2012年05月21日

金沢での「自動人形師ムットーニ展 MUTTONI WORLD」

旅行中は、携帯電話&宿泊先のホテルのロビーのパソコン&レンタルパソコンから
記事投稿をしていたのですが、帰ってきたとたんなかなか時間がとれず更新が出来なくなりました。
さてどこから書こうかとおもいつつ、やはりまずはこれでしょう。
行ってきた感想と会場の様子のご紹介です。

自動人形師ムットーニ展 しいのき迎賓館 2012年5月 チラシ 


「自動人形師ムットーニ展 MUTTONI WORLD」@石川県政記念 しいのき迎賓館
4月28日〜5月13日まで
ムットーニ公式サイトはこちら
しいのき迎賓館のサイトはこちら

5月12日(土)と13日(日)に金沢市の金沢21世紀美術館にも近い、しいのき迎賓館で
開催された「ムットーニ展」に行ってきました。
金沢へ行くのは今回が4度目。
観光地は以前の旅行でほとんど回っているので、今回金沢観光はほとんどしませんでした。

こちらがしいのき迎賓館

しいのき迎賓館 2012年5月


自動人形師ムットーニ展 しいのき迎賓館 2012年5月 1


自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の作品展。
土日の11時、14時、16日にはご本人による作品解説&口上つきの上演会もあるという
事でしたので、もちろん上演会をねらって会場に行ってきました。


12日は金沢21世紀美術館の展覧会を観てから、しいのき迎賓館へ。
たぶんあるだろうとおもったロッカーがない。
かなりの大荷物を抱えていたので、もう一度金沢21世紀美術館へ戻り
ロッカーへ荷物を預けてくるはめに。


しいのき迎賓館は大きな建物ですが、今回の展覧会は通路を挟んで二つの会場に分かれていました。
通常の上演会はギャラリーAの方だけで、Bの方は臨時に行われることもあったようです。
A、Bの二つのギャラリーを使用してるから広いかと思ったら、意外と小さい。
ちょっとばかり拍子抜け。
受付もかなり簡素で、展覧会というより高校の文化祭の雰囲気ににてるなと感じてしまいました。

12日は16時からの上演会を観てきました。この日は17時にも臨時行われました。
そして13日は、14時、臨時の15時、16時の上演会に参加してきました。

連休中の5月5日、6日の上演会時は少なかったらしいですが最終日は大盛況!
「もっと平均して来てくれたらいいのに」とは武藤氏の弁。
13日の15時だったか16時だったか(すみません忘れました)、何かの集会が近くであったようで
着物姿の女性が大勢いるという、ムットーニ展ではあまり見かけない珍しい光景に出会いました。


以下、作品と会場の様子です。


会場はチケットを買って、もぎってもらうと目の前がギャラリーA。
「会場はこちらです」と案内されるのですぐ入ってしまうと、ちょうど背中側の通路の壁に貼ってある
CGプリントを見落としてしまいます。
今回の展示作品を紹介したCGプリントでした。

これに気がつかないで会場に入ってしまった方、多いのではないでしょうか。
張ってある場所があまり良くないし、せっかく張ってあるのですから係の方が「あちらもご覧下さい」の
一言があっても良かったのでは、・・・いや、あるべきだと思いました。
もったいない。
なかなかきれいなので、販売されていたら欲しいくらいのプリントでした。


展示作品は時間によって自動的に動いていたので、上演会が無くても楽しめるようになっていました。
今までの大きなムットーニ展にはあった、タイムテーブルは置いていませんでした。


さてギャラリーAの展示作品です。

会場入ってすぐ目の前にあるのは、「ドリームオブアンドロイド」

そしてタイムナビゲーター。
ムットーニ展の入り口によく置かれる作品です。
「法王・女神・神官・賢者」

1980年代に描かれた小型の油彩作品が12点。
初期の立体人形を組み合わせた「オートマタ祭壇」
大型覗き箱タイプの「パンドラ館の住人達」

私は初めて観るような感じのレリーフ作品「音の扉」

そして次のエリアにあるのはファンにはおなじみの大型作品群。
武藤氏が口上をしてくださったのはこのエリアの作品です。
並んでいる順番に口上をしてくれました。

ビックバンドと歌姫の共演の「トップオブキャバレー」

過去と未来を飛翔するビーナスの「インターメッツオ」

荘厳な「カンターテドミノ」

遠い未来のどこかで昔を懐かしんで繰り広げられる「サテライトキャバレー」

大都会の片隅、小さな公園のベンチで語らう男女の「摩天楼」

父親からもらったロケット、それから広がる少年の夢の「ギフトフロムダディ」

隅っこにあったのは小さな模型「記憶の小部屋(グリーン)」






いったん部屋を出て通路向こうの、ギャラリーBへ移動。
こちらは武藤氏が臨時に口上をしてくださることもたびたびあったようです。

入ってすぐ横にあったのは柔らかな光に包まれた歌姫の「クリスタルキャバレー」

現代に生きる光に包まれたビーナスの「メランコリービーナス」
いつもなら、この作品はビーナスのいる箱だけで展示なのですが、今回は両脇に
タワーを携えての展示になっていました。

2000年に青山円形劇場で上演された劇団、遊機械/全自動シアター公演「メランコリー・ベイビー」
(脚本・高泉淳子)の舞台装置の一部として登場した「ナイトアフターナイト」
舞台装置なので他の作品と比べてやや大きめ。
「メランコリー・ベイビー」は武藤氏も「ムットーニ」役として出演された公演。
ファンの方から再演の希望も少なくないし、再演したいとの打診もあるそうですが、武藤氏
ご本人は舞台に出るのはもう気が進まないらしいです。



さらにナレーション付の小型の室内型作品3点が並んでいました。

「猫町」
世田谷文学館にも「猫町」がありますが、これはそれの別バーション。
最後に床下から猫が顔を出す作品。

「テンペスタ」
これが今回の展示作品の中では一番の最新作。
画家ジョルジョーネ作「テンペスタ(嵐)」の立体化作品。
制作のいきさつが書かれて無かったけれど、NHKBSプレミアム番組「額縁をくぐって物語の中へ」の
クリエーターとして制作された作品です。
TV番組の中で観たときは、大きさが分かりませんでしたが隣の「猫町」「バニーズメモリー」と
ほぼ同じ、最近のオルゴールタイプの作品と同じくらいの大きさに作られていました。
番組の中では女性二人でジョルジョーネ作「テンペスタ」に描かれた謎解きをしていく展開でしたが、
展示された作品は武藤氏のナレーションでほぼ同じ内容が語られていました。
TVには無かったですが、轟音と共に光が瞬き、まさに嵐の到来を予感させるラストになっていました。

作品の右側に座っている女性の頭、手、足がゆっくりと動くし、左側の立っている男性もゆっくりと
少しだけ体の向きを変える。
私は気がつかなかったのですが、女性の足元にはえている蛇のような草が、ごくかすかに動いていたようです。
(観てきた他の方から教えていただきました)

「バニーズメモリー」
場末のミュージックホールで繰り広げられる一幕劇。
この作品の全面に保護の為のアクリルだかガラス板が付いたのは、いつからだったでしょう?


装飾用の立体作品「タイムアンドロイド」と「タイムエンジェル」
これは私、今まであまり観た記憶がありません。

そして隅っこにひっそりあったのは「記憶の小部屋(レッド)」



グッズ売り場では、新しいポストカードが販売されていました。
一見、今まで販売されていたものと同じ写真・・・と、思ったのですが完全に新しい品物でした。

写真の裏、通常文を書く面に各作品の動く設計図というのか、なんと言うんでしたっけ、
円形のタイムテーブル?が薄く印刷されているではないですが!
下の写真では、ほとんど分からないと思いますが・・・。

自動人形師ムットーニ ポストカード


既に展覧会を観てきた方から新しいポストカードが出ている、と教えていただいたので前と同じ
じゃないかなあと思いつつ特に確認もしないで全種購入してきたのですが、帰宅してからカードを
よく見てびっくり。
とりあえず買って大正解でした。
紙も以前のカードとは違っていました。


12日の上演会では黒いワイシャツにスーツだった武藤氏。
最終日、13日の上演会では白いワイシャツにスーツの武藤氏でしたが、閉館間際の18時前に1作品だけ
「サテライトキャバレー」の口上をしてくださったときには、もうラフなスタイルに着替えていました。

この後すぐに撤収作業に入り、翌日には帰るとのことでなかなかお忙しそうでした。



今回の展覧会でも、会場で顔なじみのファンの方々にお会いすることが出来ました。
初めて会うけれど、ツイッターで知っていた方ともお会いすることも出来て
とても楽しい金沢遠征となりました。

そしてもう一つ大きな収穫がありました。
武藤氏とも関係の深い、玩具コレクターの方と皮革人形作家さんとの著作権にかかわる訴訟のことです。
かなり有名な事件らしいのですが、恥ずかしながら私は今回初めて知りました。

そんな「皮革人形作品写真集」事件についてはこちらのサイトで詳しく紹介されていました。

読んでびっくり。信じられない。
TVでのおなじみの玩具コレクターの方への感想が180度変わってしまう内容でした。
今回、夜は宿泊先のホテルでブログの更新をするつもりでノートパソコンをレンタルしたのですが
訴訟の詳細&皮革皮人形作家さんのソショウブログを読むのに時間を使ってしました。

いろんな事を知った遠征旅行でした。

こちらはチラシの裏側です
自動人形師ムットーニ展 しいのき迎賓館 2012年5月 チラシ裏




すでに放送された「額縁をくぐって物語の中へ」のジョルジョーネ「テンペスタ」の回ですが、
また再放送があるそうです!
[BSプレミアム]
2012年5月25日(金) 午後3:00〜午後3:15(15分)



posted by みどり at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月30日

自動人形師ムットーニ氏作品「ステーションビーナス 鳥取バーション」

自動人形師ムットーニ氏作品「ステーションビーナス 鳥取バーション」@鳥取・わらべ館
わらべ館公式サイトはこちら


2011年9月24日(土)
瀬戸内海の犬島、神戸・六甲山を巡る旅の最終日に鳥取へいきました。
一番の目的は「わらべ館」にある、自動人形師ムットーニこと武藤政彦氏の作品をみること!

小さな所かと思ったら意外と大きな施設でした。
館内写真撮影OKというのがうれしい。


1階は「童謡の部屋」
2・3階は「おもちゃの部屋」

武藤氏の作品は3階のからくり人形のコーナーにありました。
1995年の作品だそうで、世田谷文学館にも収蔵されている「月世界探検記」と似た作品でしたが
わらべ館の作品は武藤氏のナレーションがついていました。
この作品は30分ごとに自動で動いていました。

横幅約80センチくらいだったでしょうか、わりと大型。

ガラスケースの向こうにあるので、正面から撮影しようとすると自分が映り混んでしまうのでこまりました。
よくよく見ると私がうつってるのがわかりますのでお許しを。

これは停止状態
ムットーニ氏作品 ステーションビーナス 鳥取バーション7



動き出すとブルーの照明が美しいです。
未来の月世界都市でしょうか。

ステーションビーナス 鳥取バーション ムットーニ氏作品



動いている様子が前後してますが、これは作品のアップ。
ムットーニ氏作品 ステーションビーナス 鳥取バーション2 




手前のドームが開いて、ロケットが現れる。
ムットーニ氏作品 ステーションビーナス 鳥取バーション4




下の写真では分かりづらいですが、ロケットが上昇します。
ムットーニ氏作品 ステーションビーナス 鳥取バーション3



ロケットはまた下に移動し、ドームが閉じる。
ムットーニ氏作品 ステーションビーナス 鳥取バーション5



ムットーニ氏作品 ステーションビーナス 鳥取バーション6


ガラスケース無しで観たい作品でした。





posted by みどり at 14:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月23日

自動人形師ムットーニ氏 作品「WINGS from WING ELEMENT」

ムットーニ氏オルゴール「WINGS from WING ELEMENT」


WING ELEMENT−WINGS 正式な作品名は「WINGS from WING ELEMENT」
自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の作品です。
この作品と初めて出会ったのは、去年5月の八王子市夢美術館「ムットーニワールド からくりシアターII」展。
数えてみたらもう八ヶ月も前。

11回も観に行った展覧会。
このWINGSの飛翔が終わるとちょうど閉館時間の午後5時。
毎回最後にこれを観てから帰ったものでした。
まさかあの時は、こうやって家に作品をお迎えできるとは思ってもいませんでした。
チャンスが訪れたのは11月の渋谷ロゴスギャラリーでの新作展。
新作展の感想はこちら(初日)と、こちら(総括)にまとめています。

八王子の展覧会や個々の作品についての感想はすでにこちらにまとめていますので、今回は省くことにしましょう。

部屋の角において、後ろにレースのカーテンをかけたらとても素敵なことに。
夢の夢が叶いました。

下はYouTubeにあったウェッバー作曲の「ピエイエス Pie Jesu」(この作品に使われている音楽)です。





<2012-01-28追記>

展覧会場では5台組セットの真ん中に置かれたのがこの作品。
そのせいか、会場ではほとんど分からなかった翼を包む光の変化。
とてもきれいでしたのでご紹介します。


「WINGS from WING ELEMENT」
「WINGS from WING ELEMENT」1



箱のふたが開き、翼が現れます。
「WINGS from WING ELEMENT」2



飛翔する翼、それに伴い変化する光が美しいです。
「WINGS from WING ELEMENT」3


「WINGS from WING ELEMENT」4


「WINGS from WING ELEMENT」5


「WINGS from WING ELEMENT」10


「WINGS from WING ELEMENT」6


「WINGS from WING ELEMENT」7



再び箱に戻る翼。
「WINGS from WING ELEMENT」8





「WINGS from WING ELEMENT」9


ご覧いただいてありがとうございました。




posted by みどり at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月27日

ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」総括

今年もあとわずかだというのに、書き留めてないことがいっぱいあります。
それでも全部書いて行きたいと、思っています。



ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」



ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」総括@渋谷ロゴスギャラリー
11月17日〜11月29日まで
ロゴスギャラリーの展覧会サイトはこちら

自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の新作展。
会場でお会いした方々ありがとうございました。
そして、ゆっくりご挨拶も出来なかった方、ごめんなさい。

今回は金土日と祝日の13時、15時、17時、19時には、ご本人の解説付きの「上演会」が
あるのでこれが聞きたくて何度も足を運びました。
数えてみたら今回は10回、上演会に参加していました。
何度見ても、何度聴いても、そのたびに新鮮で楽しかったです。
しかし、何度聴いてもお話が右から左に抜けてしまい、いっこうに頭の中にとどまらない。
すぐ忘れてしまうので困りました。



以下、思い違い、記憶違いがあったらごめんなさいです。
またオルゴールに使われている曲名も、今回はメロディが聞き取れず分かりませんでした。

初日に行ったときの事は既に書きましたが、今回登場していた個々の作品の感想、
その他のことを書き留めておきたいと思います。


新作展とは言っても、2月のKENJI TAKI GALLERYや、5月からの八王子市夢美術館、
9月の六甲山、ホール・オブ・ホールズ六甲での個展「WING RESTING」で登場した作品などで
今回まったくの初登場作品は3作品のみでした。



「ANGEL BREEZE エンジェル・ブリーズ」(オルゴール)
ホール・オブ・ホールズ六甲で、登場した作品。
四角い箱の下にコップの枝のような台が着いた、ちょっと変わったデザインの作品。
天使が宇宙空間で翼を休めている所だとか。
バープルの光に包まれたような作品。
星がきらめく中に天使がいるような感じで、小型ながら華やかです。
2月のKENJI TAKI GALLERYの展示で登場した「WING ELEMENT−ANGE」と
雰囲気がよく似た作品と感じました。
今回展示された中でも好きな作品です。


「ステーション・ビーナス2011」(オルゴール)
ホール・オブ・ホールズ六甲で登場した作品。
形は上記と同じスタイル。
中央にいるビーナスは、大型作品インターメッツオのビーナスと同じスタイルをしています。
ビーナスの両脇に真空管が配置され、レトロなSF映画を連想する作品。


