2009年10月01日

特別展「黄金の都 シカン展」


「黄金の都 シカン」チラシ


特別展「黄金の都 シカン展」@国立科学博物館
〜10月12日まで
「シカン展」公式サイトはこちら


9月25日(金)に観に行っています。
今回はうれしいことに「一日ブログ記者」として「取材」としての鑑賞、さらに会場の写真撮影も
許可していただくことができました。
今は募集定員に達してしまいましたが、詳細はこのようになっていました。


手持ちのカメラでは薄暗いところの撮影はうまくできないので、本来ならカメラを新調したかった
のですが、予算の関係でそこまではちょっと無理(T.T)
せっかくの撮影の機会を生かし切れなかった気がしますが、写真をお借りすることも出来たので
今回の「シカン展」をご紹介したいと思います。

今回掲載した写真は、すべて撮影・掲載の許可をいただいたものです。


そもそも「シカン」て何?ですね。

その前に「アンデス文明」の説明を。
「アンデス文明」とは1532年から始まる(文明崩壊の年代がはっきり解るというのも歴史の流れの
すごいところ)スペイン人による征服以前、アンデス山脈と、その西側の乾燥した海岸地帯、そして
非河岸の湿潤なアマゾン側赦免で反映した文化の総称。
「シカン文化」とはそのアンデス文明の一つで、9世紀から1375年頃までペルーの北海岸で繁栄したそうです。

長大な灌漑用水路を作り、高い水準の彫金技術をもったシカン。
今回の展覧会ではその「シカン文化」がどのようなものだったかを、発掘された考古遺物の実物展示
だけでなく、モニターを使った映像あり、とてもわかりやすく紹介されていました。

それまで考古学者にあまり関心を持たれていなかったシカン文化の探求をされ、約30年間の長きに
わたり研究をされ、シカンの人々と文化を徐々に明らかにしていったのが日本人の島田教授
(現南イリノイ大学教授)。

《島田泉教授》 撮影:義井 豊
《島田泉教授》 撮影:義井 豊



島田教授はシカン文化学術調査団を組織し、研究を続けられてきたそうです。
この文化に、先住民の言葉で「月の神殿」を意味する「シカン(文化)」と名付けたのも島田教授。

会場内にはいるとまず展示されているのは発掘道具の一式。
ひとつひとつはとても小さなものです。
小さな道具をコツコツと使って、大きなシカン文化の解明にまでたどり着くのですから、これを観た
だけでもロマンを感じます。
(映像や写真の島田教授をみてると、ふと映画「インディー・ジョーンズ」の考古学者にして冒険家の
ジョーンズ博士の大冒険を思い浮かべてしまいました)

「シカン展」会場



そして目に付く模型はエジプトのピラミッドを連想する巨大な「ロロ神殿」。

シカン展 ロロ神殿模型


いまは風化して原形をとどめていません。
底辺100メートルX100メートル、高さ32メートル。
王の墓だったエジプトのものと違い、これは頂上部にあった神殿の土台なのだそうです。

埋葬されていた当時の権力者、と思われる人物は頭を下にした形ですわり
しかも、頭は首から切られあごを下にした状態で置かれて黄金のマスクを
被されていたいたとか。
墓の内部構造も図解説明されているし、シカンの人々にとっては宗教的な意味があった
のでしょうが、この埋葬の仕方にはちょっとぎょっとします。

埋葬者が付けてたマスクが、今回のチラシに(冒頭の画像です)も使われている「シカン黄金大仮面」
全長約100センチ。
「シカンの神」をモチーフにしていて、金の含有量の多い金銀銅の合金で出来ているそうです。
約1000年前のものですが、今なお鮮やかな輝きをみせています。

シカンの土器、金属には「アーモンドアイ」と呼ばれるつり上がった目をもつ人物像が彫刻されて
いることが多いですが、これが「シカンの神」だそうです。

「シカン展」 人面の金杯


そしてシカン遺跡では多くの黄金の装飾品があるそうで、たかい技術力があったことをうかがわせます。
そしてこの蜘蛛の装飾品は今見てもデザイン的に美しいです。


《クモ象形金》 11世紀 ペルー文化庁・ペルー国立ブリューニング博物館蔵 撮影:義井 豊
《クモ象形金》 11世紀 ペルー文化庁・ペルー国立ブリューニング博物館蔵 撮影:義井 豊


「シカン展」 会場2


シカンの人々がつかっていたと思われる土器には彼らの主食のトウモロコシなどの食料や動物、人物が彫刻
されていて、自然と一体だった生活がみてとれます。

「シカン展」 土器の展示

「シカン展」 会場3


こちらもなんだかかわいいくらいのデザインです。

《さかな象形土器》 11世紀 ペルー文化庁・ペルー国立ブリューニング博物館蔵 撮影:義井 豊
《さかな象形土器》 11世紀 ペルー文化庁・ペルー国立ブリューニング博物館蔵 撮影:義井 豊



黄金のすばらしさが目立つシカン文化ですが、現在のシカン遺跡周辺に金鉱は存在しないし、
装飾品として加工されている貝はやはりシカン遺跡からは遠い赤道に近い地域でとれるものだそうです。
これからシカンは、ひろい交易ネットワークを形成していたことがわかるのだとか。

現代社会と構造的にはさほど変わらないシカンの人々の生活が、だんだん身近に感じられてきます。


展覧会場後半の目玉はミイラ包みでしょうか。
地元の支配者層の遺体を幾重にも布でまいて包んであり、頭部に銅製の仮面が付けられいます。

「シカン展」 ミイラ包み


暗すぎて見えないじゃないか!と言う方は、ぜひ会場へ。


会場最後には特製メガネをかけ、大きなスクリーンで観る3Dシアター。
約10分ほどですが今回の展覧会の内容を軽くサックと、楽しくおさらい出来ます。



そして展示会場をでると楽しいグッズ売り場。
ファイル、ボールペン、メモパッドなど。ペールで人気の缶ビールという珍しい品もありました。
写真は今回の「一日ブログ記者」特典としていただいたものです(感謝!)

「シカン展」 グッズ

写真ではわかりにくいですが、ボールペンには黄金の大仮面を模した飾りがついてます(^^)

国立科学博物館のある上野駅周辺の飲食店では9月30日(終了してます、ごめんなさい)まで
ペルーフェアと題して展覧会半券を提示すると割引になる特別メニューがあったそうです。

某天ぷらのお店では「ランチ限定シカン展特別天丼」なるものがあったそうで、いったい
どんな天丼?と、思ったら「南米産のトウガラシを日本伝統の伏見唐辛子に変えて、
ベビーコーンも一緒に天丼に盛り込みました」だそうです。
なるほど(^^)


「シカン展」開催は10月17日までです。
一般当日1400円のところ水曜日はレディースデイで女性は1000円。
金曜日夕方からは男女問わず2名同時入場で2000円(午後5時から午後8時まで鑑賞可)
というお得なチケットもありますので、気軽に足を運ばれてはいかがでしょうか(^.^)


posted by みどり at 12:39| Comment(11) | TrackBack(2) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
みどりさんこんばんは。充実の記事のTBをありがとうございます。お土産も値段を見てビックリしました。本当に太っ腹なイベントです。

墓の埋葬の仕方は本当に不思議でしたね。
3D映像でも逆さにして埋葬したとありましたが、
他の文化でも例があるのかなと思いました。

ちょっと混雑してきたようですね。会期末の駆け込みでご覧になられている方も多そうです。
Posted by はろるど at 2009年10月01日 20:23
撮影:義井豊 さんは、ペルーの働く子どもたちを支援している人。一緒にお仕事をする人でもあります。
Posted by Reyko at 2009年10月02日 01:36
はろるどさん、コメントありがとうございます。

今回は取材記事というつもりだったので、ついつい気張って書いてしまいました。
もう少し簡潔にすべきだったと思ってます。

逆さ埋葬は、最初会場のイラストの説明を見てもすぐには向きどうなってるんだ?と意味が飲み込めませんでした。
日本とは宗教観・思想がまったく違うのですね。

見る前は子ども向きの展示かと思ったら、大人の鑑賞に堪える充実の展覧会でしたね。
Posted by みどり at 2009年10月02日 08:05
>Reykoさん
>撮影:義井豊 さんは、ペルーの働く子どもたちを支援している人。一緒にお仕事をする人でもあります。

そうでしたか!普通のカメラマンとは違うのですね。
今回「撮影:義井豊 」とキャプションが付いてるのは広報事務局からお借りしてきた写真です。
不正コピー防止の対策をしてくれ、との要請がありましたので画像表示のためのHTMLに一行書き込んでみました。
確実ではないのですが・・・とりあえず右クリックでコピーはすぐには出来ないようにしました(^_^;)
Posted by みどり at 2009年10月02日 08:17
充実のレポート!Blog記者お疲れ様でした。
土器の形とか、今見ても愛らしいですよね〜。
人の作った物…当時の人と暮らしていた道具たち…時を越えて、現代の宝になるのですね。
Posted by jinchan at 2009年10月04日 09:38
>jinchan
ありがとうございます(^^)
今回は、ちゃんと書かねばという思いと、苦手な考古学系の展覧会だったのでとてもかきづらいものでした。
長くなってるのはそのせいです。
土器の形も独特でこれは観ても子どもたちでもとっつきやすいなと思いましたよ。
Posted by みどり at 2009年10月04日 10:45
こんにちは、はじめまして。
私も一日記者として行ってまいりました。

写真が撮れたり、いつもより注意してみるので、
楽しく見ることができますよね。

他の方の記事を見ると、自分が気づかなかったことに
注目されていたりして、楽しいですね!

みどりさんの記事も興味深く拝見させていただきました。
もしよろしければ、トラックバックさせていただけませんか?
Posted by yuca at 2009年10月12日 08:52
yuca さん、ありがとうございます(^^)
一日ブログ記者、滅多にない経験をさせてもらえましたね。
しかもおみやげつきでしたし!

>他の方の記事を見ると、自分が気づかなかったことに
注目されていたりして、楽しいですね!

同じものを観ても皆さん、それぞれ切り口というか紹介の仕方に個性があって
よんでて楽しいですよね。

TB、承認制になっているのですぐには表示されませんがお気軽にしてください。
お待ちしてます!
私の方からもTBさせてくださいね。


Posted by みどり at 2009年10月12日 10:59
>yucaさん
今、私の方からもTBさせていただいたのですが送信結果が「不明」と出てしまいました。
もしもTB出来てなかったらごめんなさい。
Posted by みどり at 2009年10月12日 11:15
みどりさん、ありがとうございます。
早速トラックバックさせていただきます。

私の方にはまだ来ていなかったので、
良かったらまた送信してみてくださいね。
Posted by yuca at 2009年10月12日 18:09
>yuca さん
こちらからTBさせていただこうと思ったのですが、やはり何度やってみても送信後「送信成功」と出るはずが「不明」となってしまいました。

yuca さんからのトラックバックもまだ来てないので、もしかしたらこちらのseesaaとyuca さんが利用してるlivedoorとは相性が悪いのかも知れませんね。
せっかくのよい機会だったのに、ごめんなさい!

Posted by みどり at 2009年10月12日 21:25
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「黄金の都 シカン」 国立科学博物館
Excerpt: 国立科学博物館(台東区上野公園7-20) 「黄金の都 シカン」 7/14-10/12 ペルー北海岸で栄えた古代アンデス文明の一つ、シカン(9〜14世紀)文化の考古遺物を概観します。国立科学博物館..
Weblog: はろるど・わーど
Tracked: 2009-10-01 20:20

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Excerpt: 上野、国立科学博物館で10月12日まで開催中の「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」 公式サイト シカン帝国って何?どこの文化・文明?? 同じアンデス山脈に存在した「インカ」..
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Tracked: 2009-10-08 22:26
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