2007年02月25日

「ムットーニのからくり書物」展

「からくり書物」展の予告
「ムットーニのからくり書物」展@世田谷文学館
2月17日〜4月18日まで

2月17日(土)の展覧会初日に観に行っています。
自動人形師、ムットーニ(本名・武藤政彦)さんの作品展が開かれています。

会場の世田谷文学館は2005年で開館10周年を迎えたそうです。
こちらには、開館に合わせて制作された作品が常設展示されています。
常設展示されているのは3作品、文学作品を元に作られたからくり人形です。
上演会前に、動いているのを観てきました。
せっかくですので、これらの作品を最初にご紹介しておきます。

☆海野十三(うんのじゅうざ)作「月世界探検記(つきのせかいたんけんき)」
SF小説が、空想科学小説と呼ばれ始めた頃に書かれた昔の冒険小説が元に
なっているため、ムットーニさんの作品もどこか懐かしいレトロな雰囲気の限りなく
明るく夢と希望にあふれた未来都市を表現しています。
ナレーション無し。

☆ 中島敦作「山月記」
おのれの傲慢さから、獣に身を落とした男の物語。
虎となった男が、ある日かつての友人と出会って人間部分の記憶が蘇ります。
怪しい不気味なお話ですが、ムットーニさんの作品は藪の中を舞台にして哀しさと
どこか優しさが感じられます。

☆萩原朔太郎「猫町」
猫の精霊ばかりの住んでいる街に迷い込んでしまった男の話。
ムットーニさんの作品は、街のあちこちに猫の姿が見え隠れする街の様子がどこか
コミカルです。この作品のみ、ナレーションもご本人。
冒頭にのせたチラシの画像は、この「猫町」の箱のふたの絵です。


本来、今回の展覧会は10周年記念として企画されたそうですが、ムットーニさん
のほうでも2005年は渋谷のパルコミュージアムでの大規模展覧会があったため
世田谷文学館の方はのびのびになってしまったらしいです。

今回の展覧会も旧作・新作を合わせ大規模な展覧会となっていました。

開館時間は10時〜18時までですが、土曜日だけムットーニさんの口上による
ナイトツアー=スペシャル上演会(ハガキによる事前申し込みが必要です)があります。
今回は、その初日のナイトツアーに参加してきました。

受付開始が17時からでしたので、文学館へ着いたのが17時15分頃。
文学館に入ってすぐが、売店がるのでまずはそちらをのぞいてみると展覧会に
合わせた書籍が販売されていましたので購入しました。
タイトルもそのまま「ムットーニのからくり書物」

内容は今回の展覧会に合わせた物で、カラー写真による作品紹介とご本人への
インタビュー、常設展示作品の元になった短編小説、今回の展覧会用に作られた新
作の原作、夏目漱石作「第七夜(夢十夜より)」の4本の原作も収録されています。
どれもいつかは読んでみたいと思っていた作品でしたので、これはうれしい内容です。
今日までに全部読んでしまいました。


だいぶ後になりましたが、ナイトツアーの様子をご紹介しておきます。
まずは会場入り口で集合して待っていると、お待ちかねムットーニさん登場。
「ムットーニのからくり書物展にようこそ」と言ってくれて、先頭に立って会場内を案内
してくれました。
なんだかうれしいのと同時に恥ずかしいのは、私の自意識過剰でしょうか。
時間の関係で、展示作品全ての口上があるわけではありません。


☆「Alone Rendezvous」 原作:レイ・ブラッドベリ「入れ墨の男より、万華鏡」
ムットーニさんいわく、最初に作品を作ってしまってから、レイ・ブラッドベリの作品と
ぴったり合うと分かったとか。

宇宙船の事故で、宇宙空間に投げ出された男。地球の引力により、やがて流れ星
になります。星の中を漂う宇宙服に身を包んだ男の姿がまさに絵になります。
BGMはマスカーニ作曲のオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の第2幕への間奏曲。
この曲がたえようもなく美しい。
動く様子も、音楽もあわせまるで宝石のような作品です。


☆「漂流者」 原作:夏目漱石「夢十夜より、第七夜」
プロジェクターで後ろの壁にも、モノクロ映像で作品の動いている様子が投影されて
るという凝った展示がされています。
船に乗っていて、何もかもイヤになり海に向かって船を飛び降りてしまった男の姿は
どう見ても漱石先生。
闇の中を進む巨大な船、ぎらぎらした太陽が印象的な作品。
人形として表現された漱石先生が、上下にゆっくり動いていますが話の前半と後半で
速度が違って見えます。でも実際の速度は一定だそうです。不思議です。


☆「眠り」 原作:村上春樹「眠り」
手前の女性は眠たそう。ゆらゆら揺れると後ろの方の鏡の中に彼女の分身(?)が
現れます。鏡の奥の暗闇の中から現れてくる様子が、どういう仕掛けになっているの
かよくわかないくらい巧妙です。
ぜひもう一度、真っ正面からじっくり見てみたい作品です。

☆「テアトルムットーニ」
これは大型の箱が作られ、この中にムットーニさんご自身が入って人形の動きとの
コラボレーションで見せてくれる作品です。
ムットーニさん、しっかり演じていてまるで役者さんのようです。

これは新作ではなく、私は2005年のパルコミュージアムで初めて見ました。
記憶をなくした女の子、空から落ちてきたロボット、王様の3本のショートストーリィ。
これを完璧な形で鑑賞したのは今回が初めてでした。
2005年の時は、上演中になにか部品の一部が飛んでしまったようで最後の王様に
話は途中までだったのです。

☆ 「カンターテ・ドミノ」
荘厳なカンターテ・ドミノの音楽に乗せて、パイプオルガンの向こうから天使が
現れ天上に昇る作品。何度見ても感動します。


この日は私も、スペシャル上演会に参加がメインでしたので、他の展示作品をゆっくり
見ている時間がありませんでした。
今回の展覧会に合わせて開かれる「文学カレッジ2007 ムットーニ氏、からくり書物を
語る」(全3回)にも参加する予定でいるので、あと少なくとも3回は展示を見に行く
つもりです。

今回の展覧会に合わせて、会場限定販売の切手がありました。
1シート1500円。
購入しましたがもちろん、もったいなくて使えません。保存用ですf(^―^;

ムットーニ切手
posted by みどり at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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