
絵本「なんでもの木」@佼成社出版
作・絵:利渉重雄(りしょうしげお)
1980年出版
長いこと探していた絵本をようやく入手しました。
初めて見たのはもう20年くらい前、地元の図書館でした。
それ以後、その図書館へ行くたびにこの本を見るのが楽しみでしたが、いつの間にか
その本が無くなっていました。
古くなったので処分してしまったようです。
その後、書店へ行っても見あたらないし、最近になってネットで検索しても出てこない。
出版元のサイトで検索してもヒットしないので絶版になってるらしい、とだけは分かりました。
なかばあきらめていたのですが、数日前ふと思い出してアマゾンで検索してみると
マーケットプレイスで古書として出てきたではありませんか。
もちろん早速注文して、月曜日に手元に届きました。
これこれ。これです、探していたのは!
「なんでもの木」は全く言葉のない絵本です。
最初のページには鳥たちが住んでいる大きな大木が描かれています。
次のページにはその木が大きな象の背から生えている絵が。
次のページには背中から木の生えた象が、大海を泳いでいるカメの甲羅の上に乗ってる絵が。
次のページには、カメのいる大海が実はいくつもある大きな貯水槽みたいな物の一つだという絵が。
・・・という具合にどんどんズームアウトしていきます。
後半は大宇宙を思わす空間が見えてくる、その雄大さ。
その後はどうなるんだろう?とワクワクしてページをめくると、その宇宙は引き出しの
中にあることが分かります。
引き出しの中の大宇宙。なんだかうれしくなります。なりませんか?
最後のページで、その引き出しがあるのは最初のページにあったのと同じ、あるいは
同じように見える大木の幹の部分である事が分かります。
絵、そのものは黒の描線のみのごくシンプルなものです。
前のページでアップになっていた部分が、次のページではズームアウトしてるので、
その部分がすぐわかるようにスポットライトが当たったようになっています。
この絵本を観てると、まるでメビウスの帯のような、クラインの壺のような、
一見最初と最後がいつの間にかリンクしているよな、いやそう見えたけれど実は表と思って
いたのがいつのまにか裏になっていたような、うまくいえないのですがそんな不思議さを感じます。
無限に広がっていくような空間が、実は私のすぐそばにもあるのかも知れない。
ポケットの中や、目の前のドアの向こうに、自分の想像を絶する世界があるのかも
しれない。
この本は、何度見ても新鮮です。
今も観るたびに想像力が刺激されます。



