2005年11月06日

レオナルド・ダ・ヴィンチ展 直筆ノート「レスター手稿」日本初公開

レスター手稿



レオナルド・ダ・ヴィンチ展 直筆ノート「レスター手稿」日本初公開
      @六本木ヒルズ森タワー52階  森アーツセンターギャラリー
〜11月13日まで


11月4日(金)観に行ってます。とても印象深かったので早めに書き留めておきます。
現在夜10時まで開館してると知り、仕事帰りに余裕でよることができました。
うれしいことに公式HPでは平日割引チケットがプリントアウトできるようになってます。
もちろんこちらを持参して夜の六本木ヒルズへ向かいました。

私の場合、職場から東京メトロ・千代田線を利用して乃木坂駅で下車。
青山霊園を右手に歩いてゆくと、すぐに映画「ブレード・ランナー」を観るような巨大な
森ビルが見えてきます。
夜の闇の中にそびえ立つ森ビルはまるでSF映画の中の未来都市の風景そのもの。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)の「レスター手稿」という存在は今回初めて知りました。
現在はマイクロソフト社の会長であるビル・ゲイツと奥さんのとの共同所有品で、
レオナルド・ダ・ヴィンチ作品としては、唯一個人が所有してる物だそうです。
なにしろ約500年も前の品。作品保護の為もあるのでしょう一年に一度、一カ国だけ
しか公開されないのだそうです。
ゲイツ夫妻の元の行くまでの経緯は、カタログによると「ローマの画家G・ゲッツィから、
トーマス・コークののちレスター卿が1717年に入手、1980年A・ハマーにより米国
カリフォルニア・ハマーコレクションに収蔵、その後、1994年ビル・ゲイツ氏が購入」
なのだそうです。「レスター手稿」の名はレスター卿からきてるらしい。

500年も前の大天才の直筆ノート。一体何が書かれているのか。
彼が何を考えていたのか、彼の頭の中の宇宙に触れられるなんて、興味津々
なんとうれしいではありませんか!
5,6年前ですが、かれの直筆の解剖図展に行ったことがあり、精緻な解剖図に
感動したものでした。人体解剖図なのに、見とれるほど美しい絵だったのです。
(現在、ウィンザー王室図書館所蔵されてる手稿です)


「モナ・リザ」や「最後の晩餐」などで有名なダ・ヴィンチなので絵画作品もたくさんある
だろうと思っていましたが、現存する作品は10点ほどしかないのだそうです。
その一方、手稿と呼ばれる彼の書いた手帳やノートは現存するだけで8000頁もある
そうで実際書いた物は、もっとたくさんあるのでしょう。

レスター手稿は18枚の紙の真ん中で折って、中央でつづってあり、紙の両面に書かれて
いるのでので全体としては72ページの形式になっていたものらしいです。
展示されてる手稿はつづってある形ではなく平版(ひらばん)の18枚の紙の形です。

天文学、物理学、建築土木など細かな字でびっしりと書き込まれています。
以前観た解剖図とちがうのは、絵がとても少ないことでした。

会場にはいると、すぐには実物とは対面できないのですが手稿の一部をCG画面で
観やすいように表示してくれてます。
原語で拡大してみることもできるし、日本語に訳した表示を出すこともできました。
レオナルド・ダ・ヴィンチは手稿を鏡文字(鏡で映してはじめて普通の文字として見える
反転した文字)で書いているそうです。
実物があっても、これが読める日本人はまずいないでしょうからこの展示のしかたは
親切ですね。
レオナルド・ダ・ヴィンチが実際観察したかもしれない現象が観られる、簡単な実験装置
もありました。これなら小さい子供でも楽しめますね。

彼の頭の世界に触れて心の準備ができたところで、展示の先に進んでゆくと無機質で
薄暗い場所を通るので、子供だったらここは恐いかもしれません。
さらに続く真っ暗な一室が、「レスター手稿」の実物と対面できるところでした。

1枚ずつ、18枚の両面が観られるように展示されていますが、照明はかなり制限
されていて薄暗く、時折すこしだけ明るくなるようになっていました。
観ている横の薄暗がりで、警備の人が立ってるのでちょっと恐いです(^_^;)

小さな字でびっしり整然と書き込まれた手稿は、思っていたより小さいです。
(カタログによると29.5X21.8センチ)
かなり几帳面な人だったのだろうな、と思わせます。

迷信や言い伝えに惑わされることなく、実際の自然を観察して考察していった
レオナルド・ダ・ヴィンチは当時としては異端児だったはず。
当時、山の上の方で貝殻が見つかると人々は「ノアの箱船」(神様が、信心深い
ノアに家族とひとつがいの動物達を箱船に乗せるように告げ、他の物総てを
一掃する大洪水をおこしたもの)の話は真実なのだと喜んでる時、彼だけは
それを否定して、海底が隆起した物だと考えているのです。
今思うと、レオナルドがなぜそう考えたのか、不思議なくらいです。
「ノアの箱船」を真実と考える方が簡単なのですから。

展示の最後の方ではパソコンで他の手稿のことも検索できるようになってたようですが
どれも使用中で空きそうもないので、あきらめて帰ることにしました。
そのかわりレスター手稿については、もっとどっぷり知りたいので複製付きのカタログ
を購入してしまいました。
読み応えたっぷりで、しばらく楽しめそうです。

平日割引券もあったのでこの後は、せっかく六本木ヒルズまで来たので森美術館での
「杉本博司展」も観て来ました。カメラのシャッターを開けっ放しにして取った劇場の写真
の作家としか知らなかった方でした。輝くスクリーンと無人の客席の劇場。
時間と光りを写真の中に閉じこめようとした方のようです。

さらに入った「都市の模型展」では精密な東京の縮小模型に魅入ってしましました。
映像作品「Tokyo scanner」は東京湾の「海ほたる」から始まって東京のど真ん中を
飛行する約17分の映像作品。係員の誘導で森ビルの屋上に着陸するまでの様子は
まるでSF映画を観るようでした。
もう1本の映像作品「東京静脈」は東京の神田川を遊覧する約11分の映像。
ゆったりした世界は下町ののどかさを感じました。
JRお茶の水駅横の聖橋を抜けて、向こうに見えるのは秋葉原の電気街のビル。
この風景は私にとっては、少し視点の高さが違うけど職場にも近い見慣れた景色なのです。
びっくりしたのは2本とも監督が押井守だったこと。どうりで雰囲気が独特な気がしました。

最後は展望台へ。52階からの六本木の夜景はまさに絶景!!
いつまでも観ていたいくらいでした。
仕事帰りにこんなにのんびりあちこち回ってしまったのも、珍しいことでした。
当然帰宅は午前0時。さすがの私も、頭も体もフラフラになりました(^_^;)



posted by みどり at 14:25| Comment(2) | TrackBack(1) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
TBありがとうございました。

昨日でこの展覧会も終わってしまいましたね。
名残惜しいです。
もうレスター手稿に出会えるチャンスはないのでしょうか。。。
Posted by Tak at 2005年11月14日 17:43
Takさん、コメントT、Bありがとうございます!1年で一カ国にしか許されない公開で、日本で観られたことは奇跡のような幸運でしたね。来年はどこで公開されるのでしょう・・・。今回は素晴らしいものと出会えて幸せでした。
Posted by みどり at 2005年11月15日 00:36
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