
「MIDSUMMER CRAROL(ミッドサマーキャロル) ガマ王子VSザリガニ魔人」@パルコ劇場
作:後藤ひろひと 演出:G2
出演:吉田鋼太郎、山内圭哉、志村玲那、笠原浩夫、他
4月3日(木)に観に行っています。
2004年に初演されたヒット作品の再演です。
初演版も観ていますが、初演とても良かったです。
笑わせて泣かせする、その配分がうまい。
今回はキャストを大幅に入れ替えての上演なので、どうなるのかと思っていました。
(内山圭哉さん以外全て入れ替わりました)
私の場合初演版の印象が強いせいか、今回の公演は各出演者の魅力がやや弱いような気がしてしょうがなかったです。
<あらすじ>
舞台はとある総合病院。
入院患者の大貫(吉田鋼太郎)は全てが気に入らなくて周囲に当たり散らしてばかり。
彼は某企業の敏腕経営者だったが、会議中に倒れ入院している間に社長の座を
おわれていた。
大貫の様子を見に来る甥の浩一(戸次重幸)と、妻で看護師の雅美(月船さらら)。
自殺未遂を繰り返しては入院してくる室町(笠原浩夫)、銃で撃たれて入院している
暴力団員らしい龍門寺(山内圭哉)、なにかと口実をつけて退院をのばしている主婦の木之元
(楠見薫)、周囲にいたずらばかり仕掛ける堀米(春風亭昇太)、など大貫の周囲は個性的な
人物揃い。
そして、両親が亡くなったことも知らないで入院している少女パコ(志村玲那)。
彼女がいつも読んでいるのは、絵本「ガマ王子VSザリガニ魔人」。
パコは交通事故により脳に障害が残り、一晩眠ると前日の事を全て忘れてしまうと
知った大貫は、なぜかこの子が気にかかってしょうがない
彼は毎日、この絵本を読んであげることをパコに約束します。
やがて、バラバラだった人々が一致団結して、パコの為に絵本を元に病院で一幕劇を上演することになります。
大貫を演じるのは前回は木場勝己さん。この方以外は考えられないと思ってましたが、今回木場さんに代わり吉田鋼太郎さんは、遜色ないはまり役と感じました。
大切なライターをパコが盗んだと思い込んだ大貫が、小さな女の子を殴ってしまう。
一晩たったパコが無邪気に「大貫、前にパコのほっぺにさわったね」と言う場面が
心に染みます。
パコの脳の障害を知らなかった大貫が、心を動かされるきっかけになる場面です。
パコ役の志村玲那ちゃん、子役としてはかなりキャリアのある子らしく観ていてかなり
芸達者な雰囲気があります。
パコはもうちょっと素人っぽい子の方が良かった気がします。
強面なのに実はけっこう動物好きの優しい面のある龍門寺、やはり前回と同じ山内圭哉さんであることがうれしい。
龍門寺は、前半と後半でストンと人物像が変わるところがおもしろい人物ですが
山内さんならでは魅力がいかされていると感じます。
笠原浩夫さん演じる室町は、子ども時代は子役としてちやほやされ、大人になって
からは大人の役者に移行できなくて悩んでいる人物。
精神的にも大人になりきれない人物ですが、笠原さんはそんな室町を好演してたと
思います。
いたずらばかりしている堀内役は前回は、この作品の作者である後藤ひろひとさん自身が出演されていました。
後藤さんは役者としても強烈な個性を放つ方、それに比べるとどうしても今回の春風亭昇太さんは
かなり弱い感じがしました。
堀内は出演場面こそ多くはないですが、この物語のキーポイントとなる人物なので
観ていてちょっとじれったいくらいでした。
前回はある出来事がきっかけで、人々が変わっていく様子が描かれていてそれが
すっきりと後味の良いものを感じました。
今回も描かれているのは、あることがきっかけで人は変わるというとで、それ自体は
変わっていないのですが、どうも今回は「泣かせよう」という感じが強くなっている
感じがしました。
今回観てすっきりしないのは、そのせいかも・・・。
しかし今回も笑って、泣かされました。
前半思いっきり泣いてしまったところで途中休憩が入り、場内明るくなるので
困ってしまいました。
この物語、映画化が決定し今年秋には「パコと魔法の絵本」というタイトルで公開
されるそうです。

