2005年08月17日

ダンテ・アリギエリ著:「神曲」

ダンテ・アリギエリ著:「神曲」
  挿絵:ギュスターヴ・ドレ 訳・構成:谷口江里也
  発行:(株)アルケミア 発売:(株)九鬼   

今、自宅の引っ越しを考えています。気持ちは固まってたきたのですが、まだ引っ越し
業者に連絡もしてないし。引っ越しと言っても離れていた実家へ帰ることなのです。
自分のことですが、さてどうなるか。

本題です。
放送大学の試験終了後、無性に物語が読みたくなりました。
試験前は「幾何入門」のテキストと毎日にらめっこ状態だったので、どんな難しくても
日本語で書いてある「物語」なら何でもいい、と言う気分になってたのでさっそく職場
近くの図書館へ。

目に付いたこの本を借りできました。
「神曲」と言ったら「世界の名作」ではありませんか。
でも読んだことないし、パラパラ見るときれいな挿絵もたっぷり。
その時の「読みたい気持ち」にはぴったりでした。
縦約25センチX横約18,5センチX厚さ約3,5センチの大型の豪華本です。

約700年前のイタリア。
政治・宗教・諸派諸党の激しい抗争があり、その中でフィレンツェの街を永久追放
されたダンテ(1265−1321)。
これはそのダンテが見た不思議な物語、と言う形をとり地獄編、煉獄編、天国編の
3部構成になっています。平たく言うと、ダンテの地獄巡りの物語。
そして天上で彼の最愛の人、25歳で死んだベアトリーチェとの10年ぶりの再会が
描かれています。

<あらすじ>
地獄編。
旅の途中のダンテ。気がつくとそこは暗く深い森の中。
ローマ時代最大の詩人であるヴィルギリウスと出会うダンテ。
ヴィルギリウスはダンテを死後の世界に連れてゆくという。
彼を師(マエストロ)と仰ぐダンテは、彼の後について行きます。
川の向こうをわたると、そこはもう地獄。
地獄は、地上で罪を犯した者がいつまでもそれ相応の罰をうける世界。
黒い風にいつまでも吹き飛ばされる亡霊達。自ら命を絶った者が枯れ木にされている。
聖職者にありながら、金儲けに走った者が頭を下に埋められ足に火をともされていたり。
おぞましく、救いのない世界。

煉獄編。
二人は地獄の最下層から地上へ。海が広がる彼方には今まさに太陽が昇ろうとしてる。
「煉獄の山」に登る人を運ぶ舟に二人も乗ります。
ついた所はいわば煉獄前地。罪を犯しても、その罪を悔いた者が行く世界。
亡霊達は煉獄の、罪を浄めるため山の中原の高台にある道への入り口である門を求め、
自分で道を捜さなければならない。
高慢、うぬぼれを持っていた人が、その罪を清めるための思い石を担いでいたり、嫉妬の
罪を浄めるため、その目を閉じていたり。(まぶたは針金で縫いつけられている)
目の前に現れた天使に言われるまま、ヴィルギリウスとダンテは炎のなかへ。
気がつくと、花が咲き、清らかな川が流れる場にいる二人。

天国編。
10年前に死んだ恋人ベアトリーチェとの再会。
すでにヴィルギリウスの姿はなく、光りに包まれさらに天上へと向かうダンテとベアトリーチェ。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

予想に反して、とても読みやすかったです。
訳者のあとがきに「ダンテの本質的な遺志と、作品を古典として成立させている生命力の
エッセンスのようなものを、快く今に伝えることを願い、あえて抄訳、意訳を試みた。」と
あるのでそのせいなのかもしれません。

キリスト教世界の事にうとい私は、今まで煉獄と地獄は同じものだと思っていました。
違うのですね、はじめて知りました。
(自分が仏教徒と言う意識は持ってないけど、家のお寺は浄土真宗です)
地獄は罪を犯した者が、罰を受けるところであり、煉獄は罪を悔い改めた者が天国へ
行くために修行してる場、と言う感じのようです。

本書は、全ページ右ページに文章、左ページにイラスト、と言う構成になっています。
ギュスターヴ・ドレ(1832−1883)と言う画家、たぶん今回初めて知った人です。
手法は版画ですがとても美しいイラストです。
ダンテが文で描き出してる世界のほとんどを視覚化しています。
地獄の世界のおぞましいこと。しかしギュスターヴ・ドレの絵は、醜悪な世界を描いて
いてもなぜか気品があるのです。そして天国の世界の美しさは格別です。
手元に置いておきたくなる本でした。
このギュスターヴ・ドレ版は1861年に出版され、当時爆発的な反響を呼んだそうです。

ベアトリーチェはダンテにとって美と智の女神にも値する女性だったようです。
永久の恋人、ベアトリーチェ。
文章は約700年も前に書かれたものなのに、全く古さを感じません。
「愛」「希望」「悲しみ」「怒り」そして「真理」といったことは、どんな時代であっても変わる
ことはないのですから、当然なのかもしれません。
地獄のおぞましさを経ての、天国での恋人達の再会には涙が出そうになりました。
薄っぺらな言い方しかできないのがくやしいのですが、ラストの壮大さと美しさには
圧倒されました。



posted by みどり at 01:15| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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