2010年09月20日

シス・カンパニー公演「叔母との旅」

シス・カンパニー公演「叔母との旅」


シス・カンパニー公演「叔母との旅」@青山円形劇場
作:グレアム・グリーン  劇化:ジャイルズ・ハヴァガル
演出:松村武
出演:段田安則、浅野知之、高橋克実、鈴木浩介
ステージング:小野寺修二

9月17日(金)の夜の回を、当日券で観に行っています。
この作品もともとは1969年に作家グレアム・グリーンが発表した小説でその後、映画化
(日本未公開)もされ1974年にはジャイルズ・ハヴァガルが劇化。
これが今回の上演バージョン。

日本では今まで1994年に演劇集団円で上演して以来、再演を重ねているのだそうですが
私は今回初めて知りました。
しかも今回の公演、チラシにも書かれて無くて行ってはじめて知ったのはパントマイム
を基調にした公演を見せてくれていたパフォーマンスグループ「水と油」の小野寺修二さんが
動きの演出を手がけていたことでした。
これを知っていたら、早い段階で前売りチケットを購入していたのですが!



物語はこんな風。
銀行の支店長を勤め上げ、50代半ばで引退をしたまじめな独身男ヘンリー。
母の葬儀に突然訪れた叔母のオーガスタと50年ぶりの再会をする。
75歳で独身で金持ちで、恋人までいる叔母。
自由奔放な叔母に誘われるまま、外国への旅をすることになるヘンリー。
半ば強引な叔母に振り回されるヘンリーですが、母と叔母の本当の関係、やがて叔母の
秘密まで知ることになります。



とてもおもしろい公演でした。
舞台は完全円形に配置された客席の真ん中。
出演者はたった4人。しかも全員男性。
この方達が一人で何役も演じてしまうのです。
ヘンリーや、警察官や少女や牧師やその他もろもろの人物達。
オーガスタ叔母さんだけは段田さんが一人で演じていましたが。

なかでもすごいのはヘンリーを4人で演じてしまうこと。
一人二役という言葉はよく聞きますが、今回ヘンリーについては「4人一役」なのです。
ヘンリーのセリフも、彼の動きも次の出演者が受け継いでいくようすが、とっても
なめらかで観ていて無駄も無理もありません。

出演者の動きは観てると小野寺修二さんの演出だな、とすぐ分かりました。
とくに4人がそれぞれトランクもって動き回る様子は、かつての「水と油」そのまんま
じゃないか!と思ったくらいです。
もちろんパントマイムで鍛え上げられた「水と油」のメンバーほど動きのキレは
よくありませんが、それでもきれいな動きでした。

「水と油」は小野寺さん含めて男性三人、女性一人のグループでした。
現在は活動休止中で、それぞれのメンバーが別々の活動をしていますが4人の中では
あちこちで演出を手がける小野寺修二さんの活躍が目立つ気がします。
つい最近ではバレエダンサー首藤泰之さん出演の「空白に落ちた男」の演出・出演が
ありました。
リンク先は観てきたときの感想です。



まじめに静かに過ごしてきたヘンリーと、その場その場の人生をそれなりに真剣に生きて
楽しんでいた叔母。
対照的な二人ですが、ヘンリーも自分の人生を振り返りつつ最後には今までと違った
生き方を選択します。
それがちょっとびっくりするようなことでした。
(ネタバレになるので書くのはひかえますが)

かなり波瀾万丈の人生を送って来た叔母さんですが、年取っても体は丈夫だし
お金もたくさん持っているのはうらやましい。
でも大事なことはヘンリーのお母さんに頼んでしたわけで。
これも物語のネタバレになるから書きませんが、話のラストは物語の早い段階で予想がつきます。

でも物語のラストでようやく「大佐」と静かに二人で踊る様子は、そこだけ柔らかで明るい照明が
当てられ優しくホッとするシーンでした。
なんだか観ていて涙でそうになりました。
二人で踊る・・・と書きましたがもちろんこの時舞台上に見えるのは段田さん一人です。
今回の段田さん演じるオーガスタ叔母さんは、まるで違和感がなく良かったです。







8月20日から始まったこの公演、良いという評判が広がってきてすでに前売り券は
完売状態。
当日券は毎回開演の1時間前から販売する、というのは公式サイトを見て分かりましたが
会場は客席数約300の小さな青山円形劇場、当日券の枚数は少ないはずで、いったい
何枚出るのかわかりませんでした。

前日も仕事を終えてから駆けつけたのですが、すでに当日券を求める人の長蛇の列。
私はキャンセル待ちの券すらもらえず(T.T)
9月17日は、金曜ですが私は仕事が公休日だし、この日を逃すともう観に行かれる日も
ないので、絶対観てやろうと早めかなと思いつつ折りたたみイス持参で午後4時半に
会場の受付前に到着しました。
(当日券の販売は午後6時からです)
誰もいないから一番乗り!・・・と、思ったけれど私が受け付け前に立ったら近くの
イスに座っていた方が、おもむろに私の後に並んだのでこの方が本当の一番乗りだったようです。
(ごめんなさい、私無視しちゃたです)
どうやら様子をうかがっていたようで、この方はいったいいつから来てたんだろ(^_^;)


ところでこの日の公演はラストでハプニングがありました。
小さなベンチの周囲を出演者がセリフを言いつつ歩いて回ってからスッと座るのですが、
この時高橋さんが勢い余ってベンチごと後ろにひっくり返ってしまったのです。
ええーーーっ!?これって演出?違うよね????観てた皆さん同じ事を思ったはず!

そのすぐ後の段田さん、セリフを言う声が完全に笑ってました(^◇^;)
生の舞台ですもの、こんな事もありますよね。
いやいや、この程度OKですよ(^^)



<2010-09-22追記>

ご参考までにこれまで観てきた、小野寺修二さん振付又は演出の公演の感想をリンクしておきます。

2009年「中国の不思議な役人」@PARCO劇場

2009年「あらかじめ」@青山円形劇場

2008年「ある女の家」@シアタートラム

2008年「空白に落ちた男」@ベニサンピット

2005年 水と油公演「不時着」@東京グローブ座

2005年 水と油公演「移動の法則」@新国立劇場 小劇場


posted by みどり at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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