2010年07月14日

「ジョゼフ・コーネルX高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」展

「ジョゼフ・コーネルX高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」



「ジョゼフ・コーネルX高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」展@千葉県佐倉市 川村記念美術館
4月10日〜7月19日まで
美術館公式サイトはこちら

7月13日(火)観に行ってきました。

箱アーティストのジョゼフ・コーネル(1903〜1972)、詩人の高橋睦郎(たかはしむつお、1937〜)
名前は聞いたことがある、程度でお二人のことは今まで全く知りませんでした。

手作りの木箱の中に古い絵画の複製や、貝殻などを入れて小宇宙を創りあげたジョセフ・コーネル。
今回は美術館所蔵のコーネル作品16点に、コーネル作品に感銘を受けた詩人の高橋睦夫さんが詩をつけ、
展示空間も独特な物に創りあげられています。

今回は新聞評を見て気になり、行ってみることにしました。
川村記念美術館へ行くのはもうずいぶんと久し振り。
7.8年ぶりのような気がします。



星が散らばる暗闇のなか、照明が当てられ浮かび上がるコーネルの箱宇宙。
そばに添えられた譜面には高橋睦郎氏の一編の詩。
コーネルの宇宙にはさわれないけれど、楽譜は手に持つことも可能。
詩を眺めつつ、頭の中で朗読し、コーネルの宇宙を眺める。
そして、かすかに聞こえてくるオルゴールの音(ね)。
なんて贅沢な時間と空間。

四角い会場は透明な板で仕切られ、一つのコーナーにコーネルの作品が一つ展示(例外もあり)。
まるで会場全体がコーネルが作った標本箱のような趣なのです。

とても気持ち安らぐ、心地よい展覧会でした。

こんな展覧会は初めてです。
あえて言うなら、自動人形師ムットーニ(武藤政彦)氏の展覧会と似た雰囲気があると感じました。
箱に入ったムットーニ氏の宇宙には、詩ではないけれど作者による作品の口上(作品解説)もある。
そして、とてもきらびやかな夢の世界。


今回は、コーネル氏と高橋氏が創りあげた秘密の場所を垣間見てしまったような世界でした。
秘密の地下室でこつこつと創りあげられた世界を観てしまった感じ。
実際、コーネルは厳しい仕事の合間に地下室でひとり静かに作品を作っていたらしい。

コーネルの作品だけの展示だったら、高橋睦郎さんの詩だけだったら、これほどの感銘を受けなかったと思います。



土日は難しいかも知れないけれど、観に行ったら作品と一人静かに向き合っていただきたいです。
そう感じました。
友達同士で観に行っても、会場に入ったら別行動にすべきです。

そして高橋睦郎さんの詩の楽譜もぜひ手に持って鑑賞していただきたい。
ただ目で眺めるのと、手に持って鑑賞するのでは感じが全く違いました。
手に持って詩を読み、そしてコーネルの作品を観るとその空間と自分が一体化するような不思議な
感覚が味わえました。



残念なのは展覧会カタログがすでに完売になっていたこと。
フランス綴じ、テキスト活版印刷。
フランス綴じの袋状ページを自分でカットして鑑賞する作りになっていたらしいです。
ほしかったなあ・・・。


きらびやかではないけれど、夜空に小さな星が瞬く静かな世界。
いつの間にかそこに迷い込んだような展覧会でした。



この展覧会を観に行った後、途中下車して同じ佐倉市内の志津駅そばにある画家・高橋真琴さんの
「真琴画廊」にも行ってきました。
このことはまた後ほど。




<2010-07-29追記>
もう不可能と思ってましたが、売り切れになっていた展覧会の図録を入手できました。
ネットオークションに新品同様の品物が出たので落札いたしました。
最後競り合いになってしまったので思ったより高額になってしまいましたが(x_x)

大切にします!

「ジョゼフ・コーネルX高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」展



<2010-08-01追記>
この記事を読んでくださった方へ。
トラックバックしていただいたはろるどさんの書かれているブログ「はろるど・わーど」は展覧会会場の
美しい写真も多数掲載されています。
是非、ご覧になってください。


posted by みどり at 19:58| Comment(4) | TrackBack(1) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
みどりさんの解説を読んで、この展覧会に行きたいなあと思いましたが―。
明日が最終日、しかも千葉では遠すぎる…!!
記憶に留めておいて、いつか見られるといいな…と。
私は昨日、シアターコクーンの「ファウストの悲劇」に行きました。
白井さんが出ているというミーハーな理由から。
和洋折衷の舞台でしたが、それがテーマに合った演出だったかどうか私にはよく
わかりませんでした。
でも舞台装置は面白かったし、メフィストフェレスの勝村政信さんが
良かったです(白井さんはなかなかひょうきんな役でかわいかった)
三菱一号美術館も行きました。外観は趣があって素敵ですが、中がちょっとした迷路のような作りですね。
マネの作品も一度に多く見られて良かったです。
Posted by nagareboshi at 2010年07月18日 16:08
>nagareboshiさん
>の展覧会に行きたいなあと思いましたが―。
明日が最終日、しかも千葉では遠すぎる…!!

そうなんですよね、確かに都心から離れすぎで。
いくら最寄り駅から無料送迎バスが出てるとはいっても遠いんです川村記念美術館は!
もっと早く観に行っていれば、早めにご紹介できたのですが・・・・。


三菱一号美術館は、窓から見た下の中庭の景色がこれまたきれいでした。
ご覧になりましたか?

「ファウストの悲劇」は私も気になっていましたが、いろいろ事情があってチケットを買うには至りませんでした。
でもチラシ気に入ったので大事にとっといてありますよ(^o^)
役者としての白井さんもしばらく見てないから、見てみたかったです。
Posted by みどり at 2010年07月19日 20:38
こんばんは。図録如何でしたでしょうか。フランス綴じのものなどもう他に出ないのではないでしょうか。本当に力作でした。

>手に持って詩を読み、そしてコーネルの作品を観るとその空間と自分が一体化するような不思議な感覚

同感です。今回のコラボレーションは大成功でしたね。高橋さんのコーネルへの愛情もとても真摯でした。

語り草になる展覧会だったと思います。
Posted by はろるど at 2010年07月29日 22:12
>はろるどさん

今回の図録はとても凝ってましたね!
落札価格が高値になりましたが、全くの新品、アンカット状態の品物だったので無理ないと思い、思い切って入手しました。

真っ白なので汚さないようにと触るたびに、きを使いますね。
ページを開くのも、まるで展覧会を見たときと同じようなワクワク感がありました。・
私にとっては、ちょっとした宝物となりました。
こんな図録なら会期終了前に売り切れになってしまったのも納得です。
今回は展覧会も図録も企画された方、すごいですね。

>語り草になる展覧会だったと思います

ほんとですね!
これは多くの方に観てほしい展覧会だと思いました。
もう終わってしまったのがとても残念です。
Posted by みどり at 2010年07月30日 05:03
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Tracked: 2010-07-29 22:13
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