2010年10月23日

映画「死刑台のエレベーター」1957年オリジナル版

映画「死刑台のエレベーター」1957年オリジナル版


映画「死刑台のエレベーター」1957年オリジナル版@渋谷 イメージフォーラム
監督:ルイ・マル          
出演:ジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ、他
音楽:マイルス・デイビス
映画公式サイトはこちら    フランス映画

10月19日(火)に観に行っています。
今ちょうど映画館で「死刑台のエレベーター」が公開されていますが、今回観てきた
のは1957年制作、ルイ・マル監督のオリジナル版です。
つまり日本版はこの映画のリメイクです。
ルイ・マル監督は撮影時25歳で、この作品が長編映画デビューなんだそうです。




<あらすじ> 

大企業の側近として働いていたジュリアン(モーリス・ロネ)。
しかし実は彼は社長夫人のフロランス(ジャンヌ・モロー)と不倫関係に。
二人は密かに社長を自殺に見せかけて、殺して逃げる計画を練っていた。
ジュリアンは社長を殺害していったんはビルの外へ出るが、窓際にロープを
置き忘れたことに気がつき、ビルへ戻る。
エレベーターに乗ったところで、警備員が帰るためビルの電源を切ったため
エレベーターが止まってしまう。
ジュリアンが路上に止めた車を、盗んで走り去るカップル。
運転席が見えないが、この車をみてジュリアンが若い女とどこかへ行って
しまったと、思いこむフロランス。
若いカップルはジュリアンの名字をなのって、ホテルに宿泊。

行きずりのドイツ人夫妻と親しくなるが、彼らの車を盗もうとして見つかり
ジュリアンが車に残していた拳銃で射殺してしまう。
夜の街、ジュリアンを捜すフロランス。
何も知らないジュリアンは翌朝、やっとエレベーターから脱出するが、ドイツ人
夫妻殺害の容疑をかけられ逮捕されてしまう。
やっと事情の分かったフロランスは、ジュリアンの嫌疑を晴らそうと若い
カップルをさがすが・・・。





モノクロの映画ですが、特にフロランスが夜の街を歩くシーンがとてもきれいです。
高感度のフィルムを使っているため、この美しさがでているそうです。

ジャンヌ・モロー演じるフロランスは、うつろな顔でいつも口をへの字に曲げて
いるからあまり美人にはみえません。
この映画では、恋人に裏切られたのか?と心穏やかならぬ状態なのですから
無理もないです。
フロランスの静かなつぶやきがナレーションのように全編に流れ、サスペンス映画
ですが始終淡々とした雰囲気がありました。

そしてこの映画を観てしまうとジャンヌ・モローのような「大人の女」を
演じられる女性はなかなかいないだろうと感じます。


(以下ネタバレになりますので、ご注意ください)
若いカップルがジュリアンの車を盗んだときに車に置いてあった小型カメラでドイツ人
夫妻と自分たちを撮影してるのですが、このカメラにはジュリアンとフロランス
の写真も写っていました。

ラストで現像液のなかから浮かび上がる写真はフロランスとジュリアンが笑顔で
抱き合っている写真。
この映画の中で初めて観るフロランスの笑顔です。
もちろんこの写真は二人の不倫関係が警察にばれる場面でもあります。

ルイ・マル監督は最後のここで薔薇のつぼみが花開くように浮かんでくる
フロランスの笑顔を見せたいために、フロランスには憂鬱そうな顔をさせて
いたのだなと、思いました。

そして、映画を見終わってからやっと気がついてすごいと思ったことが!
この映画の中で、ジュリアンとフロランスはなんと一度も対面してないのです。
(電話で話をする場面はありますが)
あえて言うならラストの写真の中だけで二人は一緒。
しょせんは不倫。
幸せになれるわけ無いじゃないか、と言いたかったのでしょうか。




この映画なんといっても音楽がとてもいいです。
マイルス・デイビスのトランペットは、けだるくそれでいて哀愁を帯びたメロディ。
サスペンス映画の緊張感とやるせない雰囲気を盛り上げています。
この音楽がなかったら、この映画はこれほど印象には残らなかったとおもうのです。


音楽は伝説では、マイルス・デイビスが映画フィルムのラッシュ(編集前の断片)を観ながら
即興で演奏された・・・とされていますが、実際には彼はフィルムをあらかじめ観ていて、
滞在中のホテルで曲のアイデアを練ってから、録音セッションに向かっているそうです。

サウンドトラックとしても、ジャズ音楽としてもこの音楽は名作だと思います。
マイルス・デイビスは翌年、ジャズの名盤として名高い「Kind of Blue」を
だしているそうです。
このCDは以前、私も購入してすっかり気に入っていました。
その時の感想はこちらにまとめています。




本当はこの映画を観た後で、日本版リメイクを観ようと思っていたのですが、
オリジナルの成度の高さを知った後では、観る気が全く失せてしまいました。
オリジナルを超えることなど絶対無理だろう、と感じてしまうのです。
(と、いいながらみるかもしれませんが)

今回のリバイバル上映、パンフレットが作られてないのですが新たに発売されたCDが
特別価格1100円で劇場窓口で販売されていたので、買ってしまいました。
音楽がいいのはもちろん、映画の解説も載っていたのでパンフがほしかった方にもお勧めの
一枚でした(^^)V



音楽(この映画のテーマ曲)はYouTubeにもあったのでご紹介しておきます。
YouTubeの音声・映像は削除される可能性があるので再生できないときはごめんなさいです。






死刑台のエレベーター[完全版]

死刑台のエレベーター[完全版]

  • アーティスト: マイルス・デイヴィス,バルネ・ウィラン,ルネ・ユルトルジュ,ピエール・ミシェロ,ケニー・クラーク
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2003/04/23
  • メディア: CD






posted by みどり at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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