
ジンガロ公演「Loungta ルンタ」@木場公園内ジンガロ特設シアター
〜5月8日(日)まで
作・演出・出演:バルタバス
4月1日(金)観てきました。一番安い席A席8000円にて。
ジンガロ。主催者バルタバスが1984年につくったグループだそうです。
名前だけは聞いたことがあったカンパニーの初来日公演があると知り行くことにしました。
一番高いプレミアシートはなんと24000円。
「ルンタ」とはチベット語で「風の馬」という意味だそうです。
騎馬オペラと宣伝してますが特に物語はなく・・・というか私は物語を感じませんでした。
人と馬達が織りなすパフォーマンスでした。
物語は感じないけど、不思議と彼らの動きに目が離せませんでした。
人と動物たちの姿、彼らの動きはとてもきれいでした。
開場前に「ジンガロをご覧になる前に」書かれた物を配布されたので、読んでみる。
「ギュトー寺院のチベット僧による祈祷に敬意を表し上演中の拍手はご遠慮ください」
とある。へーそうなんだ。
ずいぶん気になる注意書きではありませんか。
会場の特設シアターは、仮設劇場とはいってもかなり巨大な物でした。
入り口に並んで開場を待つことしばし。
少しすると中からうなり声みたいのが聞こえてきてようやく開場。
中へ入るとお香のような香りがしてました。
劇場内部は円形になっていて、すり鉢状に座席が並んでいる。
私の席はすり鉢の上の方です。
すり鉢の底が舞台として使われるところのようでしたが、そこにはお椀状の巨大な
テントがかぶさるようにありました。場内は薄暗いし、お椀も真っ暗。
平日の夜の回。客の入りは7,8割と言ったところでしょうか。
劇場内の上部の左右に小さな能舞台のような所ができていて、そこに座ってる人達
がチベット僧らしい。うなり声はお経だったのです。
下を見ると真っ黒なお椀の周りの部分に人の姿があり、立ったり座ってひれ伏したりしてる。
お祈りしてるようです。
お椀の部分が明るくなって、内部が見えてくるとそこには10頭ほどの馬がいました。
下は地面ですが、ずいぶんと赤茶色をしてるので会場となった木場の地面ではない
だろうと思いました。特別に持ってきた土ではないでしょうか。
白い馬、黒い馬。おとなしくたたずんでる馬たちの姿はそれだけでもきれいです。
再び暗くなってしまう。
観た順番どうりに書きたいけどとても全部覚えてはいませんので、印象に残ってる
場面を書いていきたいと思います。
馬に乗ってテントの周りを回る仮面をかぶった人達。
僧侶なのか赤茶色の地面の上を一人で踊っている。
神様に捧げる踊りのようにもみえます。えんじ色の衣の裾がふわりふわりと揺れ動く
さまはまるで赤い大きな花が風に揺れてるようでした。
テントが上に上がると、横の方からガーガー鳴きながら20羽ほどのアヒルたち登場。
アヒルじゃないかもしれませんが・・・白い鳥です。
赤茶色の地面で動き回ってる白いアヒルはそれだけで動くオブジェとなっている。
一頭の白馬が背に白い衣装を身につけた人を乗せている。
馬が舞台となってる円形の中を動いてゆくとアヒルたちはちょこちょこ逃げてゆく。
くるりくるりと移動してる白馬に対して、せわしなく逃げてゆくガチョウたちの動きは
寄せては返す波のように見えてきます。
少しすると馬上の人はアヒルたちに、何かを投げ与えだす。
エサらしく、いっしょうけんめいついばむアヒルたち。
馬はその間、くるりくるりとうごいているのですがエサを与えているうちに、さっきまで
逃げまどっていたアヒルたちは馬の動きを追いかけだしてるではありませんか。
もちろん「もっとちょうだい!」ってことなんでしょう。
なんとはっきりしてるんでしょう(^o^) これには笑えました。
白馬は速度を上げて円形舞台の外側を走り出すと、アヒルたちは必至に追いかけて
行くではありませんか。まるで走る白馬とアヒルたちのダンスのようです。
白馬が舞台横へ消えてゆくと吸い込まれるようにガチョウたちも消えてゆきました。
毎日やってることなのに単純なアヒルたちは毎日すぐ忘れてしまうのでしょう。
そして次の日の公演では、やっぱり最初は馬がそばに来ると逃げてゆき、馬上の人が
エサを与えだすと追いかけてゆくのに違いありません。
鳥の性質を知り尽くした上で作り上げられたシーンなのでしょう。
円形舞台を走る馬の上に立つだけで大変だと思うのに、馬の上で飛び跳ねたり
してるパフォーマーには感心するばかりです。
動く跳び箱の上で演技してる体操選手みたいに見えます。
パフォーマーはよく見ると男性だけではなく女性もいました。
バルタバスと言う名は本名ではないし年齢も不詳だそうです。
見たところごっつい50代の男性。
彼と彼を乗せた馬が登場する場面も、特に物語を語っているようには見えないけど
威厳があります。
ジンガロの本拠地はパリ近郊の街、オーヴェルヴィエリエにあるジンガロ座。
ここで出演者と馬達は寝食をともにしてるのだそうです。
馬の乗ってるパフォーマーは、馬をよく乗りこなしてると言うより文字どうり人馬一体
という言葉がぴったり。
馬と人がくっついて一つの生き物になってる、と言ってもいいくらいでした。
馬と人が信頼しあった結果生み出された動きは舞踊のようでした。
お経の声、今まで観たことのない楽器の音色。
観てるうちに舞台上の赤茶色の土がチベットの大地のように見えてきて
約2時間の公演はまるで、命と自然を賛美する儀式のようだと感じました。
ルンタに惹かれるか、わけわからなくて寝てしまうか。
こればっかりは観た人の好みの問題でしょうが、意見がはっきり分かれそうな気がしました。
それにしてもチケット代の高さはわかるけど、プログラムの値段にはびっくりでした。
まるで写真集みたいできれいだけど、公演パンフ3000円なんて高すぎますなあ(T.T)


ガチョウくんたちへの「鳥の性質を知り尽くした上で作り上げられたシーン」というコメント、おっしゃる通りでございます。
彼らは生まれた時からジンガロメンバー。歌舞伎役者さながらのベテランでございます(笑)。「ルンタ」では老若男女問わず人気No.1でしょう♪
しのぶさんはジンガロ公演にかかわったお仕事をされてるんですね。日本公演が実現するまでは大変だったと思います。日本でジンガロを観ることができて感激した方がたくさんいることでしょう!
物語を感じなかったという辺りが、同じだなぁと
思いながら感想を読ませて頂きました。
人馬鳥のシーンは、やっぱり面白いですよねぇ。
人馬鳥シーンは美しいですね。私はかなり上の席から観ましたがあのシーンは下の席より上の方がきれいにみえたのでは・・・と感じました。