いつか自分の手元に置いてあきずに眺めたい・・・と、長いことあこがれていました
自動人形師ムットーニ(本名武藤政彦)さんの一点ものの立体作品。
念願かない、今年やっと購入することが出来ました。
BOOK型オルゴール、「バニーズメモリーBOOK型」です。
3月20日にムットーニさんの公式サイトにも写真がアップされましたし、せっかくです
のでもう少し詳しいご紹介をしたいと思います。
今年1月29日〜2月17日まで「自動人形師ムットーニ展2008 ムットーニの『秘密の蔵書』」が
原宿のLAPNET SHIP(ラップネットシップ)で開催されました。
旧作品数点と、CD音源による新作中型作品2点の展示です。
小型オルゴール作品3点の展示も予定されていましたがこちらは「ただいま制作中」。
会場にはそのオルゴール作品の完成予想図のCGプリント3枚が貼ってありました。
私が購入したのはその内の一つです。
この作品は展覧会最終日の2月17日に初めて会場でお披露目され、さらに手直しも加えられ2月22日に完成。
その後3月2日(日)に、無事我が家にお迎えすることができました。
「バニーズメモリーBOOK型」は、DVD「MUTTONI MUSEUM 」にも収録されているからくりBOX作品
の名作「バニーズメモリー」が元になっています。
さらにさかのぼると「バニーズメモリー」は、その前に作られた「囚われのバニー」
という作品の姉妹作に当たるのだとか。
「囚われのバニー」は私も写真でしか見たことがありません。
からくりBOX作品「バニーズメモリー」は場末の小さなミュージックホールが舞台。
奥に舞台、手前に椅子がありテーブルの上にはSP盤が回るレコードプレーヤーが一台。
舞台でバニーガールが踊り、やがて彼女が姿を消すと舞台に残るのは天使の翼。
そして横のドアが開くと、その向こうに姿をみせた彼女の背中には翼のとれた跡が見える。
ドアが閉まり、くるりとこちらを向いた椅子の上には一羽の白兎がいるというもの。
バニーズメモリーBOOK型はオルゴール作品ですが、通常のオルゴールとして
思い浮かぶ金属音ではなく、テープ音源が使われています。
電源をどこから取るかという問題がありテープレコーダー(ウォークマン)になったそうです。
しかしテープ(エンドレステープ使用)になったおかげで「バニーズメモリー」で流れる音楽、
効果音(SP盤のレコードが回ってすれる音、ハーレムノクターンが流れ、グレゴリオ聖歌が
かぶさり、ドアの開閉する音、再びハーレムノクターン、レコードのすれる音)が、
丸ごと全部収録されることになりました。
本の扉を開くとそこにいるのは背中に翼のある、腕にウサギを抱いたバニーガール。
彼女は流れる音楽と共に動き出します。
扉部分には「今宵場末のミュージックホールで行われるショー。それはたった一人の
人物の思い出によって構成された一幕劇。だがそれはすり切れたSP盤に刻み込まれた思い出
として永遠にここに繰り返されている」と書かれています。
これはからくりBOX作品「バニーズメモリー」に作者ご本人が付けられるている口上の要約版になっています。
前置きが長くなりました。
せっかくです、本家本元「バニーズメモリー」の口上を交えながらご覧下さいませ。
バニーガールがゆっくりと左右を向き(足は固定されていています)、そして背中の翼も
ゆっくり上下するので軽く羽ばたいているように見えます。
観客席がたった一つのミュージックホール
SP版のレコードが回り出すと、いよいよショーがはじまる。
まずはハーレムノクターンの調べに乗せ、怪しのミュージシャンの登場。
そして舞台はまわり今宵のスター、バニーガールがその姿をあらわす
スポットライトをあびると彼女は踊り始める
しかし所詮彼女はとらわれの身
毎夜同じ時間に、同じ衣装、同じ音楽の中で踊らなければならないの
でも、そんな彼女にとって今宵は特別な夜
彼女の奥深く眠っていた記憶は徐々に明らかになり始めた
次第に鮮明に成り行く記憶
そして彼女は再び正面を向いて止まったその時には、完全に記憶を取り戻していた
やがてどこからともなくグレゴリオ聖歌が入り交じる中
本来の姿を取り戻し、その姿はおぼろげに揺らぎ始める
今宵自由の身となり、背中にその傷跡を残したまま扉の奥にたたずむ彼女
だがドラマはこのままでは終わらない
本当の主人公、それはこの椅子にすわるウサギ
ウサギはその前は踊り子で、その前は天使だったのかも
全てはテーブルの上でまわるSP版に刻み込まれた思い出として
永遠(えいえん)にここに繰り返されている。
大きさは縦約29,5センチX横約18,5、本の厚さ約15センチ。
オルゴールというイメージからすると、ちょっと大きめです。
でもこれはいろいろな仕組みを入れるために必要な大きさで、これより小さくはならないそうです。
本タイプのオルゴールを作られたのは今回が初めてらしいです。
とにかくバニーちゃんがとてもかわいいです。
ピンクのブラにピンクのスカート、ピンクのストッキング。赤い蝶ネクタイに赤いガードル、
赤い靴、ついでに手のマニキュアも赤。
「バニーズメモリー」の謎めいた物語を思い浮かべると、かわいすぎる気もしますが、小さな
オルゴールの世界のバニーちゃんですからかわいすぎて困ることなどありません。
腕に抱いている白ウサギ、これまたかわいい。
ウサギの赤い目は、赤くて穴があいているところをみるとビーズのようです。
ビーズよりも小さなバニーちゃんの手の爪に、マニキュアがほどこされているという
その繊細さがまた驚異。
バニーちゃんもウサギもその耳がとても薄くできているので、ぽっきり折れないかと心配
してしまいますが、とても丈夫に出来ているようです。
展覧会最終日に、未完成ながら見せていただいてから完成作品はいくつか手直しもされています。
私でも見て分かるのは、本の扉部分の面積が大きくなったこと。
背表紙側から回っていた布を留める位置をずらされた為です。
表紙・裏表紙ともピンク色の本ですが、古い感じをだすためややくすんだ落ちついた色です。
(公式サイトの写真ではオレンジ色っぽく見えますが)
コード部分に中間スイッチがあり「切り・入り」の切り替えができ、通常は「入り」にしておくと、
本の扉を開くと同時に音楽が流れ出し人形が動きだします。
中間スイッチを「切」にしておけば、扉をあけてもバニーちゃんは動きません。
バニーちゃんの背景にところどころ穴のある円盤があり、その向こうに明かりあるので
円盤が回るとキラキラします。
小さいながら赤と緑のライトも使われているのでムード満点。
さらにバニーちゃんの周囲にクリスタル風のアクリルの棒があるので、これに光が反射して
さらに華やかにきらめきます。
テープレコーダーはバニーちゃんが立っているステージの下の緑色の部分にあるそうです。
以下、購入するまでいきさつなどを・・・。
いろいろ思うことがあり、今回を逃すともう二度と購入できる機会はないような気が
してやっと決心。
武藤さんの作品販売は抽選の時もあるそうですが、今回はLAPNET SHIPに
事前にうかがったところ、初日先着順と確認した上で行動を起こしました。
ここ数年の展覧会や講座に欠かさず顔を出していたせいか、初日にお会いした武藤さんから
「顔と名前がやっと一致しました」と言われました。
果たして私はどういう印象をもたれていたんだろうか・・・。かなり気になりますが、
そんな怖いことうかがえません。
初日はまだ作品が完成してなかったので、購入ではなく「予約」という形になりました。
実物を観てないのに買うの?と、思われそうですが今まで作品を観てきた経験から、
武藤さんの作品ならどれもでも好きなので問題なしでした。
美術作品は完成した作品だけあればよい、それが作り出されるまでの過程や背景には
全く興味ない、という方もいるでしょうが私は制作過程のお話も大好きです。
今回のように完成に至るまでのお話をご本人から伺えて、展覧会最終日には完成直前の姿を
見せていただけ、完成した作品を我が家にお迎えできた。
ファンとして、こんなにうれしいことはありませんでした。
作品をお迎えした日は、3月2日。
高額品専門の宅配便で届けていただける事になりましたが、梱包を解いたらスイッチを入れる前に
電話を下さいとご本人からメールをいただいてました。
当日心臓バクバクしながらやっとこさ、ご自宅にお電話を。
武藤さんのお話をうかがいつつ、スイッチオン。
本の扉を開くと・・・。
武藤さん「どうですか?」、私「動いてます」・・・・すみません、もう少しましな言葉いいたかったですm(__)m
後ほど「保証書」(!)とスペアのテープも送っていただけることになりました。
(保証書・・・メンテナンスできるのは武藤さんだけですから)
私の携帯電話の待ち受け画面は今やバニーちゃんになっています。
ひな祭りの直前にお迎えしたVIP。
家のひな人形を出すのはみごと、すっかり忘れてしまいました。