
カンパニーデラシネラ 小野寺修二新作公演「あらかじめ」@青山円形劇場
作・演出・出演:小野寺修二
出演:有川マコト、佐藤亮介、藤田桃子、宮下今日子
舞台美術:石黒猛
3月27日(金)に観に行っています。
今は活動休止中のパフォーマンス集団「水と油」のメンバーだった小野寺修二さん
による新作公演です。
(今回出演の藤田桃子さんも「水と油」のメンバーです)
「水と油」の公演はパントマイムを主にしていてセリフが一切ありませんでしたが、
今回はセリフも少しはいる公演でした。
と、いっても通常のお芝居ではないしダンス公演ともいいづらい。
ダンスとマイムとセリフ芝居がまぜこぜになった公演でした。
舞台は完全円形舞台。
冒頭一人の女性(宮下今日子)がシートを敷いて眠ってしまう。他の4人が舞台に上がりシートをつまんでうごかしていく。
それにつれて眠っている女性もころころ動く。
観てる私たちは、女性の夢の世界に迷い込んでいるのかも・・・と、思わせました。
後は、いろんな場面が登場します。
ハローワークやってきて殺人を頼む女。
円形舞台をそのままテーブルの感覚で使って出演者が円形の外側に座ってなにかの会議、内容はよく分からない。
なぜなら男性が意見を言おうとすると、別の女性が遮るので。
道を歩いている女性と男性。
もちろん男性にはなんの下心もないのになぜが女性ににらまれる。
男性はこんな女性から離れたいからさっさと歩く、通り過ぎてホッとした・・・と、
思ったら目の前に彼女がいる(円形舞台ですからf(^―^;) )
途中舞台の暗い空間におもちゃの飛行機が着陸態勢に入るように下がってきますが、それが本当に
空の広い空間を感じさせました。
飛行機。イチャモンをつける乗客、同僚と悩みを相談するスチュワーデス。
リモコンで動く犬のおもちゃの使い方も、なんだか生きている犬のようで効いています。
どこかとりとめのないように見えるけれど、なにかひとつにまとまっている。
不思議ですがそう感じます。
小野寺さんの頭の中では、もちろん全てが1本につながっているはず。
出演者達が絡み合うように動くと、それはまるで人間の形をした巨大なルービックキューブ
(観てない方にはわからないたとえでしょうが)が自動でくるくるうごいているような感じです。
出演者の体の持つ、身長、腕の長さ、足の長さ、それぞれの人物の位置と動くタイミング、それがら総べて
計算し尽くされたパフォーマンス。
表現されているのは現実と夢の境界線が曖昧になった世界。
まるで動く幾何学模様をみてるような公演でした。
こんにちは。
石黒猛さんの舞台美術についてのステキなコメント有難うございます。ホームページに記載・リンクさせて頂きました。
どうぞ宜しくお願いします。