2009年12月31日

「ムットーニ展 TIME TRIANGLE」

2009年に観に行ったことが全部書き終えない内に、新年を迎えてしまいそうな
時間となりました。

「ムットーニ展 TIME TRIANGLE 」



「ムットーニ展 TIME TRIANGLE 」@名古屋KENJI TAKI GALLERY
(ケンジタキギャラリー)
11月28日〜12月26日まで (終了してます)
展覧会公式サイトはこちら


12月19日(土)に観に行っています。
自動人形師ムットーニこと、武藤政彦さんの作品展です。

今年は、1月に東京のケンジタキギャラリーでのグループ展「NINE」に出品、
春のアートフェア東京にも出品、そして八王子市夢美術館での展覧会、
夏から秋にかけては福井県の金津創作の森、冬は名古屋ケンジタキギャラリーでの
展覧会もあり、ファンとしてはいろいろな会場でいろいろな作品を観られて
うれしい1年間でした。
(アートフェア東京だけは都合が付かず行きそびれました)

武藤さんの作品は、何度観ても飽きると言うことがありません。
時間が許せばいつまででも観ていたい。
光と人形と、音楽が紡ぎ出す小宇宙。
私はあまり客観的な感想は書けないと思いますが、なんとかご紹介しておきたいと思います。


朝は名古屋市美術館での展覧会を観てから、11時ちょっと前に美術館を出て
名古屋ケンジタキギャラリーへ向かいました。

11時をちょっとだけ過ぎてしまい、ギャラリーのドアを開けると1階に展示もある
けれど2階から音楽が聞こえてくる(ということは作品が動いている)ので急いで
階段を上がる。
入り口は小さなギャラリーですが、中がこんなに広いとは知りませんでした。

すでに数人の方がみえていていました。
その中の一人が知り合いだったのでちょっとびっくり。
お互い関東圏の人間ですから、この日ここで会うとは思っていませんでした。
この方も熱心なファンの方ですから不思議でもなんでもないのですが。

12時頃に、武藤さん新作のオルゴールを1作抱えて到着。
これが今回の展覧会ではじめてお披露目の作品「ON THE LOOP」でした。
13時から14時までは画廊はいったん休憩で、お客さんもいったん外に出なければ
なりません。
この時間に、知り合いと昼食をご一緒してからまた画廊に戻りました。

15時からは武藤さんの解説とともに作品が動いているところが鑑賞できる「上演会」
約40分ほどだったでしょうか。



見た順番とは異なりますが、それぞれの作品の感想を書き留めておこうと思います。


2階の展示品は順番に自動的に動くようになっていました。

「IN THE DARK」
一週間前の12月12日に登場した新作オルゴール。
オルゴールのゆっくりとした音楽はサティのジムノペティ。
手前に一匹の猫がいて、上の空間の左右をゆっくりと見回しています。
後ろの黒い空間に一人の女性が現れては消え、鑑賞者側からみるとちょうど
女性が猫のことをなでてあげているように見える。

武藤さんの所に迷い込んできた捨て猫がいて、その子を飼うことになったことになったが
その猫が、時々何もない空間を見ていることがあるんだとか。
そんな事から作品のイメージがわいたらしい。

猫がとてもかわいいのですが亡き主人の面影を追い求めているようで、見てると
なんだかせつなくなります。
オルゴールといっても物語を感じる作品です。
ところで、武藤さんちの子になった猫の名前はしっぽがふさふさしていたことから
「くじゃく」ちゃんとネーミングされたそうです。


「ON THE LOOP」
19日に武藤さんが持ってこられた新作オルゴール。
音楽はパッヘルベルの「カノン」
今年の八王子の展覧会で登場した大型新作「インターメッツオ」のミニチュア版といった感じ。
音楽こそ違いますが、華やかさと美しさはそのままという感じにヴィーナスが一人。
クラクラッと一目惚れ。
このヴィーナスがオルゴールの箱の中でわずかですが上下に動く。
小型のオルゴール作品で左右に動いたり回転するのはあっても上下するのはあまり見たことが無かった気がします。
ところで、「インターメッツオ」でヴィーナスの回りにある輪は、ヤスリをかけてあるので光が
美しく反射するのだとか。
「ON THE LOOP」のヴィーナスの回りにも輪があるけれど、ヤスリをかけてしまうと
傷が目立つ(輪が小さいため)のでかけなかったとか。



「TRIANGLE-1 WALTZ」新作・中型作品。
「ワルツ・オン・ザ・シー(海の上の少女)」の別バージョンとも言える作品。
以前の作品は箱の中から少女が登場してきましたが、こちらは本が開いて登場。
音楽も「ワルツ・オン・ザ・シー」と同じ物が使われていましたが、完全に同じではなく
終わりの方にムットーニ作品ではよく耳にする不穏な音楽(と、いいかたしていいのやら)
が付いていました。
少女はまた本の中に戻ってゆきます。
この作品にはブルーの色彩があるけれど、「海」の香りがほとんどしない・・・。
少女は「海の上の少女」と似てるけどやはり別の世界の住人なのでしょう。



「TRIANGLE-2 LOVER」新作・中型作品。
使用音楽 Memoria E Fado (Memory and Fado)
演奏 Egberto Gismonet(ギター)
本が開くとアンドロイドが登場し、彼の前の空間に女性が一人が浮かび上がってくる。
アンドロイドは両手を前に出して、女性を抱き留めようとするけれど彼女はそのまま行ってしまう。
アンドロイドは彼女を優しく見つめているように見えます。
永遠にふれあえない二人でもあります。
以前の作品「THE NIGHT ANGEL COMES」や世田ヶ谷文学館所蔵の
「The Spirit of Song」と似た雰囲気の作品だなと思いました。


「TRIANGLE-3 RING」新作・中型作品。
使用音楽 Agua & Vinho (Water & Wine)
演奏 Egberto Gismonet(ピアノ)
今までの作品とはかなり雰囲気が違います。
リングの上で横になっている一人の女性。
こんな状態から始まる作品というのも珍しい。
その女性の衣装が中東風でどこかエキゾチック。
やがて、女性は起き上がってきます。


「INTERMEZZO(インターメッツオ)」
今年、八王子の美術館で初登場した作品。
光のリングは時間のリングでもあるらしい。
オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲(インターメッツオ)の
美しい音楽に乗せてヴィーナスが時空を舞う作品。
大好きです。


「 THE DIARY OF WINGS」
2008年作品。
2階のしきりで区切られた空間に複数の人形がセットされて動く大型作品。


「SLEEP BUNNY」
2008年のアートフェアで登場した作品。
細長い縦長の時計タイプ作品です。
私が初めて見たのは今年(2009年)初めのグループ展「NINE」でのこと。
数日間のみ登場してるのを目撃してびっくりした作品でもあります。
(「NINE」での展示は本来新作の「STAIN」だったけれど、まず先にアートフェアに出されていたため、代わりに
「SLEEP BUNNY」が展示されていたのでした。これは当時ギャラリーの方からうかがったお話です)
黒い衣装のちょっと妖しげなムードのバニーガール。
手には白ウサギを一羽抱えています。
彼女は寝ているところを起こされるけれど、またすぐ振り子の催眠術に
かかって寝てしまうのだとか。
バニーガールは永遠に悪夢の中をさまよっているようにも見えます。


1階の展示は、今までさんざん観てきた作品ばかりでしたので今回は1回づつくらいしか
見てきませんでした。
総べて小さな穴から、中をのぞきこむようになっている作品です。
以前も感想を書いているので、今回はご紹介のみにしておきます。
(以下が1階の展示作品です)


「 NIGHT TRAIN」 2007年作品。
世田ヶ谷文学館で登場した作品。
大型の箱は数カ所に、のぞき窓があり、のぞく場所によって見える物が
違っています。

「FIN」 2009年作品
ムットーニ作品ではおなじみのロバートと愛犬ジョンが登場。
ロバートとジョンはなぜ消えてしまわなければならないのか。
シュールな作品です。

「CALL」 2009作品
部屋で電話が鳴り続ける。
女性が一人見えるけれど、結局彼女はこの世に存在しているのかどうか。

「STAIN」 2009作品
見えるのは小さな部屋。
シミの中から女性が浮かび上がっては、また消えてゆきます。


ムットーニ展、次回は6月に東京・渋谷のロゴスギャラリーだそうです。

でも春のアートフェア東京は要注意かもしれません。
2008年も2009年もケンジタキギャラリーが出店してるせいか作品を出品されていますから。
2010年も出品されるかも?


以下、全くの私事になります。

この日は、新作オルゴール2点に売約済みの赤いシールが貼られていないことに気がつき
とても心動かされてしまいました。
目の前で手招きされるようなこんな機会、望んでもなかなかあるものではありません。
私が19日に名古屋行きを決めたことも、この日はじめて登場した作品と出会うことに
なったのもきっと何かのご縁。(と、どうしても思いたくなります)
19日に新作が登場すると知ったのも、名古屋へ行く日を決めた後のことですから。

こういうことはいろんなタイミングが合わないと、自分でも結論は出せません。
迷ったけれどこの日は自分で自分にOK出すことにしました。

ギャラリーの方と武藤さんに希望をお伝えし「ON THE LOOP」が我が家に
お嫁入りすることが決まりました。

手続きをしたのが15時の上演会の前で、その後頭の中がちょっと興奮状態だったのか
上演会でうかがった武藤さんのお話も2,3割が右から左へ抜けてしまった気がします。


この日はその後、劇団四季の「オペラ座の怪人」を観てから名古屋駅より東京・新宿駅
行きの高速夜行バスに乗車。
1日でいろんなことをいっぱい経験し、なんだか夢心地。
現実感がまるでないまま夜行バスの中で眠りにつきました。


2008年の秋に、ネットオークションに登場した武藤さんの昔の版画作品を入手することができました。
近々、こちらもご紹介しようと思っております。
今年中にと思ってたのですが、もう時間切れ・・・f(^ー^;

<2010-01-10追記>
最初の投稿時、書けなかった「TRIANGLE-2 LOVER」「TRIANGLE-3 RING」の曲名のメモが出てきたので書いておきました。

メモを無くしたと思ったけど、絶対無くさないところ(ケンジタキギャラリーの方の名刺の裏)に
メモしたことをすっかり忘れていたのでした(^^ゞ




<2010-01-14追記>
本日「ON THE LOOP」を我が家にお迎えいたしました。
名古屋で動いていたときより約1,2倍遅く作動しますが、これが正しい動きだそうです。
オルゴールの音を改めて聴き、とうとう分からなかった曲名がやっと分かりました。
パッヘルベルの「カノン」です。
(正確にはその冒頭のさわりの部分、約1分50秒です)

作品の写真も後日、アップする予定です。



posted by みどり at 21:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
みどりさんこんにちは。
旅先でムットーニさんのオルゴールを購入されたなんて、
なんだか素敵ですね。(*^^*)

>目の前で手招きされるようなこんな機会、望んでもなかなかあるものではありません。
>こういうことはいろんなタイミングが合わないと、自分でも結論は出せません。
>迷ったけれどこの日は自分で自分にOK出すことにしました。

きっと本当にその作品が呼んでくれたんですね!
いろんなタイミングが重なるって、まさに運命というかご縁を感じますよね(^^)


>1日でいろんなことをいっぱい経験し、なんだか夢心地。
>現実感がまるでないまま夜行バスの中で眠りにつきました。

あの小宇宙みたいな幻想的な夢が見れそうですね!

ご自宅でムットーニ作品が見られるってスゴイですよね。
展示会の会場だと、どうしても安全のために真っ暗闇にはなりませんが、
もし自分の部屋に作品があったなら、ぜひ夜部屋を真っ暗にして見てみたいです☆


> ムットーニ展、次回は6月に東京・渋谷のロゴスギャラリーだそうです。
それは楽しみです!
また会場でお会いしていそうですね。(^v^)
Posted by Alice at 2010年01月08日 17:12
Aliceさん、ありがとうございます。
今回はこんなことあるんだと、とても不思議な気分でした。
あまりにも簡単に幸運が訪れた感じで。
「ON THE LOOP」は会期後半で登場したので、ギャラリーのサイトにも写真が出なかったのが
ちょっと残念です。


次回のムットーニ展があと半年もさきとは、とても待ち遠しいですね。
たぶん待ちきれないから、その前に私は作品常設展示をしてる世田谷文学館にきっと一度は行くと思います(^^)
Posted by みどり at 2010年01月08日 20:34
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