「STILL BLUE−SKY」(オルゴール)
今回の展覧会DMに使われているのがこれです。
ホール・オブ・ホールズ六甲の展覧会、会期途中で登場した作品。
縦長に細長い箱の中に、翼を持った猫(=羽猫)を空に投げ上げる少女。
上演会での口上によると、ギリシャの映画監督テオ・アンゲロプスの「永遠と一日」の中で
二人の男性が交わす会話がこの作品を作るきっかけになっているらしい。
(子どもが砂浜で無心に遊んでいる様子をあれが永遠さ、と言っているらしい)
私はこの映画は観たことがないです。

ゆっくり投げ上げられた時に猫のお尻が丸見えになるのですが、これがかわいい。
そして降りてきた猫を、ゆっくりふんわり、でもしっかりと抱きかかえるように見える少女の仕草がまたかわいい。

箱の外側がやさしいパステルカラーなのが武藤氏の作品にしては珍しいなと、思いました。
箱の内側は空をイメージした水色。
白い雲が描かれ、さらに上でまわるミーラーボールが大きめのミラーを使っているため
内側に映り流れる光が、流れる雲のように見えてきれいです。

後から武藤氏にうかがったお話では、箱の外側はアクリル絵の具で塗ってあるけれど
内側はアクリル絵の具ではすぐ乾いてしまい、空のきれいなグラデーションが出来ないので
内側だけ油絵の具で塗ったのだそうです。

六甲での会期途中で、追加展示されると知って、作品見たさにわざわざ六甲まで行って
出合った作品でした。
その時のことはこちらにまとめています。

なんの予備知識もなくこの作品を観たときの、驚きと言ったら!
一目惚れした作品でした。


「STILL BLUE−PLANET」
今回初登場した作品。
今回の展覧会のテーマは翼ですが、もう一つのテーマは空、だったらしい。
STILL BLUEシリーズは、一人の女性の一生が描かれているのが興味深い。

この作品の少女は13,4歳。
夜空を眺め、また見ぬ恋人を夢見ている少女らしい。
やや大人びた少女の顔、宇宙服みたいなコスチューム、そらは星がきらめく夜空。
「SKY」と同様に少女は猫を投げます。
上部につけられたミラーボールはミラー部分が細かいし、上記の作品より回転が
早く、夜空に流れる光が流星のように見える作品です。

投げ上げられた猫は惑星か人工衛星にでもなっているつもりか、しっぽを丸めてまあるくなっています。


「STILL BLUE - WINGS」
今回初登場した作品。
箱の中に室内があり、ドレスを着た年配の女性が、猫を抱えています。
先の2点とは違って、もう猫は投げ上げません。
室内にはかつて猫が付けていた翼や、少女時代のコスチュームの帽子が置かれています。
音楽と共に女性の後ろが透けて、翼が見えてくる。
室内、女性のドレスも色合いが淡く、穏やかな雰囲気があります。


八王子の展覧会の時、5台で一つのインスタレーションとして発表されたWING ELEMENT。
WING ELEMENT−FLAMINGO
WING ELEMENT−ANGEL
WING ELEMENT−EDGE OF RING
WING ELEMENT−WINGS
WING ELEMENT−LOST 

今回はここから「ANGEL」が抜け、新に「STILL WHITE」という作品が追加されました。
新たな5台組セットの作品名は「WING ELEMENT.VOL.2」
八王子の展示の時には口上がありませんでしたが、今回はあるのがうれしい。
の時の配置は左奥にANGEL、その前にEDGE OF RING、その右にLOST、その後ろに
FLAMINGO、そして中央にWINGSでした。
今回の配置は左奥にFLAMINGO、その前にLOST、その右にEDGE OF RING、その後ろに
新に追加になったSTILL WHITE、そして中央にWINGSとなっていました。

「FLAMINGO」は妖精の姿になった、星空に恋したフラミンゴの物語。
音楽はトニー・ハーパーの歌う、「フラミンゴの飛ぶところ」

「LOST」は、混沌とした記憶の中から、自分がかつて翼を持って空を飛んでいた天使だったことを
思い出す堕天使の物語。
音楽はCD名「ANGELS」の中の「第9章大天使ミカエル」 CDの12トラック目「Alleluia, Sancte Michael Archangele」
グレゴリオ聖歌をアレンジした音楽。
(曲名を書くのは私自身が音楽が好きで、作品に使われた曲のCDを必ず購入してるからです)


「EDGE OF RING」は生と死の境目で戯れる天使。
この作品は天上に映る天使の影も美しいです。
音楽はエグベルト・ジスモンチ のCD「 Alma」 の中の「Agua & Vinho (Water & Wine)」

「STILL WHITE」は純白の衣装を身にまとった花嫁が花束を投げ上げ、かつて自分がいた
ことのある草原と青空を思い出す。
やがて教会の鐘の音が聞こえてくるという作品。
オルゴール作品「STILL BLUE」シリーズの一つ、とも言える作品。
武藤氏の作品の中では、不思議なくらいロマンティックな物を感じます。
音楽はキース・ジャレットのCD「The Melody At Night, With You」の中の「Be My Love」
これは以前の作品「ANGEL」に使用されたのと同じ曲で、私も大好きな曲です。
そういえば去年のロゴスギャラリーでの展覧会では、ドラキュラの花嫁という作品が登場
してましたが、あのときの妖しい雰囲気の作品とはまったく違う晴れやかさがあります。


「WINGS」
4作品が順に一つずつ動き、最後に動くのがこの作品。
他の4作品も同時に稼働し、箱の中から翼が現れる。
この翼によってすべての物語世界が純化されていくのだとか。
人形が登場しませんが、私はこのシンプル極まりない作品が大好きです。
音楽はCD名「ピエイエス 安息の日」の中の「レクイエム ピエ・イエス(ロイド=ウェッバー作曲)」





特別に展示されていた大型作品「THE NIGHT ANGEL COMES」は1995年の作品。
2006年12月に銀座のミキモトで行われたムットーニ展「ミキモト・クリスマスファンタジー MUTTONI 」で
登場して以来、5年ぶりの再登場作品なんだとか。
下の画像は、当時のパンフレットですが「THE NIGHT ANGEL COMES」の写真が使われています。

ミキモト・クリスマスファンタジー MUTTONI 」


「THE NIGHT ANGEL COMES」というタイトル作品は2008年にもありますがそれとは別作品です。

背中を向けて立っている女性が、ゆっくり回転すると部屋のドアが開けて、まったく別の世界が現れる。
向こうには翼を持った男性がいるが、二人は互いにその存在の気配を感じているだけ、らしい。
女性が現実と夢の世界を行き来してるように見え、不思議な雰囲気があります。

作品に使われている曲は、武藤氏ご自身によるトランペット演奏ですが、今回初めて曲名を知りました。
「Angel Eyes」という曲で、私が知らなかっただけでいろんな方がカバーしているジャズの名曲でした。

YouTubeにテナーサックスによる演奏ですが、いい感じのがありましたので貼り付けておきます。





そして最後になりましたがSTILL BLUE−SKY、先日無事我が家にお迎えしました。

9月30日雨の六甲山、ホール・オブ・ホールズ六甲が最初の出会い。
この時の展覧会「WING RESTING」の感想はこちらにまとめています。

何の予備知識もなく初めてこの作品が動くところを観たとき、私思わず大笑いしてしまいました。
優しい色の外観と、少女と羽猫の戯れ。
幸福の姿、そのものに見えました。

いずれまた、この作品について詳しくご紹介できればと思います。

sbs02.jpg






posted by みどり at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月18日

ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」初日

ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」


ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」初日@渋谷ロゴスギャラリー
11月17日〜11月29日まで
ロゴスギャラリーの展覧会サイトはこちら

11月17日(木)初日に早速行ってきました。
自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の新作展です。

作品の動きにあわせてご本人に解説つきの上演会は、初日にはないのですが
六甲山のホール・オブ・ホールズ六甲で、登場した新作3点が会場内にどうならんで
他の新作が、どんな作品がでるのか早く見たくて行ってきました。
(六甲での新作展の感想はこちらにまとめています)
土日、祝日の午後からは上演会が行われるのですがその整理券もほしかったからです。

