2011年06月30日

青山円形劇場プロデュース公演「クラウド」

青山円形劇場プロデュース公演「クラウド」


青山円形劇場プロデュース公演「クラウド」@青山円形劇場
作・演出:鈴木勝秀
出演:田口トモロヲ、鈴木浩介、粟根まこと、山岸門人、伊藤ヨタロウ
6月23日〜7月3日


6月23日(木)の初日に観に行っています。
作・演出の鈴木勝秀の作品はわりと好きで、鈴木さんが主催していたプロデュース・ユニット
「ZAZOUS THEATRE」はほぼ毎回観ていました。

以前上演された「LYNX リンクス」は初演、再演は観ていますが(再再演は未見)、どういう話だったか
あまり覚えていませんf(^―^;
今回の物語は「LYNX リンクス」の続篇ではないが、雰囲気を引きずっているというか「LYNX」の後の物語らしい。

お話はこんな風。
まもなく取り壊しになるマンション。そこに一人だけ残って住んでいるのがオガワ(田口トモロヲ)。
務めていた会社も退職して今は部屋からでることもなく、必要な物はネットで購入、週に1度届けてもらっている。
身の回りのこと全てをネット上の「クラウド」にため込む作業を続ける毎日。
時折、ネットで見知らぬ相手ウサミ(伊藤ヨタロウ)とチェスを。
そんなオガワに近づくエンドウ(鈴木浩介)。
オガワの回りを張り込む二人の刑事イタバシ(粟根まこと)とウサミ(山岸門人)。



会場ロビーに行くと、丸坊主で体格の良い男性が関係者のような雰囲気で立っている。
まるで客層を見定めるかのようで、誰だろう・・・と、思ったら作・演出の鈴木さんでした。


田口トモロヲさんを生で見るのはたぶん、初めて。
田口さんのこと知らない方でも、かつてNHKで放送された「プロジェクトX」のナレーターと言ったら
あの「声」を思い出す方も多いのでは。
最近では映画「GANTZ」にさえない中年サラリーマン役で出演されていたのが、とても印象的でした。

今回の田口さん、雰囲気は「GANTZ」で観たサラリーマンそのまんまという感じ。
自分の過去から今までのこと、日々の生活のことをこと細かにネット上の「クラウド」に記録する。
物静かで平凡な中年男性、という感じですがどこかに何か強い物を秘めているようにも見えます。


コンピュータの世界で「クラウド」というのは始めて聞きましたが、パンフレットの解説を引用すると
「インターネット上にグローバルに拡散したコンピューティングリソースを使い、ユーザーに情報や
アプリケーション・サービスを提供するコンピュータの構成・利用コンセプト」なんだとか。
わかったようなそうでもないような。

劇場は中央に舞台があり360度が客席。
開演前に膨らませた白いビニール袋がいっぱいある。
開演と同時に、これがどんどん片付けられていき、見えてくる舞台上には椅子にもテーブルにも使えそうな
黒く四角い物体があるだけ。
このビニール袋、後から気がつきましたがどうやら「クラウド(=雲)」の事だったようです。

シンプルな舞台はどんな状況にも対応できて一瞬で変化する。
オガワの住む部屋にもなるし、二人の刑事が張り込みをする路上にも変わるし、ネット上の
バーチャルな世界にもかわる。
客席の照明を落として、舞台にいるオガワにだけ照明をあてるとそれだけでネット上の
世界に入り浸っている、という風に見えます。
こういうのは舞台劇の特権ともいえる演出で大好きです。

伊藤ヨタロウさんの配役もやはり一人二役で、観ていて楽しい。
が、出演場面は少ないからファンとしてはちょっともどかしい。
オガワの元に来るごく普通の初老の配達人と、オガワがネット上のゲームで対戦する相手アマリが
伊藤さん。
オガワが想像してるアマリの姿は、自分の元に週一来る配達人になっているという設定なのです。
特にアマリはどこかオガワを見下している、というかオガワを手玉にとって楽しんでいるようにも見える。
このアマリの正体が実は・・・という展開を見せます。
ネット上の人物だから、どうにでもかわれるのです。

粟根まことさんと言ったら、時代劇でもかけるメガネがトレードマークですが今回はメガネ無し。
メガネのないお顔でスーツ姿はちょっと怖い。
話がラストになると分かる刑事イタバシの本心がまた怖い。
だてにメガネを取ったのではなかったようです。

鈴木勝秀さんの世界観は好きなのですが、今回はなにか物足りない。
申し訳ないですが、なにが物足りないのがよく分かりません。
オガワに近づくエンドウ、そしてアマリのことがもう少し描かれていると良かったように思いました。
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2011年06月28日

バッハ・コレギウム・ジャパン第93回定期演奏会

バッハ・コレギウム・ジャパン定期演奏会第93回


バッハ・コレギウム・ジャパン第93回定期演奏会
バッハ:教会カンタータ・シリーズVol.60 
ライプツィヒ時代1727〜29年のカンタータ4@東京オペラシティ コンサートホール
指揮:鈴木雅明
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
オルガン前奏:鈴木優人
バッハ・コレギウム・ジャパン公式サイトはこちら


6月22日(水)に1階B席で聴きに行っています。
私は定期会員になっているので、毎回同じ席で聴きに行っています。
毎度同じいい訳を書くのですが私はクラシック音楽についての知識もボキャブラリーも極端に
少ないので、聴いてきた、という覚え書きになりますm(__)m


以下はこの日のプログラムです。
最初の2曲は、震災後初めての定期演奏会ということで特別演奏曲目になったものです。

−震災犠牲者を悼んで−
オルガン・コラール 我ら苦難の極みにある時も
モテット おおイエス・キリスト、わが命の光よ



カンタータ 主なる神、万物の支配者よ
カンタータ 汝われを祝せずば
カンタータ いざやもろ人 神に感謝せよ
カンタータ 光は義しき人のために射し出で


冒頭の2曲のトランペットが、なんでこんなに?と思うほど耳障りに聞こえました。
私にはトランペットだけ、変に飛び抜けて聞こえたのですがあれでよかったのでしょうか?

後4曲はバッハの教会カンタータ。
「汝われを祝せずば」は告別式に使われたと思われる曲。
バッハの教会カンタータは聴いていて、とても心と頭が安まるので大好きです。

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2011年06月27日

トム・プロジェクトプロデュース公演「子供騙し」

トム・プロジェクトプロデュース公演「子供騙し」


トム・プロジェクトプロデュース公演「子供騙し」@紀伊國屋ホール
作・演出:水谷龍二、
出演:高橋長英、篠井英介、富樫真
6月21日〜6月26日まで



6月21日(火)の初日公演を観ています。
水谷龍二さんの作品は以前から好きだし、篠井英介さんは大好きな役者さんなのでチケットをとりました。

事前のチェックをしてなかったので全く知らなかったのですが、この作品はすでに2002年に初演。
その後2004年から2005年にかけて再演。
今回が3度目の公演なのだそうです。

以前は故緒方拳さん、篠井英介さん、富樫真さんで演じられていた作品。
今回初めて緒方さんに代わって、高橋長英さんの出演となったそうです。

<物語>
片田舎の小さな理髪店が舞台。
初老の店主・倉田(高橋長英)と、まだ修行中らしい従業員の佳子(富樫真)。
閉店し佳子も帰ろうとしたとき、飛び込んで来た一人の男(篠井英介)。
一人旅で、外は濃い霧なので少し休ませて欲しいというので倉田は承知するが
すこし様子が変なのが気になる。
実は彼は佳子を捜してここまでやって来た探偵だった。
倉田は自分よりずっと年下の佳子に密かに恋心をいだいていたのですが、彼女の正体は?
そして探偵の男にもある秘密があることが分かりますが・・・。


出演者はたった3人。
それでも内容豊かなよい舞台だったと思います。

私の場合は、とにかく篠井英介さんが観たくて来たようなものでした。
女形として舞台に立つことが多い篠井さんですが、最近は普通に男性を演じる
ことも増えています。
そんな篠井さんを観るのは、私にとってとても新鮮です。
今回は探偵という役回りで、登場してしばらくはなかなかかっこいい。
それが午後8時を過ぎると、とつぜん豹変。
おねえ言葉を使う、オカマになってしまうというのはちょっと奇をてらいすぎの感じもしました。

