2011年12月31日

桑原弘明展 Scope「Noёl」2011 再び

桑原弘明展 Scope「Noёl」2011 初日


桑原弘明展 Scope「Noёl」2011 再び@スパンアートギャラリー
12月12日〜12月24日まで (終了してます)
展覧会公式サイトはこちら
Scope作品の内部の公開は 13:30/15:30/17:30



12月12日(月)の初日と、20日(火)の2回観に行っています。
手のひらの上に乗るくらいの小さい箱の中に、広がりのある世界が見えるScope作品。
毎年12月に開催されるアーティスト桑原弘明氏のScope展は、12月のお楽しみの一つです。
銀座のスパンアートギャラリーと、ギャラリー椿で交互に開かれていますが今年は
スパンアートギャラリーが会場でした。

箱の上部や側面、時には下側にある穴からペンライトで光を当て、中を覗くと別世界が広がる
桑原氏のScope作品。
小さな箱の中の広々とした不思議な世界に心が引き込まれ、何度でもみたくなります。
もちろん箱の中ばかりでなく、箱そのもの、箱の外観もとても手が込んでいてとても美しいです。


初日に行ってきたことは既に書きましたので、今回は各作品の詳細と感想を書き留めておきます。
(初日の感想はこちらにまとめています)


「琥珀色の夜」
外観はにぶい金色の箱。
中を覗くと見えるのは昼間の雪景色の街。
それも鑑賞者で私たちは、建物から街を覗いるような感じです。
手前に古びた小さな噴水があるし、上には小さなつららが下がっている。

ペンライトの光の位置が変わると、街は急に夜の景色に変わります。
暖かな琥珀色の街灯、家の窓から漏れる灯り。
雪に映る人影。通りの向こうの突き当たりにまた家があり、横に通じる道も見える。
誰も見えないけれど、人の気配を感じる作品です。
そして外観の小ささの割に、かなりの奥行きを感じます。
見えるのは雪景色ですが、不思議と人のぬくもりを感じる作品だと思いました。
私も好きな作品です。




「永遠の今」
外観は金色の変形六角形の箱。
古びた室内に古い木馬や大きな鏡があり、左に窓。
右にドアがあって鑑賞者にはその向こうは見えないけれど、開け放たれています。
でも立てかけられた大きな鏡の下に、円形の板のような物が見え天使のような顔があります。
別の方向から光がはいると、朝焼けか夕暮れのような雰囲気になり、鏡には海の景色が映るのです。
ドアの向こうは海なのか!という意外さに心がときめく作品。


 
「Noёl」(今回のDMに使われているのがこれ)
外観は金色と水色のマーブル模様の立方体。
クリスマスらしい華やかさと楽しさにあふれた作品。
覗くと見える室内はクリスマスの飾り付けがされています。
手前のテーブルには小さなピッチャー、まな板の上にケーキ、そのそばにナイフ。
赤い小さなリンゴがおいしそう。
ガラスの器に盛られた赤い果実の艶やかさに目が惹かれます。
テーブルのそばには安楽イス、さらにその向こうにはクリスマスツリーがあり、下には
リボンの付いたプレゼントの箱がいくつも置かれているのが楽しい。
暖炉には暖かな火が燃えている。
ペンライトの光を揺らすと、暖炉の炎もゆらゆらとします。
左側の窓の向こうは雪景色。

別の方向から光を入れると夕暮れのような景色になるし、
また別の方向から光を入れると室内は暗くなり、部屋の向こうのわずかに開いたドアから
灯りが漏れてくる。
向こうにはどんな部屋があるのか?
これから人が集まってくるような予感がする作品です。

とにかく細部まで手がこんだつくりになっているので、一体どうやって作られているか
桑原氏にうかがわずにはいられませんでした。

小さなリンゴは象牙を削って作った物。
器に盛られた艶やかな果実は、ガラスのトンボ玉を熱して細く引き延ばして、一定の長さで切る。
さらにそれを少しだけ熱すると丸くなるので、それをいくつも作って盛ったのだそうです。
この果実とリンゴの質感の違いは材質の違いでした。

クリスマスツリーに鮮やかな小さな赤、黄、緑の光が見えるので、この色と光はどうやって
作り出しているのか?
何しろ手のひらに載るくらいの小さな箱の中の、ツリーの灯りなのですから、電球のはずはないし
一体何を使っているのか?

桑原氏にうかがったら、これは細い3本のグラスファイバーを使っているのだそうです。
3本のファイバーは、まとめてペンライトを当てる穴につなげられている。
桑原氏が解説しつつ見せてくださいましたが、確かに穴の一つに小さな点のような物が3つ束ねられていました。
(これは教えてもらわないと絶対にわかりません)
つまりここが3本のファイバーの先端。
さらにこのファイバーの一方に色が塗られているので、穴から光を当てるとツリーの部分で
華やかに輝いて見えるのでした。

とにかくとびきり手の込んだ作品でした。
つまりお値段も、今まで見たことないくらいとびきり最高でした。



「ROSARIUM」
外観は黒い立方体の一方の角をげずりとったような形。
黒いけれど、星のような水色の点が見える箱です。

市松模様のタイルが貼られた室内がみえます。
左側の窓が開いていてなぜかイスが飛んで浮かび上がっている。
中央に白く見えるのは巨大な白い薔薇のつぼみ。
巨大と言っても箱の中に作られた室内なので、実際の大きさは小指の先ほどではないかとおもわれます。

この薔薇の花、本物の花で、プラスティネーションという技術で加工された物を使用しているそうです。
プラスティネーション、人体模型をつくる技法として聞いたことがあるのですが詳しくはウィキペディアの
サイト
をご覧下さい。

さすがにこの加工は、桑原氏自身がされたのではなく別の方にたのんだとか。

部屋の右から光が入ると、実内は薄暗いけど後ろのやや紫がかったドア、上に続く階段が見えるのが意味深。
そしてこの作品、作品の下から光を当てるようにもなっていて、そうすると部屋の床下が白く輝く
ように見えて、薔薇の花がとても美しく浮かび上がるのです。

そして上から光を当てると、薄暗い室内に対し、後ろの階段が黄色みを帯びた光に包まれて
何かが現れるような気配を感じ、この作品のなかでこの場面が私は大好きです。

桑原氏にタイトルの意味をうかがい損ねたのが残念でした。
rose(=薔薇)とsanatorium(=高原、海辺などの自然環境に恵まれた所におかれ、
結核などの長期治療にあたる療養所)をかけたもの思うのですが。
薔薇のある癒しの部屋、という意味かな?
(このあたり私の推測でしかありません)

今回の5作品のなかで一番好きなのがこの作品でした。




「銀河からの手紙」
外観は金色の立方体。
この作品だけ、会場では鑑賞者が自分でスイッチを押して見られるようになっていました。
青空の見える森の中、池に土星のような輪のついた星が落ちています。
鑑賞者はこの景色を鍾乳洞の中から覗いているように、見えます。
別のスイッチを押すと、下からの光に代わり、土星が浮かび上がって見えます。

今回の5作品の中では、もっともシンプルな感じのする作品でした。


会場で鑑賞していた方も、ネット上で感想を書かれている方も5作品の箱の中の世界に
魅せられ驚嘆する方々が多いのですが、箱の外観を気にする方が少ない・・・と、いうか
ほとんどいないのが、とても残念でした。
箱そのものも美しいのに。




Scope作品には一般の鑑賞者には見せてもらえない、教えてもいただけない秘密の仕掛けがある
作品があるのだそうです。
これは作者の桑原氏と所有者になられた方だけの秘密。
今回もそんなシークレットのある作品があったそうです。

ひとつだけ耳にしたことがあるのは、ある年のある作品は、箱の下側にあるネジを巻くと内部に
見えていた小さな木馬が、オルゴールの音と共に回転したのだとか。



来年のScope展は12月にギャラリー椿で開催されます。
来年の展覧会で、桑原氏がScope作品を制作されて通算100点目になるらしい。
今からとても楽しみです。


<2012-01-02追記>
ROSARIUM・・・調べましたら「薔薇園」という意味があるようです。
知らなかったです(^_^;)

posted by みどり at 03:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月29日

大仏様の頭

年末になって、皆様正月準備などいろいろと忙しい頃と思います。
私の年末年始は、今日は仕事が休みなのですが後は1月2日と6日のみ、休み。
大晦日、元日も仕事です。

いつかご紹介したいと思っていた、近所の「あるもの」をご紹介します。
正月に書こうかと、おもったのですがあまり正月らしくもないので年末にしました。
家のすぐそば、歩いて数分の所にこんな景色が。

翠雲堂 仏具工場前



なぜか大仏様の頭のみ、があるのです。
そばに自転車に乗っている方がいるので、その巨大さは分かっていただけると思います。

後ろにあるのは仏具を取り扱っている翠雲堂さんの工場。
もうこういう状態が何年もなので大仏を作っている途中、ではないようです。
(翠雲堂さん公式サイトはこちら。でも、サイトにはこの大仏様の頭のことがのってない)

アートな景色というより奇観ですが、珍しいのはかわりないかと(^◇^;)


posted by みどり at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月28日

「ザ・ベスト・オブ山種コレクション」/「柳宗悦展 暮らしへの眼差し」

「ザ・ベスト・オブ山種コレクション」



「ザ・ベスト・オブ山種コレクション」@山種美術館
11月12日〜2月5日まで
山種美術館のサイトはこちら

12月2日(金)に観に行っています。
前期と後期で展示替えが行われています。

前期は「江戸絵画から近代日本画へ」と題して 11月12日〜12月25日まで 
後期は「戦前から戦後へ」と題して 1月3日〜2月5日まで

前期には私の大好きな竹内栖鳳(たけうちせいほう)の「班猫(はんびょう)」が登場してるので
これは絶対外せない!と、行っています。

「班猫」は毛繕いの猫が何かの気配に、ふと動きを止めてこちらを見つめている姿を描いた作品。
おもわず触りたくなるような柔らかさを感じる毛並み、エメラルドグリーンの目が印象的です。

山種美術館は日本画の名品揃い。
後期ももちろん見逃せません。
おすすめの展覧会です。


山種美術館の展示を観た後、すぐ横浜へ行き下記の展覧会も観に行っています。




「没後50年日本民藝館開館75周年 柳宗悦展 暮らしへの眼差し」


「没後50年日本民藝館開館75周年 柳宗悦展 暮らしへの眼差し」@そごう美術館
10月22日〜12月4日まで (終了しています)
展覧会公式サイトはこちら

柳宗悦(やなぎむねよし 通称そうえつ)さん(1889〜1961)は「素朴な器にこそ驚くべき美が宿る」と
語り、無名の職人による誠実な手仕事を「民藝」と名付け、様々な分野の品々を蒐集したそうです。
今月25日に亡くなった工業デザイナーの柳宗理(やなぎむねみち 通称そうり)さんは、この方の息子さんです。
柳宗理さんついてはウィキペディアのサイトをご覧下さい。


冒頭に載せた画像は、今年9月に銀座のMATSUYAで行われたときのチラシですが
これが巡回して横浜でも開催されたのが、今回の展覧会です。

身近な物に美を見いだし、蒐集し、民藝館を開館、手仕事の復権を目指す民藝運動、さらに多くの
本を書き、豊で美しい日本文化を残すために尽くした柳宗悦。
彼が蒐集した品々の展示から、彼がどんな点に目を付けたのかが感じられるのが興味深い。

こんな父の美意識に影響されて育ち、多くのことを感じ、学んだ息子・宗理だからこそ世界的な
デザイナーになれたのも当然か、などと感じる展覧会でした。
posted by みどり at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月27日

ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」総括

今年もあとわずかだというのに、書き留めてないことがいっぱいあります。
それでも全部書いて行きたいと、思っています。



ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」



ムットーニ新作展 「ELEMENT of WINGS」総括@渋谷ロゴスギャラリー
11月17日〜11月29日まで
ロゴスギャラリーの展覧会サイトはこちら

自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の新作展。
会場でお会いした方々ありがとうございました。
そして、ゆっくりご挨拶も出来なかった方、ごめんなさい。

今回は金土日と祝日の13時、15時、17時、19時には、ご本人の解説付きの「上演会」が
あるのでこれが聞きたくて何度も足を運びました。
数えてみたら今回は10回、上演会に参加していました。
何度見ても、何度聴いても、そのたびに新鮮で楽しかったです。
しかし、何度聴いてもお話が右から左に抜けてしまい、いっこうに頭の中にとどまらない。
すぐ忘れてしまうので困りました。



以下、思い違い、記憶違いがあったらごめんなさいです。
またオルゴールに使われている曲名も、今回はメロディが聞き取れず分かりませんでした。

初日に行ったときの事は既に書きましたが、今回登場していた個々の作品の感想、
その他のことを書き留めておきたいと思います。


新作展とは言っても、2月のKENJI TAKI GALLERYや、5月からの八王子市夢美術館、
9月の六甲山、ホール・オブ・ホールズ六甲での個展「WING RESTING」で登場した作品などで
今回まったくの初登場作品は3作品のみでした。



「ANGEL BREEZE エンジェル・ブリーズ」(オルゴール)
ホール・オブ・ホールズ六甲で、登場した作品。
四角い箱の下にコップの枝のような台が着いた、ちょっと変わったデザインの作品。
天使が宇宙空間で翼を休めている所だとか。
バープルの光に包まれたような作品。
星がきらめく中に天使がいるような感じで、小型ながら華やかです。
2月のKENJI TAKI GALLERYの展示で登場した「WING ELEMENT−ANGE」と
雰囲気がよく似た作品と感じました。
今回展示された中でも好きな作品です。


「ステーション・ビーナス2011」(オルゴール)
ホール・オブ・ホールズ六甲で登場した作品。
形は上記と同じスタイル。
中央にいるビーナスは、大型作品インターメッツオのビーナスと同じスタイルをしています。
ビーナスの両脇に真空管が配置され、レトロなSF映画を連想する作品。


「STILL BLUE−SKY」(オルゴール)
今回の展覧会DMに使われているのがこれです。
ホール・オブ・ホールズ六甲の展覧会、会期途中で登場した作品。
縦長に細長い箱の中に、翼を持った猫(=羽猫)を空に投げ上げる少女。
上演会での口上によると、ギリシャの映画監督テオ・アンゲロプスの「永遠と一日」の中で
二人の男性が交わす会話がこの作品を作るきっかけになっているらしい。
(子どもが砂浜で無心に遊んでいる様子をあれが永遠さ、と言っているらしい)
私はこの映画は観たことがないです。

ゆっくり投げ上げられた時に猫のお尻が丸見えになるのですが、これがかわいい。
そして降りてきた猫を、ゆっくりふんわり、でもしっかりと抱きかかえるように見える少女の仕草がまたかわいい。

箱の外側がやさしいパステルカラーなのが武藤氏の作品にしては珍しいなと、思いました。
箱の内側は空をイメージした水色。
白い雲が描かれ、さらに上でまわるミーラーボールが大きめのミラーを使っているため
内側に映り流れる光が、流れる雲のように見えてきれいです。

後から武藤氏にうかがったお話では、箱の外側はアクリル絵の具で塗ってあるけれど
内側はアクリル絵の具ではすぐ乾いてしまい、空のきれいなグラデーションが出来ないので
内側だけ油絵の具で塗ったのだそうです。

六甲での会期途中で、追加展示されると知って、作品見たさにわざわざ六甲まで行って
出合った作品でした。
その時のことはこちらにまとめています。

なんの予備知識もなくこの作品を観たときの、驚きと言ったら!
一目惚れした作品でした。


「STILL BLUE−PLANET」
今回初登場した作品。
今回の展覧会のテーマは翼ですが、もう一つのテーマは空、だったらしい。
STILL BLUEシリーズは、一人の女性の一生が描かれているのが興味深い。

この作品の少女は13,4歳。
夜空を眺め、また見ぬ恋人を夢見ている少女らしい。
やや大人びた少女の顔、宇宙服みたいなコスチューム、そらは星がきらめく夜空。
「SKY」と同様に少女は猫を投げます。
上部につけられたミラーボールはミラー部分が細かいし、上記の作品より回転が
早く、夜空に流れる光が流星のように見える作品です。

投げ上げられた猫は惑星か人工衛星にでもなっているつもりか、しっぽを丸めてまあるくなっています。


「STILL BLUE - WINGS」
今回初登場した作品。
箱の中に室内があり、ドレスを着た年配の女性が、猫を抱えています。
先の2点とは違って、もう猫は投げ上げません。
室内にはかつて猫が付けていた翼や、少女時代のコスチュームの帽子が置かれています。
音楽と共に女性の後ろが透けて、翼が見えてくる。
室内、女性のドレスも色合いが淡く、穏やかな雰囲気があります。


八王子の展覧会の時、5台で一つのインスタレーションとして発表されたWING ELEMENT。
WING ELEMENT−FLAMINGO
WING ELEMENT−ANGEL
WING ELEMENT−EDGE OF RING
WING ELEMENT−WINGS
WING ELEMENT−LOST 

今回はここから「ANGEL」が抜け、新に「STILL WHITE」という作品が追加されました。
新たな5台組セットの作品名は「WING ELEMENT.VOL.2」
八王子の展示の時には口上がありませんでしたが、今回はあるのがうれしい。
の時の配置は左奥にANGEL、その前にEDGE OF RING、その右にLOST、その後ろに
FLAMINGO、そして中央にWINGSでした。
今回の配置は左奥にFLAMINGO、その前にLOST、その右にEDGE OF RING、その後ろに
新に追加になったSTILL WHITE、そして中央にWINGSとなっていました。

「FLAMINGO」は妖精の姿になった、星空に恋したフラミンゴの物語。
音楽はトニー・ハーパーの歌う、「フラミンゴの飛ぶところ」

「LOST」は、混沌とした記憶の中から、自分がかつて翼を持って空を飛んでいた天使だったことを
思い出す堕天使の物語。
音楽はCD名「ANGELS」の中の「第9章大天使ミカエル」 CDの12トラック目「Alleluia, Sancte Michael Archangele」
グレゴリオ聖歌をアレンジした音楽。
(曲名を書くのは私自身が音楽が好きで、作品に使われた曲のCDを必ず購入してるからです)


「EDGE OF RING」は生と死の境目で戯れる天使。
この作品は天上に映る天使の影も美しいです。
音楽はエグベルト・ジスモンチ のCD「 Alma」 の中の「Agua & Vinho (Water & Wine)」

「STILL WHITE」は純白の衣装を身にまとった花嫁が花束を投げ上げ、かつて自分がいた
ことのある草原と青空を思い出す。
やがて教会の鐘の音が聞こえてくるという作品。
オルゴール作品「STILL BLUE」シリーズの一つ、とも言える作品。
武藤氏の作品の中では、不思議なくらいロマンティックな物を感じます。
音楽はキース・ジャレットのCD「The Melody At Night, With You」の中の「Be My Love」
これは以前の作品「ANGEL」に使用されたのと同じ曲で、私も大好きな曲です。
そういえば去年のロゴスギャラリーでの展覧会では、ドラキュラの花嫁という作品が登場
してましたが、あのときの妖しい雰囲気の作品とはまったく違う晴れやかさがあります。


「WINGS」
4作品が順に一つずつ動き、最後に動くのがこの作品。
他の4作品も同時に稼働し、箱の中から翼が現れる。
この翼によってすべての物語世界が純化されていくのだとか。
人形が登場しませんが、私はこのシンプル極まりない作品が大好きです。
音楽はCD名「ピエイエス 安息の日」の中の「レクイエム ピエ・イエス(ロイド=ウェッバー作曲)」





特別に展示されていた大型作品「THE NIGHT ANGEL COMES」は1995年の作品。
2006年12月に銀座のミキモトで行われたムットーニ展「ミキモト・クリスマスファンタジー MUTTONI 」で
登場して以来、5年ぶりの再登場作品なんだとか。
下の画像は、当時のパンフレットですが「THE NIGHT ANGEL COMES」の写真が使われています。

ミキモト・クリスマスファンタジー MUTTONI 」


「THE NIGHT ANGEL COMES」というタイトル作品は2008年にもありますがそれとは別作品です。

背中を向けて立っている女性が、ゆっくり回転すると部屋のドアが開けて、まったく別の世界が現れる。
向こうには翼を持った男性がいるが、二人は互いにその存在の気配を感じているだけ、らしい。
女性が現実と夢の世界を行き来してるように見え、不思議な雰囲気があります。

作品に使われている曲は、武藤氏ご自身によるトランペット演奏ですが、今回初めて曲名を知りました。
「Angel Eyes」という曲で、私が知らなかっただけでいろんな方がカバーしているジャズの名曲でした。

YouTubeにテナーサックスによる演奏ですが、いい感じのがありましたので貼り付けておきます。





そして最後になりましたがSTILL BLUE−SKY、先日無事我が家にお迎えしました。

9月30日雨の六甲山、ホール・オブ・ホールズ六甲が最初の出会い。
この時の展覧会「WING RESTING」の感想はこちらにまとめています。

何の予備知識もなく初めてこの作品が動くところを観たとき、私思わず大笑いしてしまいました。
優しい色の外観と、少女と羽猫の戯れ。
幸福の姿、そのものに見えました。

いずれまた、この作品について詳しくご紹介できればと思います。

sbs02.jpg






posted by みどり at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月26日

たいらじょうさんからのクリスマスカード

たいらじょうさんからのクリスマスカード1



クリスマスが過ぎてしまったけれど、昨日うれしいクリスマスカードが
届きました。

人形劇俳優のたいらじょうさんから!

私はファンクラブ会員のメンバーになっていて、メンバーにはバースデーカードの送付
という特典がありました。
今年は届かないなあ、と思っていたのですがその代わりにということで私だけでなく、
私と同じような方々の為に送ってくださったのでした。


カードの表紙こそ印刷で、文面もメンバーの皆さんに共通でしょうが中はなんと直筆!
冒頭の写真に写っているカードの下にあるのは、カードが入っていた封筒です。
はってあるシールもかわいい。

たいらじょうさんからのクリスマスカード2



今年後半は海外公演されたり、TV番組に登場したりとお忙しい中
時間を割いて下ったのがうれしいです。

たいらさん、ありがとうございました(=^0^=)

2011年12月24日

バッハ・コレギウム・ジャパン演奏会「メサイア」

バッハ・コレギウム・ジャパン演奏会「メサイア」


バッハ・コレギウム・ジャパン演奏会「メサイア」@彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
ヘンデル: オラトリオ「メサイア」 HWV56
指揮:鈴木雅明
ミリアム・アラン(ソプラノ) クリント・ファン・デア・リンデ(カウンターテナー) 
中島克彦(テノール) ステファン・マクラウド(バス)
合唱&管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン


12月23日(金)に聴きに行っています。
さいたま芸術劇場の大ホールには演劇公演を何度も観に行ったことがありますが、
音楽ホールは今回初めて行きました。
604席の会場は音楽ホールとしてはこじんまりした感じでした。

当初発表ではテノール独唱はジェイムズ・テイラーさん出演だったのが喉の不調により、
急きょソリスト変更で中島克彦さんの出演となっていました。

「メサイア」と言われて分からなくても「ハレルヤ・コーラス」なら分かる方が
多いと思います。
キリスト降誕から受難、復活までのことを三部に分けて歌いあげる「メサイア」
第2部の最後に歌われるのが「ハレルヤ・コーラス」です。

パンフレットに書かれていた、メサイアの歴史がおもしろい。
初演は1743年の3月23日のロンドンで、この時の評判は良くなかったそうです。
聖書の言葉をそのまま使ったことが、反感をかったそうです。
娯楽の場に、聖書の言葉を語るとは何事か、という事だったらしい。

1750年以降、事前演奏会で演奏されるようになってからロンドン市民に受け入れられていったのだとか。
今では日本でも12月になると、あちこちで「メサイア」が演奏され、私も一度は
聴きに行きたくなります。


ステージ上のオーケストラ編成も、素人の私が観ても普通のクラシックコンサートに比べて
楽器演奏者の人数がとても少ないことがわかります。
なんだかスカッと空いた感じなのです。
その代わりコーラスのメンバーが多い。
実際の演奏を聴くと、シンプルなオーケストラ編成の割に音楽の雰囲気というか内容が
とても豊かな感じがあります。
キリストを讃えるハレルヤ・コーラスは何度聴いても荘厳で美しかったです。


この日は1曲、アンコール曲がありました。
Veni,veni Emmanuel(久しく 待ちにし)

こちらは初めて聴いた曲でした。


下はYouTubeにあったハレルヤ・コーラスです。



posted by みどり at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・コンサート・オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カタログギフトの事

クリスマスイブの日ですね。
イブと言ったらプレゼント。

もう一つのブログにも書いたことなのですが、今さらながらこれは珍しい経験ではないかと思ったのでこちらにも書くことにしました。

先月、義理の叔父が亡くなり、先日香典返しでカタログギフトのカタログが届きました。
私は人とのつきあいがあまりないからこう言うのは初めて。

正確には以前1回あったのだが、もらい損ねています。

と、いうのは以前いた職場で同僚が結婚するので披露宴に呼ばれたので出席して、帰るときに
イスのそばに置かれた手提げの袋(=引き出物)を持ち帰ったのですが、入っていたのはお菓子だけ。

その時は、正直言って恥ずかしながら「こんだけ?」としか思わなかったのですが、だいぶ後に
なってから他の人達には手提げ袋の中にカタログが入っていたのだと知りました。
私の袋にはカタログ入ってなかったなあ。

引き出物にカタログギフトのカタログが入ってなかったなんて、まるで笑い話みたいだけど本当の話(T.T)

10年くらい前の出来事です。


<2012-03-12追記>
いただいたカタログギフト、選んでいなかったら先日連絡がなければ厳選した商品を
お送りしますと案内が届きました。

この記事に書いた、10年くらい前のときはこんな案内来ませんでした。
これはまさかとおもうけど、私のこと最初から名簿から抜けていたんじゃないの!?と思うようになりました。

posted by みどり at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月23日

「モダン・アート,アメリカン 珠玉のフィリップス・コレクション」/「生誕125年 萩原朔太郎展」

「モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―」1


「モダン・アート,アメリカン 珠玉のフィリップス・コレクション」@国立新美術館
9月28日〜12月12日まで (終了してます)
展覧会公式サイトはこちら


11月14日(月)に観に行っています。
チラシに使われていたジョージア・オキーフ「葉のかたち」と、エドワード・ホッパーの「日曜日」
この2枚の絵に惹かれて行ってきました。


「モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―」2



フィリップス・コレクション・・・ダンカン・フィリップス(1886-1966)と妻のマージョリー(1894-1985)
のお二人が収集してきた作品が元になっている美術館なのだそうです。
主な作品は近代アメリカ美術。

抽象画ばかりがあるわけではないのですが、マーク・ロスコやサム・フランシスなどの抽象画が
目に付きました。

空間にバランスを取ってかすかに揺れているモビール作品もありました。
作者名をわすれてしまいました。

気のせいか、なんだか派手さはなくどことなく素朴な雰囲気の作品ばかりに見え、
あまりぴんとこなくて困りました。







「生誕125年 萩原朔太郎展」


「生誕125年 萩原朔太郎展」@世田谷文学館
10月8日〜12月4日まで (終了してます)


11月27日(日)に観に行っています。
10時の開館してすぐの世田谷文学館に入館しました。

萩原朔太郎の名前は知っていても、その作品にあまり触れたことがありませんでした。
私がまともに読んだことがあるのは、短編小説の「猫町」だけです。
それでもこの展覧会は見応えがあって、面白かったです。

萩原朔太郎の生い立ちの紹介はもちろん、詩、そして自ら装幀にこだわった本、撮影した写真など。
マンドリンを弾き、作曲もする。音楽への造詣も人一倍あったようです。
音楽が好きで写真撮影が好きで、なんとも多才だったことが、詩作へ大きく影響していたように感じてなりません。
朔太郎の作品ばかりでなく、朔太郎をモチーフにした映像作品、彼をモデルにした彫刻、
などなどとても内容豊かな展覧会だったと思います。

興味深かったのは、萩原朔太郎自ら作品を朗読している実際の声が聴けたことです。
このような肉声が残っていたとはしりませんでした。

展覧会カタログもちょっと凝った作りになっていて、朔太郎の本「青猫」を模したデザインに
なってるのが楽しい。
つい、購入してしまいました。


そして世田谷文学館には自動人形師ムットーニこと、武藤政彦氏の自動人形作品が常設展示
されているのが、私にとってはうれしい。
武藤氏の作品を観るためだけに、世田谷文学館へ行ったこともあるくらいです。

いつもは1階の常設展示会場にある萩原朔太郎の「猫町」をモチーフにした自動人形作品「猫町」が
今回は、2階の展覧会会場に展示されていました。

武藤氏の「猫町」は何度も観てきた作品なのに、中央に立っている人形の男性の顔が
萩原朔太郎その人をモデルにしていたことに今頃気がつきました。
武藤氏の作品にしては、男性の顔が他の作品とちょっと違うので、なぜなんだろうとずっと思っていました。
目が大きいし、目尻の横にしわがあるし。
そういうことだったのか・・・と、長年の謎がやっと解けました(大げさ)。
そういえば、今回の展覧会をみるまで萩原朔太郎がどんな顔しているのかまったく知りませんでした。


常設展示の武藤氏の作品は毎時30分に動いているところが観られます。
2グループの分かれての稼働なので、全部を見るためには2回観なければならないのですが
せっかくなので、もちろん10時半と11時半の回を観ておきました。
(残念ながら「THE SPIRIT OF SONG」は故障中でした)

この日はたまたまムットーニファンの方と、ご一緒していたので、二人してすぐにムットーニ展のある
渋谷・ロゴスギャラリーに向かいました。
13時から行われる上演会を観るためです

そんなムットーニ展の感想は、また後ほど(^^)

posted by みどり at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月21日

パスポート取得

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まだどこへ行くと決まったわけでは無いのですが、初めてパスポートを取得しました!

有効期間は10年間。

私の世界観も広がりそうです。
posted by みどり at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月20日

「生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌」/「法然と親鸞 ゆかりの名宝」

「生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌」


「生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌」@千葉市美術館
10月10日〜11月13日まで(終了してます)
展覧会公式サイトはこちら


11月12日(土)に観に行っています。

酒井抱一(さかいほういつ1761-1828)、恥ずかしながら今まで認識したことがありませんでした。
それまで絵を観たことはあるはずですが、名前まで記憶に残っていませんでした。


大名家の二男として江戸に生まれ、若い頃から俳句や書画をたしなみ、狂歌や
浮世絵も描いていた。
なかなか優雅に聞こえますが、二男だから悪く言えば出世の見込みのない立場に
いたためか37歳で出家。
その後自由に創作活動に入った、という事らしいです。


展示作品の総数は約320点、酒井抱一の作品だけで約160点!

美しい花鳥画や美人画に仏画など、どれも風流で優雅。
抱一は多くの文化人と交流を持ったことで、作品にも独特な世界観を創りあげていったらしい。
気持ちも風流になれた、見応えのある展覧会でした。


今回は、金曜日の夜に観に行ったのですが、仕事帰りの方が多かったのか結構混んでいました。
なかなか人気の展覧会だったようです。



「法然と親鸞 ゆかりの名宝」


「法然と親鸞 ゆかりの名宝」@東京国立博物館 平成館
10月25日〜12月4日まで (終了してます)
展覧会公式サイトはこちら


11月30日(水)に観に行っています。
平日の昼間に行ったのに入館までに約40分待ちという、すごいことになっていました。
平日でこれなのですから、土日はとんでもないことになっていたのでは。

私ももし「親鸞(しんらん)展」「法然(ほうねん)展」などと、個別に展覧会があったらおそらく行かなかったと思います。
それがなんで行ったかというと「法然と親鸞 800年ぶりの再会」という宣伝文句にすっかり
魅せられたのでした。

浄土宗の宗祖・法然(1133〜1212)、その教えを受けて、浄土真宗の宗祖の親鸞(1173〜1262)。
我が家のお寺も浄土真宗なので、やはりちょっと気になりました。

考えてみると法然と親鸞、ゆかりの名宝って?
と、思いましたが直筆の書や、仏像などこの展覧会も見応えがありました。

絵巻物を一定の長さで切って、順に貼り付けて足していったような、まるでコマ割り漫画のような
仏画は初めて観ました。
大きめの掛け軸として仕立てられていますが、パッと観てごちゃごちゃ感は否めない。
しかもこれ、観る順番が上から下へだけでなく、下から上へ読むときもあり。
ますます不思議です。
一時期でその技法が使われなくなったことを見ると、やはり分かりづらいし美的じゃないということでしょうか。


一番印象的だったのは、法然の一周忌の時に作られたという仏像。
仏像がすごいのではなく、すごいのは像内に結縁(けつえん)・・・つまり仏教の信者になったよ、と
いう数万人の人々の名簿が収められていたこと。
「念仏をとなえれば救われる」と教えたのが浄土宗ですが、考えが安易なのではなく
これにすがるしかなかった当時の人々の声が聞こえてくるようでした。


posted by みどり at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする