2010年03月20日

ムットーニ(武藤政彦)氏作 オルゴール「ON THE LOOP」

ムットーニ氏 オルゴール「ON THE LOOP」その1



2009年11月28日〜12月26日まで名古屋KENJI TAKI GALLERYで通称自動人形師ムットーニ、
本名武藤政彦さん展覧会「ムットーニ展 TIME TRIANGLE 」が開催されました。

千葉県民の私ですが、展覧会見たさに12月19日(土)名古屋まで足を運びました。
名古屋ケンジタキギャラリーでの展覧会サイトはこちらです。
観に行ったときの、展覧会の感想はこちらにまとめています。

19日は会期の途中ですが、新作オルゴールの「ON THE LOOP」が登場しました。
(新作が出ると知ったのは、この日に行くと決めた後でした)

2009年に八王子市夢美術館で開催された「ムットーニワールド からくりシアター展」で
初登場した大型作品「INTERMEZZO (インターメッツォ)」がありますが、大好きな作品です。
歌劇「カバレリア・ルスティカーナ」のインターメッツォ(間奏曲)のメロディと共に動くこの作品
去年福井県の「金津創作の森」で開催されたムットーニシアター展のサイトに画像があります
ので、リンク先をご覧下さい。

小型の「ON THE LOOP」は「インターメッツォ」のミニチュア版にも見える作品。
とにかく一目見て、その美しさにクラクラッと一目惚れ。
そして思いがけないことにこの作品とのご縁まででき2010年1月半ばに、
ヴィーナスを我が家にお迎えすることができました。

大きさは、 20x23.5 cm 高さ41.5cm
オルゴールの音楽は、パッヘルベルの「カノン」です。
実は展覧会場で、この作品を観ていたときは何度聞いてもメロディラインがつかめず
曲名が分からなかったのですが、我が家で聞いたときは1回で分かりました。

ヴィーナスはオルゴール音と共にゆっくりと回転しながら上下し、約1分50秒で動きは一巡します。
(ムットーニ氏の小型のオルゴール作品で人形が回転するのはあっても、上下に動くのは珍しいきがします。
少なくとも私は今まで観た記憶がありません)


ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その2


ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その3


ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その4


ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その5


ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その9




さらにヴィーナスの足下にミラーボールの半球があるので、部屋を暗くしてやや斜めから
作品観てスイッチを入れると部屋の中にも光がクルクルと放たれていることがわかります。
(残念ながら作品を真正面から見てしまうと、光は鑑賞者の後ろにのみ放たれているので
このことに気がつかない)

ところで現在、家では作品保護のため透明のアクリルケースをかぶせていますが、この
ケースを取らずに被ったまま作品を作動させると光がケースの中で反射するので、本来
光の届かない作品上部、後にも光が回り込んでさらにきれいだとわかりました。
なので最近は、もっぱらケースをかぶせたままで鑑賞しています。

どの方向から観てもヴィーナスは美しいです。

ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その6

ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その7





観ていただいてありがとうございました。


ムットーニ(武藤政彦)氏 オルゴール「ON THE LOOP」その8




ご参考までに、リンク先はYouTubeにあったパッヘルベルのカノンです。


posted by みどり at 02:08| Comment(6) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月19日

野田秀樹芸術監督就任記念プログラム「農業少女」

野田秀樹芸術監督就任記念プログラム「農業少女」



野田秀樹芸術監督就任記念プログラム「農業少女」@東京芸術劇場  小ホール
作:野田秀樹
演出:松尾スズキ
出演:山崎一、吹越満、多部未華子、江本純子


3月11日(木)に観に行っています。
行ってびっくり、私の席は最前列ど真ん中でした。

「農業少女」の初演は2000年で、今回は再演。
初演版は観ていないので、前回公演とは比較できないのですが今回の公演
わかりやすくおもしろかったです。

恥ずかしながら野田さんの演劇作品は、私にはよく分からない部分が多いです。
正確に言うと、私が観て感じたことと、他の方の感想とはかなり違う。
そうなると、私は見方が浅いのか?と思ってしまいますが、良いように解釈すると
野田さんの物語は観る人によって、みな人それぞれに受け取り方が違うような気がするのです。
と、いうことで感想書きます。

<あらすじ>
農家の15歳の少女・百子(多部未華子)は農業を嫌い、東京に憧れ列車に乗る。
そこで知り合った中年の毒草学者の山本(山崎一)は彼女を一目で気に入り、つい東京行きの
切符代を出してしまう。
東京に出ても行くところのない百子は、東京の山崎の家に勝手に押しかけ居候。
一応、彼女の身元引受人になった山本は、彼女の行動がいつもきになる。
毒草探しの為、家を空けがちの山本。
その間、いろんなボランティア活動に熱中する百子。
怪しげな集団の指導者で、百子が憧れているのは都罪(つつみ、吹越満)
やがて百子は自分から高校に行くと言い出し、クラブ活動で食べれば便のにおいがきえる「農業少女」
という銘柄の米を開発する。
不登校の少女が開発した「米」だと言うことを大々的に宣伝する都罪。
米の予約が殺到するが、素人がそんなに大量生産など出来ない。
なんとかしようとする百子は都罪に相談するが、彼は人気を集めて自分は政治家になろうと
していただけだった。
故郷の農家に戻って行った百子は・・・。








山崎さん演じる中年の山本は、いつも必死だ。
いわゆる中年男性のスケベ心からではない。
百子のやっていることを総べて受け入れ、でも彼女を独占したいと思っている。
そして彼女の身がとても心配だから、ストーカーまがいのことまでやってしまう。
当然、百子にはうっとうしがれる。
山崎さんの山本は、百子振り回されてきりきり舞いしてるようすが直に伝わってくるので
こっちもハラハラしてきます。
山崎さん演じる山本の必死になっているその目がなんだか怖いくらいでした。


百子は山本の好意を極力利用するが、悪いとはまったく思ってない。
そして自分の知らない世界を見せてくれる都罪に憧れるがその、都罪にもやがて
裏切られてしまう。

物語はナボコフ作「ロリータ」の野田版にも見えるけれど、「ロリータ」とやや違うのは
物語の後半で百子は百子なりにかなり悩んでいるというところでしょうか。
(「ロリータ」は美少女ロリータに翻弄され、破滅する中年男性の物語)
あと都罪というもう一人、重要な中年男性も登場してるし。
山本は百子に翻弄され、百子は都罪に翻弄されている。

ほしい物は簡単には手に入らない、ということか。
こんな感想は簡単すぎますねf(^ー^;



初演版では山本役を野田秀樹さんが、都罪役を松尾スズキさんが演じたそうです。
今回は松尾さんの演出で、初演版とはたいぶ感じが違っているらしい。
よりわかりやすくなっているようです。

多部未華子さんは21歳だそうですが、15歳の百子を演じてもまったく違和感がありません。
百子のかわいさと、時折みせるしたたかさ。
若いけど、なかなか演技力のある方だと思いました。

吹越さんや、江本さんはいろんな役で登場してくるのでかなり忙しいけど、こちらも
かろやかで見事だなと感じました。
江本さんは劇団「毛皮族」で有名な方ですが、私は今回初めて観た方です。



舞台上ではモニターがあり、時折山崎一さんが10年くらい前に出演したTVCMも流れ
たりして、なかなか懐かしかったです。

冒頭部分がちょっとおもしろかった(何だったか忘れましたが)ので、思わず吹き出して
しまったら笑ったのが私だけで吹越さんから「今いきなりウフッと笑った方、たいじょぶですか」と
つっこまれてしまいました(^_^;

さらに吹越さん演じる人物が、物語の中で出てくる「都市党」のチラシの端をちぎって
演説する場面があるのですがその直後、吹越さんが舞台の上からそのチラシを私の方に
差し出すではありませんか。
え、なに?もらっていいの??
手を出したら引っ込められるんじゃないの?
と、頭の中がしばし「???」でグルグル状態。
それでも吹越さんが、早く取ってよと言わんばかりにずっとこちらにチラシを差し出したままなのでやっと素直に受けとりました。
下の画像がその時の、舞台小道具のチラシです。

記念に取っておくことにしました(^^)

野田秀樹芸術監督就任記念プログラム「農業少女」の舞台小道具 「都市党」チラシ



posted by みどり at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

御名残三月大歌舞伎 第二部・第三部 

御名残三月大歌舞伎 第二部・第三部 


御名残三月大歌舞伎 第二部・第三部 @東京 歌舞伎座


冒頭の画像は三月公演のパンフレット表紙です。

御名残三月大歌舞伎 第二部 @東京 歌舞伎座
「菅原伝授手習鑑 筆法伝授」「弁天娘女男白波」


3月4日(木)に3階B席で観に行っています。
三月の歌舞伎公演は菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)が三部とも公演が
あり、1部から2部3部と見ていくと物語順に見ることになって分かりやすいのですが
私は観に行かれる日の関係でチケットをとったので、3,2,1部と逆にみることになりました。

「菅原伝授手習鑑 筆法伝授(ひっぽうでんじゅ)」
「筆法伝習」は初めて観ました。

<あらすじ>
筆道の大家である菅原道真=菅丞相(片岡仁左衛門)が、筆法の伝授の準備を進めている。
弟子の古株の左中弁希世は、伝授されるのは自分であると思いこんでいるが彼は
技術が無いし品行も悪い。
屋敷に呼び出しを受けてやって来たのは以前、この屋敷を勘当された源蔵(中村梅玉)夫婦。
源蔵の清書を見た菅丞相は、彼に神道秘文の一巻を伝授。
そんな時、菅丞相は帝への謀反の濡れ衣を着せられて捕らえられ、流罪となってしまう。
このままではお家断絶なので、源蔵夫婦は菅丞相の幼い若君を密かに連れだし逃げていく。

「菅原伝授手習鑑」の物語の初めの方になるのだそうで、これをみると「菅原伝授手習鑑」
というタイトルの意味が、初めてよく分かりました。
「菅原伝授手習鑑」というと上演やTVの舞台中継も圧倒的に四段目の「寺子屋」が多い。
「筆法伝授」は四段目への大きな伏線になっているので、私も今まで曖昧だった部分が
これではっきり分かったので、やっとすっきりしました。

中村東蔵さん演じる左中弁希世は、品行悪いし主人には寝返るししょうもない人物ですが
コミカルで人間くさく、どこか憎めないキャラクターだなと感じます。


「弁天娘女男白波(べんてんむすめめおのしらなみ)」
全五幕構成の「白波五人男」の内、「浜松屋店先」と「稲瀬川勢揃い」の場面を上演する
時の外題が「弁天娘女男白波」とするんだとか。
女装した泥棒の弁天小僧菊之助(尾上菊五郎)の女から、男への変貌ぶりが楽しめる
「浜松屋店先」
五人の大泥棒達が勢揃いして見せ場を作る「稲瀬川勢揃い」。
七五調のセリフが延々続くのはなかなか気持ちが良いです。

おいしい場面だけつまみ食いするような二場面でした。



御名残三月大歌舞伎 第三部
「加茂堤」「桜門五三桐」「女暫」

こちらは3月8日(月)に3階B席で観に行っています。
感想はごくごく簡単にさせていただきますf(^―^;

「加茂堤(かもづつみ)」は菅原伝授手習鑑の物語の発端にもなっている場面。
菅丞相の養女の苅屋姫と帝の醍醐天皇の弟、斎世親王がこっそり逢い引きを
するが、親王の行方を捜す者から逃れるため二人は行方知らず。
このことが後で菅丞相が流罪になる原因となってしまうというわけ。
冒頭の桜の咲く牧歌的場面、後半の雲行きの怪しくなってくる場面、この二つの
対比がおもしろい構成だと思います。

「桜門五三桐(さんもんごさんのきり)」
これは長編物語のほんの一場面。
場面は桜の咲く南禅寺の豪華絢爛な山門。
大泥棒石川五右衛門と、五右衛門の養い親の仇である真柴久吉が対決するばめん。
二人が登場してセリフを言い合うだけで、この場面はおしまいで時間も約15分と拍子抜けするくらい。
こちらもきれいでおいしい場面だけつまみ食い、の上演ですね(^_^;


「女暫(おんなしばらく)」
悪人達が善人方の首をはねようとするところで「暫く!」と声をかけて止め、勇者登場
というのが、歌舞伎の「暫」
通常男性が演じるこの勇者を、女形が演じる巴御前で登場するのが「女暫」
今回巴御前は名女形の坂東玉三郎さん。
気の強くてたくましい巴御前。でも時折女らしく恥じらいも見せるというのが楽しいところでした(^^)

巴御前は花道から登場するのですが、三階席から花道は全く見えないので巴御前の最初の勇姿が見えないのが残念。





ところで3月15日は歌舞伎座の4月公演チケット一般発売日。
歌舞伎公演チケットは「ぴあ」や「イープラス」での割り当て分はかなり少なくすぐ完売のため、
私はいつも携帯電話から松竹のWEBサイトで予約しています。

現、歌舞伎座での歌舞伎公演も4月が最後となるので、この公演は3部とも
観たかったのですが、この日は10時の発売開始から全然アクセスできない(T.T)
仕事中だから、トイレに行くふりでもしないと携帯電話を使えないから、かけ続けることが
出来きないし、午前中はまるでつながらない。
こんなにつながらなかった事初めてです。
予約殺到してると言うことなのか。
やっとアクセスできたのは午後1時過ぎで、既に第三部目(実録先代萩・助六由縁江戸桜)は
全日程完売になっていました(T.T)
いちばん観たかったのは第二部の藤娘だったので、まあいいのですがやはりちょっと残念です。

4月公演は1,2部を観てきます。
3部は当日券の一幕見席に初めて挑戦・・・・するかもしれません。


posted by みどり at 07:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

「ルノワール 伝統と革新」展

「ルノワール 伝統と革新」展


「ルノワール 伝統と革新」展@国立新美術館
1月20日〜4月5日まで
展覧会公式サイトはこちら


3月8日(月)に観に行っています。
ルノワールのフワフワした絵はちょっと苦手なので、当初はパスしようと思っていました。
気が変わったのは、やはり食わず嫌いはイカンと思ったからです。
月曜日は美術館は休みと思ってる方が多いし、幸いこの日は仕事も休み。
混んでそうだけど、この日はもしかして穴場かなと思い行ってきました。
しかし、さすがに人気のルノワール。混んでいました。


ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)
今回の展示はボストン美術館や、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、
オルセー美術館などから作品を集めたそうで、作品数も約80点と多く見応えの
ある回顧展となっています。


会場は作品をわかりやすく4種類に分けて紹介されていました。

第T章 ルノワールへの旅
ルノワールが知人を描いた人物画、彼が訪れた先の風景画、おそらく誰でも
(私でさえ)わりと取っつきやすい作品がならびます。
彼の交友関係なども垣間見えてくるルノワール序章。

第U章 身体表現
女性像、裸婦像、その表現方法を探っていったと思われる作品群が並びます。

第V章 花と装飾画
ルノワールが描いた花の静物画というのは今回初めて見ました。
依頼され、壁を飾るための装飾画というのもしかり。

花が入った花瓶をバックに、針仕事をしている女性の絵「縫い物をする若い女」は
日常のさりげない情景でありながら、とても華やか。
陽の光の差し込むかるい室内と、花瓶の花がきれいです。

このエリアは壁に壁紙風の物が張られ、そこに作品が展示されているのでなんとか
「室内の展示」の雰囲気を出そうとしていることに、好感がもてました。

ルノワールというと女性像がまず頭に浮かびますが、今回の展覧会でのこの
パートがなかなか珍しいと思います。見応えがありました。
ここばおもしろいし、気に入りました。


第W章  ファッションとロココの伝統
今回初めて知りましたが、ルノワールの両親は仕立て職人だったそうです。
そのため彼は子どもの頃からファッションには、人一倍敏感だったようです。
白いレースたっぷりの帽子を被った女性像を見たとき。
ルノワール苦手、とは言いつつもこの絵はきれいと感じました。




ルノワールの初期の頃の作品は後期の作品とはちがって堅さを感じます。
デッサンもしっかりした人物像はきれいだけと、ややおもしろみに欠ける。
やはりいわゆるルノワールのあの画風がいいのでしょう。

最新の光学調査による作品の分析もおもしろいです。
それによって分かってくるのは、作品の人物の輪郭を描き直したり、色の塗り直しを
何度もしていること。
さらにおもしろいのは若い頃は、試行錯誤を多くしてるらしいのに晩年になると、
描き直しをほとんどしてないということ。
描き直すのはめんどくさいということもあるのかも知れませんが、若い頃に比べると
自分の技法に自信が持てて、一気に描いているらしい・・・というらしいです。


私にとっては、苦手の作家さんの作品をこれだけまとめてみるのは結構しんどいことでも
ある、ということもよく分かりましたm(__)m
つまりルノワール好きの方なら、とても見応えのある展覧会だと思います。



posted by みどり at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

映画「コララインとボタンの魔女 3D」日本語吹き替え版

映画「コララインとボタンの魔女」


映画「コララインとボタンの魔女 3D」日本語吹き替え版@MOVIX亀有
監督・脚本:ヘンリー・セリック  原作:ニール・ゲイマン著「コララインとボタンの魔女」
音楽:ブリュノ・クレール  コンセプト・アート:上杉忠広
映画公式サイトはこちら
上杉忠広さんの公式サイトはこちら



3月7日(日)に観に行っています。
人形を少し動かしては撮影、これを繰り返すことで動いて見えるという手法で作られたストップモーションアニメ作品です。
作るにはとにかく限りなく根気と時間が必要な映画ですが、こういう手間暇がかかっている物が私は大好きです。
製作してる側の、手のぬくもりまで感じられるせいでしょうか。

<あらすじ>
新しい家に引っ越してきた11歳の少女コララインは、ママもパパも仕事に忙しくてちっともかまって
くれないのが不満。
新しい家で見つけたドアの向こうに不思議な世界を見つけたコラライン。
そこでは猫が人間の言葉を話し、ママは優しいし、おいしい料理を作ってくれるし、パパは
ピアノを弾いてくれる、願い事が何でも叶うコララインの理想の世界。
でもここの世界の人々はなぜか目がボタンになっている。
何度もこの世界に通ううちにボタンの目のママは、コララインに「この世界の子になるといい」と
言い出す。
でもここにいるためには目をボタンにする、という条件がある。
ボタンの目のママは実は魔女で、子どもが好きそうな物を見せてこちらのつれて来ては
その魂を食べていたのだった。
コララインはあわてて現実の世界に逃げるが、すでに本物のママとパパはどこかに消えて
しまっていた。
両親を助けるため、そして魔女に魂を食べられて天国に行けない三人の子ども達の幽霊のため
魔女に立ち向かうコララインですが・・・・。



おもしろかったです。
ストップモーションアニメであることを忘れるくらいに、なめらかな動きをみせる
アニメーション技術にまず感心します。

そしてそこに作られた世界の美しいこと。
3D映画なので、映画館では特別のメガネをかけての鑑賞になります。
私は現在右目が悪く、実質左目だけでしか物を見てない(見えてない)ので残念ながら3D(=立体)になりません(T.T)
3Dで観たら、とっても迫力がある映像なんだと思います。
今回は3Dには見えなかったけれど、それでもこのアニメはおもしろかったです。

どの場面もきれいですが、特に印象に残ったのはだコララインと黒猫が魔女の作った世界を歩いていると、
途中からその世界がパウル・クレーの絵画の中のように簡素化された線だけになり、やがて真っ白になるところ。
それは魔女が途中までしか世界を作ってないから、ということなのですがなかなかきれいでした。

もう一つはコララインが歩く、桜(別の花かも)の並木道。
桜の花がフワッと見えてきれいだなと思ったのですが、実はこの花、ポップコーンに色つけした物なんだとか。
特殊素材でも使ってるのかと思ったら、ごく身近な物をつかっていることにちょっとびっくりです。
見せる技術とは、難しい技法を駆使するだけではなくアイデアも大事なのですね。



コララインははじめ明るく楽しい理想の世界で楽しむが、やがて不気味で怖い世界へ否応なく連れ込まれてしまう。
観ているこちらも彼女と同じ目線で観てるので、同じ感覚を味わうことになります。
観客はコララインと一緒に冒険を楽しめるということです。

ブリュノ・クレールさんの音楽もどこの国とも特定できないような感覚のちょっと不思議なメロディで、これも
この物語には合っていたと思います。


それにしてもコララインは強くてたくましい。
このアニメには男の子も登場するけど、彼よりよっぽどたくましい。
夜中だって一人で外を歩けてしまうし、胸を張り、背筋をピンとして魔女と立ち向かえる。
11歳とは思えない女の子です。
でも子どもがこのアニメをみたら、コララインに憧れるんじゃないだろうか。
そんな風に感じました。


今回は日本語吹き替え版を観ています。
「不思議の世界」では人間の言葉を話す黒猫の声は劇団ひとりさん。
この方、何度もTVで観たり、こうやってアニメの吹き替えの声を聴いたりしますが、そのたびに
印象が違って見えるからこれまた不思議です。
器用な方だなあと感じます。


キャラクターや建物などのデザインを担当したのは、日本に住む日本人のイラストレーター
上杉忠広さん。
上杉さんはこのアニメのデザインで、アニメ界のアカデミー賞とも言われるアニー賞の「美術賞」
を手にしたそうです。
なぜアメリカ製のアニメで、日本人のイラストレーターの方が起用されたのか?と思いましたが
上杉さんの作品は約6年前からアメリカのネット掲示板で話題になり、その作風が
「アメリカにいないタイプ」ということから依頼が来たのだそうです。

日本人が世界を舞台に活躍してくれるのは、やはりうれしいですね。


上杉さんて、7,8年前だったかNHKラジオの英語番組テキストの表紙イラスト描いていた方
じゃなかったろうか???
そうだとしたら東京・神田のとっても小さな画廊で個展があったとき、テキストにも個展開催のお知らせが
載っていたので観に行った覚えがあるのです。
どうも曖昧な記憶で違っていたら、ごめんなさい。
posted by みどり at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月10日

御名残三月大歌舞伎「菅原伝授手習鑑 道明寺」「文珠菩薩花石橋 石橋」

2010年2月22日の歌舞伎座


御名残三月大歌舞伎 第三部 @東京 歌舞伎座
「菅原伝授手習鑑 道明寺」 「文珠菩薩花石橋 石橋」


いよいよ現、歌舞伎座での歌舞伎公演も3月、4月だけとなりました。
通常は昼・夜の2部公演ですが2ヶ月間は三部公演となっています。
冒頭の画像は2月に撮影した歌舞伎座です。


3月3日(水)の夜、3階B席にて観ています。
この日は早番の仕事(朝6時半には職場に行ってる)を終えてから歌舞伎座に向かっているので、
かなり眠気がありまして、せっかく行ったのに惜しいことをしました・・・f(^―^;
なので、感想らしいことがあまり書けませんm(__)m
観てきたことの、覚え書きになります。


「菅原伝授手習鑑 道明寺(すがわらでんじゅてならいかがみ どうみょうじ)」

菅原道真(=菅丞相)は無実の罪を着せられて、流罪になってしまう。
その旅の途中で、菅丞相(片岡仁左衛門)は伯母の覚寿(坂東玉三郎)の館に一時逗留
することになる。
菅丞相の養女の苅屋姫も、ここにやって来る。
そもそも、流罪(=左遷)の原因を作ってしまったのは娘の苅屋姫。
覚寿は苅屋姫が許せず杖で打ちすえるが、折檻を止める菅丞相の声がする。
みるとそこには菅丞相が自ら彫った菅丞相の木像があり・・・と、言う話。

長い物語「菅原伝授手習鑑」の中の一遍になります。
以前はお姫様役が多かった坂東玉三郎さんの演じる、年配の女性覚寿。
気品あり、優しさあり、気丈さもある武家の婦人とい役どころが見所でもありました。


「文珠菩薩花石橋 石橋(しゃっきょう)」
能の「石橋」を元にした舞踊劇。

寂昭法師(松本幸四郎)が石橋の前で、きこりと童子に出会う。
二人が石橋の由来を尋ねるので、法師が説明をし二人に何者かとたずねると
じつは童子は文珠菩薩であり、きこりは菩薩の使いの獅子の精であるとなのり
やがて姿を現すという話。

舞踊がメインなので、華やかな舞台でした。
法師の動きはほとんど無いのですが、好きな松本幸四郎さんも出演なので満足でした(^^)

歌舞伎座は解体されますが、それを記念して解体後の瓦を使った置き時計が限定
300個販売されるそうです。
詳しくはこちらで。
応募多数の場合は抽選だそうですので、興味のある方は記念にいかがでしょうか。



ところで最近、歌舞伎座の株は日本一高額の株券だと知りました。
今日の株価は1株3635円ですが、1000株単位でないと買えないのでつまり
3635円X1000株=363万5千円ということになります。
びっくり!
でも株主は歌舞伎公演の招待の他、解体後の歌舞伎座の「一部」がプレゼントされるらしいです。




posted by みどり at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「味戸ケイコ 安房直子 十七の物語『夢の果て』原画展 」

「味戸ケイコ 安房直子 十七の物語『夢の果て』原画展 」


「味戸ケイコ 安房直子 十七の物語『夢の果て』原画展 」@スパンアートギャラリー
3月6日〜3月20日まで


3月8日(月)に観に行っています。

一時、味戸ケイコさんの絵がかなり好きでした。
もう20年くらい前のこと。
その後私自身、味戸さんのイラストが載るような雑誌も絵本も見無くなったため
味戸さんの絵を目にすることも無くなってしまいました。

久し振りにまとまって目にする味戸ケイコさんの作品。


数十年たっても全然変わらないなと思いました。
普通、作家さんは数十年たてば少しは作風が変わるものなのに味戸さんはまったく
変わっていないのが返って不思議でした。
変わってがっかりすることもあるけれど、全く変わらなくてがっかりすることも
あります。
がっかりしたわけでは無いけれど、多少は変わっていることを期待していました。

暗闇の中で浮かぶ、少女の姿。
大きな瞳はどこか寂しそうな感じもします。
シーンとした静けさを感じますが、その世界は軽く風も吹いているようにみえます。
鉛筆と水彩を使って描かれた味戸さんの作品は、ちょっと触れたら、あるいは強い光が
当たったらすぐにでも絵がフワッと消えてしまいそうな感じがします。

あまりにも淡く、はかない味わいの味戸さんの作品は厳重に保管して、時々そっと取り出しては
眺めたくなるような感じがします。
posted by みどり at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月09日

「合田佐和子展」

「合田佐和子展」 2010年


「合田佐和子展」@ギャラリー椿
3月1日〜3月20日まで
展覧会公式サイトはこちら


3月4日(木)と8日(月)の2回観に行っています。
私にとって合田佐和子(ごうださわこ)さんの絵との出会いは、劇団唐組の
チラシからでした。
猥雑なイメージの強い唐組と、あまりにもかけ離れたモダンでおしゃれな
雰囲気の合田さんのモノトーンのイラスト。
あまりにもギャップがあるのが、返って印象的でした。

ギャラリー椿の会場は、通常二つに分けて別々の展覧会が行われることが
多いのですが、今回は両方を使っての展覧会になっていました。
最新作から、過去の絵画作品、さらにオブジェの展示もあります。

合田さんのオブジェは、私にはどうも意図、意味が理解できませんm(__)m

やはり目を引くのは近年の作品。
外国の映画俳優のポートレートを虹のような独特の色彩で描き出されています。
会場の白い壁は、さらにその作品の彩度を高めているようにも見えました。
合田さんの色彩は、どこかカラフルなフルーツキャンデーを連想します。
お勧めの展覧会です。


ところで8日にギャラリーに行ったら合田さんらしき方が、もう一人の方と熱心にお話をされていました。
ついついそっちに気がいってしまう(^_^;
どうやら何かのインタビューを受けてるようでした。


以下は、合田佐和子さんのイラストによる劇団唐組のチラシです。
このブログで過去に書いた記事に掲載した画像なので、大きさがバラバラですがお許しを。


唐組公演「黒手帳に頬紅を」


jaguarno.jpg



唐組公演「透明人間」

posted by みどり at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かわせみ座公演「Moon Spirits」

かわせみ座公演「Moon Spirits」


かわせみ座公演「Moon Spirits」@池袋シアターグリーン ビッグツリーシアター
作・人形美術・舞台美術:山本由也
演出:山本健翔
音楽:長山善洋
出演:山本由也、益村泉、梶原ゆかこ、飛翠



3月6日(土)の夜の回を観に行っています。

糸操り人形劇団かわせみ座の公演です。
全国をまわり子ども向けの公演を多く行っているかわせみ座ですが、大人の観客も
視野にいれた(と、思われる)公演も年に1,2回行っているのでその時は極力観に
行くようにしています。

今回はそんな新作公演。
山本由也さんがデザインし製作し、操作する人形は、愛らしくて美しく独特の魅力があります。

今回の公演は期待していた以上のものがありました。
全ての演劇公演含めてこんなきれいですばらしい舞台、ここしばらく見たことがありません。
とっても良かったです。

物語はこんな風。
満月の夜の少年の部屋。
この日は月食。
部屋にあるのは大きな球の上に小さな龍のチビリュウ(かわせみ座のキャラクター)がのった月時計。
月が欠けてくると、それは魔法の時間の始まり。
開いたドアの向こうから美しい金魚が泳いでくる。
金魚に導かれるまま、不思議な世界に入っていく少年。
楽しい世界、シュールでグロテスクな世界を金魚と共にめぐる少年。
美しい金魚は、美しい少女に変わり、少女と少年は恋に落ちます。
やがて欠けた月は、元の満月に戻る。
それは二人の別れの時でもあります。




全くセリフのない公演です。
開演前の舞台上にチビリュウが乗った球があり、やがて音楽と共にチビリュウが
動くので単純にオルゴールかと思いました。
説明は無いから、そう思ったところで間違いではないと思うけれど公演当日の配布物を見ると
「月時計」という言葉があるので、ああそうなのかと思いました。

少年を演じるのは飛翠君。
(どうも飛翠君は山本裕也さんのお子さんらしい。山本由也と益村さんはご夫婦だし、飛翠君
の顔はお二人にそっくり)
「人間役」で登場するのはこの子だけで、後は山本さん達が操作する人形達になります。

ドアの向こうから登場する金魚は、まさしく舞台空間を泳ぐように舞うように動きます。
舞台の暗闇に輝くように動く金魚、それはきれいです。

ナマズやカッパと出会って遊ぶ少年。
そのうち尺取り虫やら、巨大ナマズやらも出てきて、少年は腕も足もどんどん食べられて
しまう。
かわいい楽しい世界から、シュールでグロテスクな世界に変わっていくのもまたおもしろい。
金魚は魔法がかかって少女になるのか、あるいはかかっていた魔法が解けて少女に
なったのか。

途中、人間の少年から、山本由也さんが操作する同じ姿の少年の人形に変わってしまうのも
不自然さがありません。
大きさもさほど変わらないせいかもしれません。

金魚が少女に変わって、少年と出会ってからは観ていてなんだかとてもせつなく
なってしまい涙まで出てしまいました。
セリフが無いのに、これだけおもしろいとは。
すごいと思いました

フランスのフィリップ・ジャンティ・カンパニーの「漂流」「命のパレード」もセリフが無く、人間と等身大の人形や
小型の人形を駆使する舞台ですが、あの華麗な舞台にも似たものを感じました。


満月に戻った月光が差し込部屋。
月時計だけが何事も無かったように動き、止まるラストシーン。
すばらしい公演でした。



posted by みどり at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月08日

小倉久寛 ひとり立ち公演 Vol.2 「ウノ!ドス!トレス! おためし企画スマイルツアー」

小倉久寛 ひとり立ち公演 Vol.2 「ウノ!ドス!トレス! おためし企画スマイルツアー」


小倉久寛 ひとり立ち公演 Vol.2
「ウノ!ドス!トレス! おためし企画スマイルツアー」@新宿シアターサンモール
作・演出:小野真一
作品提供:ラサール石井、舘川範雄、森ハヤシ、小峯裕之
出演:小倉久寛、植木豪、麻生かほ里、叶千佳、鈴木敬子、他


2月27日(土)の夜の回を観に行っています。
劇団スーパー・エキセントリックシアターのメンバーで、TVでもおなじみの小倉久寛さん。
その小倉さんが劇団をちょっと離れての「ひとり立ち公演」の第2弾です。
第1弾は2008年で、その時の感想はこちらにまとめています。
前回は小倉さん演じる中年男性が、いろんな仕事に派遣されるという形で展開される
オムニバス形式の公演でした。

今回は旅行代理店に転職した中年男性(小倉さん)が、イケメンの若手社員や女社長と
共に体をはってガンバルというお話。
今回もオムニバス形式。

スーパー・エキセントリックシアターの公演でもダンスシーンはよくあるのですが、ダンスは
若手メンバーにお任せで、古株メンバーである小倉久寛さんや三宅祐司さんはダンスしない(^_^;
しかし今回はフラメンコのプロの先生でもある鈴木敬子さんの客演、ダンス指導もあって
小倉さんは頑張っていました!
動きのキレはいまいちだけど・・・m(__)m


ダンスシーンは見事なのですが肝心のお話の方はちょっと、と言う感じです。
出演の若手男性の知り合いだか、ファンの方がこの日は多く観に来てるのか、
舞台の内容とは関係無いところで客席から笑いが起きるのが、一般の普通の観客から
見るとなんだかしらけるところ。

全体の印象としては、二十歳前後の若手集団の旗揚げ公演をみてるような感じでした。
前回公演の方がおもしろかったです。





posted by みどり at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。