でも篠井さん目当てのお客さんは、これを観たかったのかも、とも思いました。
午後8時で突然豹変はあまりにも漫画的ですが、ここは素直に楽しむ方がいいのかも。
そして彼は若い恋人のわがままに悩んでいることも、次第に分かってきます。


富樫さん演じる佳子は一見地味でまじめな感じの女性(探偵曰く、女は髪型とメガネで変わる)
なのに、実は「極道の妻」で夫の浮気に腹を立てて自分も若い男性と浮気をして・・・と、
観客はもちろん彼女をしたう倉田にとって驚愕の展開を見せます。
もちろん、その一方でそれは無いだろうとツッコミを入れたくなる感じもあるのですが。

そして高橋さん演じる倉田。
実直そのものという感じの倉田にも実はある秘密が・・・・。
高橋さんの倉田も良いのですが、緒方拳さんの倉田も観てみたかった。

3人がそれぞれ愛する人、かつて愛した人、愛は無いけど楽な生活ができると思っていたけど今は・・・、
など悩みを抱えています。
本当なら出会うことの無かった3人。
ちょっと作りすぎのあり得ない人物像、だから「子供騙し」なの?と思ったり。

濃い霧の夜の物語は、どこかせつなくて優しいものでした。

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劇団Studio Life公演「PHANTOM 語られざりし物語」

劇団Studio Life公演「PHANTOM 語られざりし物語」



劇団Studio Life公演「PHANTOM 語られざりし物語」@新宿 シアター・サンモール
原作:スーザン・ケイ「Phantom」  脚本・演出:倉田淳
映像・美術:マット・マッキンリー
出演:山本芳樹、林勇輔、青木隆敏、及川健、他
6月11日〜6月27日まで
劇団公式サイトはこちら

6月20日(月)に観てきました。
劇団Studio Lifeの公演を観るのはずいぶん久し振りです。
昔、よく下北沢のザ・スズナリで公演をやっていた頃は毎公演ごとにみていたのですが、好き
だった役者さんが退団したのと、公演が中野駅からかなり離れた劇団専用劇場でやるように
なってからはすっかり足が遠のきました。
今回の公演でたぶん7,8年ぶりかもです。

役者さんは総べて男性。
女性役も男性によって演じられるのがStudio Lifeのスタイル。
作・演出の倉田さんは女性です。

何度も映画化され、ミュージカル版もつくられたガストン・ルルー原作の「オペラ座の怪人」。
私も劇団四季で上演されたアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲のミュージカル版は大好きで何度も
観ています。

歌姫クリスティーンに恋するファントム(=オペラ座の怪人)
劇団四季が上演しているミュージカル版では彼は「ファントム」のままですが原作ではちゃんと
エリックという名前が付いていました。
そしてなぜ彼がなぜオペラ座の地下にいるのかもちゃんと説明があった。
彼は追われる身であり、彼を追う人物も描かれていました。
でも少年時代のことについてはほんの数行の記述しかない。

今回の舞台の原作は「オペラ座の怪人」ファンならだれでも知りたがったはずの、エリックの少年時代の物語。
もうこれだけでワクワクします。

<あらすじ>
資産家の娘のマドレーヌ。愛する夫を事故で亡くした後、生まれたのがエリック。
その醜い顔のため、母にも愛されず仮面をつけられる。
マドレーヌはエリックを屋敷に閉じこめて育てるが、やがてその存在は村人に知られることになる。

そして幼いエリックには音楽や建築へのずば抜けた才能が見え始めるが、マドレーヌにはその事実が
認められず、それどころか恐ろしいことに思え彼に本を読むことも禁止しようとする。
やがて自分を愛してくれない母の元を飛び出すエリック。
ジプシー達に捕まり、見せ物小屋の「見せ物」になり、そこから逃げてからは才能を認められ
有名な建築士の内弟子になる。
平穏に過ごせた日々はつかの間、そこの娘にしつこく言い寄られとうとう仮面をとって素顔を見せることになりますが。





今回はダブルキャストでの上演。
私が観に行った日は、山本芳樹さんがエリックを演じていました。
エリックの幼い時はさすがにちょっと違和感がありましたが、少年時代エリックにはまったく違和感なしでした。
少年エリックが、生き延びるために知恵を働かせジプシーと取引をするようになる。
奇形で生まれなければ裕福な母と幸せに暮らしていたかもしれない、それを思うとエリックの過酷な
試練に胸が痛みます。
そして彼に味方もしたくなってきます。


母マドレーヌは及川健さん。細い顔、細身の体の及川さんなので、観ていて最初こそ違和感が
ありましたがすぐにその感じはなくなりました。
むしろ神経質そうなマドレーヌをうまく演じていたとおもいます。


映像・美術を担当したマット・マッキンリーさんは、イギリスで有名な方だそうで
「レ・ミゼラブル」の日本未公開の新しい演出の公演でも映像・美術を担当しているそうです。
舞台上に作られた室内のセット、その壁に外の風景を映し出してしまう演出は窓から外を
眺めているようでもありました。
なかなか上手い演出と思いました。
(この舞台では結局エリックの素顔は見えずじまいです)


演出で悪い意味でとても気になったのは音楽でした。
劇的な選曲をしているのはわかるのですが、センスが悪い、といってはなんですが情緒に欠ける感じです。
それでもエリックが歌う、レクイエムはアンドリュー・ロイド=ウェッバー作曲の「ピエイエス」
なのにはうれしくなりました。
あれはとてもきれいな曲ですから。

逆に上手い、と思ったのはエリックが「見せ物」になって自らの仮面を見物人に向かって取る時でした。
客席に向かって背を向けていたエリックが、踊るようにくるりとこちらを向いて仮面をとった瞬間、
照明が客席を照らすので目くらましになって結局エリックの素顔は見えないのです。

ラストでエンドマークは出ず、エリックがファントムの姿であらわれ「クリスティーン」と
ささやくような声が聞こえ正面には「CONTINUE(続く)」と出る。
「オペラ座の怪人」の物語へ、そのまま流れていくようなよい余韻を残すラストシーンになったと思います。


音楽が気になりましたが、それ以外ではほぼこちらの期待を裏切らなかった作品。
もう一つのキャストでの上演も観たかったのですが、もう行かれる日がなかったのはかなり
残念でした。

posted by みどり at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月25日

シス・カンパニー公演「ベッジ・パードン」

シス・カンパニー公演「ベッジ・パードン」



シス・カンパニー公演「ベッジ・パードン」@世田谷パブリックシアター
作・演出:三谷幸喜
出演:野村萬斎、深津絵里、大泉洋、浦井健治、浅野和之


6月10日(金)に1階S席で観に行っています。

1900年(明治33年)のロンドン。
日本からの留学生・夏目金之助、後の作家・夏目漱石(野村萬斎)と彼が下宿したブレット家の人々、
ブレッド家の女中アニー(深津絵里)との恋の行方や、日本語絶対禁止といいはる貿易会社の日本人駐在員・
畑中(大泉洋)との日々のあれやこれや。
悩み多き金之助、若き日の物語。


面白かったです。

タイトルの由来は、下町育ちのアニーの言う I peg your pardon?(アイペッグユアパードン=失礼ですが)が金之助には
bedge pardon?(ベッジ・パードン)と聞こえるので、彼女にベッジというあだ名をつけたことから、だそうです。

野村萬斎さんの演じる金之助は、いかにも生真面目そうな感じが金之助のイメージにぴったり。

金之助には悩みがいっぱい。
まずは英国に来て、自分の英語がほとんど通じないことに大ショック。
英国に来て何通も日本に残した妻に手紙を書いているのに、妻からは手紙が来ないことで妻が
自分のことを愛してないのでは、と悩む。
女中アニーと深い仲になるし、アニーの弟(浦井健治)が計画してる犯罪に巻き込まれそうになったり。

これだけでは硬い物語になりそうなのですが、そこは三谷幸喜さん実に楽しくわかりやすい味付けをしていました。

深津さん演じるアニーには少々虚言癖があるのですが、それは夢の話をする方がたのしいから
と、思っているからのようです。
後年の夏目漱石の作品「夢十夜」の事をふと思い出します。
アニーはけして美人には見えない下町の女性ですが、かざらない彼女に惹かれる金之助の気持ちはわかるきもします。


日本人駐在員の畑中が当初、ここでは日本語禁止と言い張るのはじつは彼には強い東北なまりが
あるから、と分かる場面のおもしろさ。
畑中が気の毒に見える場面でもあるのですが、いつもは自信たっぷりの彼が小心者の愛すべき人物に
見える瞬間でもありました。
妻子を持ち、さらに英国でアニーという恋人までもっている金之助がうらやましくてしょうがない独身の畑中。
彼の存在は今回の物語に笑いだけでなく深みも与えていたと思います。




舞台では英語と日本語が混在しては観客に不親切、という理由で鐘の音(それもまるでレスリングの
のリングの鐘の音)を合図に総べて日本語(又は英語)に切り替える、というのも上手い演出です。

それにしてもすごいのは浅野和之さん。
ブレッド家のご主人に、ブレッド夫人、刑事にはてはビクトリア女王まで。
一人で何役もこなしてしまうのです。時に見事に、時にコミカルに。

途中休憩が一度入り約2時間半。
物語自体はそんなに起伏のあるようには思えないのですが、中だるみ無し、とても見応えのある舞台でした。
posted by みどり at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

宝塚歌劇星組公演「ノバ・ボサ・ノバ」「めぐり会いは再び」


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宝塚歌劇星組公演「ノバ・ボサ・ノバ」「めぐり会いは再び」@東京宝塚劇場
6月3日〜7月3日まで
出演:柚希礼音、夢咲ねね、涼紫央、他



6月9日(木)に2階B席で観に行っています。


第1部:ミュージカル・ショー「ノバ・ボサ・ノバ 盗まれたカルナバル」
作:鴨川清作   演出:藤井大介


リオのカーニバルの日が物語の舞台。
舞台の脇にときどき登場するルーア神父と、神父にいいよるシスター・マーマが「あれは何でしょう?」という
会話で状況説明をする、そんな事の繰り返しで物語が進んでいきます。
それ以外は、セリフはほとんど無し。
それでも恋人達の物語や、泥棒達のスリリングなやりとりがわかるのはうまいと思いました。
冒頭から最後まで、サンバのリズムと歌とダンスで一気にかけぬけるその勢いが実にパワフルかつ華やか。

今年は作者の故鴨川清作氏の没後35年目。
この「ノバ・ボサ・ノバ」は1971年が初演で、何度も再演されてきたそうです。
1976年に花組で上演されたときは、文化庁芸術祭最優秀賞を受賞したそうで、なるほど納得のすばらしい舞台作品でした。









第2部:ロマンティック・ミュージカル「めぐり会いは再び」
脚本・演出:小柳菜穂子  原作:マリヴォー作「愛と偶然との戯れ」

物語の舞台は(たぶん)18世紀のヨーロッパのどこか。
伯爵令嬢と侯爵の令息が、結婚しようとする相手の本性をみようと、それぞれが自分の
召使いと入れ替わったことから起きる大騒動。
身分を偽っていた貴族同士、召使い同士が恋におちてしまい当初は、身分の違いの恋、と悩むが
最後は互いの正体がわかってめでたしめでたし、というもの。

原作の喜劇は全く知らなかったのですが、これは原作の構成もしっかりしてるのでしょう
物語の先がすっかり見えるのですが、それでも面白かったです。
衣装や、ヘアメイクも古典にとらわれず現代風(アニメ風と言った方がいいのかも)になっていてるのも
新鮮で目に楽しい舞台でした。

今回の2本立て公演、あっという間の3時間でした。

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2011年06月22日

演劇集団キャラメルボックス公演「ヒア・カムズ・ザ・サン」「水平線の歩き方」

演劇集団キャラメルボックス公演「ヒア・カムズ・ザ・サン」


演劇集団キャラメルボックス公演「ヒア・カムズ・ザ・サン」「水平線の歩き方」@池袋 サンシャイン劇場
脚本・演出:成井豊
6月2日〜6月19日まで (終了してます)


6月3日(金)に観に行っています。
ハーフタイムシアター(上演時間約1時間の短編演劇)公演、2本観てきました。
昔この劇団でハーフタイムシアターといったら、上演時間約45分の公演だったのですが、数年前から
約1時間の公演演目の事になりました。

2本立て公演ではないので、1本ずつ別々にチケットをとることになります。
私が観に行った日は19時から「ヒア・カムズ・ザ・サン」、途中約30分間をおいて20時半から「水平線の歩き方」
の上演でした。
1本目を観て帰る人は少なく、ほとんど方がそのまま会場に残って2本目も続けてみる方ばかりでした。

今回は出演予定の西川浩幸さんが急病のため、出演者が変更になりました。
西川さんファンの私としてはかなり残念でした。


新作「ヒア・カムズ・ザ・サン」
出演:阿部丈二、岡田達也、大森美紀子、他

<物語>
真也(阿部丈二)には、物や場所に残された人の記憶が見える。
ある日、職場の同僚のカオルと共に成田空港へ。
ハリウッドで映画関係の仕事をしてるというカオルの父・白石(岡田達也)が20年ぶりに帰国する
のでその迎えのためだが、カオルと父親の間にはある葛藤があった。
父親はなぜ、今頃になって帰ってきたのか。
真也に見えてくるこの父親の姿は・・・・。


自分の夢を実現したくて、妻子を置いてハリウッドへ行った父。
幼かったカオルには大人の事情など理解出来るはずもなく、自分勝手な父親と思いこみ
許すことが出来ないでいる。
白石の役は当初、西川浩幸さんの予定で急きょ岡田達也さんに代わっていました。
岡田達也さんは、キャラメルボックスの中では好きな役者さんなのですがやはりこの白石の役には
少々違和感がありました。
岡田さんの実年齢より上の50歳の白石ですが、無理に老けているようにみえてしょうがなかったです。
今時の50歳はそんなに老けていないでしょう。
やはり白石は西川さんで観たかったです。

真也の超能力があって、白石の過去と現在が明らかにされていく、という設定ですが
無理に超能力者にしなくても物語は成立するように感じました。
超能力者、という設定は安易につかうと物語が薄っぺらくなる感じがするのですが、
これは好みの問題なのかもしれません。




演劇集団キャラメルボックス公演「水平線の歩き方」



再演「水平線の歩き方」
出演:岡田達也、岡田さつき、他

こちらは再演物。以前の公演も観ています。

<物語>
社会人ラグビーをしている幸一(岡田達也)がある晩、酔って自分のアパートに帰ると
部屋に見知らぬ女が一人かってに入り込んでした。
彼女・アザミ(岡田さつき)は実は幸一が子どもの頃に死んだ母親。つまり幽霊。
今では幸一の方が死んだときの母より年上。
そして勝手気ままにでも楽しそうにふるまうアザミに振り回される幸一。
しかし、なぜ彼女は今幸一の前に現れ、幸一は彼女の姿が見えるのか。



幸一のラグビーにからんだ話より、物語は結局なぜ母親が幸一の前に現れ、なぜ幸一に彼女の姿が
見えるのか?という部分に集約される気がします。
幸一とアザミのやりとりは、ちょっぴりケンカをしている恋人同士の会話のようにも聞こえます。
悪い感じではないです。
ほんのり暖かく、そしてさわやかな後味を残す短編だと思いました。
posted by みどり at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月18日

「花の画家 ルドゥーテ『美花選』」展

「花の画家 ルドゥーテ『美花選』」展


「花の画家 ルドゥーテ『美花選』」展@Bunkamura ザ・ミュージアム
5月29日〜7月3日まで
展覧会公式サイトはこちら



6月17日(金)に観に行ってきました。
この日は仕事が休みなので、午前中用事を済ませてから午後は八王子市夢美術館の
「ムットーニワールド からくりシアターII」へ。
こちらを午後5時の閉館まで観てからすぐ渋谷へ向かいました。

当初、JR八王子駅からJR渋谷駅へ行くつもりでしたが京王八王子から明大前での乗り換え、京王線を
乗り継いで京王渋谷駅へ出れば電車賃もかなり安く済むとわかりました。


会場に到着してみると金曜日の夜だから混んでるかと思ったら、意外にも空いていました。


ザ・ミュージアムでのルドゥーテの作品展は今回で3回目なのだそうですが、ちょうど3年前の2008年の展覧会は
観ていました。
その時の「ルドゥーテ生誕250年記念 薔薇空間」展の感想はこちらにまとめています。


ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759〜1840)
マリー・アントワネットや、ナポレオン夫人であるジョゼフィーヌの庇護を受け多くの植物画を残しています。

今回展示されている多くは美しい花の銅版画。
当初の予定では水彩による原画の展示がメインだったそうですが、大震災の影響で急きょ銅版画メインに
変更になったそうです。

植物学的に正確に描くだけでなく、そこにデザイン的美しさも感じるルドゥーテの細密画。
多くの版画集がつくられたそうですが、中でも「美花選」は特に有名なのだとか。
初期の頃の作品(銅版画)をみると学術的な正確さを強く感じますが「バラ図譜」や「美花選」は
とくに美しさが強調されているように見えます。
色とりどりの花々、可憐なブーケは観てるだけで確かに心楽しくなります。

会場内の解説をよむとそもそもルドゥーテは絵を描く人のためのお手本として、手工芸者のための
デザインの見本として版画集を作っていったのだそうです。
だから植物学的正確さは多少無視している部分もあるらしい。




ルドゥーテが水彩画の技法で花を描き、それを元に彫版師が彫刻。
点刻彫版法(スティップル法)と呼ばれる銅版に点刻する技法がそうで、印刷画面をよく見ると線ではなく小さな点で
色画面が構成されています。
ルドゥーテの描いた色の濃淡まで表現できるように点刻する技術もすごいと思いました。


会場の最後の方にベラムに描かれたルドゥーテの直筆画がありました。
私も今回初めて知ったのですが、ベラムとは犢皮紙(とくひし)とも呼ばれ、動物の皮からつくる紙状のもの。
仔牛の皮から作るのが上質で、皮から脂肪や毛を覗いた物を強く張り紙のような状態にしたものだそうです。
水彩で描くと絵の具の水分のしみ込みがすくないので、発色がよいのだとか。
ルドゥーテの筆跡もわかる肉筆水彩画は、とても約200年前に描かれたとは思えない美しさがありました。





自宅の庭でバラがきれいに咲いていましたのでちょっとご紹介

2011年6月18日 自宅の庭のバラ
posted by みどり at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文学座6月アトリエの会「にもかかわらずドン・キホーテ」

文学座6月アトリエの会「にもかかわらずドン・キホーテ」


文学座6月アトリエの会「にもかかわらずドン・キホーテ」@信濃町 文学座アトリエ
作:別役実  演出:藤原新平
出演:金内喜久夫、飯沼慧、三木敏彦、他
6月7日〜6月21日まで
文学座公式サイトはこちら


6月16日(木)に観に行っています。
劇作家、別役実氏の新作書き下ろし公演です。

東京・信濃町にある文学座アトリエに行くのはずいぶんと久し振り。
前に観に来たのはバーナード・ポメランス作「エレファント・マン」だったと思うのですが
だとしたらもう10年ぶりのことになりました。


小さな空間での濃密な時間。
大劇場の公演も良いですが、こういう小さな公演も大好きです。

観に行こうと思ったのが、公演が始まってからだったのでほとんどチケット売り切れ状態。
この日の公演のチケットがとれたので行ってきました。
当日券は毎回出しているようです。

<物語>
目が覚めた男(金内喜久夫)は自分がドン・キホーテらしいと知る。
そう知ったのは起こしに来た男が、彼をそう呼んだから。
起こしに来た男はサンチョ・パンサ(田村勝彦)らしい。
サンチョは昨日の晩「朝早く起こしに来てくれ」と頼まれたから、来たのだという。
わざわざ朝早く起きることにしたのは、何か訳があったはず。
身支度を調えていくうちにきっとそれを思い出すだろう、と考えるドン・キホーテ。
ドン・キホーテとサンチョ・パンサ、二人ともそれぞれ自分の存在自体に、疑問を抱くようになりますが・・・


セルバンテスのドン・キホーテの物語かと思ったら、もちろんそこは不条理な別役ワールド。
普通に展開するわけがありませんでした。
やや軽度の認知症かとおもえるドン・キホーテらしき男と、まじめで少なくともドン・キホーテ
よりも知性のありそうなサンチョ・パンサ。

そもそもこの二人はドン・キホーテとサンチョ・パンサなのか。
前半、当たり前のように思っていた二人の正体。
それがどうもおかしいぞと思えてくる後半。

冒頭小さな空間にあるのはドン・キホーテの粗末なベッド。
簡素な舞台空間ですが、それがかえってきいています。

おもしろいのですが、仕事終わってくたくた状態で駆けつけたし、だんだん暑くなって観てる
こちらも汗びっしょりになってくるし、観てるのがちょっと、つらくなってしまいました。

すみません、ちょっと意識が飛んじゃいましたm(__)m

客席に若い人が多いのは、演劇の勉強してる方々なのか?
できればもう1回、体調の良いときにじっくり観たい公演でした。
posted by みどり at 03:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

伊東四朗一座・熱海五郎一座合同公演「こんにちは赤ちゃん」

伊東四朗一座・熱海五郎一座合同公演「こんにちは赤ちゃん」



伊東四朗一座・熱海五郎一座合同公演「こんにちは赤ちゃん」@赤坂ACTシアター
作:妹尾匡夫 演出:伊東四朗・三宅祐司
出演:伊東四朗、三宅祐司、真矢みき、小倉久寛、ラサール石井、小宮孝泰、春風亭昇太、他
5月27日〜6月12日まで (終了してます)


6月2日(木)に2階A席で観ています。
三宅祐司さんと伊東四朗さんが、中心になっての公演。
伊東四朗一座と言う名前はともかく、熱海五郎一座という名前はちょっとした
シャレから来ています。

温泉の名前の連想から、伊東→熱海
番号の連想から、四朗→五郎
という具合。

赤坂ACTシアターはやたら広いから、この劇場で演劇公演を観るのは
あまり好きではありません。

「赤ちゃん」といっても今回の公演タイトルと内容はほとんど関係がないのでとりあえず先に
タイトルを決めてから、内容を考えたんだろうなと思います。
でも副題に「三宅祐司生誕60周年記念」とありますから60歳一区切りで「赤ちゃん」なのか?





内容は、全然客の入らない遊園地が舞台。
このままでは閉鎖されてしまう。
何とか客を呼ぼうと、(売れない)アイドル歌手がイベント中に宇宙人にさらわれた、
という事件をでっち上げることにするが、ほんとに宇宙人が現れて・・・。




園長に伊東四朗、その部下に三宅祐司、春風亭昇太、園長夫人に真矢みき、刑事に小倉久寛
その他、ラサール石井さんなどなかなか豪華な配役。

年配の園長に若くて美人の夫人、いったいどうして?
という所が、じつは・・・・という部分もありちょっとほのぼの。
後半、元宝塚歌劇で活躍した真矢さんによる歌い踊る華やかなシーンもありした。



つまらなくはないのですが、内容は漫才かコント集のノリでなんとなく雰囲気が
15,6年〜20年くらい前の感じで安定しているけれど、やや古い。

そして客席を見回すと今日は敬老会の観劇会か?と思えるほど年齢層が高い。
敬老会は大げさでしたが、しかしほんとに年齢層が高い。
どう見ても5,60代の方ばかりなのでなんでだろう・・・と思ったのですが出演者の
メインキャラクターは伊東四朗さん、三宅祐司さんであることを思えば納得。
同世代のファンの方が集まってきたわけで、なんの不思議もなかったですね。

やや若い女性客がいるのは真矢みきさんが出演のせいか?
出演者が中高年でも、客席に若い人が来る公演はいくらでもあるわけで
これはやはり、良くも悪くも脚本と演出のせいと思えるのでした。
posted by みどり at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする