2011年03月29日

「とおくてよくみえない 高嶺格展」



「とおくてよくみえない 高嶺格展」


「とおくてよくみえない 高嶺格(たかみねただす)展」@横浜美術館
1月21日〜3月20日まで (終了してます)
展覧会公式サイトはこちら

3月7日(月)に観に行っています。
当初、観に行くつもりはまったくなかった展覧会でした。

最初に森美術館の「小谷元彦展」、東京オペラシティアートギャラリーの「曽根裕展」
を観ていて、「高嶺格展」を含めて三つの展覧会で相互割引があると分かったので
せっかくだから観てこよう、というくらいの気持ちで行くことにしたのでした。
(他の展覧会チケットを持っていると、次の展覧会入場料が200円引きに)

高嶺格(たかみねただす)さん、知らないアーティストさん・・・と、思って
いましたが行ってみたら、すでに観たことある作品があるではないですか。
アーティストさんの名前を覚えていなかっただけ、と気がつきました。


会場に入って最初にであうのが、会場の空間に布を張ったインスタレーション。
パオーーーンという音と共に布が膨らんでフワフワ動いている。
巨大な生物が、布の向こうで動いているような感じ。
すぐ後で分かりますが、これは扇風機で風を当てているのでした。
単純なしかけだけど、単純におもしろい。


最初の展示室にあったのは絵画でも、インスタレーションでもなく、なぜか毛布の展示。
何で毛布?
入る展示室を間違えたのか?と、思って引き返したくらいですが間違いではありませんでした。
毛布としか見えないものをキャンバスがわりに、どう見ても毛布の柄、としか見えない
模様が描かれていました。
これも高嶺格さんの作品とは、いまだに納得ができないくらいで、それは展示室にある
作品解説がいまいち説明不足だったためと思えます。




納得いかないのでついさっきネット上で調べてみたらこの毛布、横浜市民から募集して
集めたもので、広げてのばして展示して、もっともらしいキャプションをつけたんだとか。
なんだーーーー!!!!
やられた。
毛布に高嶺さんが絵を描いたのかと思いました。

タネがわかった今なら、なかなかおもしろいと感じますが、実際に展示を観ていたときは
訳が分からずさっぱりおもしろくない、と思いました。
せめて会場の最後に種明かしをしてくれたらよかったのに。




映像作品「God Bless America」は以前、東京国立近代美術館での展覧会で観たことある
作品でした。
中央に粘土の固まりがあり、これがどんどん形が変わっていく。
固まりの回りで制作にかかわっている複数の人々の数日間寝起きしてるようすが、映像として
収録されコマ落としで見せていく。
粘土は人の顔になったり、ゴリラのような顔になったり。
変化していく粘土なのに、粘土の「くち」は常に「God Bless America」を歌っている。
粘土の形状の変化と、回りの人の様子についつい目が離せなくなる作品です。

タイトルは忘れましたが、会場の1室を使ったインスタレーションはおもしろかったです。
薄暗い室内には細かいオブジェがあり、文字も散らばっている。
床や壁を照らす照明は、文字を照らし照明を追いかけていくと、文字は文章になって
読めることに気がつきます。
「私が見ている赤とあなたが見ている赤は同じ赤なのか」と意味深な文章が浮かんでいく。
こうなると、全部の文章を読み終わらないと気が済まなくなってきます。
読み終わると、今度は文字部分一斉に照明が当たる。
文字は続けて観ると(=読むと)文章になりますが、一つずつだったり、いきなり全部
見せられたりすると、オブジェになってしまうなと感じました。
高嶺さん、それを見せたかったのか?