ロゴスギャラリーでは、過去なんども武藤氏の個展が行われてきましたが初日、10時の会場前に
ロゴスギャラリー前にならんだのは今回が初めてです。


今回展示されているのは以下の作品です。
ホール・オブ・ホールズ六甲で登場した作品三点、「ステーションビーナス2011」「ANGEL BREEZE
エンジェル・ブリーズ」「STILL BLUE−SKY(今回のDMに使われているのがこれ)」
今回初登場の新作は3点。
旧作1点。
そして今年八王子市夢美術館で登場した5台の作品で構成された「WING ELEMENT」がありましたが
あそこから1台抜けて、新に1点(今回の新作3点のうちの1点)が加わったインスタレーション「WING ELEMENT.VOL.2」



武藤氏が来られても上演会ではないので、まだまだ全貌が見えない。
今までの武藤氏の作品と比べると軽く明るく、の感じがします。
各作品の感想はまた後日に書くことにします。






この日はこの後、六本木の国立新美術館で「モダン・アート、アメリカン 珠玉のフィリップスコレクション」、
TOHOシネマズ六本木ヒルズで「オペラ座の怪人 25周年記念公演inロンドン」、再び渋谷に戻って
アップリンクで「「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」を観てきました。
こちらのそれぞれの感想も後日に。



<2011-11-19追記>
ギャラリー(=画廊)はアーティストさんの作品を販売するところですが、
今回初日に行って驚いたのは、5台の作品で構成された「WING ELEMENT」の各作品が
総べて販売対象となっていたことです。
posted by みどり at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月17日

自動人形師MUTTONI 新作個展「WING RESTING」

mtroko11.jpg


自動人形師MUTTONI 新作個展「WING RESTING」@オルゴール・ミュージアム ホール・オブ・ホールズ六甲
9月17日〜10月3日



9月22日(木)に観に行っています。
自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の新作個展。
当初、会期は9月30日までだったのが10月3日までに延長になりました。

ホール・オブ・ホールズ六甲で武藤氏の個展が行われるのは、2008年以来3年ぶりです。
2008年の時は、武藤氏ご本人による解説付きの上演会もおこなわれたので観に行っていました。
この時の感想はこちらにまとめています。


今回は、ご本人はみえないし、作品数も2008年より少ない小規模の個展でしたがたまたま
劇団維新派の犬島公演を観に岡山まで行くし、新作が観られるとあって出かける気になりました。

冒頭の画像は今回のDMですが、写真は以前の作品で今回展示の作品ではありません。


新作は2点の小型オルゴール。
会場では写真撮影不可なので、言葉だけの説明になります。



新作オルゴール 「ステーション・ビーナス2011」
形はDMの写真と同じタイプ。
箱の中に、アンドロイド風のビーナスがいました。
レトロな機械の雰囲気の作品。

オルゴールの曲は映画「いそしぎ」のテーマ、The Shadow of Your Smileでした。
ご参考までに、下は渡辺貞雄演奏による曲です。



それにしても、武藤氏の以前の作品にはこの曲名と同名のキネトスコープタイプ作品がありました。

ホール・オブ・ホールズ六甲の館長さん、高見沢氏のツイッターに「ステーション・ビーナス2011」の画像が紹介されています。




新作オルゴール「エンジェル・ブリーズ」
こちらも形はDMの写真と同じタイプ。
係の方から教えていただいたオルゴール曲はThe rose。
今となっては確認できないのですが、この曲だったか?
違っていたらごめんなさい。



今年、発表されたWING ELEMENT−ANGEL をミニチュアにしたような雰囲気のある作品。
箱の中で天使が羽ばたいてしました。



さらに作家所蔵の旧作オルゴールが2点展示されていました。

ファンにはおなじみの「天国と地獄」
作品の横についている小さなハンドルを回すと、作品上面のふたが開いて
人形の頭が見え隠れするとうもの。
武藤氏の公式サイトには「発条第1号作品」と記載されています。
これは係の方に御願いすると、動かして見せていただけました。


「ライオン・ハート」
この作品は、私は写真でしか観たこと無かった作品。
以前、世田谷文学館の武藤氏の展覧会があったとき館内の喫茶店内に展示されていたらしい。
ブログでこの写真を載せている方がいて、初めて知った作品です。
旧作で、調子が悪いらしく今回こちらは動かしてはいただけませんでした。
小さな箱の前面にライオンの姿がありかわいい作品です。


他は、ことし八王子市夢美術館で開催された「ムットーニワールド からくりシアターII」
でも展示があった昔の油絵作品が数点展示。


会場の入り口には、映像作品が流れていました。
今回の新作と、ここ数年の作品の動いているところを部分的に紹介している映像。
なかなか凝っていました。
紹介されているのはたしか「エンジェル・ブリーズ」「ステーション・ビーナス2011」
「エルサルサデメディアノーチェ」「プロミス」「海の上の少女」「サテライトキャバレー」でした。


展示室は小さい部屋で、係の方に頼むと部屋の灯りを消し、ドアをしめて作品を
動かしていただけました。
闇の中で煌めくムットーニ作品は、きれいです。







その後、また1点新作オルゴールが追加展示されるという緊急告知が出たことを知りびっくり。
(リンク先は六甲ミーツ・アート芸術祭2011の公式サイトです)
どうしよう・・・。
追加作品が展示される9月30日は、幸か不幸か仕事が休みの日だったのです。
新作は観たいけど・・・と、もちろん迷いました。
しかし、今行かなくていつ行くんだ!?
休みなら堂々と行けるじゃないか、と行ってしまいましたf(^ー^;
今回は29日の夜、東京駅から夜行バスに乗って翌朝神戸・三ノ宮到着。

朝7時台に三ノ宮に着いてしまったので、朝ご飯代わりのうどん食べて、コーヒー飲んで
のんびりしながら六甲山へ向かいました。
六甲ケーブルに乗っていると、前回来たときはなかったキンモクセイの甘い良い香りが
あたりに満ちていました。

天気は小雨がぱらつく悪天候。
六甲ケーブル山頂駅につくと、あたりは靄で包まれ真っ白状態。

開館は10時なのに、朝9時にはホール・オブ・ホールズ六甲の前に着いてしまいました。
ちょうど職員の方の送迎バスが着いたところを目撃。
ホール・オブ・ホールズ六甲もあやかしの舘のよう。

2011年9月30日 ホール・オブ・ホールズ六甲


あたりをブラブラすると、なんだかこんな雰囲気のある景色が。

2011年9月30日 六甲山1



そのつもりはなかったのですが、結局会場に一番乗りして追加新作を見てきました。


追加新作オルゴール「STILL BLUE」
オルゴールの曲はサティのジムノペティ第1番

なんというか、武藤氏の作品としては今まであまり見たこと無いタイプと感じました。
まず色彩が今までの作品とまったく違い、明るく優しいパステルカラー。
少女と猫のかわいいオルゴール作品でした。
あまりのかわいさにまさにノックアウトf(^―^;
先の2点を見たときとはまったく違い、一目で心ときめく作品でした。


小規模ながらすっかり堪能してしまった9月のムットーニ展。
今回の新作オルゴール3点は11月17日からはじまる、渋谷・ロゴスギャラリーでの新作個展にも
展示されるそうです。
なので、最後の追加作品の詳細は11月の個展を観てから書こうと思います。


11月の新作個展では、どんな作品がでるのか。
今年2月の個展は 「WING ELEMENT」
今回は「WING RESTING」
WINGが続いているので、次回はWING 何になるのか?

