2013年01月21日

「桑原弘明 Scope展」2012年・再び

「桑原弘明 Scope展」



去年の事、ですがまだ書いてないことをご紹介したいと思います。



「桑原弘明 Scope展」2012年再び @ギャラリー椿
12月10日〜12月26日まで 日曜祭日休廊 




12月10日(月)の初日はもちろん、その後会期中に3,4度行っていました。
ほんとだったら毎日でも行きたいくらいでした。
作品は個人の所蔵品になったら、まず二度と観られませんから。

前回、感想を書いたときはまだ会期中でしたので詳細については控えめにしていました。
今回記事を書くに当たっては、前回とダブル部分がありますがお許しくださいね。





毎年楽しみにしている、アーティスト桑原弘明氏のScope展。
銀座のギャラリー椿と、スパンアートギャラリーで交互に12月に開催される
のですが去年はギャラリー椿でした。
(なので今年2013年のScope展はスパンアートギャラリーで開催です)

Scopeとは、手のひらに乗るくらいの小さな四角い箱で、覗き窓があるので
のぞくとその先には、不思議な広々とした美しい世界が広がる作品のことです。
内部に光を当てるための穴があるので、ペンライトをあてると見える世界の
ようすが変化します。
細部の部品、内部の小物、ネジ一本に至るまで総べて手作りのため年に
5,6点しか製作されませんが、2012年は5点が展示されていました。
内部の様子はもちろん驚異的なのですが、外観もそれぞれ凝っていてとても美しいです。





それぞれの作品についての詳細と感想を書き留めて置きます。
しかしさすがに観てから日がたちすぎで、細部を忘れてしまったのもありますm(__)m

桑原氏のScopeは毎回素晴らしいと思っていますが、特に2012年の作品は傑作揃いだった気がします。
個々の作品について、会場にいらした桑原氏から詳しい解説をうかがうことができました。





「LUMINOSA」
聖なる光、という意味だそうです。

外観は腐食させてまだらにぼこぼこなった表面が、味わいがあります。

中を覗くと、室内と窓の向こうの景色が見える作品。
テーブルの上にリンゴや洋梨、骸骨もある。
「メメントリ(死を想え・死を忘れるな)」・・・と言う言葉がふと浮かびます。
骸骨があるのは西洋絵画で良くあるモチーフですが、桑原氏の作品で楽しいのは
やはり光の加減で、内部の様子が変化すること。

室内にテーブルがあるのはすぐ分かりますが、別の部分からの光がはいると一番手前に
イスの背があることが分かります。

別の部分から光をいれると、室内は暗くなり、窓の外の景色が浮かび上がってくる。
杉の木に雪が積もり、クリスマスツリーになっているのが分かって楽しくなってきます。
再び室内を照らしてもらうと、壁に鏡だか絵が掛かっているなとわかりますが、その中に
あるのが人の顔が、横倒しになってるキリストの顔である気が付き「あ!」とびっくりします。

クリスマスツリーの楽しさと、キリストの存在、そして骸骨。
色々な聖なる物が小さな箱の中に詰め込まれた作品だったのだ・・・と、今は感じています。
心の中がほんとにジンとしてくる作品でした。






「雪の女王」
今回のDMにも使われた作品。
桑原氏いわく「自信作」であり「代表作」だそうです。

はじめてこの作品をDMより先にギャラリー椿のサイトで観たときは「なんて美しいんだろう!」と
溜息ものでした。
他の作品を観てしまうと、光の当て方による変化はやや少ないのですが、内部と外観は
言われるとおりとびきり美しい!



DMは当初、背景を黒でいったんつくったけれど、今回は作品にあわせて背景を白で作り直した
のだそうです。
そういえば、毎年Scope展のDMの背景は黒でした。

外観はまだらに青い部分がある箱ですが、これは金属をいったん腐食させてから穴が開いた部分に
青いラピスラズリの粉(日本画の岩絵の具として販売されている物)を埋め込んでから、磨きを
かけたのだそうです。
ラピスラズリはフェルメールも「真珠の耳飾りの少女」でも画材として使っている宝石ですね。

そして内部を覗くと、まるでお城の内部のような豪奢な室内がみえる。
真っ白で氷でできているような感じです。
「雪の女王」というタイトルは、もちろんアンデルセンの童話からとっているそうです。


室内の天上には豪華なシャンデリアが下がっていますが、これには本物のダイヤモンドを16個!も使ったそうです。
(数、違っていたらごめんなさい)
階段の手すりは奥行きを感じられるよう、かなりパースをつけているそうです。
つまり手前から奥にかけてかなり傾きを大きくつくっている、とか。

室内に置かれた大きな鏡、そして手前にあるテーブルとイス。
誰かがついさっきまでいたような気配を感じます。
あてる光によって、階段の向こうがほの明るく見えるのが気になります。
また、上部から光がはいり光源が揺れると、下に落ちるシャンデリアの影が揺らめいて美しい。


鏡にはなにが映るのか?
これは鑑賞者にはわかりません。
でも、この作品は所有された方にした教えていただけない秘密の窓があるらしい。
(Scopeには作品によって、こういう秘密が時々あるらしい)
そこから光をあてると、鏡に何かがうつるのでしょうか。
これは永久に謎。


 


「夜の訪問者」
外観は腐食させてあり、やや茶色になった釘を思わせる色合いの箱。

中を覗くと海の景色らしい風景が見える作品。
水晶の固まりを使っているらしく、上部にあるのがなんだかモクモクとわいた雲を思わせます。
海に落ちた水晶?
なぜそこにそれがあるのか?
気になるけれど、この謎も解けない。
が、解けないから楽しい。

タイトルについては由来をうかがいませんでしたが、私には「夜の来訪者」という戯曲が
頭に浮かびました。
でも全然関係がないのかも。








「星を売る店」
外観は腐食させているものの、他の作品に比べるとその度合いは少なめのように見えました。

中を覗くと、室内に巨大な鳥かごのような物が置かれ、さらにその中に天球儀のようなものが見える作品。
巨大・・・と書いたけれど、作品は手のひらサイズなのですからこう感じるのも不思議でした。

室内の壁の照明が輝くのも良い感じです。
光がはいると、天球儀の中央が光って見えますが、これは彗星が流れている様子らしい。
光の当て方で天井が輝くと天井画があるようにも見えます。
また、この作品だけ他のと違って箱の下からも光が当てられるようになっていました。
たしか下から光が入ったときに天球儀が光る・・・のだったと思います。



「マリス・ステラ」
マリス・ステラとは「海の星」という意味だそうで、聖母マリアの事なのだそうです。
教会の内部が見える作品。

じつは今回こちらの作品とご縁が出来ました。
詳しいご紹介は、また改めてアップいたします。
posted by みどり at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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