2005年12月14日

演劇集団キャラメルボックス公演「クロノス」

クロノス


もう12月半ばになろうとするのに、12月に観た物の事について書いてないので
コレはまずいと思ってます。毎日書いていればこんな事にはならないのですが・・・。


演劇集団キャラメルボックス公演「クロノス」@池袋 サンシャイン劇場
 原作:梶尾真治著「クロノス・ジョウンターの伝説」中「吹原和彦の軌跡」より
 脚本・演出:成井豊
 〜12月25日まで、その後、横浜公演有り

12月1日(木)観に行ってます。
通常この劇団の公演は成井豊さんの作・演出による作品を上演してますが
今回は原作つき。
年に4回の公演を上演して、そのうち一本は他の作者の原作付きでやっていこう
といういう方針になったようです。

近未来を舞台にしたタイムトラベル・ラブロマンスです。
タイムトラベル理論と、タイムトラベル後の副作用についての解説が科学的とは
言い難いのですが、後味の良いお話しになっていたと思います。

<あらすじ>
2058年。
正当な科学史の陰に隠れた機械や装置など、ばかりを集めた私設博物館の
科幻博物館。
ある日、閉館後の館内に突然現れた侵入者・吹原和彦(すいはらかずひこ・菅野良一)。
展示物の一つクロノス・ジョウンターを使わせてくれと言う。
とりあえず事情を聞く館長の海老名(坂口理恵)と警備員の中林(佐東宏之)。
彼の話では、彼は過去から未来にとばされて来たという。

民間企業のP・フレックス社が作り出した「クロノス・ジョウンター」は物質を過去の
目的の時点に飛ばすことができる「物質過去射出機械」、つまり過去へだけ行ける
タイムマシンだった。
そこの社員の吹原和彦は、毎朝出勤途中で会う花屋のシック・ブーケの蕗来美子
(ふきくみこ・岡内美喜子)に思いを寄せていた。まだデートもしたことのない間柄。

だがある朝、タンクローリーが店につっこみ来美子が死んでしまう。
なんとか彼女を助けたいと思う吹原は、人体実験をしていない「クロノス・ジョウンター」
に乗って、事故直前までにもどり彼女を助けに行こうとします。
しかしクロノス・ジョウンターはまだ完全なマシンではなく、過去へ戻れても滞在できる
のはごくわずかな時間。
しかも、その後戻れるのは最初にいた時点よりもさらに未来にはじき飛ばされてしまう。
一度は過去の来美子に会えたが、助け出すに至らなかった。
そして今こうして彼は、彼にとっても未来の2058年に飛ばされてきたのだという。
はたして、吹原和彦は来美子を助けることができるのか・・・・。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

公演会場で、作者の直筆サイン入り原作本が販売されていたので終演後、つい
購入してしまいました。
原作の「クロノス・ジョウンターの伝説」は短編3話で構成されていて、
第1話が今回の原作「吹原和彦の軌跡」です。
大きめの字で106ページ。読むのが遅い私でも約1時間で読めてしまいます。
原作の方も第1話、2話を読んでしまったので、原作と比較しつつ感想を書きたいと
思います。

クロノスとは時を司る神を意味し、ジョウントするとは空間から空間へと飛んでしまう
ことなのだそうです。

舞台版は約2時間の上演時間ですが、原作を読むとこれは1時間ぐらいで舞台化
できてしまうのではないかと感じました。
今回、原作を少し膨らませつつもほぼ忠実に舞台化されています。

どうやって過去に行けるのか、なぜ過去にとどまることができないのか、なぜ最初に
いた時点よりさらに未来にはじき飛ばされるのか。
作者が作り出した、この辺の理論を見てるこちらが納得するかどうか。これが納得
できないと物語の世界に入り込めないので、とりあえず納得するで自分の気持ちに
折り合いをつけて観ていました。
このあたりは、さほど大変ではなかったです。

この物語を楽しめるかどうかのポイントは、観客がどこまで主人公である吹原和彦の
行動に納得できるかどうかにかかっていると思いました。

来美子を助けようと何度か過去へ行きますが、そのたびに吹原はさらに未来にはじき
飛ばされてしまいます。
助け出したところで、未来に飛ばれてしまうからその後、彼女と会うことは
できないのです。

原作は冒頭とラストが、博物館の館長の一人称で書かれています。
大部分が吹原の視点で、来美子と出会ってから長い時間を掛けて思いを寄せていく
様子と、彼女を何とか助けたいという思いが丹念に書かれているのでさほど疑問を
感じることなく読めてしまいます。
しかし舞台の方は、館長と中林、吹原の3人が会話しながら進んでいくので、吹原の
行動をしょっちゅう館長達、つまり第三者の目で見直す形になってしまい「自分の人生
犠牲にしてなんでそこまでやるのか?」と考えてしまうのでした。

それでも後味が良かったのは、館長の人物像を原作にないふくらみを持たせたせい
かと思いました。
この「ふくらみ」は原作「クロノス・ジョウンターの伝説」の第2話「布川輝良の軌跡」
を参考にしたようです。

吹原和彦を演じた菅野良一さん、ピュアな吹原を演じるのにぴったり合っていた
と思います。
館長の人物像は短い原作では男性か女性かも判別不能なのですが、演じた
坂口理恵さんは人の良い中年婦人の感じを出して、これも良かったと思いました。


私は観てないのですがこの秋公開された映画「この胸いっぱいの愛を」の原作が
「鈴谷樹里の軌跡」なのだそうです。
原作の第2話「布川輝良の軌跡」と第3話「鈴谷樹里の軌跡」も来年この劇団で
舞台化するそうですのでちょっと楽しみです。


posted by みどり at 02:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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