とにかく楽しみなロゴスです。



この日は10時に入館してから、途中シュトラウス・カフェでランチをいただいて1時半まで
約3時間半もホール・オブ・ホールズ六甲で過ごしてしまいました。
天気が良ければ「六甲ミーツアート芸術散歩2011」の作品を見て回ったかも知れませんが、
時折雨が土砂降りの悪天候なので、回る気も起こりませんでした。

くわえてこの日の夜はもともと東京で、ゴンチチのコンサートチケットを取っていて、
こちらも無駄にしたくないので19時30分の開演に間に合うよう、新幹線で帰ったのでした。


<2011-10-17追記>
当初会期を「9月17日〜11月3日まで」と書きましたが、これは書き間違いで正しくは
「9月17日〜10月3日まで」です。

訂正いたしました。
申し訳ありません!
posted by みどり at 00:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月12日

アートフェア「ART NAGOYA 2011」

「ART NAGOYA 2011 CONTEMPORARY ART FAIR」



「ART NAGOYA 2011 CONTEMPORARY ART FAIR」@名古屋ホテル ウエスティンナゴヤキャッスル 9階エグゼクティブフロア
8月5日〜7日まで (5日はプレス・招待客のみ入場可)


8月7日(日)に行ってきました。
東京、名古屋、外国の26のギャラリーが参加しての現代アートの展示即売会「ART NAGOYA 2011」

千葉県民の私にとって、名古屋はかなりの遠方なので当初行くつもりは全くありませんでした。
しかしケンジタキギャラリーが出展し、さらには取り扱い作家である自動人形師ムットーニこと、
武藤政彦氏の新作オルゴールが2点出ると知ってからは、観たくてしょうがなくなりました。

武藤氏の大型作品は別の個展でも展示されることがあるのですが、小型のオルゴール作品は
個人の所蔵になってしまうと二度と見られないことが多いからです。
そう思ったら、いてもたってもいられない。
行きたいけど時間がない。
6日は別予定がはいっているので行かれない。
7日も仕事のシフトが入っているから、急に休ませてもらうわけにいかなかったのですが、
ギリギリのところ昼であがらせてもらうことにしました。


東京駅で昼食代わりの横浜名物「崎陽軒(きようけん)のシュウマイ」を購入して
東京駅13時40分発、大阪行きの新幹線のぞみ357号に乗車(^^)

8月7日 東京駅新幹線のぞみ357号 


千葉県から名古屋への日帰りの旅。
お目当ては武藤氏のオルゴールですが、他にも初めて観る作家さんとの新たな出会いがあるかも知れない。
(つまりもしも一目惚れするくらいの作品があれば、購入も検討)

私としてもこんな無謀な旅は初めてでしたが、新感線に乗ったらもうワクワクしてきました。
午後3時半少し前には名古屋に到着。
列車を降りたとたん熱気にクラクラ。
(この日は全国的に暑い一日だと、後で知りました)

電車を乗り継いで、会場のある名古屋ホテル ウエスティンナゴヤキャッスルに午後4時ちょっと過ぎに到着。


2011年8月7日 名古屋ホテル ウエスティンナゴヤキャッスル 


参加の26ギャラリーは、総べてみてきました。
ホテルの客室・浴室を使っての作品展示。
このようなアートフェアは今までも何度か、観に行ったことがあります。

名古屋城のすぐそばにあるホテルなので、客室の窓からは名古屋城がとてもはっきりと見えて
現代アートを眺めて、ふと窓の外をみると名古屋城、という対比がとても不思議でした。
うっかりして窓からの名古屋城は写真を撮りそこねました。


2011年8月7日 名古屋城


展示作品は写真撮影不可なので、気になったアート作品については書き留めておきます。





<KENJI TAKI GALLERY(ケンジタキギャラリー)>

もちろん楽しみにしていたのはムットーニこと武藤政彦氏の作品・オルゴール2点。
これは明かりを消したバスルームに展示されていました。

「LE REGARDO (眼差し)」
ハーフミラーを使った作品。一人の女性が観る私たちには背中を向けてイスに座っている。
彼女の目の前にあるのは鏡で、彼女が何かをさがすようにゆっくりと顔を左右に振っています。
鏡の中では、鏡に映る彼女の後ろに白い翼を持った男性が立っていてゆっくり現れてはまた消えてゆく。
男性の両手は彼女の両肩に置かれていて、彼もまた彼女のことをいつくしむように見下ろしています。
男性は女性の恋人なのか、夫なのか。
優しい物語を感じる作品でした。
オルゴールの曲は聞いたことがある感じですが、曲名は分かりませんでした。




「ROOM 6102」
いつもなら「キネトスコープタイプ」と表示されていたタイプだと思うのですが、今回は
「覗き箱タイプ」と表示されていました。
箱の穴から中を覗くと、ホテルの室内らしき部屋のドアの前で一人の女性がゆっくり回転していました。
ドアはゆっくりと閉じたり開いたりしていますが、ロングスカートでスーツ姿の彼女は回転しつつ
いつの間にかスリップ姿に変化します。
部屋の左側にはベッドがみえるし、布団にわずかにふくらみが見えるので誰か、何かがいるような?
(後から知人に言われたのですが、部屋にかかっている鏡に人の顔が見えたらしい)
音楽は低く静かなものなので、すぐ隣の「LE REGARDO」のオルゴール音が被ってしまいよく
聞き取れませんでした。
なんとなく世田谷文学館所蔵の「眠り」を連想する、やや不気味な雰囲気の作品でした。




武藤氏以外の作品では、塩田千春さんの作品が印象的。
塩田さんは巨大なインスタレーションが有名な方。
去年観に行った瀬戸内国際芸術祭2010の豊島での、元公民館をつかったインスタレーションの
感想はこちらにまとめています。
今回は糸を使った、小さなオブジェ的作品がありました。





<GALLERY IDF>
深堀隆介氏は金魚ばかり描くアーティストさん。
小さなひしゃくの中に水があって、その中に金魚がいたり、あるいは木の升の中にお酒がはいってさらに
金魚がいる「金魚酒」のオブシェ。
と、いう風に見えるのは透明な樹脂を少し流しては、乾いてから金魚の絵を描き、さらに樹脂を流して
また描き・・・を繰り返した物。
この技法で描かれた金魚はまるで本物のような立体感がありました。

辻恵さんは和紙に描いた墨絵が美しい。
日本画的な技法ですが、描かれた物は花と少女のシルエットだったりでどこか現代的。
しばし購入を考えた作家さんでした。





<STANDING PINE CUBE スタンディングパインキューブ>
平川祐樹氏の二つのモノクロ映像作品「夜に浮かぶ」「ささやきの奥に」が印象的でした。




<unseal contemporary アンシールコンテンポラリー>
きれいでも、かわいくもないけれど、とにかく強烈な印象の藤井健二氏の作品。
たしか今年、日経新聞の文化面で俳優で舞踏家の麿赤兒(まろあかじ)氏の自伝が
掲載されていたのですが、その中で以前気に入って購入した作品だという写真が
載っていました。
これもまた印象が強烈で、麿赤兒氏は「怪物」と呼んでいた作品。
犬のような動物の形をしてましたが、それはまさに今回観た藤井健二氏の作品でした。

下は今回展示されていた作品で、DMの画像です。

藤井健二作品 「転校生/そよかぜ」
藤井健二作品 「転校生/そよかぜ」




<JILL D'ART GALLERY ジルダールギャラリー>
アーティストさんの名前が不明なのですが、CDを一枚購入しました。
今回のアートフェアで展示されている他の作家さんの作品からイメージした音楽を作った、たというその
音楽が流れていました。
なんだか良い感じの音楽。
CDには「お好きな価格」という表示が(^◇^;)
ギャラリーの方にうかがったら、作家さんはまだ学生でCDは気に入ってもらえたらそれでいいのだそうで
それで「お好きな価格」になってるんだとか。
小銭を出す方もいれば、千円札の方もいたそうです。
そして私、会場に置かれていた最後のCDを100円にて、購入してきました。
CDに付属の解説は最後の1枚なので、このまま展示したいので後から送ります、と言ってくれました。
(そろそろ一週間たつけどまだ届かない)



この日は、6時半ちょっと過ぎまで作品鑑賞。
もちろん武藤氏の作品は、何度も観ておきました。



その後、ネット上のコミュニティでよく知っていた方(名古屋在住の方)と始めてお会いする。
名古屋名物、おいしい手羽先を食べ、指定席券を買っておいた午後9時30分発東京行きの
新幹線に乗る・・・つもりが慌てて1本前の列車に乗ってしまう。

でも自由席の空席に座れてホッと一息(^◇^;)


終電前には千葉県の自宅に帰宅。
とても充実の一日を過ごすことが出来ました。




<2011-08-18追記>

JILL D'ART GALLERY より、先日購入したCDの解説が届きました。
作者は小山和音さんという方でした。
なぜが当初は女性と思いこんでいましたが、男性でしたf(^ー^;

小山和音さんの公式ブログはこちらです。
posted by みどり at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月11日

「ムットーニワールド からくりシアターII」総括

「ムットーニワールド からくりシアターII」展 



「ムットーニワールド からくりシアターII」総括@八王子市夢美術館
5月20日〜6月26日まで (終了しています)
展覧会公式サイトはこちら


展覧会が終わって早2週間。
残念ながら最終日は行かれませんでしたが、そのかわり会期中何度も通ってしまいました。
6月25日(土)の最終日前日に行ったのが最後の見納め。
会場では、顔なじみのファンの方々ともお会いでき、とても楽しい時間を過ごすことができました。
お会いした方々、改めてありがとうございました(^^)


会期中の毎週、金土日の午後に作者ご本人による解説が聞ける上演会があるので
毎週金土のほとんどと、上演会の無い平日に1回、計11回行ってきました。
私の知り合いの方は、土日のほとんど通ったそうです。

なんでそんなに、と言われそうですが、氏の作品は何度観てもあきませんし、何よりも
上演会では作品についてのちょっとしたお話を作者ご本人から聞ける、それもその時々で
お話しされることが少々違っていたりするものだから、些細なことでも聞き漏らしたくない、というのが
一番の理由だった気がします。
観ていて飽きないのは、作品がよいだけでなく、その作品が置かれた展覧会会場の空間の雰囲気が
とても居心地よかったからでした。


*************************************

今回の展覧会についてすでに2回、書いてきましたので今回は書き漏らしたことや気になった
ことなど、あちこち横道にそれつつ書き留めておこうと思います。
読みずらいかも、知れませんがお許しを。





今回の展覧会、会期が進むにつれて上演会に会場にいるお客さんの数がどんどん増えてくるのは
驚きました。平日金曜日でさえ、そんな状態。

作品数が多いし、各作品は自動で順番に動いているので全部を見ようとすると2時間半から3時間は
必要だったと思います。
ゆっくり観たくて上演会の無い平日に一度だけ行ったのですが、それでも結構お客さんがいて
作品を独り占め状態で観ることはとうとうできませんでした。
この日は入り口で、数人のグループが「じゃあ、1時間後にここで待ち合わせね」などといって
会場内に散っていったので、一時間じゃ半分も観られないのに!と思ってしまいました。
人ごとですが、せっかく来てなんてもったいないことを、と思いました。


武藤氏の上演会では、前列にいるお客さんはしゃがんでみるのがいつものパターン。
こうしないと後ろの人が見えないからで、さらに作品事に移動していくから立ったり座ったりを
繰り返す。
これ私は苦ではないのですが、初めての方はとまどっていたようですね。
混んでるとはいえ、初めて来た、というかたも多いせいか、こんな方々の間をすり抜けて自分に
とっての観やすいポジションに素早く移動するのは、意外と楽でした。



*************************************




作品が観られたのが一番楽しいですが、今回は展示された作品に使用された音楽の曲名が総べて
判明したのが私にとって、一番の収穫でした。
なので、以下音楽面について書いていくことにしますf(^―^;




今まで曲名については、上演会の時に武藤氏が曲の紹介をすることもありましたが、ファン同士で
情報交換してやっとわかる、というパターンがほとんどでした。

今回会場にある作品の曲名はほとんど知っていたのですが、新作2点が分からない。
(新作2点以外で知らなかったのは「ナイトエンジェルカムズ08」でした)
なかでもWINGELEMENT−WINGSの曲は、なんてきれいなんだろうと思いました。

今回は武藤氏ご本人とお話しする機会がありましたので、ご本人に直にうかがってみました。
曲名とCD名を教えていただいたのですが、クラシック系は同じタイトルのCDなど山ほどある。
CD名だけでは絶対CDにたどり着けない、と思ったのでCDジャケットがどんな風なのかも
教えていただきました。

WING ELEMENT−WINGS
音楽はCD名「ピエイエス 安息の日」の中の「レクイエム ピエ・イエス(ロイド=ウェッバー作曲)」
ジャケットは「ラファエロのマリア」と、言われたので一発で目指すCDに到着(^^)V

「ピエイエス 安息の日」


ロイド・ウェッバーがこんなに美しいレクイエムを作曲していたとは知りませんでした。
このCDは気に入ってしまい、続篇の「ピエイエス2」まで購入してしまいました。

「ピエイエス2」


「2」は私でもよく知っていて好きなフォーレのレクイエムや、バッハのマタイ受難曲のアリアや
マスカーニのカヴァレリアルスティカーナの間奏曲(作品に使われた録音とは違いますが「インターメッツッオ」
「アローンランデブー」の曲)まで、収録されているのです

それにしても、ラファエロのマリアを観ていて気がついたことが。
武藤氏が作る作品の天使やヴィーナスの顔は、ラファエロのマリアにそっくりな気がします。
しませんか?





WING ELEMENT−LOST
音楽はCD名「ANGELS」の中の「第9章大天使ミカエル」 CDの12トラック目「Alleluia, Sancte Michael Archangele」
グレゴリオ聖歌をアレンジした音楽です。
こちらは「青地に白い翼のようなもの」と、言われたので、てっきりこれかと思って購入したら違っ
たf(^―^;

angeli


間違ったとはいえ、天使の事を歌った古い音楽や、現代の音楽が収録されなかなかよいのです。
奏者のアンサンブル・プロジェクト・アルス・ノヴァは中世の音楽を演奏するため結成された
古楽器アンサンブルなんだと、はじめて知りました。

私が悪いのですが、間違ってしまったことお話ししたら再度教えてくださり(感謝感激)、無事到着したのがこれ。

CD名「ANGELS」


全編通して聴くと、けっこう耳障りな曲もあり不思議なCDです



WING ELEMENTの口上を聴くことは無かったのですが、一人のお客さんに武藤氏がLOSTに
ついてのお話をされているところを耳にして、あーそういうのみんなの前でして欲しいのになあ・・・
とがっかり・・・(T.T)
もちろんそばで聴いておりました。
ロストの男性は、かつて翼を持っていたかもしれない男の物語、らしい。



私は今回の展覧会を観に行くと、上演会を聴くのはもちろんですが、それ以外ではあちこち
観てから最後に小型作品の「ナイトエンジェルカムズ08」を観て、次にWING ELEMENTの
5台同時飛翔を観終わるとちょうど閉館の5時になるから、これで帰る、というのがパターン化
していました。

武藤氏に曲名をうかがったとき、初めて気がついたのですが、今回展示作品の全部の曲名リストが受付に
用意されていました。
でも、だれでも観られるようになっていたのではなく、どうも問い合わせがあれば、受付の方が答えられる
ようにと用意してあったようです。
後日、上演会のない平日にまた観に行った際、この曲名リストが受付の硝子ケースの下にあるのに気がついた
ので御願いしたら快く見せていただけ、何度も行くから顔を覚えられていたせいか「コピーしましょうか?」と
言っていただけたので、ありがたく御願いしました(^^)V


曲名と、アーティスト名、だけのリストなのでこれだけで収録されているCDまで特定するのは出来ないでしょうが
ちょっとうれしくなりました。
そういえば、2009年の名古屋ケンジタキギャラリーでの個展を観に行ったときも、新作の曲名リストはありました。
2010年の渋谷ロゴスギャラリーでの個展の時はリストは無かったと思います。


「ナイトエンジェルカムズ08」は原宿のラップネットシップでの個展で登場した作品。
「ナイトエンジェルカムズ」という名の作品は過去にも何点かあるので、武藤氏にとて
思い入れの深い作品らしい。
奏者は分かりませんが、使用されている曲はリストの慰め。
翼を持った男性の腕の中をするりとすり抜けてしまう女性。
音楽もあいまってとても気品のある美しい作品だと思います。

下はYouTubeにあった、フジコヘミングさんによるリストの「慰め」です。





酒瓶から骸骨が出てきて歌い出す作品「ナイト・キャップ」に使われている曲は
Aurelio Fierro アウレリオ・フィエッロの「 'A Pizza 」の中の「'A Risa (=笑いの歌)」

 'A Pizza


笑ってばかりいる、不思議な歌を歌っているアウレリオ・フィエッロとはいったいなにもの??
今回ネット上を検索して調べたら、既に故人ですがイタリアではかなり有名な方のようで日本に来日も
したことあるんだそうです。
ご参考までにこちらのサイトに詳しい解説がありました。

つい興味を持ってCD「アウレイロ・フィエロ 遙かなるサンタ・ルチア」を購入してしまいました。

「アウレイロ・フィエロ 遙かなるサンタ・ルチア」


これにも「笑いの歌」が収録されていました。
このCDは日本版で解説も付いていたので、長いこと知りたかったこの歌の詳細がわかりました。
詩人でコメディアンのベラルド・カンタラメッサが1895年に作詞作曲、創唱した歌で
Aurelio Fierro がリバイバルヒットさせたのだそうです。
歌詞の内容は、なんでも笑い飛ばして陽気でいればいいことあるさ〜・・・と
歌っているのでした(^o^)
武藤氏が歌詞まで知っていたのかわかりませんが、作品の陽気さと、歌詞の内容がぴったり
あってるのが楽しいです。


*******************************************

作品のことで気になることを。


「プライベートライブ」はかつてご自身も出演された劇団遊◎機械/全自動シアターの公演の
舞台に置かれた作品。
初日の上演会では作品の動きと音楽に合わせて、武藤氏のトランペット演奏も聴けたのはよかったです。



裸足の花嫁さんが輝くリングをすり抜けていく「プロミス」は、何度観ても私には武藤氏の作品の中では
珍しく性的なものをダイレクトに感じる作品。
作品が初めて登場した去年のロゴスギャラリーの口上でも、はっきりとそんな言葉がでたのでなおさら
なのですが。



骸骨バンドと歌姫の時計型作品「エルサルサメディアノーチェ」は思いっきり盛り上がっている
最中にニワトリの鳴き声で、バンドの演奏がストップする何度観てもたのしい作品。
武藤氏曰く、骸骨にみんな産毛があるとのことで間近で観てもよく分かりませんでしたが、
横から見ると光が反射して確かに骸骨の頭に毛があるのが分かりました(^◇^;)
飼い猫の毛、なんだとか。
しかも骸骨の笑い声が武藤氏ご本人の声であるというのがファンにとっては、いい隠し味。
バンドが出てくるまでは、シックな雰囲気の時計に見えるところがまたよいです。



******************************************






今回は武藤氏とお話する機会があり、氏より「(個展や作品を)いつから観てる?」と聞かれた
ので「遊機械のお芝居(2000年10月上演の「メランコリー・ベイビー」)からです」と言ったら
「そんなに前からだっけ」と言われてしまいました。
以前「ロゴス(ロゴスギャラリーでの個展)はいつからみてる?」と聞かれたときも「2001年から
です」と、お伝えしたら「遊機械のあとか」と言われてたのですが。
私は他のお客さんのように積極的にお話しすることは出来なかったから、何年も何度も観に行ってた
わりにあまり氏の印象に残ってないのでしょう(^_^;)


こちらが今は解散して無くなった劇団遊機械全自動シアターの公演「メランコリー・ベイビー」の
公演パンフレットです。
2000年に上演された作品でこの公演のなかで武藤氏ご本人が自動人形師ムットーニ役で
出演されていました。
武藤さん若い!

melanc01.jpg


melanc02.jpg







武藤氏の作品に使われている音楽は、古いジャズもあり聴いていて心地よい曲が多いです。
武藤氏に曲名を教えていただいたピエイエスのCDは家で聴くのはもちろん、コピーして職場の介護施設に
持っていってフロアーで流しています(^^)
このことは氏にお伝えできたので、よかったと思いました。
ただの物好きと思われたくなかった、と言った方が正確ですが。

お年寄りの為の施設なので民謡や演歌を流すことも多いのですが、私自身がそれを聴き続けるのが
耐えられないので、自分で好きな曲(=CD)も持っていって流しています。
もちろんお年寄りが聴いてもだいじょうぶであろう静かめの曲にしています。
今回の「ピエ・イエス」だけでなく武藤氏の作品に使われている曲の、パティ・ペイジ、ダイナ・ショア
リッチー・コール、チェット・ベイカー、トニー・ハーパーも持って行っています。
お年寄りにとっても、これらの曲は若いときに耳にしたはずの曲ですから。











武藤氏の展覧会、今後は11月にファンにはおなじみの渋谷ロゴスギャラリーで個展があるそうです。
来年以降の展覧会もいろいろな予定があるようで今からとても楽しみです。


長々と、書きましたが最後までおつきあいありがとうございました(^^)





posted by みどり at 03:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

「ムットーニワールド からくりシアターII」再び

「ムットーニワールド からくりシアターII」展 


「ムットーニワールド からくりシアターII」再び@八王子市夢美術館
5月20日〜6月26日まで
八王子市夢美術館のサイトはこちら


6月11日(土)にまた観てきました。
自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の作品展。
会場内にある作品がたった一人の作家の手で作られている、ということに改めて驚きます。


初日の様子はすでに書きましたが、会期中盤もすぎたのでそろそろ新作の感想も書き留めようとおもいます。
(初日の感想はこちらにまとめています)

ブログ記事のタイトルは「再び」ですが、仕事が休みの時は極力駆けつけることにしているので、
すでに6回足を運びました。
私の住む千葉県と八王子市は遠いのですが、最寄りの武蔵野線をつかうと時間はかかるけど乗り換えは
2回だけですむので意外と簡単なのです。

期間中何回も通うつもりだったので年間パスポート会員になっておきました。
(入館料500円、パスポート会員は年会費1200円で1年間フリーパス)
会期中、金土日は作者ご本人による口上(=解説)があり、これが聞きたくて足を運んでいます。
何度も通う割りには1回の滞在時間は1時間半から2時間なので、いつも全部は見て回れないでいます。
別に私が特殊なのではなく、ムットーニファンは熱心な方が多いので、会場に1日入り浸る方も少なくありません。




今回の展覧会ではファンにはおなじみの大型作品(作家所蔵)、なかなか観ることができない個人所有の
小型作品もあるのがうれしい。
作品、一つ一つに感想を書きたいくらいですが、それをやっていると時間がいくらあっても足りない
ので、特に好きな数点に絞ります。

久し振りに観る「ナイトエンジェルカムズ08」
BOOK型の作品で、本が開くと下から女性が現れゆっくりと回る。
鏡の向こうにいる男性と鏡像の女性は抱き合ってダンスをしている、という優雅で上品な雰囲気が好きです。
使用されている音楽は奏者は不明ですがリストの「慰め」。

「インターメッツオ」は特に好きな作品で、ブルーとオレンジ色の光の演出が美しい。
使用曲は、フィリップ・ギブソン指揮 ロンドン交響楽団演奏によるマスカーニ作曲の歌劇
「カヴァレリア・ルスティカーナ」の第2幕への間奏曲。
この曲がまた美しいです。


時計型作品「EL SALSA DE MEDIANOCHE エルサルサデメディアノーチェ 真夜中のサルサ」
後半聞こえてくる骸骨の笑い声は武藤氏ご本人の声、とはじめて知りました。
ピッチをかえてあるんだとか。
楽しい音楽はYolanda Duke With the Tito Puente Orchestraの「Many Moods」に
収録された「Oh God(How Much)I Love You」



「ギフトフロムダディ」
父からプレゼントをもらい宇宙の夢をみる少年の物語。
未来の宇宙のイメージがどこかレトロでキラキラしてるのが好きです。
これは最初小型の作品を作りその後販売したが、2005年の愛知万博の際、NHKから作品を撮影したい
と、連絡があったが手元にないので新しく作ることにした、とのこと。
冒頭のエリック・サティのジムノペティ(第1番)のゆったりとした音楽もいいです。
中盤の曲はブライアン・イーノの「Apollo」の中の「Stars」



ところでこの作品の初期形を買った方はおもちゃコレクターの北原照久さん。
去年、森アーツセンターギャラリーでおこなわれた「北原照久の超驚愕現代アート展」にこの
「ギフトフロムダディ」初期バージョン(1991年作)が展示されていました。
(この時は写真撮影OKでしたのでちょっとご紹介)
北原コレクション「ギフトフロムダディ」





今回の展覧会で一番楽しみにしていたのは新作のWING ELEMENT。

今年2月の個展ではWING ELEMENT−FLAMINGO、WING ELEMENT−ANGEL、
WING ELEMENT−EDGE OF RINGの3作品が登場していました。
この作品はさらに2作品追加になる、と聞いていたからです。
追加になったのはWING ELEMENT−LOST、WING ELEMENT−WINGSの2点。

FLAMINGO、ANGEL、EDGE OF RING、LOST、の順番に個々に動き最後WINGSが
動く時、他の4台が同時飛翔する様はまさに圧巻でした。
暗い空間のなかを静かに羽ばたく5つのWING。
きれいでした。
WING ELEMENTの5台同時飛翔を初めて観て、あの音楽をきいた時、じつは私大泣きしました。

武藤氏の口上はありませんでしたが、この作品なら無くてもいいと感じました。

音楽がとても良いので武藤氏に、曲名を教えていただいてCDを購入しました。
今回の展示作品に限らず、武藤氏の作品と音楽は切り離せない物があります。

リンク先はAmazonのサイトですがご参考までに。




念のため他の3点についても感想、曲名について書き留めておきます。

WING ELEMENT−FLAMINGO
小さな翼、ピンクのコスチュームのフラミンゴ姉さん登場。
音楽のせいもあってか、どこかコケティッシュな感じの姉さんです。
トニー・ハーパーのCD名「ナイト・ムード」の中の「フラミンゴの飛ぶところ」

WING ELEMENT−ANGEL
大きな翼の天使が羽ばたく作品。とても上品な雰囲気があって5点の中では一番好きです。
キース・ジャレットのCD名「The Melody At Night, With You」の中の「Be My Love」

WING ELEMENT−EDGE OF RING
一つのリングの上に片足を乗せた天使。体が空中を舞い、どこか危うくはかない感じがあります。
エグベルト・ジスモンチ のCD名「 Alma」 の中の「Agua & Vinho (Water & Wine)」
この曲は今回の展覧会場にもある「プロミス」の曲でもありますね。



以下新作2点
リンク先はAmazonのサイトですが、ご参考までに。

WING ELEMENT−LOST
翼のある男性。天使というよりやや悪魔的な雰囲気も感じます。
音楽はCD名「ANGELS」の中の「第9章大天使ミカエル」 CDの12トラック目「Alleluia, Sancte Michael Archangele」
グレゴリオ聖歌をアレンジした音楽です。






WING ELEMENT−WINGS
限りなくシンプルな、翼だけの作品。
全ての翼(=全ての世界?)を統合するかのように飛翔すると下からの明るい光を受け、とても
神々しく見えます。 
音楽はCD名「ピエイエス 安息の日」の中の3トラック目「レクイエム ピエ・イエス(ロイド=ウェッバー作曲)」






この曲の歌声は当初てっきり女性の2重唱だと思っていたのですが、ソプラノとボーイソプラノの2重唱でした。
サラ・ブライトマンSarah Brightmanのソプラノ、ポール・マイルズ=キングストン Paul Miles-Kingston
のボーイソプラノはまさに天使の歌声。
ウェッバーは「オペラ座の怪人」「キャッツ」などミュージカルのヒット作を作曲した方ですが
サラ・ブライトマンは一時、ウェッバーの奥さんだった方ですね。

聞けば聞くほど美しい曲です。今では頭から離れなくなりました。

下はYouTubeにあったウェッバー作曲の「ピエイエス Pie Jesu」です。



歌詞の日本語訳を書いておきます。

慈悲深いイエスよ
安息を彼らに与えたまえ
永遠の安息を彼らに与えたまえ





会場内の作品は自動制御で動いているところが観られます。

私の場合、観たい作品が同じ時間帯で動いているので、どちらを先に観ようかといつも迷います。
上演会(=武藤氏の口上つき)で作品を観るのもよいですが、会期が後半にはいりお客さんが
増えてきましたので、上演会のない日に一度ゆっくりじっくりと観たいと思っています。


これから展覧会をご覧になる方は、時間に余裕をもって(できれば3時間くらい)観て
まわることをお勧めします。


なお現在、こちらの「ナイス素敵音楽館」のサイトで武藤氏へのインタビュー映像を見ることができます。
第1回目はこちらからでもOK、第2回目はこちらからどうぞ。




<2011-06-13追記>

Yahoo!のネットオークションにアサヒグラフ1996年4月5日号が、つい数時間前
かなりの高額(数万円)で落札されていました。
ムットーニ特集号なので多くのムットーニファンが欲しがっていた本。
私もそんな一人でしたが、今回は傍観してました。
(欲しかったからみていたのですが、さすがに止めておきました)

この本は、手元に実物はありませんがきれいなカラーコピーがあるので今はこれで
満足してます。
国立国会図書館に所蔵されていますのでコピーの申込みがネット上から出来ます。

利用者登録はこちらから出来ますし、「アサヒグラフ」の書誌情報はこちらにあります。

カラーコピー代が少々お高いのですが、今回のネットオークションのような高額にはなりません。

私の場合、本の表紙、目次ページ、本文の記事23ページ。
合計25ページをそれぞれB4サイズでコピーとってもらいました。
本はA4サイズなのですが、A4でコピーをとると全面が写真になってるページは端が
きれるが、いいですか?と国会図書館から連絡が来たので、きれいに複写できるB4で
頼みました。

カラーコピーB4サイズ1枚200円で、他に梱包料、送料がかかりますがオークションで落札するより安いですよ。


武藤政彦氏の特集が載ったアサヒグラフ1996年4月5日号の表紙



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2011年05月21日

「ムットーニワールド からくりシアターII」展 初日

「ムットーニワールド からくりシアターII」展 


「ムットーニワールド からくりシアターII」展 初日@八王子市夢美術館
5月20日〜6月26日まで
八王子市夢美術館のサイトはこちら


5月20日(金)の初日に行ってきました。
自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏。
2009年にも同美術館で「ムットーニワールド からくりシアター展」
(リンク先はその時の公式サイトです)
開催されましたが、好評だったため今回はその続編としての展覧会だそうです。

会期中は、作者である武藤氏による口上・解説がきける上演会が
おこなわれます。
以前は土日だけだったので、私は今の仕事はほとんど土日が出勤なので
行けるだろうか、無理して休み取らないとダメか・・・と、心配だった
のですが今回は金曜日にも上演会あり、とのことでホッとしました。

午前中の用事を片付けてから、15時の上演会に駆けつけました。
知り合いのムットーニファンの方にも再会。
平日にもかかわらず、ファンの方々が約50人ほども集まっていました。

以下はこの日の上演会で見られた作品です。
総べてファンの方にはおなじみの作品ばかり。

「ザトップオブキャバレー」
「プライベートライブ」
「カンターテドミノ」
「ナイトキャップ」
「サテライトキャバレー
「プロミス」
「エルサルサメディアノーチェ」
「ワルツオンザシー」
「ナイトエレメント」
「アローンランデブー」

「プロミス」「エルサルサメディアノーチェ」は去年ロゴスギャラリーで
登場した作品で、特に私は時計型の「エルサルサメディアノーチェ」が
大好きなのでまた再会できたのはうれしいです。
「プライベートライブ」では武藤氏みずからトランペットを吹いてくれました。


新作は今年、ケンジタキギャラリーで開催された「WING ELEMENT」で
発表された3つの作品に、さらに2点を追加して一つのインスタレーション
となっていました。
三点が個別に順番に稼働し、最後に5点の「WING ELEMENT」が同時飛翔する
さまは圧巻でした。


まだ初日ですし、私も期間中何度も行くつもりですので今回はこのくらいに
しておきます。
何度もいくので、八王子市夢美術館の年間パスポート会員にもなりました。
年会費1200円で1年間入館がフリーパスになるお得なパスポートなのです(^^)

新しいポストカードが販売されていたので、もちろん購入。
武藤氏のサインをいただけました。
裏表、どちらにしていただくかで迷ってしまったのですが
裏面にしていただきました。
普通は表ですよね・・・・またおかしな事をやってしまいました(__;)

「WING ELEMENT」ポストカード1


「WING ELEMENT」ポストカード2




土日14時からと15時から、金曜日は15時から上演会があるそうです。
展覧会の詳しい感想は、また後日改めて書く予定です。

ムットーニ氏の作品世界が堪能できる作品が集まっていますし作品は自動制御で
作動していて、会場でタイムテーブル表ももらえるので上演会でなくても愉しめます

多くの方に観ていただきたいお勧めの展覧会です。
posted by みどり at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする