2005年05月01日

J.R.R.トールキン著「ホビット」

ホビット

J.R.R.トールキン著「ホビット」
  注釈:ダグラス・A・アンダーソン 翻訳:山本史郎  発行:原書房


ゴールデンウィークの真っ最中、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私も連休中なのでこの一週間はこまめに書けそうです。
そして「指輪物語」と「ロード・オブ・ザ・リング」にどっぷりつかりそうな予感です。
キャンペーンの特別DVDも30日とどきました(^_^)
こちらは後日感想書きたいと思います。

一冊読み終わってるので感想と内容をご紹介しておきます。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作「指輪物語」を書いたトールキンの作品です。
「The Hobbit(ホビット)」は「指輪物語」をかくまえに書かれたもので、本国
イギリスではじめて出版されたのは1937年9月21日だそうです。

「The Hobbit」は日本では岩波書店から「ホビットの冒険」というタイトルで
1965年に翻訳が出されています。
こちらは「指輪物語」の翻訳をされた瀬田貞二さんの訳です。
挿絵も「指輪物語」と同じ寺島竜一さん。

私も一昨年だったか、この瀬田貞二さん訳を読んでいます。
久しぶりに読み返したくなったのですが、どうせ読むなら別の翻訳でと思って
原書房から出ている「ホビット」を手にしました。

こちらはトールキンの「The Hobbit」に対してアメリカ人のダグラス・A・
アンダーソンというトールキン研究者がさまざまな角度から詳細な注釈をつけたもの、
ということでした。
さらに、本文の中に世界中の各国で出版された「The Hobbit」につけられた挿絵を
選んで載せている、というところも興味を引きます。
日本の寺島竜一さんの挿絵も載っています。
山本史郎さん訳の日本語版は1997年に出版されてます。
(ピーター・ジャクソン版映画が公開される前です)

「ホビット」の物語はこんな風です。
ホビット族のビルボ・バギンズがある朝のんびり過ごしていると、杖をついた見知らぬ
老人ガンダルフと出会う。ガンダルフは魔法使い。
これがきっかけでビルボの家にこびとのドワーフが次々と押し掛けてきて、ついには
ビルボは自分の思惑とは逆に冒険の旅に出ることになってしまう。
ドワーフ達の旅の目的は、ドワーフの宝を盗んでいったドラゴンから宝を取り返すこと。
ドラゴンは人間やエルフからも宝を盗んでいると言うことだった。

探索の途中、地下のトンネルでビルボは地面を手探りして偶然、魔法の指輪を手に
入れる。実はこれ、地底深く、暗黒の水のほとりに住んでいたゴクリ(映画ではゴラム)
の物だった。
もちろんゴクリは大事な指輪がビルボに拾われたことを知らない。
ビルボとゴクリは出会い、なぞなぞを出し合ってビルボが勝てばゴクリは外まで
案内するが、負ければビルボを食べてしまうという約束を交わしてしまう。
が、結果は指輪をはめて姿を消したビルボが逃げ出すことに成功する。

ドラゴンを退治し、ゴブリンとの壮絶な戦いの果て、ようやくビルボは懐かしい
ふるさとに帰って行くのでした。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

細かくつけられた注釈は主に2種類あります。
「本文および改訂の歴史」として、最初に出版された時と後年書き換えられた
所をどこをどうなおしたのか、が書いてあるのでこれがなかなか興味深く読めます。

さらに普通の「注釈」としてアンダーソンが書いているのは言葉の説明というより
作者トールキンの人生のできごとを紹介しつつ言葉や文の解説がされてる
感じです。これもトールキンファンの人が読めばトールキンについての理解が
さらに深まることでしょう。

「ホビットの冒険」を読んでから本書を読んだ私ですが、「指輪物語」ファンの私としては
ビルボがゴクリから指輪を手に入れるいきさつが書かれた「暗闇のなぞなぞ合戦」の
章がやはり一番おもしろいです。

挿絵も各国のイラストが載ってるのも楽しい。
この絵の選択もアンダーソン氏によるものです。
同じ物語につけられた絵なのに国によってずいぶん感覚が違うのがおもしろいです、
同じ場面を描いた、別の国のイラストが載せられる部分もあるのがさらにいいです。
アンダーソン氏いわく「さまざまな解釈の違いを示すために選んだ物もあるが、多くは
そのもの自体がすぐれているという理由でとりあげた。その代表格は日本語版と
エストニア語版である」という日本人にはうれしい言葉があります。
イラストの作者の名前の記載がないのが残念です。

1976年のフランス語版はどことなくおしゃれな感じがあります(私の好みではないですが)。
1962年のフィンランド語版はファンタジックでこれはモロ私の好みでした。ムーミンの
作者トーベ・ヤンソンの絵に似ています。
1976年のロシア語版と、1975年のハンガリー版のビルボはいかにも「おっさん」
という姿なのがちょっとなあとおもいました。

トールキン自身が描いた絵ものっています。

こうかくといいことずくめのようですが、この本とにかく読みづらい(x_x)
読んでいてつかれました。
原因は、文章のところどろに番号がふられてるものが「注釈」なのか「本文および改訂の
歴史」の方のどっちを見るのかわかりづらいことです。
本文の後に「改訂の歴史」と「注釈」が載ってるのですが番号が出てきたとき
いちいち後ろをひっくり返して読もうとすると、この文がまた長い。
当然、「ホビット」の物語からは離れてしまう。
とてもじゃないけどスムースに読み進めることができません。
これでは物語を楽しむどころではなく、気持ちがぶつぶつ切られてしまう。

さらに本書の日本語訳はまちがいが多い、との意見もあるようです。
原文を読んでない私にはそのあたりのことがわかりません。

気になるのはゴクリのセリフの訳でした。ピーター・ジャクソン版の映画を観てしまった
後だからかもしれませんがゴクリが自分のことを「ぼくちん」とか「○○でしゅ」
とか言うしゃべり方はどうもなじめません。

読んでる最中から、瀬田貞二さん訳の「ホビットの冒険」を読みたくてこまりました。




posted by みどり at 01:45| Comment(2) | TrackBack(1) | 指輪物語周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日から、群馬県高崎で寺島龍一画「指輪物語」の表紙画、挿絵画が全点観られる原画展が開かれているの知ってますか?
評論社のHPにもお知らせが載ってます。
(以下、HPより)
〜第12回絵本原画展・私たちが選んだ「評論社」の本〜(於:高崎シティギャラリー)
NPO法人“時をつむぐ会”が企画・主催する絵本原画展が、2006年1月21日より開催されます。
今回のテーマは『私たちが選んだ「評論社」の本』。
“時をつむぐ会”のみなさんが感じた「評論社」が、大きなステキなギャラリーいっぱいに展示されます。

『指輪物語』の原画(寺島龍一画)、ピーター・スピアー氏、アニタ・ローベルさん、酒井駒子さんの原画、ルーシー・ボストンさんのつくったパッチワーク・キルトなどの展示のほか会期中には講演会等もいろいろ予定されています。
高崎までは都内からも1時間以内の距離。どうぞ、この機会に足をお運びください!

第12回絵本原画展
私たちが選んだ「評論社」の本
2006年1月21日(土)〜1月31日(火)
会期中無休
高崎シティギャラリー 
開館時間10:00〜18:00                (入場は17:30まで)
 入場料 おとな前売600円(当日700円)
     子ども前売400円(当日500円
*くわしくは、こちらをごらんください。
  http://www3.ocn.ne.jp/~honnoie


Posted by 原画展。 at 2006年01月21日 23:37
これは知りませんでした。お知らせありがとうございます!寺島龍一さんの原画が観られる機会はこれを逃すとないかもしれませんね。
Posted by みどり at 2006年01月22日 01:00
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Weblog: ハンガリー-ACCESS
Tracked: 2005-05-15 04:43
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