2008年12月17日

小説「容疑者Xの献身」

小説「容疑者Xの献身」


小説「容疑者Xの献身」@東野圭吾著


映画「容疑者Xの献身」を見て初めて作家東野圭吾さんの事をしりました。
映画がとてもおもしろかったので、私にしては珍しくすぐに原作本を手にして読んで
しまいました。

原作本もとてもおもしろかったです。物理学者・湯川学を主人公にした「ガリレオ」
シリーズの1編として書かれた物だそうですが、私はシリーズの他のエピソード
を全く知りません。
それでもこの「容疑者Xの献身」はとてもおもしろかったです。
直木賞受賞作品だと言うのも納得です。

内容については映画と同じなので紹介はここでは省かせていただきます。
映画の感想はこちらにまとめています。

映画はこの原作小説を忠実に映画化してると言うことがよく分かりました。
映画では物語の舞台となる場所を視覚化する必要から、原作では曖昧とした場所も
はっきりと場所を特定して見せていることもわかりました。
墨田川、そこにかかる清澄橋、新大橋、数学教師の石神が毎日のように通う弁当屋
の近くの浜町公園、ラストシーンでバッチリ映っていた某企業の建物。
私は以前このあたりで働いていたことがあるので、映画で風景が映ると場所がすぐ
分かるところが多く、それが映画の内容とは別にとてもおもしろかったのです。
ラストシーンでうつる隅田川沿いの建物などかつての勤務会社でしたから。

原作の感想からちょっと外れてしまいましたね。
原作はやはり、前の夫を殺害してしまった靖子と、彼女に思いを寄せるアパートの
隣の部屋の石神の心の様子がとてもきめ細かく描かれていました。
映画の方は石神に重点を置いて描き、靖子のことはやや省略気味であると
分かりましたが、映画としてはこれは正解だったと思います。
いちいち描いていたら映画としての展開がもたついてしまいます。
映画で、湯川と石神に焦点を絞っているのはうまい脚本だと思います。
ただラストで靖子がついに告白するにいたる心理はやや弱い感じがしました。
原作では納得できるようなエピソードが描かれているのですが、映画では略しているからです。
ネタバレになるのであまり詳しく描けませんが、靖子の娘にかんすることです。

それでも思いを素直に伝えられない一人の男性の姿と、ラストシーンにはやはり
泣いてしまいました。

原作・映画、ともに話題になった「容疑者Xの献身」ですが来年春には演劇集団
キャラメルボックスが舞台化するそうで、これもまた楽しみです。


posted by みどり at 10:56| Comment(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今頃のコメントで済みません。
映画、けっこうよかったです。
泣きました。

自分も原作読もうと思ったけど、
手に取って分厚いからやめました。

原作って、雪山の場面ってあるんですか?
少なくとも、映画のままではないと思うんですよね。
完全犯罪をやり遂げようとする人間が、
あのタイミングで登山をしようなんて
思わないから、というのが理由です。
事実、福山さんは遭難一歩手前でしたからね。
完全犯罪は彼が出頭して罪をかぶることまで
たどりついて完成するのだから、
少なくても堤さんは怪我して入院したり、
生死をさまようまねはできないはず。
机にかじりついている数学者が、
登山が趣味というのも何か不自然。
自分の身に何かあったらと考えるなら、
リスクは最小限に、リスクは冒せないって
普通なら思うはず。
その点が納得できなかったのが、
この映画の評価を下げました。

舞台化されたら誘ってくださいね。
Posted by チャメゴン at 2008年12月28日 21:10
原作には雪山場面はありませんでした。

>少なくても堤さんは怪我して入院したり、
生死をさまようまねはできないはず。

なるほど映画見てるときはそこまでは考えませんでした。
堤さん演じる犯人の数学者が、自分のしたことを悟ったらしい旧友をもしかしたら殺害してしまうのでは?という雰囲気があるのがおもしろい、と思ってみてましたよ。

>机にかじりついている数学者が、登山が趣味というのも何か不自然。

登山でストレス発散をさせてるという感じもして特に不自然さは感じませんでした。
しかし登山が趣味だったら、この数学者自殺未遂なんてしないか・・・。

思うのは脚本家が犯人の数学者とガリレオこと、湯川学との対決シーンみたいな物を入れたかったんじゃないんでしょうか?
実際見ていてちょっとハラハラしましたから。

舞台の方は春、とだけで日程がまだ分からないですけどそのときはご一緒しましょ(^^)
Posted by みどり at 2008年12月29日 00:27
>堤さん演じる犯人の数学者が、自分のしたことを悟ったらしい旧友を
もしかしたら殺害してしまうのでは?
という雰囲気があるのがおもしろい、

それ、僕も思った。この先、自分の完全犯罪の障害になりそうな福山は消しておこう、
みたいな雰囲気は感じましたね。

雪山のシーンて、映画のオリジナルなんだ。
自分が生きていてこそ成立することを成し遂げようとしている人間が、
あんなに危険なことはしないだろうな、
やっぱり。
脚本、甘いよね。派手な見せ場は冒頭だけで十分だと思った。
それよりも、堤さんがあの母娘を遠くから見てる、
そんなシーンをシーンを積み重ねたほうが
彼の心情が出ただろうなと思います。

人のために自分を投げ出す、その行為に感動しました。
そこには感謝の気持ちがあったと思う。
たとえ自分がどうなっても、あの母娘を守ってみたい、役に立ちたい。
ある時期から、堤の生きる意味はそこにあった。
そう思えるから、堤には共感しました。

でも、脚本家の方には、「離愁」とか「ターミネーター2」とかきちんと見て欲しかったし、
山本周五郎の本(または映画)読んで欲しいです。
Posted by チャメゴン at 2008年12月30日 00:22
チャメゴンさん

>それよりも、堤さんがあの母娘を遠くから見てる、
そんなシーンをシーンを積み重ねたほうが
彼の心情が出ただろうなと思います。

そういえば、映画にあった靖子の娘が橋の上から堤さん演じる数学者に大声で挨拶するシーンがあったでしょ。
これ映画オリジナルシーンなんですよ。
私このシーン結構好きです。
中年数学者が、中学生の女の子から元気よく声かけられて「ええっ、なんで?」て感じでとまどいつつも手を振り返す。
ここはいいシーンだなと思いました。
Posted by みどり at 2008年12月31日 22:46
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