じる場面は宮崎アニメには入れてほしくなかったです。

子どもの頃、家で金魚を飼っていたことがありますが、水道水はバケツにいったんくんで
一晩おいてから使っていました。
こうすることで塩素が抜けるようです。



東京都現代美術館では7月26日〜9月28日まで「スタジオジブリ・レイアウト展」
開催されています。
去年はジブリの背景画を担当された男鹿和雄さんの展覧会がありましたが、この時は入場に
2,3時間待ちという大変な人気でした。
今回も混みそうなので平日の開館時間にあわせて行こうと・・・・とおもったら、
今回は日時指定の予約制。
チケットはローソンでのみ販売だそうです。
皆さん、気をつけてください!

また、都心の地下鉄・東京メトロでは、この展覧会と連動した「スタンプラリー2008」
7月19日〜8月31日まで開催されています。
これはポニョのイラスト付き一日乗車券買うと、スタンプ帳とそれがはいるエコバック
がもらえ、指定されたポイント駅に設置されたスタンプを6個集めると達成記念品の
「ポニョネームタグ」がもらえると言うもの。
一日乗車券は大人と子どもで絵柄が違っているのが悔しい。
もちろん両方購入してしまいましたf(^―^;

東京メトロスタンプラリー2008


放送大学の試験が終わったらスタンプ集めしてこようと思います。
posted by みどり at 09:06| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月22日

映画「クライマーズ・ハイ」

映画「クライマーズ・ハイ」



映画「クライマーズ・ハイ」@MOVIX亀有
監督:原田眞人  原作:横山秀夫著「クライマーズ・ハイ」
出演:堤真一、堺雅人、小野真千子、高嶋政宏、山崎努、他

7月16日(水)に観に行っています。
1985年8月12日、群馬県の雄巣鷹山(おすたかやま)に日航機123便ジャンボ機が墜落。
死者520名。一機による事故では、死者数が未だに世界最大の航空機事故です。


クライマーズ・ハイというのは私は初めて聞いた言葉ですが、「登山時に興奮状態が
極限まで達し、高さへの恐怖感が麻痺してしまう状態」だそうです。

<あらすじ>
日航ジャンボ機墜落、その事故を記事にするため群馬県の北関東新聞社で全権デスクを委任された記者の悠木(堤真一)。
彼は社内では少し浮いた存在。
混乱する事故現場、職場での男同士の嫌がらせ、加熱する全国紙との報道合戦、
あるスクープを入手するが悠木は裏付けがきちんととれていないことで、報道するか
否かの決断を迫られます。



観ていてよく分からない部分や疑問がいくつかありました。

映画は、1985年の事故当時の場面と、今現在の年を取った悠木が登山をしている
場面を交互に見せるという手法をとっています。
観ていて最初は、これはどういう意味があるんだろうか?と惑いながら観ていました。
緊迫感のある事故当時のようすを、途中休憩でもいれるようにこの場面が挟み込まれるのですが、
あまり効果的ではないような気がしました。
事故を取材し、正確に報道しようとする記者達を描いた「熱い」ドラマですが、期待していたのと
ちょっとだけちがっていました。
観ていると登山の場面で気持が切られる感じです。


冒頭、悠木が小学生の息子を見送りするシーンがあります。
息子は一人で飛行機に乗るところ。その後で、航空機事故がおきので私はてっきり
その息子が乗っている飛行機が落ちてしまい、悠木は息子が事故機に乗っていた
ことを周囲に隠して行動をしているのかと思ってしまいました。
これは私の勘違い。でもこの映画を観た知人がやはり同じ事を思ったと言って
いたで勘違いしたのは私だけではないようす。

悠木は毎日報道のため深夜1,2時までも社内で仕事をしていますがいっこうにつかれた様子を
見せないのがちょっと不自然です。

出演者の中では事件現場に向かい、必死に現状を伝えようとする堺雅人演じる
佐山が印象的でした。
やっとの思いで自分が取材してきたのに印刷の締め切りで朝刊に間に合わないことを、
悠木が最初に告げなかったことで、後でボロボロな姿で言葉少なに不満をぶつけるところ、
すごみがあってよかったと思います。
やさしい感じの堺さんですが今まで観た中では私は、今回の役が一番好きです。


話がそれますが劇団・燐光群による「CVR チャーリー・ビクター・ロミオ」がまた観たくなりました。
世界で起きた航空機事故、コックピットボイスレコーダー(CVR)に残された「その時」の様子を元に作られた舞台劇です。
6件の航空機事故を描いていますが、その中には日航機123便の事件も扱われて
いました。
興味本位にかつ感傷的になりそうな題材を、一歩引いてかなり冷静に「その時(=
墜落の直前)」のコックピットの様子を再現したドラマでした。
熱い「クライマーズ・ハイ」とは違って、舞台も客席も劇場内はひんやりとしていて
冷静に観ている分、乗員のとまどいと恐怖が直に伝わってくるようでした。
名作だと思いました。ぜひ再演していただきたい作品です。
posted by みどり at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月18日

ぴあフィルムフェスティバルの軌跡Vol.1 「家、回帰」「変形作品 第2番」「二度と目覚めぬ子守歌」

ぴあフィルムフェルティバルの軌跡 Vol.1


ぴあフィルムフェスティバルの軌跡Vol.1
「家、回帰」「変形作品 第2番」「二度と目覚めぬ子守歌」@東京国立近代美術館フィルムセンター

7月17日(木)に観に行っています。
今年で30回目を迎える自主映画のコンペティション「ぴあフィルムフェスティバル」
の過去の入賞作品を紹介する上映会です。

今回見たのは3本。

「家、回帰」 1985年(第8回)入選作。18分、8ミリ
監督:石井秀人

「去年、祖父が死んだ」というナレーションで始まる家族のドキュメンタリー。
祖父の遺影と、誰もいない病院の廊下の映像が二重になり作者の語りが延々
続く冒頭。長かった闘病生活を暗示させるようなシーンです。
作者の目は、まだ健在だが介護が必要な老いた祖母に向けられています。
作者の母が介助しながらの祖母の入浴シーン。背中の曲がり、しなびた身体が
痛々しい。
家族として避けられない、身内の老いや死を見つめた作品のようです。



「変形作品 第2番」 1985年(第8回)入選作。30分、8ミリ
監督:黒坂圭太

冒頭現れるのは暗い画面に細かい亀裂。まるでスクリーンそのものがひび割れた
ような錯覚を覚えます。
明滅を繰り返し画面も荒れ地の地面のような、壊れた壁のようなものが見える。
炎を吹いているバーナーのような轟音も聞こえ、まるでスクリーンそのものが激しく
加工されていくような感じです。
しかし、これが延々30分続くのですからスクリーンを見続けているのはかなり苦しい。
申し訳ないけれど、この作品の何かいいのか、何がおもしろいのが全く理解できませんでしたm(__)m



「二度と目覚めぬ子守歌」 1985年(第8回)入選作。27分、8ミリ アニメーション
監督:原田浩

今回の上映会で一番見たかったのはこの作品でした。
<あらすじ>
両親を亡くし祖母の元に引き取られた小学生の男の子「出っ歯」
クラスメートからは執拗にいじめられ、暴力すらうけているが助ける者はいない。
「出っ歯」が持っていた小さな花束も踏みにじられてしまう。
それは入院していた祖母にとどけようとしていたもので、祖母はその直後自殺してしまう。
「出っ歯」の怒りはついに爆発、いじめっ子達にナイフを持って復讐してしまう。


冒頭、映画館での上映前のようなアナウンスが流れて、その遊び心がおもしろい。
しかしその後はすごい。
いじめられっ子の「出っ歯」、おせいじにもかわいくない。
いじめられ続けたせいか子どもとは思えない醜い顔、大きな出っ歯。
薄汚れて、ごみごみしてまるでゴミ箱のような街。
開発の名のもとに破壊される町、轟音と共に飛び立つ巨大な飛行機、耳をふさぐ人々。

一人の「出っ歯」に三人の男の子が暴力をふるう。
もちろん反撃する「出っ歯」ですがチビの彼には力がない。
「出っ歯」が、倒れたところを助け起こしてくれた高校生(?)のお姉さんを性的に襲って
しまう妄想場面まであって恐ろしいくらい怖い。
「出っ歯」がナイフを持って三人に反撃する場面もリアルに、執拗に描きこまれて
当然血しぶきがあがる。スクリーンから「怨念」が吹き出してくる感じです。

ラストは「出っ歯」の顔が、フィルムを逆回しするように白い紙の上のスケッチに
戻るところを見せて終わります。
ようやく悪夢の世界から脱出できた事を実感させるラストシーンでした。


「いじめ」をテーマにしているけれど、映像のなかに込められたエネルギーが半端じゃ
ないです。
しかも内容が内容なのでTVではとても放送できない作品でしょう。
この作品、外国でも紹介されているようです

チラシの解説によると、作者の原田さんはアニメーターとして活躍後、フリーになっているそうです。


<2008-07-20追記>
原田さんこの作品の後、1992年に丸尾末広作「少女椿」をアニメ化しています。
これは観ていませんが、かなりの問題作らしくDVD化もされていません。

さらにこれも知らなかったのですが2006年にTV放送されたアニメの「妖怪人間ベム」の監督もされていました。
私が知ってる「妖怪人間ベム」は1960年代に作られたTVアニメの方。
約40年ぶりにアニメ化されていたとは知りませんでした。
posted by みどり at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月14日

映画「ミラクル7号」 

映画「ミラクル7号」 
映画「ミラクル7号」 日本語吹き替え版@MOVIX亀有
監督・製作・脚本:チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー、シュー・チャオ、他



7月9日(水)に観に行っています。
予告編を見て多少気になりつつも三流映画のような気がして、当初観る気がなかったのですが
友人がおもしろかったと言ってるのを聞き、観ておこうと出かけました。


<あらすじ>
小学生の息子のディッキー(シュー・チャオ)は、危険な工事現場で働く父ティー
(チャウ・シンチー)との二人暮らし。
靴はゴミ捨て場で拾ってきた物だし、ご飯のおかずは魚の骨、デザートはりんごの
芯。
こんな極貧の生活ながらティーは子どもには最高の教育を受けさせたいと、お金のかかる
私立の名門小学校に通わせていた。
父の期待とは裏腹に、ディッキーの成績はよくないし、ガキ大将にいじめられる毎日。
そんなある日、デッキーはゴミ捨て場で緑色のボールのような物を見つける。
家に持って帰るとそれは犬のような姿に変身。
おもちゃかと思ったけれど、どうやら宇宙人?
すごい力で僕を助けてくれるかも!と、デッキーは「ミラクル7号」と名付けますが
やはり超能力は持ってないらしい。
でも「ミラクル7号」を「ななちゃん」と言って可愛がります。
ある日、父のティーが工事現場で事故に巻き込まれてしまいますが・・・



親子愛の物語、といったら単純すぎますがこの映画はおもしろかったです。
この映画ならぜひ親子で観に行ってほしいと思いました。

貧しいけれどけっして卑屈になることはない父。「貧しくてもウソはつかず、ケンカもせず、
一生懸命に勉強すれば尊敬される」と息子ティーに繰り返し教える姿は、当たり前だけどとてもすがすがしいです。
今当たり前と書きましたが、こういう事をきちんと教えられる親は今時少ないような気がします。

ティーも同級生にいじめられるけれど、優しい先生やかわいい同級生の女の子が
好意を寄せてくれてるみたいなので、ビンボー生活に嫌気がさしてはいてもがんばっている。
ディッキーを演じた子役のシュー・チャオ君の演技が見事です。
すごい男の子だなあと思ったら、なんと本当は女の子。
映画の中ではどう見たって男の子です。
1万人近く参加したオーディションでチャウ・シンチー監督に大いに気に入られたらしい。
なんと私生活でも今や監督の養子になってしまったそうです。
両親がいなかったのかと思ったら、実の両親はいるそうでこのあたりの入り組んだ
事情はよくわかりません。

映画の中では、この子以外にもガキ大将の男の子を女の子が演じていたり、
ティーに好意を寄せる巨漢の少女を本物の男性プロレスラーが演じていたりと、性別が
入れ替わっての出演が行われています。
ティーの学級の子ども達も、全員性別が入れ替わっているのかもしれません。
映画を観ていてまったく、違和感がありません。

ミラクル7号はしゃべらないし、ティー達の目の前では特別な力があるようには
見えないのですが、実は・・・という部分もあります。
見た目、とてもかわいいゆるゆるのユルキャラでおもわず観てるこちらも顔が
にんまりしてしまいます。

で、ミラクル7号は結局なんなのか?
宇宙人なのか、宇宙人のペットなのか分からずじまいですが、おもしろかったから
そんなことはどうでもいいや、と思わせる映画なのでした。
posted by みどり at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月11日

映画「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

映画「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」


映画「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」@MOVIX亀有
監督:スティーブン・スプルバーグ
出演:ハリソン・フォード、ケイト・ブランシェット、シャイア・ラブーフ、他


7月6日(日)に観に行っています。
考古学者で冒険家の「インディ・ジョーンズ」を主人公にしたシリーズの4作目。
かなりがっかりしました。
1,2,3作目を観ていなくても話は分かるように作られています。
特に1作目と物語がつながっているようですが、1作目を観ているのに完璧に
話を忘れてしまった私でも、今回の話は分かりました。
(このシリーズは2作目の「魔宮の伝説」が好きでした)
やはり今回の作品は、あくまでも前作までを観たファンのための映画と感じました。

水晶を削って作られた実物大の人間の頭蓋骨の形をしたドクロ、クリスタル・スカル。
古代に作られたらしいクリスタル・スカルを、かつてそこに置かれていた神殿に戻せば
その者は神秘の力を授かるという伝説がある。
このクリスタル・スカルを巡る冒険が展開します。


映画が始まってすぐに感じるのはハリソン・フォード演じるインディ・ジョーンズが
「年取ったなあ・・」ということ。1作目1981年、2作目1984年、3作目1989年。
前作からすでに20年のブランクがあるわけで、年齢重なってるはしょうがない。
アクションに「キレ」が無いのは無理ないとしても、普通に立っている立ち姿が
ダラッとしてしまりがありません。
こういう言葉使いたくないけれど、いかにも「オジンクサイ」
姿勢のピシッと決まった競演のケイト・ブランシェット演じるイリーナと比べると、はっきり分かります。
年を取ったハリソン・フォード=インディ・ジョーンズに以前のようなアクションをさせるのは
無理なのはミエミエで、これなら年を重ねた分、知恵で乗り切る場面を見せてほしかったです。
そして潔く後輩に後を譲る、という形にした方がどんなにカッコよかったか。


今回出演のシャア・ラブーフ君はずいぶんかっこよくなったなあと感じました。
彼を初めて観たのはキアヌ・リーブス主演の「コンスタンティン」で。
エクソシストのコンスタンティンの相棒というか、助手のタクシードライバーの役で脇役
だったのにかなり印象に残っていました。
去年公開された「トランスフォーマー」では主役。
急成長株ですね、彼は。
どうせなら次回は、彼を主役に新シリーズを作っていただきたいです。
posted by みどり at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月08日

ぴあフィルムフェルティバルの軌跡 Vol.1 映画「いそげブライアン」

ぴあフィルムフェルティバルの軌跡 Vol.1



ぴあフィルムフェルティバルの軌跡 Vol.1
映画「いそげブライアン」@東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール
第9回(1986年)入賞作品  67分 8ミリ作品
脚本・監督:小松隆志

6月24日から7月18日まで「ぴあフィルムフェルティバルの軌跡」と題して
特集上映が行われています。
「ぴあフィルムフェスティバル」は8ミリや16ミリなどの「自主映画」のコンペティション
で今年で30回目を迎えるそうです。
この映画祭で入選後、プロの映画監督になった方も少なくないそうで今回は歴代の
入選作品を上映する企画です。
タイトルは聞いたことがあるけれど、観たことが無い作品ばかりなので興味がありました。

今回観たのは「いそげブライアン」
監督の小松隆志さんは1991年「はいすくーる仁義」で商業映画監督デビュー、近作
に「幸福な食卓」があるそうですが、私は今まで観たことがありませんでした。

舞台は日本のどこか。
医師の前で一人の老人が思い出話を語り出します。

昔々、ブライアンとチャーリーがいた。「俺たちは最強のタッグチームだった、ガソリンが
あればどこまでも行けると思っていた」と。
頭にマスクを被って車のドライバーを襲ったり、めちゃくちゃやっているかと思うと
一方が恋愛をして平凡に結婚し、地元で静かに暮らすようになる様子も描かれます。
しかし映画そのものは少しも静かじゃありません。
めまぐるしく変わる映像と、切れ目無く延々と続く語りで最後まで一気に見せてくれます。

物語性のある映像ではなく、どちらかというと日常的な様子を撮したプライベート
フィルムをつなげている感じです。
アマチュアだからそれも無理なく当然です。
その映像に一人が延々としゃべりまくる(早口ではないが)、ブライアンとチャーリーが
時に入れ替わっていたと思います。
先週観たばかりなのに、もう忘れてますm(__)m

ブライアンとチャーリーの話かと思っていると、途中で怪しい館で吸血鬼らしき者とであうホラー映画みたいな場面も入る。
何本か撮ったフィルムを一本の映画として見えるようにつなげたんじゃないか、と
思いました。
「青春時代の思い出」という枠組みの中に収まると、不思議と無理を感じません。

見終わってから、正直言って何を見たのかよく分かりませんでした。
しかし観る者をぐいぐい引っ張る何かを感じます。
普通の映画館にかかるようなフィルムではありませんが、スクリーンからエネルギーが
はじけてるような作品でした。


いい企画の上映会なのですが、上映開始時間が午後2時と6時というのは学生は
ともかく勤め人には行かれないでしょう。
せめて夜の回は、大ホールの上映会のように7時上映開始に出来ないものでしょうか。
posted by みどり at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月06日

映画「最高の人生の見つけ方」

映画「最高の人生の見つけ方」



映画「最高の人生の見つけ方」@丸の内プラゼール
監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、他


7月2日(水)に観に行っています。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという名優の競演、それだけでも
見応えがありました。

<あらすじ>
凄腕実業家で大金持ちのエドワード(ジャック・ニコルソン)と、勤勉実直なだけが
取り柄の自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)。
普通なら、出会うはずのない二人は同じ病室で治療を受けることになります。
家族のために働いてきて妻が頻繁に見舞いに来るカーター。秘書(ジョーン・ヘイズ)
しか見舞いに来ないエドワード。
なんの共通点も無かった二人に共通していたのは、共に余命六ヶ月ということ。
カーターの棺桶に入る前にやっておきたいことを書き出した「棺桶リスト」には
「荘厳な景色を見る」「泣くほど笑う」などと書かれていた。
それをみつけたエドワードは「スカイダイビング」「ライオン狩りをする」「世界一の
美女にキスをする」と書き足します。
気のあった二人は医師の警告を無視して、生涯最後の冒険旅行に出かけるのですが・・・。


余命少ない対照的な人生を歩いてきた二人。
裕福ではないけれどたくさんに家族に囲まれたカーター。
実業家としてはすごいが私生活では勝手気ままに、結婚、離婚を繰り返し今は
家族もいないエドワード。
お金で買えない幸せもある、この映画はわかりやすいほどそのことを見せてくれてます。

お金で買えない「幸せ」はあるけれど、買えるものも多いこの世の中。
やっぱりお金は無いより、あった方がいい。
こんな事を考えてしまうようでは、やはり人生の修行が足りないのでしょう。

しかし今回の映画でも二人が生涯最後の豪華旅行に出かけられるのも、エドワードの財力があればこそです。
それにしても余命六ヶ月であれだけ元気に動き回れるものだろうか?と思いますが
映画ですからまあいいでしょう。

映画は奇跡が起きて回復する、なんて事にはならず二人とも死を迎えますが
決して後味は悪くありません。
死は誰もが直面する、避けられない出来事です。これを無視して奇跡を描いては
かえって物語は安っぽくなります。
エドワードの実直な秘書のおかげで、棺桶リストの「荘厳な景色を見る」も叶えられることになります。
この秘書はいい人だなあ。演じたジョーン・ヘイズは、ハデさはないけれどとても
いい感じです。
映画の中でエドワードの「世界一の美女にキスをする」も叶えられいますが、その美女とは?
とても気が利いていて、これは是非、映画をみて確認していただきたいです。
(ネタバレになってしまうから書けませんので)

死を見つめる映画ですがラストシーンはとてもすがすがしい。

私の棺桶リストも作って、実行しなければと考えるようになりました。
posted by みどり at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月04日

長谷川一夫と衣笠貞之助特集 「天一坊と伊賀之亮」「十字路(サウンド版)」

長谷川一夫と衣笠貞之助 特集


長谷川一夫と衣笠貞之助特集
「天一坊と伊賀之亮」「十字路(サウンド版)」@東京国立近代美術館フィルムセンター


6月29日(日)に観に行っています。

「天一坊と伊賀之亮」1926年(昭和元年) 44分 無声映画
監督:衣笠貞之助
出演:市川猿之助(二代目)、他

二代目市川猿之助が天一坊と伊賀之亮の一人二役を演じる映画。
今回上映するフィルムは1970年代に発見された可燃性フィルムから衣笠監督自身が
劣化した部分を取り除いて再編集したもの、だそうです。
上映されたものをみると状態はかなり悪いです。

字幕の出る画面がかなり暗く、筆で書いたような自体でさらに旧仮名遣いなので
読みづらいことこの上なし。
なんとか読もうとしても、全部読み終わらないうちに字幕が消えてしまう。
話が全然分かりませんでした。


「十字路」 1928年(昭和3年) 47分 無声映画(サウンド版)
監督・脚本:衣笠貞之助

今回の上映会で見たかったのはこちらの方。
江戸時代が舞台。貧しい姉と弟の絶望的な物語
姉は仕立ての仕事をしてなんとか日銭を稼いでいるのに、弟はろくに相手にされてないのに
一人の女性に夢中になってしまい働くこともしない。

時代劇の形を取っていますが、表現はかなり現代的で前衛的。
今回の特集上映で観た衣笠監督の「狂った一頁」も前衛的な映画でしたが「十字路」
は話が分かりやすいし、並ぶ街の提灯やくるくる回るかざぐるまなどモノクロ画面を
効果的にいかした映像がとても美しいです。



この映画は10年くらい前に、たしかドイツ文化センターの上映会でみています。
当時日本ではフィルムが消失してしまったので、外国のアーカイブ所蔵フィルムを借りて来ての上映会。
なので、日本語字幕無し、英語字幕のみの上映でした。
字幕が少ないし、映像で見せる映画なので話は分かりました。
このフィルム、今回は日本語字幕付きにして東京国立近代美術館フィルムセンターの
所蔵となったらしいです。
posted by みどり at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月30日

無声映画鑑賞会 「チャップリンの恋のしごき」「チャップリンの番頭」「サンライズ」

無声映画鑑賞会
「チャップリンの恋のしごき」「チャップリンの番頭」「サンライズ」@門仲天井ホール


6月26日(木)の上映会を観に行っています。

前半2本はチャップリンの短編2本。解説・弁士は桜井麻美さん。

「チャップリンの恋のしごき」  1914年(大正3年) キーストン作品
監督:ジョージ・ニコルズ
出演:チャールズ・チャップリン、他

チャップリン映画というとチャップリン本人が監督してると、思い込んでいたのですが
この作品は別の方の監督。
映画監督、演出家としてはあまり評価されることが無く、当時から俳優として活躍して
いて1917年以降は役者に専念しているそうです。

ヘルパス卿(チャップリン)は勘違いから、恋人に振られてしまう。悲観して自殺しようと
毒を飲んでしまう。その直後、恋人から勘違いをわびる手紙が届く。
実は毒は執事が水と取り替えていたのですが、そうとは知らないヘルパス卿は大あわて、というお話。

単純ですが、ドタバタが楽しい喜劇。

「チャップリンの番頭」 1916年(大正5年)  ミューチュアル作品
監督・脚本・出演:チャールズ・チャップリン
出演:エドナ・パーヴィアンス、他

質屋の店員になったチャーリーの活躍を描く喜劇。
客が持ってきた目覚まし時計を調べてみる、と言ってドンドン分解してしまい最後は
使えないと、バラバラのまま客に返してしまう超絶接客ぶりがすごい(^_^;)


「サンライズ」 1927年(昭和2年) フォックス・フィルム作品
監督:F.W.ムルナウ  脚本:カール・マイヤー
原作:ヘルマン・ズーデルマン
出演:ジョージ・オブライエン、ジャネット・ゲイナー、他
解説・弁士:澤登翠

すでに何度も観たことがある作品です。
何しろ昔のLD(レーザーディスク)版で持っているくらい好きな作品です。
F.W.ムルナウもカール・マイヤーもドイツの方。
ムルナウがハリウッドに招かれて監督した第1作目だそうです。
この監督、脚本家のコンビでは「最後の人」というホテルのドアマンを長年勤めていた
老人の悲哀を描いた作品があります。
無声映画時代の作品は、字幕が普通ですがこれは無字幕映画として有名(実際は最後に
手紙が映し出されるのですが)。
今回の「サンライズ」もわずかに字幕がありますが、なくても映像だけでストーリィが
分かるくらいです。

<あらすじ>古典映画なのでラストまで書きます。
湖畔の静かな田舎。
都会から避暑にやってきた女(マーガレット・リビングストン)は農家の男(ジョージ・オブライエン)を誘惑。
男は都会の女にそそのかされて妻の殺害を企てるが、途中で自分の行いを後悔。
何度もわびて、なんとか妻の機嫌を取ろうとします。
気まずいまま都会にやって来た夫婦。次第に仲直りした二人は都会で楽しく過ごし
小さなボートで田舎に戻りますが途中で暴風雨にあい、ボートから投げ出されてしまいます。
男は岸に流れ着きますが、妻がいない。村人総出で捜索が行われ妻は発見され
二人は愛を誓い合います。


無声映画ですが、都会の遊園地シーンが賑やかで楽しいです。
これらがすべてセットというからすごい。
監督がドイツから連れてきたロフス・グリーゼによる美術は効果的、かつ美しいです。
夫婦が仲直りして、写真を撮ってもおうと待っている時うっかり置物を落として
しまい人形の首がなくってあわてるシーンや、遊園地から子豚が逃げ出すシーン、
夫婦とは関係ないけれど女性のドレスの肩紐が何度もずり落ちるのが気になる
男性の様子など、細部のちょっとしたエピソードがそれぞれ気が利いていて全体と
しては楽しい雰囲気を盛り上げることになっています。
やはり脚本がうまいのだと思います。

字幕も少ない映画で映像で見せる映画です。字幕が無くても話が分かるくらいです。
そんな訳で、澤登翠さんによる弁士付きでしたが、失礼ながらこの映画は弁士なしで
静かに見たい映画だなと思ってしまいました。
posted by みどり at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月29日

映画「ザ・マジックアワー」

映画「ザ・マジックアワー」



映画「ザ・マジックアワー」@MOVIX亀有
脚本・監督:三谷幸喜
出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、他


6月23日(月)のレイトショウー上映を観に行っています。
ポイントがたまっていたので使うことにして、タダで観てきました。
夜8時過ぎのレイトショー上映は1200円と通常料金よりお安くなっているから
ちょっともったいなかったのですが。

<あらすじ>
古い西洋の町を思わせる港町、守加護(すかご)。
この街を牛耳るのは手塩(西田敏行)。彼の愛人・マリ(深津絵里)に手を出して
しまった手下の備後(妻夫木聡)は手塩に捕まってしまう。
なんとか逃げだそうとして口から出任せに伝説の殺し屋「デラ富樫(とがし)」と
知り合いだと言ってしまい、手塩からデラ富樫を連れてくれば助けてやると言われる。
当然備後は約束の期日が迫っても、デラ富樫を見つけることもできない。
窮地に至った備後は、新人の映画監督の振りをして無名のアクション俳優・村田大樹
(佐藤浩市)を雇い、彼を「デラ富樫」に仕立てることにする。
村田には台本無し、セリフは即興の映画撮影と思い込ませ、手塩に会わせることにしますが・・・。



大爆笑ではなく、くすくす笑って楽しめる映画でした。
およそ日本とは思えない架空の港町・守加護。どこなく神戸か横浜をイメージさせます。
ストーリーだけ見ると、全てを映画撮影だと思い込ませるなんて無理だろうと思うのに
映画を見ていると、そんなことをほとんど感じさせません。
三谷幸喜のストーリー構成と、演出のうまさだと思います。
お話しは、最初から無理のある所から始まっているから、備後の思い道理に行くわけがなく
どんどん無理が大きくなってしまいます。
最後はどうなるんだ???と思わせますが、みごとな展開をみせてくれます。

こんなにうまくいくわけがないと、所々感じる部分もありましたが良くも悪くも勢いで
見せられた気がします。
そのせいなのか、なんだか大作を見たという感では無かったです。
おいしいんだけど、こってり油ギラギラの豚骨ラーメンではなく、和風ダシのあっさりコクの
ある醤油味ラーメン・チャーシューとメンマたっぷり付き、みたいな映画でした。
たとえが変ですね。

やはり、佐藤浩市さん演じるアクション俳優・村田大樹の存在感は圧倒的。
備後の言葉を信じ、一生懸命真面目にかっこよく「殺し屋・デラ富樫」を演じる村田は
けなげですらあります。
映画を見る前は、主人公は備後かと思ったらこれはもう村田ですね。
彼のマネージャー役の小日向文世もひょうひょうとした感じがいい。

西田敏行さんが悪役のギャングのボス役というのはちょっと意外でしたが、見ている
うちにだんだん似合っていると感じてきます。
彼の腹心の黒川(寺島進)や、手下の太田垣(甲本雅裕)も真面目なギャングという設定が
好感もてて、私はこの二人が大好きになりました。


映画の中で、村田が大好きな昔の映画として「暗黒街の用心棒」という映画が登場します。
劇中劇ならぬ、映画中映画。
古いモノクロ映画をイメージして作られた映画の断片で、谷原章介さん演じるニコは細身で、
殺し屋という感じでないですがクールな感じがいいです。

あまり書くとネタバレになってしまうのですが、コマーシャル撮影の老エキストラ役
として登場する柳澤眞一さんと、谷原章介さんはみごとによく雰囲気が似ているなと思いました。

今回観ていて一番気になったのは、深津絵里さん演じるマリ。
私にはギャングのボスと、備後をまどわす魅力的な悪女には、とてもみえないのでかなり
違和感がありました。
ちょっと美人の自分勝手なわがまま女には見えますが。
きっと三谷幸喜さんの好みのタイプなんでしょうね。

マダム蘭子を演じた役者さん、見事な厚化粧にパンフレットを見るまで戸田恵子さんとは
気がつきませんでした。
posted by みどり at 10:34| Comment(3) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月27日

「月形半平太 (パテベビー短縮版)」「狂った一頁」

長谷川一夫と衣笠貞之助 特集



長谷川一夫と衣笠貞之助 
「月形半平太 (パテベビー短縮版)」「狂った一頁」@東京国立近代美術館フィルムセンター


6月22日(日)に観に行っています。
俳優・長谷川一夫と映画監督・衣笠貞之助の特集上映、今回は衣笠監督作品の
2本立て上映です。


「月形半平太 (パテベビー短縮版)」 14分 1925年(大正14年)作品 無声映画
今回上映のフィルムは解説によると「9.5ミリパテベビー版として再編集がほどこ
された短縮版」とのことですが、パテベビー版の意味がわかりませんm(__)m
何しろ14分しか無いから話は正直いってほとんど分かりませんでした。
(私は時代劇ファンではないからなおさらでしょう・・・。
私がフィルムセンターによく足を運ぶのは時代劇ファンだからではなく、歴史的に価値ある
フィルムなら観ておきたいからです)
幕末の志士・月形半平太の物語。「月様雨が」「春雨じゃ、ぬれていこう」のセリフ
で有名なお話し。


「狂った一頁」 59分 1926年(大正15年)作品  無声サウンド版
無声サウンド版とは、無声映画(セリフがきこえない)だけれど後年になって音楽は
つけられたフィルムのことです。
この日の上映は、この作品が目当てで行きました。

衣笠監督が、作家横光利一や川端康成に協力を仰いで製作した前衛映画。
今回上映のフィルムは1975年に衣笠監督自らが音楽をくわえたニュー・サウンド版
だそうだ。わざわざニューとつけつところをみると、おそらくその前にもサウンド版が
あったのでしょう。

無声映画でよくある字幕によるセリフも、この作品にはありませんでした。
精神病院(今と違って鉄格子のあるまるで牢獄のような病室)を舞台に、現実と
幻想の世界が入り交じるかなり実験的な映画でした。

嵐の夜。自分を踊り子と思い込んでいる女性患者。意味の分からないシーンが激しく
入り乱れ映し出される。病院へ見舞いにやっている若い女性。町の賑やかな福引き会場。
一等のタンスを引き当てる初老の男性。気がつくと彼は病院に。ここで雑用をしているらしい。
ひょっとすると全ては彼の幻想の世界だったのか・・・。
と、そんな内容です。

字幕がないから、観る人によって話はどうにでも解釈できそうです。

1926年にこんな前衛的映画が日本で作られたと言うのがびっくりします。
精神病院を舞台にした前衛映画ということで、観ていてすぐやはり無声映画時代の
ドイツで作られた「カリガリ博士」が思い出されます。こちらは1919年の製作。
雰囲気はそっくりです。
今見てもかなり前衛的、これで興行的にどうだったんだろう?と思ったらやはり
かなりの大赤字だったそうです。

楽しい映画ではありませんが、かなり興味深い作品でした。



<2008-06-28追記>
パテベビーについて、ネット上を検索してみました。
分かったことを、簡単にまとめておきます。

映画創世記にはいろいろな方式のフィルムが開発されては消える中、主に大正末期から
昭和初期に流行したのがフランスのパテー社が提唱した、パテベビー方式の9.5mmフィルム。
家庭用活動写真や、アマチュア活動写真作成用として用いられたそうですが、
第二次大戦後は徐々に衰退した方式だそうです。
posted by みどり at 09:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月25日

長谷川一夫と衣笠貞之助 「雪之丞変化」1963年版


長谷川一夫と衣笠貞之助 特集



長谷川一夫と衣笠貞之助 特集
「雪之丞変化」 1963年版@東京国立近代美術館フィルムセンター
監督:市川崑  脚本:伊藤大輔、衣笠貞之助、和田夏十
原作:三上於菟吉
出演:長谷川一夫、山本富士子、若尾文子、勝新太郎、他



6月20日(金)に観に行っています。
フィルムセンターでは6月、7月は俳優・長谷川一夫(1908-1984)と映画監督・衣笠貞之助
(1896-1982)の特集上映が開催されています。

今回見てきたのは「雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)」。
親の仇討ちのため、旅回りの一座で女形として身を隠す中村雪之丞(長谷川一夫)。
仇討ち物語に殿様のお抱えもので雪之丞に恋する波路(若尾文子)、怪盗・闇太郎
(長谷川の一人二役)、スリのお初(山本富士子)、、闇太郎に負けまいとする昼太郎
(市川雷蔵)が絡んできます。ちょい役で若き日の勝新太郎も登場する豪華版。

この物語は、何度も映画化、テレビドラマ化、舞台化されてきた作品で私も大好きな話です。
見たことはありませんが美輪明宏さんが主役を務めたテレビドラマ版というのも
あったそうです。
雪之丞を美空ひばりが演じるという映画版もありました。これは観ています。

原作は小説だそうですが、映画化や舞台化すると主役の雪之丞と、その母親、怪盗
「闇太郎」の三役を同じ役者が演じるのはパターン化しているようです。
元が戯曲ではないから、同じ人が演じるようにという指定は無いはず。
最初にこの配役を考えた人はすごいと思います。
もしかして、一番最初に映画化か舞台化になるときに作者が指定したのでしょうか。


今回の映画は長谷川一夫の「三百本記念映画」として作られたそうです。
1935年に衣笠貞之助が監督・脚本を担当し、主演を林長二郎(後年の長谷川一夫)が
演じ大ヒットした映画の再映画化版。

今回の映画での長谷川一夫演じる闇太郎はかっこいいですが、女形の雪之丞は
二重あごになっているのが気になって、最初は正直言って美しいと感じませんでした。
それでも見ている内に、着物の袖を触る仕草や、身のこなしがとてもきめ細かく優雅
であることに気がつき、だんだんときれいに見えてくるから不思議です。
さすがに名優です。

雪之丞に憧れる波路(なみじ)、心はまさに恋する乙女。
若尾文子演じる波路はかわいいです。ちょい役で勝新太郎が登場するのも楽しい。

映像的には、真っ暗闇の中に人物が浮かび上がるような凝った照明が印象的。
印象的で実験的ですが、今見るとやはり古い感覚がします。

1935年版の上映も今後あるので是非観たいと思っています。
若き日の林長二郎演じる雪之丞はさぞかし美しいことでしょう。楽しみです。
posted by みどり at 10:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

映画「山のあなた 徳市の恋」

映画「山のあなた 徳一の恋」


映画「山のあなた 徳市の恋」@MOVIX亀有
監督・編集・脚色:石井克人
出演:草g剛、加瀬亮、マイコ、堤真一、三浦友和、広田亮平、他


6月11日(水)に観に行っています。
清水宏監督による1938年(昭和13年)の映画「按摩と女」が元になっているそうです。
平たく言うと昔の映画のリメイクですが、宣伝では「リメイク」という言葉をつかわず
「カヴァー」という言葉を使っています。
その違いがよく分かりません。
「按摩と女」は観たことがないので比較できませんが、今回の「山のあなた 徳市の恋」は
とても気に入りました。私は好きです。


<あらすじ>
昭和初期。新緑の季節の山の中の温泉場が物語の舞台。
目の見えない按摩の徳市(草g剛)と福市(加瀬亮)は、いい相棒どうし。
彼らは冬は海の温泉場で過ごし、春先からは山の温泉場で稼いでいた。
徳市は、前を歩いている人間の人数から性別までぴたりと当てるほど勘の鋭い男。
ある日宿屋・鯨屋から呼び出しがかかり、徳市が療治にむかうとお客は都会の女
らしい美穂子(マイコ)だった。
何か秘密をもっているらしい美穂子にひかれる徳市。
宿屋にはやはり都会から来た大村真太カ(堤真一)と甥の研一(広田亮平)がいて
真太カも美穂子にひかれるのでした。
徳市と真太カの恋の行方、そして美穂子の秘密とは?
そんな頃、宿屋では客の財布が盗まれるという事件が連続して起こります。
いずれも美穂子が部屋にいたときばかりなのですが・・・。


脚本は清水監督が書いた物をそのまま使用しているそうです。
だからセリフは昭和初期のそのまま。
映画の中の日本語がとてもきれいだなと感じました。
これを聴いてしまうと最近の日本語がやけに汚く感じます。
それくらい穏やかできれいです。

映画の新緑の山の中の風景がとても美しいです。
宿屋の情景も趣があって趣があっていいです。
カメラの視線が低くなっているのが、小津安二郎監督作品を彷彿とさせます。


草gさん演じる徳市は目が見えないけれど、しゃれたスーツを着ていてけっこうおしゃれ。
宿の若い女中さんの一人にだけ、特別に椿油(髪を整える為に使う)をおみやげに買ってきて、
「皆さんにはないしょですよ」なんて言って渡したりして、意外と積極的でかわいく見えてきます。
按摩仲間には「ないしょですよ〜」と、からかわれてしまいますが(^◇^;)
先日観た舞台「瞼の母」での草gさんの演技にはあまり感心しなかったのですが、
今回の映画での演技はじつにいいなと思いました。
美穂子の身の上を心配し、彼女に淡い恋心を抱くようすがよく現れていたとおもいます。

美穂子を演じるマイコさん、初めて知りましたがこの上品な雰囲気の美穂子役には
ぴったりだったと感じます。

徳市の相棒の福市は、徳市ほど勘は良くないけれどコミカルな場面もあり徳市とは
いいコンビで見せてくれています。

子役の広田亮平君演じる研一。ほんとは誰かにかまってほしいのに真太カにも
美穂子にも、徳市にもなんだか置いてきぼりにされてふてくされてるところが
かわいいです。
この映画、一見美穂子をめぐり徳市と真太カの三角関係の物語のように見えますが、
よくみればここに研一もからんでいることになり、物語が味わい深い物になっていると感じました。

特別な大事件が起きるわけではないので、この映画を観ても物足りなく思う方が
いるかも知れませんが私はとても気に入りました。
静かな映画です。
徳市の淡い恋は淡いままで終わりますが、きれいな余韻を残すいい映画だったと
思います。
公開中にもう一回観ておきたいと思います。
posted by みどり at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月12日

映画「ラスベガスをぶっつぶせ」

映画「ラスベガスをぶっつぶせ」


映画「ラスベガスをぶっつぶせ」@MOVIX亀有
監督:ロバート・ルケティック  原作:ベン・メズリック「ラス・ヴェガスをブッつぶせ!」
出演:ジム・スタージェス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボワーズ、他


6月4日(水)に観に行っています。
どうやら数学の天才らしい青年の登場する予告編がとても良くできていて、早く観たい
と期待していた映画でした。
予告編はとても良かったけれど、本編はちょっと・・・という感じでした。


<あらすじ>
マサチューセッツ工科大学に通う学生のベン(ジム・スタージェス)は、優秀な学生で
ハーバード大学の医学部に進学したい、という夢を持っていたがその学費は30万ドル。
アルバイトではとてもまかなえないし、当てにしていた奨学生になる試験にも落ちてしまう。
そんな時、かれの天才的数学能力に目をつけたローザ教授(ケヴィン・スペイシー)
から、ある研究チームに誘われる。
それはカードゲーム「ブラック・ジャック」に必ず勝つ方法、カード・カウンティングを
習得するチームだった。
チームで行動し、密かに合図を送ることでゲームに勝つことが出来るが、これは
カジノではルール違反。
教授とチームは週末になるとラスヴェガスに行き、大金を入手。
最初は学費のためと割り切っていたベンもセレブな生活になれ、いつしかかつての
友人達とも疎遠になり、カジノでも怪しいやつと目をつけられてしまいますが・・・。






途中でちょっとうとうとしてしまったのでルールの説明を聞き落としてしまったようです。
「ブラック・ジャック」というゲームのルールを全く知らず、そのあたりがよくわからないままに話が進んでしまいました。
「ブラック・ジャック」をよく知っていれば、より映画を楽しめたかと思いますが物語の
8割くらいは理解できたと思います。
ジム・スタージェス演じるベンは、ハンサムだし勉強熱心の青年だしなかなか好感度
大です。
カジノで密かにルール違反を監視してる男(ローレンス・フィッシュバーン)の存在は
不気味です。
でも見終わると、この映画は何を描きたかったんだろう?と感じました。

ベンの家族や、昔からの友人達とのかかわり、研究チームのメンバーとの関わり
お金を持つことでだんだん変わっていく周囲の人との関わり方。彼の考え方の変化。
この映画ではいろいろ描きたかったんだろうと思いますが、なんだか絞り切れて
なくてとりとめが無いと感じました。

私が気になるのはケヴィン・スペイシー演じるローザ教授です。
ローザ教授はラスベガスにチームと一緒に行きますがカジノでのチームの行動にはなぜ関わりません。
これには訳があってネタバレになってしまうのでここでは書きませんが、この理由が分かると
ますます嫌いになってしまいました。

ローザ教授とベンとの関わりが、最初は主従関係だったのが対等になって来るのが
おもしろいと思うのですが、この展開も活かしきれてない感じがします。
ローザ教授とベンの対決に重点を置いて描けばもっとおもしろかったんじゃないのかなと
思いますが、わたしの感想もとりとめなくなってきました。

映画の邦題どうりラスベガスをぶっつぶす!ような物語が見たかったです。




映画とは直接関係ないけれど、ちょっと思い出したことを。
映画の主人公のベンは数字に対しての特別な記憶力と、暗算能力がありそれを
ローザ教授に買われたわけですね。
私の母は、昔は数字の記憶力はちょっとすごかったです。
(今は認知症になってしまいましたが)
何の意味もなく並んでいる電話番号もすぐ覚えられる。
その記憶力は自分でも自慢してたくらいでした。
数字の記憶と、その他の記憶は脳で処理してる部分が違うんじゃないのか
と思います。

そして昔読んだ本のことも少し。
書いた方の名前も本のタイトルも忘れたけれど、外国のある研究者が、ある
記憶力のすごい男性を調べてまとめた物。
その男性は数年前、数十年前の事でも日にちを言われればすぐその日の事を
思い出すことが出来たという。
で、彼は学業が出来たかというとこちらはダメ。
特に数学は全くダメだったそうだ。
本人に言わせると、ちょっと勉強したことはすぐ全部分かった気になってしまい、
実はまったく理解できていない・・・ということらしい。
第三者には分かりづらいけれど、いろんなことをあまりにも鮮明に覚えているので、自分が実際に
体験して記憶したことと、そうでないことの境界が曖昧になっているらしいです。

なにもかも全部覚えてしまっている、これがかえって「思考」の妨げになっているようでした。


記憶力がある=勉強ができる、ということではないのでしょう。
教科書と参考書を隅から隅まで記憶しておけば、学校の成績はいいかもしれない。
しかしこんな物、学校から一歩出たらなんの役に立たないことぐらい、社会人になればすぐ分かる。

頭がいいというのは、記憶力も大事だけど思考能力があること、だと思うわけです。
頭がよくても、それだけじゃ人間やっぱりダメ。
ありきたりですが映画の主人公も、最後にそのことに気がつくわけで、映画の感想と
やっとつながったのでコレにておしまいにしますf(^―^;
posted by みどり at 09:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月07日

映画「アフタースクール」

映画「アフタースクール」


映画「アフタースクール」@新宿ジョイシネマ
監督・脚本:内田けんじ
出演:大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、田畑智子、他


6月1日(日)の映画の日(ロードショウ館の多くが入場料1000円)に観に行っています。
おもしろかったです。良くできた作品だと思いました。

この映画、感想を書くのがとても難しいです。
書くことが全部ネタバレになってしまいそうだからです。

映画の中で描かれている場面、それぞれがいろんな場面にリンクしていて、ちょっと
した出来事だと、思っていたことが実はとても重大なことだったり、ああだと思っていた
ことが実はこうだったり、全然関係ないと思っていたアレとコレがつながっていたり、
こうなっていくのかな?と思っていたら見事にひっくり返される。

ぼんやり観ていると、話が分からなくなる可能性があります。
実際、上映後で学生風の女の子二人連れが「なんだかわかんなくなった」「原作読んで
みないとね」と言ってる声が聞こえてきました。
(原作本は無いけれど、映画の内容を小説化したものがあります)

ちょっとだけ内容をご紹介しますと・・・

冒頭、どうやら主人公達の過去の風景らしい少女が少年にラブレターを手渡しする場面があります。
そして現在。
大きなお腹をした美紀(常盤貴子)と、スーツ姿の木村(堺雅人)の朝食風景。
子どもの誕生を待ちわびる、幸せな新婚夫婦のようです。
木村と、近所に住む神野(大泉洋)は友人らしい。
木村は神野の車を借りて出かけるが、その日は会社に顔を出さず夜になっても帰ってこない。
美紀の陣痛が始まり神野はあわてて彼女を病院へ運び込む。
木村の会社では、彼の行方を捜し出すがその探し方は、裏社会のトラブルを扱って
いるらしい怪しい探偵の北沢(佐々木蔵之介)まで使うという妙な様子をみせます。
北沢は神野と接触し、一緒に木村の行方をさがすことになります。
木村はなぜ会社に行かなかったのか、会社はなぜ必死になって彼を捜そうとしてるのか、
美紀と神野の関係は・・・。



物語としてはミステリーだと思いますが、コミカルな味付けがされているので笑える
シーンも盛りだくさんです。
終盤に向かって、謎がどんどん明らかになり、全てがわかるラスト。
見終わると、その構成のうまさに思わずうならされました。

堺雅人さん演じる木村は、人の良さそうな、でも何か秘密をもっているらしい謎めいた
存在になっています。
木村とあやしい探偵の北沢に振り回されてる感じの、大泉洋さん演じる神野。
好青年の役が多い佐々木蔵之介さんが、汚れ役というのも珍しい。
佐々木さんのファンなので、今までとちがった面が見られるのが楽しかったです。

パンフレットには最近珍しく、シナリオも採録されています。
映画を見終わってから、あの場面ではどう言ってたっけ?と気になり帰りの電車の
中ですぐに全部よんでしまいました。
やはり脚本が良くできてるし、演出がうまいと思いました。

上映館が限られているので、私は普段は行かない新宿歌舞伎町の映画館へ
行ってきました。
映画の中の風景が、映画館のすぐ外の風景だったりして、妙な臨場感があって
これまたおもしろかったです。
posted by みどり at 08:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月04日

映画「ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛」

映画「ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛」



映画「ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛」@MOVIX亀有
監督:アンドリュー・アダムソン  原作:C.S.ルイス
出演:ベン・バーンズ、ジョージー・ヘンリー、スキャンダー・ケインズ、他


5月28日(水)に観に行っています。
このお話は私にしては珍しく、先に原作を読んでいます。


<あらすじ>
第二次大戦下のイギリス。
長男ピーター(ウィリアム・モーズリー)、長女スーザン(アナ・ポップウェル)、次男
エドマンド(スキャンダー・ケインズ)、末っ子のルーシー(ジョージー・ヘンリー)の
の4人。
前回は疎開先のカーク教授の家で、大きな衣装ダンスを通り抜け魔法の国「ナルニア国」へやって来ます。
4人は悪い「白い魔女」との戦いの末勝利し、ナルニア国の王と女王の称号を与えられ、
そこで暮らし大人になります。
4人はある日、森を通り抜け元のイギリスに帰り着きますが、姿も子どもに戻っていました。
ナルニア国での十数年はイギリスではほんの一瞬の出来事だったのです。
ここまでが第1章のお話。

第2章では4人が地下鉄のホームから、突然そろってナルニア国にもどってきます。
かつて暮らしていた城は荒れ放題。
4人がナルニアをさってからすでに1000年以上が経過し、魔法の国は人間の王国
テルマールに人略され、ナルニアの人々は森の奥深くに隠れ住みナルニア国自体が忘れ去れていた。
テルマールの王子カスピアンは王座をねらう、叔父に命をねらわれ森に逃亡。
カスピアン王子と4人のきょうだいが出会い、共にナルニア国を救う戦いがはじまります。



原作では、カスピアン王子が家庭教師のコルネリウス博士から密かに、ナルニア国や、4人の王達が実際にいた話を聞く場面がじっくり描かれています。
映画にはこの場面がばっざりと削除されているのでちょっとびっくりしました。

原作では伝説としか思っていなかった魔法の国や、4人の王(つまりエドマンド達)の事に
思いをはせ、かつての英雄に憧れる様子がじっくり描かれています。
そんなシーンがまたノスタルジックで情緒あるものになっていました。
カスピアン王子があこがれの思いをつのらせているからこそ、実際に4人と出会ったときの驚き、
感動があると思うのですが映画からはそんな王子の思いはほとんど伝わって来なかった気がします。

見終わっても、延々とあった戦いの場面くらいしか思い出せません。
戦闘場面を見せるのに重点が置かれてしまって、肝心の物語がなおざりにされてしまったようです。
戦いばかりで情緒がない。殺伐としていてまるで今時のファミコンのゲームのようです。

庶民的な風貌の4人のきょうだいとは違って、ベン・バーンズ演じるカスピアン王子は
とてもハンサム。
せっかっくのキャラクターもいかせてないようで、もったいない気がしました。
posted by みどり at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

発掘された映画たち2008 「由井正雪」「鐵の爪 花嫁掠奪篇」

発掘された映画たち2008



発掘された映画たち2008
「由井正雪」「鐵の爪 花嫁掠奪篇」@東京国立近代美術館フィルムセンター

5月23日(金)に観に行っています。
近年新たに発見復元されたフィルムを上映する企画です。
日替わりで6月1日まで上映されています。

今回観てきたのは2本立てのプログラムです。

「由井正雪」 1931年(昭和6年)作品  無声映画  58分
監督:丘虹二   出演:葉山純之介、琴糸路、他

徳川家光の死後、幕府転覆をもくろんだ由井正雪。彼の元に密偵として送り込まれた
娘が由井に恋してしまうという時代劇。
幕府転覆の話よりも、由井に恋した娘と由井の物語の方に趣がおかれた作品、と
感じました。
由井正雪が、歌舞伎俳優の市川染五郎さんに似てなかなかの男前。
密偵の娘役の琴糸路さんもかわいい。
1927年から1943年の間に300本の映画に出演した人気女優さんだったそうですが
出演した映画は今、ほとんど残っていないそうです。
美男美女の悲恋物でした。



「鐵(てつ)の爪  花嫁掠奪篇」 1935年(昭和10年)作品  トーキー映画 45分
監督:後藤岱山  出演:椿三四郎、水原洋一、白川小夜子、他

観るまで気がつかなかったのですが、この映画は連続活劇映画の一編でした。
テレビが無かった時代の、今で言う連続ドラマです。
それまでの話を観てないのに、いきなり連続ドラマの完結編でした(^_^;)
困ったな、と思いましたがだいたいの物語は把握できました。

<あらすじ>古典映画なのでラストまでばらします。
医学博士の娘が結婚式の最中に誘拐されてしまう。
犯人は悪の元締め、謎の人物「鐵の爪」。
実は彼は昔、医学博士の下で研究をしていた学生だったが博士の妻に言い寄られた
所を見つかり逆に博士から恨みを買い、顔と手に薬品を浴びせられてしまう。
今、顔は醜くただれ、片腕は義手となっていて、博士に復讐しようと誘拐を企てたのでした。
娘を救い出そうとする探偵と、鐵の爪の部下達の争い。
探偵と娘の味方か?と思える謎の仮面の人物も登場。
いったん救出された娘は許嫁と一緒に車で逃げるが、それを追う鐵の爪の部下
の車と山の中で正面衝突をしてしまう。
崖から落ちる双方の車。ラストで再び登場する仮面の男。
仮面の下に見える、笑みを浮かべた口元はあの「鐵の爪」であった。



事件解決してめでたし、めでたしで終わらないのが意外でした。
かなりブラックなラスト、当時はこのような猟奇的な物語が好まれたのでしょうか。

フィルムが一部飛んでいるのか?と思えるくらい場面のつながり方が唐突です。
たとえば、結婚式場から花嫁が連れ去られるシーン。
「鐵の爪」が花嫁の手を引いているのですが、その前の場面がない。
回りの参列者が出だしをしないで黙ってみているのは、どうして?
「鐵の爪」がどうやって式場に潜入して、皆が手出しできないのはどういう訳?
全然わかりません。

探偵がいつ「鐵の爪」の部下達に捕まって、いつ逃げ出せたのかもよく分からない。
この通りに当時上映されていたのか、それともほんとにフィルムが少し欠けているのかもしれません。

「鐵の爪」もその顔はおぞましくても、きっちりと高級そうな服にシルクハットという
エレガントな姿で登場します。
どこか「オペラ座の怪人」のファントムを連想します。

映画の内容そのものは波瀾万丈、はでなアクションシーン、当時としては迫力あったであろう
カーチェイスシーンなど盛りだくさんで、かなりの娯楽作品となっていました。
posted by みどり at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月27日

映画「ミスト」

映画「ミスト」


映画「ミスト」@MOVIX亀有
監督・脚本:フランク・ダラボン  原作:スティーヴン・キング作「霧」
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アンドレ・ブラウアー、他

5月21日(水)に観に行っています。
原作は読んだことがありませんが、原作と映画はラストがかなり違っているらしいです。
どうもそのあたりで観た人の間で、賛否両論があるらしいです。
物語のスジそのものはとても単純です。

<あらすじ>
アメリカ、メイン州の西部が舞台。
ある夜、激しい大嵐に見舞われたその翌日、地域の人々は食料買い出しのため地元
のスーパーに向かう。
デヴィッド(トーマス・ジェーン)と幼い息子のビリー(ネイサン・ギャンブル)の父子も
スーパーへ向かうが、その頃当たりには不気味な霧が立ちこめ始めていた。
霧の中に「何か」いる。
その巨大な「何か」に捕まり無惨な姿になるのをデヴィッドは目撃してしまう。
人々はスーパーの中に閉じこめられ、出られなくなります。
一致協力しなければならない頃、自分を神の使いと盲信するカーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
は、人々の不安をあおることをしゃべり続けるが、次第に指導者的立場になりデヴィッド達と
対立するようになります。
デヴィッド達はスーパーから、そして霧の中から脱出することを決意しますが・・・。


不特定多数の人々が集まったスーパーを舞台するとは、さすがに上手いなと思いました。
ここなら、どんな人がいても不思議じゃありませんから。

神を盲信しその言動で人々を扇動するカーモディ、怪物がいるというデヴィッドの
言葉を信用しない弁護士、デヴィッドと協力するスーパーの副店長、スーパーのレジ係の女性、
彼女に恋してる幼なじみ、危機に際しても理知的な老婦人、家に残した子どもを心配する母親など、
およそ考えうる限りの様々な人々が登場します。
バラエティ豊かです。
舞台設定ができて、これだけのキャラクターがそろっていれば物語は自然に展開
していくような気がしてきました。

霧の中に正体不明の怪物がいるようです。なぜ霧が立ちこめ、そこに怪物が潜んで
いるのか、その説明は映画の中でされていますが、この物語のなかで怪物の正体は
さして重要ではないようです。
怪物は単なる脇役、作家も監督も描きたかったのは、ある極限状態におかれたときの人々の心理状態だったんでしょう。

霧の中に潜んでいる怪物、さすがに最初の方ではその全貌は見えず、大きな棘の
のような物がついた触手だけが見えたり、その見せ方は小出しなので怖さがじわじわと来ます。
この見せ方上手いです。

ラスト約15分のこと、これを書かないと感想にならないのですが書いてしまうとネタバレになってしまいます。
以下、極力ネタバレにならないように書きます。

霧の先に何があるのか、霧はとぎれているのか、そのまま世界を覆ってしまっているのか不明な
ままデヴィッド達はスーパーから離れ霧からの脱出を試みますが、そのはての彼らの最後の決断には唖然としました。
アメリカ映画であの決断を描くとは思いませんでしたから。
救いのない、やりきれない決断です。
人々にとって完全に救いのないラストではないけれど、少なくとも父親としてのデヴィッドに
とっては全く救いの無いラストです。

映画で救いのないラスト、というのが必ずしも悪いとは思わないのですが、この映画
ではデヴィッド達があの決断をするまでのやむにやまれない思い、そこまで追い込まれた絶望が
描ききれていないよう感じました。
息子を苦しませたくないという父親の思いがあったとは思うのですが、私はすっきり
しない描き方でした。


最後に一つ。
人々を扇動し、デヴィッド達のじゃまをするあの人のこと「なんてじゃまなんだろう」
と感じたまさにその時に殺されてしまうのを見て、すっきりした気分になった自分が怖いです。
posted by みどり at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする