2011年06月27日

劇団Studio Life公演「PHANTOM 語られざりし物語」

劇団Studio Life公演「PHANTOM 語られざりし物語」



劇団Studio Life公演「PHANTOM 語られざりし物語」@新宿 シアター・サンモール
原作:スーザン・ケイ「Phantom」  脚本・演出:倉田淳
映像・美術:マット・マッキンリー
出演:山本芳樹、林勇輔、青木隆敏、及川健、他
6月11日〜6月27日まで
劇団公式サイトはこちら

6月20日(月)に観てきました。
劇団Studio Lifeの公演を観るのはずいぶん久し振りです。
昔、よく下北沢のザ・スズナリで公演をやっていた頃は毎公演ごとにみていたのですが、好き
だった役者さんが退団したのと、公演が中野駅からかなり離れた劇団専用劇場でやるように
なってからはすっかり足が遠のきました。
今回の公演でたぶん7,8年ぶりかもです。

役者さんは総べて男性。
女性役も男性によって演じられるのがStudio Lifeのスタイル。
作・演出の倉田さんは女性です。

何度も映画化され、ミュージカル版もつくられたガストン・ルルー原作の「オペラ座の怪人」。
私も劇団四季で上演されたアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲のミュージカル版は大好きで何度も
観ています。

歌姫クリスティーンに恋するファントム(=オペラ座の怪人)
劇団四季が上演しているミュージカル版では彼は「ファントム」のままですが原作ではちゃんと
エリックという名前が付いていました。
そしてなぜ彼がなぜオペラ座の地下にいるのかもちゃんと説明があった。
彼は追われる身であり、彼を追う人物も描かれていました。
でも少年時代のことについてはほんの数行の記述しかない。

今回の舞台の原作は「オペラ座の怪人」ファンならだれでも知りたがったはずの、エリックの少年時代の物語。
もうこれだけでワクワクします。

<あらすじ>
資産家の娘のマドレーヌ。愛する夫を事故で亡くした後、生まれたのがエリック。
その醜い顔のため、母にも愛されず仮面をつけられる。
マドレーヌはエリックを屋敷に閉じこめて育てるが、やがてその存在は村人に知られることになる。

そして幼いエリックには音楽や建築へのずば抜けた才能が見え始めるが、マドレーヌにはその事実が
認められず、それどころか恐ろしいことに思え彼に本を読むことも禁止しようとする。
やがて自分を愛してくれない母の元を飛び出すエリック。
ジプシー達に捕まり、見せ物小屋の「見せ物」になり、そこから逃げてからは才能を認められ
有名な建築士の内弟子になる。
平穏に過ごせた日々はつかの間、そこの娘にしつこく言い寄られとうとう仮面をとって素顔を見せることになりますが。





今回はダブルキャストでの上演。
私が観に行った日は、山本芳樹さんがエリックを演じていました。
エリックの幼い時はさすがにちょっと違和感がありましたが、少年時代エリックにはまったく違和感なしでした。
少年エリックが、生き延びるために知恵を働かせジプシーと取引をするようになる。
奇形で生まれなければ裕福な母と幸せに暮らしていたかもしれない、それを思うとエリックの過酷な
試練に胸が痛みます。
そして彼に味方もしたくなってきます。


母マドレーヌは及川健さん。細い顔、細身の体の及川さんなので、観ていて最初こそ違和感が
ありましたがすぐにその感じはなくなりました。
むしろ神経質そうなマドレーヌをうまく演じていたとおもいます。


映像・美術を担当したマット・マッキンリーさんは、イギリスで有名な方だそうで
「レ・ミゼラブル」の日本未公開の新しい演出の公演でも映像・美術を担当しているそうです。
舞台上に作られた室内のセット、その壁に外の風景を映し出してしまう演出は窓から外を
眺めているようでもありました。
なかなか上手い演出と思いました。
(この舞台では結局エリックの素顔は見えずじまいです)


演出で悪い意味でとても気になったのは音楽でした。
劇的な選曲をしているのはわかるのですが、センスが悪い、といってはなんですが情緒に欠ける感じです。
それでもエリックが歌う、レクイエムはアンドリュー・ロイド=ウェッバー作曲の「ピエイエス」
なのにはうれしくなりました。
あれはとてもきれいな曲ですから。

逆に上手い、と思ったのはエリックが「見せ物」になって自らの仮面を見物人に向かって取る時でした。
客席に向かって背を向けていたエリックが、踊るようにくるりとこちらを向いて仮面をとった瞬間、
照明が客席を照らすので目くらましになって結局エリックの素顔は見えないのです。

ラストでエンドマークは出ず、エリックがファントムの姿であらわれ「クリスティーン」と
ささやくような声が聞こえ正面には「CONTINUE(続く)」と出る。
「オペラ座の怪人」の物語へ、そのまま流れていくようなよい余韻を残すラストシーンになったと思います。


音楽が気になりましたが、それ以外ではほぼこちらの期待を裏切らなかった作品。
もう一つのキャストでの上演も観たかったのですが、もう行かれる日がなかったのはかなり
残念でした。

posted by みどり at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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