会場に流れる軽い、楽しい感じの音楽がまたよかったです。
この曲の作曲をした山中透さんも、高嶺さんもかつてあったパフォーマンス集団
ダムタイプに参加していたんだそうです。
(ダムタイプは活動の最後の頃の公演を、見てますがお二人の名前は記憶になかったです)


恋人との結婚の様子を撮したフィルムと、それに添えられた文章で作られた作品は
以前、六本木の森美術館だか、森アーツセンターギャラリーで観た作品でした。

なんだか私にとっては、つかみどころのない感のあるアーティストさんでした。

YouTubeにこの展覧会を担当学芸員さんが解説した宣伝映像がありました。
行く前に、こちらを見ていたらもっと楽しめたなと思いました。


今にして思うには高嶺さんや学芸員、横浜市民が参加して愉しんだ展覧会だったようですね。
全体的に、なにもしらずに会場に行った人に対してかなり説明不足・不親切な展覧会だったと思います。
(千葉県からわざわざ横浜までいったのにと今の私はほんのちょっぴり、怒りも感じてます)








この展示の後、同じ美術館内での次の展示も観てきました。



「中谷ミチコ展 境界線のありか」

「中谷ミチコ展 境界線のありか」@横浜美術館 アートギャラリー1
3月4日〜3月21日まで (終了してます)
展覧会公式サイトはこちら



彫刻作品の展示。
一見レリーフ作品に見えたのですが、間近に観てみると全く違う手法でした。
作品は浮き上がっているのではなく、凹んでいるのです。
半立体の原形を石膏取りして、「浮彫」ならぬ「沈彫」とも呼べる凹んだ形に
して、そこへ透明樹脂を流して封じ込める、のだとか。

少女の顔も立体的に作られているのですが、飛び出しているのではなく凹んで
いるのです。
不思議なことに、こちらがどの方向からその顔をみても目は、常にこちらを観てる
ように見えます。

会場の壁に直接描かれた作品もありました。
ワクに囚われない、自由な発想を持ったアーティストさんだと感じました。
最初に観た高嶺格さんも発想は自由でしたが、高嶺さんとは発想が全く違う
ように感じました。
なにがどうちがうんだ?という細かいことまではよく分かりませんが(^^ゞ
でも、高嶺さんとは全く違うおもしろさを感じました。
posted by みどり at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

「王立新喜劇 谷町筋を封鎖せよ 続々・コーポからほり303」

「王立新喜劇 谷町筋を封鎖せよ 続々・コーポからほり303」


「王立新喜劇 谷町筋を封鎖せよ 続々・コーポからほり303」@品川よしもとプリンスシアター
作・演出:後藤ひろひと
出演:内場勝則、未知やすえ、山田花子、小松政夫、藤波辰爾、田中律子、他
品川よしもとプリンスシアターの公式サイトはこちら
後藤ひろひと氏の公式サイトはこちら
藤波辰爾氏公式ブログはこちら

3月5日(土)に観に行っています。
内容や出演者のことはまったく知らずに、ただ後藤ひろひとさんの作・演出
だからと、チケット取っていました。
(映画「パコと魔法の絵本」も、もともとはこの方の舞台劇が原作です)

まさか吉本喜劇の公演とは、まったく気がつかなかったです。
気がついていたらチケットは取りませんでしたm(__)m
一時期、関西の劇団「遊気舎」の座長でもあったし数多くの舞台の脚本・演出を
手がけた後藤さんが吉本興行と契約したというのは、もちろん知ってはいたのですが。

品川にあるプリンスホテル内にできた劇場「よしもとプリンスシアター」には
今回初めて行きました。
客席数約400のこじんまりした感じの場内ですが、会場前には吉本グッズがごちゃごちゃと
置かれた売り場があり普通の劇場とはかなり違った雰囲気がありました。
会場内も飲食自由だそうで、お客さんにお笑いを気楽に愉しんでもらおうという意気込みは感じました。




私は今回初めて観たのですが、タイトルに「続々」とあるように2008年、2010年と続いた
「コーポからほり303」シリーズ第3弾。
「303」に住むカップル、そこに出入りする大家さん夫婦、通りすがりの人々の織りなす
奇妙な日々を描いています。
5,6話のオムニバス。

作・演出の後藤さんは司会者のごとく、舞台袖で作品解説&トークでお客さんを
わかせていました。
後藤さんのニックネームが「大王」なので「王立新喜劇」ということらしい。

今回の出演者のなかでは吉本喜劇の俳優さんは、山田花子さんしか知りません。
ベテラン俳優の小松政夫さん、田中律子さん、プロレスラーの藤波辰爾がそれぞれ
出演する話もありました。
でもごめんなさい、私はろくにテレビも観ない人間なので田中律子さんて知りませんm(__)m
さすがに小松政夫さん、藤波辰爾さんが知っています。
私にとっては藤波さんを間近にみられたのが今回の大収穫でした。
藤波さん、回りの人達より一回りも二回りもでかい!!
そして藤波さん、お芝居できるんだ・・・。
もちろんそのキャラクターで見せるだけなので、たいした役どころではないですが
いかにも素人っぽいところが良い味になってよかったです。


勘違い、取り違えが巻き起こす騒動。
それぞれのお話はどうと言うことのないもので、これは出演者の魅力で見せているようですね。
吉本俳優さんが登場するときには、出囃子ならぬそれぞれのテーマ曲が流れ客席からは拍手がおこる。
これが吉本喜劇の「定番スタイル」らしいです。
知らないお客さんの為に、上演前に後藤さんからの解説もありました。
好きな人には楽しい吉本喜劇なのでしょうが、私は今回でおなかいっぱいになりましたm(__)m


吉本興業の役者さんというかタレントよりも、後藤さん自身の方がおもしろい!
そしてやっぱり後藤さんの作品は、吉本喜劇ではなく普通のストレートプレイが観たいです。


posted by みどり at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

直島にて「李禹煥(リー・ウーファン)美術館」/「瀬戸内国際芸術祭2010を巡る旅」再び・その17

「李禹煥(リー・ウーファン)美術館」




瀬戸内国際芸術祭2010の旅の記録の続きです。



10月29日(金)
「バック・サイド・オブ・ザ・ムーン」を鑑賞してから、夏にも行った地中美術館を
観ようと向かいました。
人気の美術館なので、まずは整理券をもらうのですが10時40分ごろついたら
もらえたのは、12時15分入館の整理券。


入館できるまでかなり間があるので、近くの「李禹煥(リー・ウーファン)美術館」を
先に観てくることにしました。
(李禹煥美術館のサイトはこちら

李禹煥さんの作品のみ展示の美術館でこちらはすぐに入ることができました。
建物は「バック・サイド・オブ・ザ・ムーン」や地中美術館も手がけた安藤忠雄氏の設計。
冒頭の画像が美術館の前庭、みたいなところです。
壁の向こうが美術館の入り口でした。

中は撮影禁止。

私はこの方の作品をあまり観たことがなく、美術雑誌そして東京国立近代美術館の
所蔵作品、ともに絵画作品しか知りませんでした。
彫刻作品、映像作品も手がけているとは今回観て初めて知りました。
ようするに私は昔の、初期作品しかしらなかったようです。


でも美術ファンならともかく、一般の知名度は低いアーティストさんではないのでしょうか。
館内の作品を観ていたら「この方有名なんですか?」と、そばにいた方から真顔で聞かれて
しまいました。

李禹煥さんの作品というと、たぶん代表的なのは点や線を使った作品群。
初めて観たのは美術雑誌で、でしたがこれでアートと言えるの?と当時は思ったものです。
私がよく行く東京国立近代美術館にも所蔵品があり、ご参考までに常設展に出ていた
李禹煥作品「点から」をご紹介しておきます。
(常設展では申し出れば撮影OKでした)

キャンバスに絵の具を筆で置いていっただけ、と言ってもいいような手法で描かれています。
絵の具が次第にかすれていく様子にリズム感があり、それがおもしろいです。


東京国立近代美術館所蔵 李禹煥作品 「点から」



この後、地中美術館へ向かいました。
続きはまた後日に。


☆瀬戸内国際芸術祭2010の公式サイトはこちら

☆ベネッセアートサイト直島の公式サイトはこちら

最近よく聴くCD「The Melody At Night, With You」&「Sound Of GANTZ」

キース・ジャレットのピアノソロCD「The Melody At Night, With You」



キース・ジャレットのピアノソロCD「The Melody At Night, With You」

TVやラジオをつけても聞こえてくるのが地震や原発事故関連のニュースばかりなので、
CDをかけていることが多いのですが、このところ毎日繰り返し聴いているのがこのCDです。


このCDを知ったのは自動人形師ムットーニこと武藤政彦氏の個展で作品WING ELEMENT−ANGEL 
に使われている曲がキース・ジャレットの「Be My Love」と分かってからでした。
この曲が収録されいるのが、このCDです。

ジャズ・ピアニストのキース・ジャレットは好きで去年は日本公演があったので、
初めて生の演奏を聴くことができました。
(これは3年ぶりの日本公演だったそうです)
彼の曲と言えばCD「ケルン・コンサート」ぐらいしか知らなかったので去年の
コンサートはもちろん、この「The Melody At Night, With You」も新鮮な驚きでした。
どちらもとてもすばらしかったです。
(去年のコンサートの感想はこちらにまとめてます)

収録されている曲は総べてスタンダード曲ばかりだそうで、確かにどこかで
聴いたことのある曲が多い。
静かで聴いているととても心が安まります。
名盤の評判高いCDと後から知りました。

各曲の詳細を知りたかったのですが、CDにはほとんど解説はなく少々がっかり。
詳しく解説してる方がいるかも知れませんが、なかなかそれらしいサイトも見つからず
もどかしい思いをしていました。



特に知りたいのは一番好きな曲「Be My Love」のこと。
最近やっとミュージカル映画「The Toast of New Orleans(ニューオーリンズの美女)」
の中の曲だと分かりました。
しかしこの映画、タイトルは聞いたことあるけれど観たことがない。
詳細を調べようとしてネット上を検索してもほとんどヒットしません。

その代わり映画に出演していた映画俳優マリオ・ランツァの事が少し分かりました。
彼が歌ったBe My Loveは大ヒットし、その後多くの方が歌ってきたのだそうです。

映画の中の一場面なのか、TVの特番映像なのかよく分かりませんが
彼が歌っている映像がYouTubeにありましたので貼り付けておきます。
(YouTube映像は予告無く削除されることがあります)








「Sound Of GANTZ」


最近よく聴くCDには映画「GANTZ」のサウンドトラック「Sound Of GANTZ」もあります。
作曲・編曲は映画・TVドラマの音楽を数多く手がけている川合憲次さん。

「回生」という曲は映画の終盤近くで流れる静かなきれいな曲で、映画が公開されCDが発売
されて間もないのに、TVのドキュメンタリー番組のBGMとして早くも耳にしたことがあります。

繰り返し聴くのは最後に収録されてる「RESURRECTION IN THE GANTZ FIELD-復活-」
ばかりなのですが、これがなんというかオーケストラ(シンセサイザーか?)による音楽空間の
スケールの広さを感じ一口で言うととてもかっこいいのです。

映画のエンディングで流れていた曲で、聴いているとなんだか元気が出てきます。
よし頑張るぞ!!!と言う感じ。
とっても良いです(^^)



<2011-04-02追記>
このところNHKが深夜TVでニュース映像を放送してるとき、バックに流れている音楽が
キース・ジャレットの「ケルンコンサート」であると気がつきました。
ピアノソロアルバムの金字塔ともいわれる音楽で、私も大好きです。



<2011-04-14追記>
最近、「GANTZ」の曲がかっこいいから・・・と、検索してこの記事にたどり着く方が多いとわかりました。
同じ事を思う方が多いのはうれしいのですが、気になるのは曲がネット上にアップされてないかと
探してくる方がいることです。

映画はもちろん、小説や曲やアート作品などは総べて著作権があります。
著作権を持っている方が、多くの人に見てもらいたい聞いてもらいたいからネット上に
アップする、ということはあります。
でも、それ以外の場合まったくの第三者が曲がいいからみんなに聞いて
もらおうとアップしたらそれは著作権の侵害で、完全な犯罪行為になります。
(著作権は作った方の権利を守るための法律で、権利が継続する年数は通常決められています)

だから曲が発表されたばかりの現時点では曲はネット上には絶対ありません。
あったらそれは犯罪行為をしてることになりますから、すぐ削除されるはずですよ。



posted by みどり at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・コンサート・オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

映画「トスカーナの贋作」

映画「トスカーナの贋作」 パンフレット



映画「トスカーナの贋作」@渋谷 ユーロスペース
監督・オリジナル脚本:アッバス・キアロスタミ
出演:ジュリエット・ビノシュ、ウィリアム・シメル、他
映画公式サイトはこちら

3月3日(木)に観に行っています。
チラシを持っていないので冒頭の画像は、パンフレットの画像をのせています。

この日は渋谷Bunkamuraで公開初日の「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」
を観てから、すぐそばのユーロスペースでこの作品を観てきました。
場内は平日の昼間、ということを考慮してもかなりの割合で年配の方が多かったです。



物語の舞台はイタリアのトスカーナ地方。
講演にやってきたウィリアム・シメル演じるイギリス人作家と、ジュリエット・
ビノシュ演じるフランス人で小さな画廊のオーナーが、芸術における真作と贋作に
ついての会話をしつつドライブに出かける。
途中立ち寄った店で「夫婦」と間違われたことから、冗談半分で15年連れ添った
夫婦の振りをし続けるうち、二人の会話は本当の夫婦の会話になっていきます。




イランの映画監督のアッバス・キアロスタミの作品は好きで以前は
よく見ていました。
少年が、友達の家にノートを届けに行く「ともだちのうちはどこ?」や
青年が少女にプロポーズする物語「オリーブの林を抜けて」、
自殺しようとしている中年男が、死後の自分を埋めてくれる人間をさがす
「桜桃の味」は、どれも映画館で複数回観た作品です。
初期の短編も回顧上映の時に、せっせと足を運んだものです。

キアロスタミ監督の作品は、フィクションとノンフィクションの作品が
ありますが、中には震災のあとの様子を撮影しに行った「そして人生はつづく」
のようにノンフィクションとフィクションの境界がやや曖昧な作品もありました。
それがまたいい味わいでもあるのですが。

今回の作品は、監督が祖国イランを離れて初めて撮った作品だそうです。

前半は一組の恋人同士に見えるし、後半は夫婦の振りではなく完全に
夫婦の会話になっています。
この映画の物語世界が前半と後半で、完全に変わったと言っても良いくらいです。
これがキアロスタミ監督が仕掛けた映画のマジック。
これに上手く乗れないと「なんだろ変な映画」になってしまうのだと思います。


二人の会話も前半は真作と贋作の話でしたから、後半は監督から観客にむかって
本当の夫婦とは?と問われているような気がしました。

そもそも私は結婚経験もないから、どうも「夫婦の会話」に乗れきれなかった気がします。
客席がやや年配の方が多いのもなんだか納得です。

今回の映画は全編フィクションではありますが、二人の男女の関係が
前半と後半で変わり、その変わる境界が曖昧なところはキアロスタミ監督の
それまでの作品と似てると感じました。




久し振りに観たジュリエット・ビノシュ。
今回の彼女はこの映画でカンヌ映画祭主演女優賞をとっているそうです。

ずいぶん老けたなあ・・・と言うのが第一印象。
と、言っても私が彼女を観たのは1991年の「ポンヌフの恋人」が
最後なので老けて見えるのも当然と言えば当然でした。
でも観ている間中、気になって気になってしょうがない。
演技なのかこれが素なのか、かなり疲れた感じのオバサンに見えました。


ウィリアム・シメルは初めてみた俳優さん。
年配とはいえなかなか渋いイケメン(^^)
オペラ歌手で映画出演は今回が初めてだそうです。
ベテランの俳優さんかと思ったのですが、それくらい落ちついた良い感じのする
中年男性作家演じていました。




posted by みどり at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月24日

映画「ヒアアフター」

映画「ヒアアフター」


映画「ヒアアフター」@MOVIX亀有
監督:クリント・イーストウッド
出演:マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、他


3月2日(水)に観に行っています。

物語はまったく別の場所にいて、まったく縁のない3人のことが描かれ、
終盤に向けゆっくりと3人の人生が交差してゆく。
その様子を丁重に描いて見せてゆきます。

バリ。
旅行に来ていたジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)が
大津波に飲み込まれるが九死に一生を得る。

サンフランシスコ。
かつては死者の声を聴き、霊能者として活躍していたジョージ(マッド・デイモン)
自分の霊能力が以前より落ちたと感じ、今は静かに暮らしたいと思っている。

ロンドン。
交通事故で双子の兄を亡くした少年のマーカス。
保護者としてふさわしくない、と母から話され里親のもとに送られるが・・・。


全く接点のない3人が、どこで結びついていくのか?と興味津々でした。
冒頭の津波以外は、大きな事故もないし、静かな映画だったと思います。



観に行く前は、マッド・デイモン演じるジョージが主人公かな、と思って
いたのですが観てみるとそういう訳ではありませんでした。

3人のことが同時並行で描かれていくので、誰を気にして見たらいいのか最初は
少し戸惑いました。
誰が主人公になっても話は成立するし、こういう見せ方もおもしろい、と思いました。

が、やはりもうすこし視点を絞って見せてくれた方がわかりやすかったです。
私がこういう見せ方に慣れてないだけなんでしょう。
こう書いてしまうのは恥ずかしいのですが、観ていて焦点が絞れない分なんだか
私にはピンとこない映画でしたm(__)m



ところでこの作品、冒頭で大津波に人々が飲み込まれ、押し流されるシーンがあるせいか
3月11日の東北関東大震災の後、公開が中止になりました。
映画の公式サイトも閉鎖になってしまったので、せめて予告編の動画を貼り付けようかと、
思ったのですが、改めて観たらあまりにも「モロ」なのでそれも止めることにしますm(__)m
これでは公開中止もやむを得ないと感じました。

この映画を最初に観たときは平然と観てしまったのですが、大震災の後の今この映画の
予告編動画で問題のシーンを観たら思わずゾッとしました。
私たち人間は平穏無事にのんきに暮らしていると、どんどん感覚が鈍ってくるのだなと
こんなところで気がつくとは・・・(x_x)



posted by みどり at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月23日

「中島潔展 風の画家40年の軌跡」/「柳澤裕貴展」

「中島潔展 風の画家40年の軌跡」


京都清水寺成就院襖絵奉納記念
「中島潔展 風の画家40年の軌跡」@松屋銀座 8階大催場
3月16日〜3月28日まで
展覧会サイトはこちら
中島潔さん公式サイトはこちら


3月22日(火)観に行ってきました。
愛らしい子ども達をモチーフに、どこか懐かしい情景の作品を描き続けている
中島潔(1943年〜)さんの展覧会です。

NHKが中島さんのことを紹介した番組を放送していたのを、全く気がつかず
先日、たまたまTVをつけたとき番組の最後の方だけ見ることができました。
どうも私が観たのは再放送だったようです。
中島さんは去年肺ガンの手術をされて、今は療養中の身で作品を描いているそうです。

改めて会場の作品を眺めると、どの作品も子ども達や、女性達の髪や着物が風に
なびいていて「風の画家」と言われる由縁もわかります。



展覧会の副題にあるように、中島さんは京都清水寺の成就院の襖絵を5年の
歳月をかけて完成させそうですが、これを手がけることになったのは自ら申し出て
実現したのだそうで、このことは今回展覧会を観に行ってはじめて知りました。



会場入ってすぐ位の所に、最初期(たしか1975年)のモノクロの作品がありました。
中島さんの作品は色彩豊かな物しか、観たことがなかったのでこれは私にとっては
新鮮な出会いでした。

会場内にはもちろん今までの作品、そして奉納された襖絵も展示も。
細かく描き込まれた中島さんの作品の多くは、かわいらしいこどもたちが
描かれていますが、1点、老人がたたずんでいる作品がありました。
この老人の横顔が憂いを秘めた感じで、なんとも言えない良い味わいがありました。
こう言うのをみると、中島さんが描く男性の絵をもっとみたくなるのですが
あまり無いようです。

中島さんの絵は、今まで軽い感じがしていたので襖絵にはどうなんだろう?と思って
いましたが、展示されている襖絵をみるとそれまでの作品と絵の具の塗り方、盛り上げ方が
全然ちがうと感じました。
繊細な部分が多いですが、部分によっては塗り方がかなり大胆。
迫力がありました。


襖絵は子ども達と紫陽花を描いた初夏の風景を描いた物、さらにはひまわりと
子ども達を描いた夏の風景、赤い紅葉が描かれた秋、鰯の群れが描かれたもの、
かぐや姫を描いた部分など、ありました。
(襖絵はレプリカではなく、本物が展示されています!)




この後、少し足を伸ばしてギャラリー椿の「柳澤裕貴展」も観てきました
こちらは3月9日〜23日まで。
展覧会公式サイトはこちら
「柳澤裕貴展」



木もれ日が揺らめいて、観ていてるとああいいなあこの風景・・・と感じる作品
ばかりでした。




そして2月に観に行って書きそびれていた展覧会のことを。
第5回グラスアートコンクール 受賞作品展@有楽町 交通会館ゴールドサロン
2月17日〜2月19日 (終了してます)

2月18日(金)に観に行っています。
カラーフィルムを切って貼り、ステンドグラスのような作品に仕上げるグラスアート。
グラスアートインストラクターをしている友人が入選したので、もちろん
観に行ってきました。
装飾的な作品が多い中、友人の作品はとても絵画的でした。
並ぶ作品を観ていると、自分でも作ってみたくなる作品展でした。





大地震の後、東京・銀座には今回始めて来ました。
日比谷の東京宝塚劇場へ行って、観に行かれなかった公演のチケットの払い戻しを
してもらい、家電量販店のビックカメラをちょっとのぞいてから松屋銀座、
ギャラリー椿、INAXギャラリー(こちらの感想は省略)をまわってきました。

いつもと変わらぬ銀座の風景。
でも街を歩く人の数も、デパートの中のお客さんの数も心なし少ないようでした。

銀座4丁目の「和光」のショウウィンドウは人気の撮影スポット。
やはりきれいなので私も撮ってきました。


2011年3月22日の銀座和光




posted by みどり at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月22日

第631回無声映画鑑賞会

第631回無声映画鑑賞会@門仲天井ホール
マツダ映画社(=無声映画鑑賞会)公式サイトはこちら

2月25日(金)に観に行っています。
細かいことは忘れてしまいましたので今回は観てきた、という記録のみですm(__)m


「興四郎大事を口外す」 制作年代等詳細不明(1908〜1912年?) エム・パテー作品
解説:片岡一郎

4,5分くらいの作品
約100年も前の映像作品が観られる。
それだけでも貴重な機会に出会えたのが、楽しいです。



「小楠公とその母」 昭和11年(1936年)日本合同映画社作品
監督:中川紫郎 
伍東宏郎の説明サウンド版

東京国立近代美術館フィルムセンターの協力により、ニュー・プリントに
復元され、復元後初めての上映となったそうです。
確かに、古い作品なのにとてもきれいな映像でした。



「中山七里」昭和5年(1930年)マキノ御室撮影所作品
監督:並木鏡太郎
説明・弁士:澤登翠


時代劇。
主役の澤村國太郎さんは、長門裕之さんと津川雅彦さんのお父さんだそうです。
posted by みどり at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月21日

宇野亞喜良がコンタクトした異能のアーティストたち「AQUIRAX CONTACT」展

宇野亞喜良がコンタクトした異能のアーティストたち


宇野亞喜良がコンタクトした異能のアーティストたち
「AQUIRAX CONTACT」展@東京 ビリケンギャラリー
展覧会公式サイトはこちら


3月19日(土)に観に行っています。
南青山にあるビリケンギャラリー、今回初めて行ってきました。
前期と後期に別れていろいろな作家さん達の作品が登場する展覧会です。

前期 3月1日〜3月12日
岩崎永人 宇野亞喜良  四谷シモン 他  

後期 3月15日〜3月27日
天野天街  宇野亞喜良  桑原弘明 櫻田宗久 、他

ギャラリーの方のお話によると、今回の展覧会はイラストレーターの宇野亞喜良氏が好きな作品、
を手がけるアーティストさんに声をかけて、集まっていただいたのだそうです。
なので、宇野亞喜良氏も初めてお会いしたアーティストさんもいるのだとか。
大ベテランもいれば若手の方もいて、宇野さんの興味の範囲の広さも垣間見ることができます。


私はscope作品を作られる桑原弘明氏の作品が観たくて今回でかけました。
桑原氏の作品は1994年の「密の色」というオブジェ作品で、旧作とはいえ初めて観る作品でした。
アクリルケースが被せられていたのですが、ギャラリーの方のご厚意でカバーを
外して間近に見せていただけました。
手のひらにのるくらいの大きさの丸いケースの中に、ほおずきの葉脈だけ残した物があり、
その中にさらに何かが入っている(正体不明)
「密の色」というタイトルの由来はなんなのだろう?


宇野亞喜良さんは、少女のイラストが1点。


天野天街(あまのてんがい)さんの作品はイラストが2点。
私の頭の中では、天野さんは劇団「少年王者舘」を主催されてる劇作家で演出家さん。
(少年王者舘の公式サイトはこちら
公演のチラシもご自身で手がけていて、そのレトロな味わいのコラージュは
結構好きでいつもそのチラシは保管しているくらいでした。
今回はそんな味わいとはまったく異なる、ドローイングの作品が2点ありました。

絵画やオブジェなど小さなアート作品ばかりですが、いろいろな作家さんが参加してますし
お値段もわりと手頃。
気に入ったら購入も気軽にできる(2.3万円〜)品も多いので、一度観にいらしては?
と、言いたくなるような展覧会でした。

四谷シモンさんの展示は前期だけで、イラスト作品が出ていたそうです。
私は人形作家四谷シモンさんのサインが入った本「四谷シモン人形日記」を買って
しまいましたf(^―^;

「四谷シモン人形日記」



<2011-03-25追記>
会期が4月10日まで延長になったそうです!

posted by みどり at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月20日

「ろくでなし啄木」

「ろくでなし啄木」


2月に観ている演劇の感想を書きぞびれていました。
今回は観てから日もたっているので、簡単に書き留めておきます。


「ろくでなし啄木」@天王洲 銀河劇場
作・演出:三谷幸喜
出演;藤原竜也、中村勘太郎、吹石一恵



2月24日(木)に3階A席で観ています。
出演者はたった3人ですが、おもしろかったです。
ただ会場がひろい銀河劇場なので、この公演ならもう少し小さい劇場で観たかったな
と感じました。
銀河劇場はミュージカルには良いと思うのですが、ストレートプレイでは
広い空間が気になる劇場です。


トミ(吹石一恵)とテツ(中村勘太郎)が数年ぶりで出会い
昔を回想することから、物語がはじまります。

舞台は東北の温泉場。
石川(藤原竜也)とトミ、そして石川の友人のテツが宿の部屋で
くつろいでいる。
石川はテツに借金をしている身。
石川は、トミにテツの気を引いて二人でからかおうと提案するが
テツがすっかりその気になってもトミを助けに行かずそのまま
二人は深い仲になってしまい・・・・と、いう展開で進みます。

前半はごく客観的に女一人、男二人の愛憎劇を見せていくのですが
後半になると同じ話を、それぞれの人物から視点を変えて見せていきます。
偶然かと思っていたことが、じつは石川の策略であったことがわかる展開。
つまり同じ話を、観客は何度も観ることになるのです。
最初は表から観た話を、後半は裏からも横からも見せていく感じです。

それでも飽きることなく、引き込まれて観てしまいました。
これはやはり三谷さんの作劇と演出のうまさと感じました。


藤原竜也さん演じる石川啄木はかなりずるがしこい人物なので、啄木ファンの方が
観たら怒るかもしれないお話です。
吹石さん演じるトミはかわいらしいし、中村勘太郎さん演じるテツはお人好しの好人物。

欲をいうと、先日観た同じ三谷氏の作品「国民の映画」と比べてしまうとかなり
軽い味わいの公演。
でも出演者はたった3人なのに内容豊かな舞台だったと思いました。

posted by みどり at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする