2009年05月31日

映画「スラムドッグ$ミリオネア」

映画「スラムドッグ$ミリオネア」


映画「スラムドッグ$ミリオネア」@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
監督:ダニー・ボイル 音楽:A・R・ラフマーン
脚本:サイモン・ビューフォイ


5月7日(木)に観に行っています。
ポイントがたまっていたのを使ったので、今回タダで鑑賞してきました。

おもしろかったです。この映画はすごい。
見終わったとき、どんなどん底人生にいたって、きっといつしか光り輝く時がある。
とびきりきれいな花咲くときだってある、
人生まんざら捨てたもんじゃない!そう思いました。

お話の展開は単純明快です。

<あらすじ>
舞台はインド。
大人気TV番組の「クイズ$ミリオネア」の生放送中。
今、インド中の人が番組の成り行きに釘付けになっている。
クイズに答えると賞金がもらえるというこの番組で、番組史上最高の場面を向かえようとしていたからだ。
学校にも行ったことのない青年ジャマール(デーヴ・パテル)が、難問を次々解答し
あと一問正解を出せば、番組始まって以来の最高額2000万ルピー(日本円で約4000万円)を獲得できる。
しかし、番組ホストのクマール(アニル・カプール)は実におもしろくない。
ジャマールが正解を出し続けるのは何かトリックがあるに違いない。
そう思ったクマールは警察に連絡をしてしまい、1日目の番組収録が終わった時点で
ジャマールは逮捕されてしまう。
尋問されるがジャマールが不正をしてないし、番組出演の動機を知った警部は
彼に番組に戻ることを許可する。
そして、いよいよ「ファイナルアンサー」
正解を出さなければ、それまで獲得した賞金も無くなってしまう。
はたして彼の運命は?


映画の展開はクイズ番組で、ジャマールが正解を出すたびに、かつての彼がどんな
人生を歩んできたのか、が紹介される形で進行していきます。
彼が正解を出せたのは、彼が天才・秀才だったからでなく彼が経験してきたことが
すべて「答え」になっていたからなのです。
経験から「答え」を知っていた。ほんとに偶然としか言えないけれど
まるで最高に複雑なジグゾーパズルのピースが次々と、はまっていくように彼は
正解をだしてゆく様子には、爽快感があります。

スラムで生まれ育ったジャマールの人生は、それは過酷なものでした。
母は暴動で殺されてしまうし、
日々の食べるものにも困る毎日。
そんな中でも兄のサリームと仲良く暮らしてたし、かわいい女の子の友達ラティカもいた。
幼い3人は途中離ればなれになってしまう。
青年となったジャマールはラティカと再会したくて、番組に出ることでラティカが自分を見つけて
くれるかも、と出演を決意します。

幼い3人の生活が悲惨で、ほんとに今でもインドはこんな事が起きてるのか?
と思ってしまいます。
が、現実はほんとにかなりひどいようですね。

ファイナルアンサーの直前、ジャマールと番組ホストのクマールはトイレで一緒に
なります。
クマールは俺の言うことを信じれば正解になる、とジャマールに言います。
ジャマールに同情してるらしいし、彼を応援してるらしい。

そして最後の問題の瞬間、ジャマールはクマールの言ったことを信用したか否か。


この先は完全にネタバレになってしまうから、私はここには書きませんが
彼が出した「答え」は、やはり子ども時代に経験した出来事から出た物なのです。

ラストシーン、ジャマールと美しく成長したラティカのダンスシーンの突き抜けるような
すがすがしさがたまらない。
そうだ、この映画は社会派映画でもあるけれど娯楽作品でもあったのだ。

最初にも書きましたが、見終わったときには、どんなどん底人生だって、きっと
いつか光り輝くときがある、と思えてくるのです。
なんだか生きる力がわいてくるような映画でした。

経験してきたことは総べて、きっとどこかで役に立つ物なんですね。
それが「いつ」なのかは分からないけれど・・・・。

音楽もいいなと思ったら、担当はかつて日本でも大ヒットしたインド映画「ムトゥ
踊るマハラジャ」の音楽を担当した、ラフマーンではありませんか。
日本では上演されなかったけれどミュージカル舞台版「ロード・オブ・ザ・リング」
音楽も担当してるし、ほんとに今のりに載っている超売れっ子作曲家です。
posted by みどり at 00:45| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月28日

五月大歌舞伎 昼の部、夜の部

五月大歌舞伎 昼の部、夜の部


五月大歌舞伎 昼の部、夜の部@東京 歌舞伎座

5月に観た分を全部書き終わらない内にまた月を越してしまいそうです。
観てきた、という覚え書きだけになってしまいますがお許しを。

5月2日(土)の初日に夜の部を3階B席で観ています。
夜の部の演目です
「恋湊博多諷 毛剃 (こいみなとはかたのひとふし けぞり)」
「夕立」
「神田ばやし」
「鴛鴦襖恋睦 (おしのふすまこいのむつごと) おしどり」


「恋湊博多諷 毛剃 (こいみなとはかたのひとふし けぞり)」
始まって市川團十郎さん演じる毛剃久右衛門が登場したとたん場内にひびきわたる
一人の女性の「おじさま〜〜〜」のかけ声。
いや〜、びっくり!!!
「○○屋!」というのはよくありますけどね。
場内、一瞬完全にどん引き状態でした。
身内なんだろうけどこんなかけ声、せいぜい劇場ロビーまでにしてほしいものです。


「神田ばやし」
歌舞伎座初演は昭和27年の演目で、とてもわかりやすいお話。
今年5月は神田明神が、二年に一度の大祭。
それに合わせたわけでもないのでしょうが、こういう長屋を舞台にした世話物は好きです。
長屋で一両という大金がなくなり、盗みの嫌疑をかけられてしまった桶屋の留吉(市川海老蔵)。
一年後、その疑いが晴れるというもの。
どうという事のないお話ですが江戸の長屋の人々のやりとりが、せちがない今の
時代からみるとほのぼのして観ていてホッとしてきます。
舞台上に出てくる猫の人形(ロボット?)がとても良くできています。


5月17日(日)に昼の部を3階B席で観ています。
昼の部の演目です。
「暫(しばらく)」
「寿猩々(ことぶきしょうじょう)」
「手習手(てならいて)」
「加賀鳶(かがとび)」
「戻駕色相肩(もどりかごいろあいかた)」


昼の部は3階席からは全くみえない花道使用の演目が多くてちょっとつらい(x_x)

「手習手」は手習いから帰る途中の娘が、道草がてらに踊る、と言う物。
今年81歳の中村芝翫さんが、娘おえい役というのがすごい!
しかも踊っているときの動きや仕草はとてもなめらかだし、結構かわいい。
これで81歳?ウソでしょう・・・と、言いたくなります。

後見に中村志のぶさんが出てるのが私にはかなりうれしかったです。
歌舞伎の後見についてはこちらで説明がされています。

簡単ですが、今回はこれにて。
posted by みどり at 01:14| Comment(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」

国立トレチャコフ美術館展


「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」@Bunkamura ザ・ミュージアム
4月4日〜6月7日まで
展覧会公式サイトはこちら

5月22日(金)に観に行っています。

ただただチラシの女性に会いたくて、でかけました。
イワン・クラムスコイ作「忘れえぬ女(ひと)」
黒い服に身を包み、こちらをみてる女性。
原題は「見知らぬ女」、だそうですが日本名はいつの間にか「忘れえぬ女」と呼ばれる
ようになったのだそうです。
この作品が発表されたのは1883年。その当時から絵のモデルは謎のままなんだとか。
作者が描いた人は誰なのか・・・。
謎からいろんな物語が生まれるのでしょう。だから素っ気ない原題から憂いを帯びた
今のタイトルで呼ばれるんじゃないのか・・・。

その顔からは感情が読み取れない。
やさしく微笑んでいるようにはみえない。
かといって、さげすんでいるようにもみえない。凛としたたたずまいの女性。
どこかしんが一本通っているような気の強さも感じる。
作者のクラムスコは誰を、何を描こうとしたのかこれも謎のまま。

でも。
ああ、美しい人だなあ・・・としばし絵の前で見とれてしまいました。

その他に気になった作品について。

ニコライ・ネーヴレフ作「お見合い」1888年
サーモンピンクの美しいドレスを着た若い女性と、男性がテーブルで向かい合って
座ってる。
なるほどお見合いですか。女性は、かわいいけど美人とは言い難い・・・かな。
後ろではカップルになるかも知れない二人の、片親らしい年老いた男女が
うさんくさそうな笑顔でこそこそ話をしてる。
とても写実的な作品です。
社会的な批判も込めてるらしい。


イリヤ・レービン作「レービン夫人と子供たち『あぜ道にて』」1879年
見渡す限りの野原に日傘を差す女性と、その手前に小さな女の子が二人。
すぐにモネの絵を連想しました。
あれのタイトルは「日傘を差す女性」だったか?どこか幻想的な雰囲気もある作品。
印象派のモネの絵は陽の光の中にとけ込むような女性でしたが、レービンの絵は
細部まで写実的に描かれているから、とても現実的。
生活の一部分を切り取って見せてるような現実感があります。


展覧会ではロシア絵画をリアリズムから印象主義へと変化、展開していく流れ
で紹介しています。
今までロシア絵画をまとめて観る機会が無かったので、今回はとても新鮮な感じが
しました。
posted by みどり at 00:02| Comment(2) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月24日

「文化・芸能人の多才な美術展」

「文化・芸能人の多才な美術展」


「文化・芸能人の多才な美術展」@MITSUKOSHI 日本橋本店
5月19日〜5月24日まで (終了してます)

5月21日(木)に観に行っています。
チラシによると「文化財保存活動支援のためのチャリティー企画」だそうで「新たなる文化創造を
全国の方に観ていただくことで、一般の方々の美術への関心や創作意欲を喚起し、啓蒙することを
第一の目的」としてるのだそうです。

ここにはとても描ききれないくらいの芸能人、政治家の方々の絵画や書が多数展示されていました。

会場に入ってすぐにあったのは綾小路きみまろさんの大きな扇。
派手な大型の扇ですが、これはご本人が使われているものなのでしょう。
まさかご本人が作ったもの?
なんの説明もないから、そのあたりはわかりませんでした。

デヴィ・スカルノさんの油絵(アクリルだったかも)もありました。
女性の肖像画はきれいですが、失礼ながらこちらは素人の趣味レベルとお見受けしました。

その他にも、どう見ても普段は絵なんかかいてないけど今回の展覧会の為にだけ描いた、
としかみえない物もありました。

山本陽子さんの椿の絵は美しいかったです。
中原丈雄さんの「ソーホーのクレープ屋」は、写真を元にしてるのかとても写実的なきれいな絵画作品。

八代亜紀さんは海外の美術展にも出品されてるくらいなので、技量はあると思います。
(ごめんなさい、私の好みではない絵柄なのです)

やはり目を引くのは、チラシにも使われている北野武史さんの作品。
かなり大型です。
以前、初めてこの方の作品を見たときもおもったのですが、この方の絵は素人の域を超えてると思いました。
うまいです。
テレビ出演もしていて多忙のはずなのにいったいいつ描いているのか、それが不思議です。
posted by みどり at 23:29| Comment(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月22日

「少女幻想奇譚 その存在に関するオマージュ」

少女幻想奇譚


「少女幻想奇譚 その存在に関するオマージュ」@Bunkamura Gallery
5月13日〜5月20日まで  (終了してます)

5月20日(水)最終日に観に行っています。
様々なアーティストさん達の「少女」をモチーフにした作品が展示されていました。

今回私の一番のお目当ては、小さな箱の中に幻想的な世界を作られている桑原弘明さんの作品をみること。

桑原さんの作品は1点ありました。
作品保護用のアクリルケースがかぶせられた、手のひらに載るくらいの小さな箱。
手前にドア(窓だったかな?)が半開きになっていて、アクリルケースの外にある
スイッチを押すと、窓から光が差し込んだように「部屋」の内部がみえてきます。
小さなテーブル、その上に乗る小さな時計。
テーブルの下には、テーブルの大きさから比べるととても大きな真珠の粒のようなものと大きなリボンが。
「少女」はいないけれど、リボンと真珠が「少女」のイメージを漂わす。
いないもの存在・気配を感じさせる桑原さんの作品が大好きです。

先日、京橋のギャラリー椿の「幻想美術展」でみた赤いドレスの少女の人形がこちらでは価格がついて展示されていました。
500万円台・・・ですか・・・!
(あ、同一作品だったのかどうかわかりませんが・・・)

鉛筆と水彩絵の具で静かな世界を描き出している味戸けいこさん、やはり少女を
描きどこか宇宙もかんじさせる東逸子さん、漫画家の千之ナイフさんの作品もあったのがうれしい。
どの方も以前ファンだったのですが、私の生活が忙しいせいかすっかりわすれて
いた方ばかり。
思わぬところで再会でいた気分でした。

展示されていたのはかわいい作品ばかりではなく、中にはゾッとするような雰囲気を
漂わすものもありました。

少女のかわいらしさ、無邪気さ、そして残酷さ、だたモチーフが少女になってるだけ
という作品もありましたが、様々なジャンルの作品が集められてた展覧会でした。
posted by みどり at 12:20| Comment(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月20日

映画「トワイライト 初恋」

映画「トワイライト 初恋」


映画「トワイライト 初恋」@MOVIX亀有
監督:キャサリン・ハードウィック  原作:ステファニー・メイヤー
出演:クリスティン・スチュワード、ロバート・パティンソン、他

4月26日(日)に観に行っています。
友人よりうれしい劇場招待券をいただいたので、行ってきました。

映画を観るまで全く知らなかったのですが、もともとは小説ですでに3作まで出版されている
シリーズ物なのだそうです。
映画の方もすでに続編が予定されているとか。

<あらすじ>
新しい街に引っ越ししてきた高校生のベラ(クリスティン・スチュワード)。
なかなか周囲になじめない。
同級生でセレブでどこか冷たい感じの美男子エドワード(ロバート・パティンソン)は女子に
人気があるが「彼女」にはだれもなれないと、もっぱらの評判。
そんな彼に惹かれるベラ。
しかし、やがて互いに惹かれ合うようになりますが、実はエドワードには秘密がありました。
それは彼がヴァンパイア(吸血鬼)だということ・・・。



物語は、早い段階で、ベラがエドワードの秘密に気がつきます。
古今東西、ヴァンパイア物は数多く書かれてきたからもうバリエーションも出尽くした
感じがありましたが、これはとても現代的で新鮮な感じがしました。

エドワードとその一族はもちろんヴァンパイア。
お父さんは医師でこれまたハンサムで、彼らの生活もベラから(そして私たちから見ても)超セレブでおしゃれ。
ヴァンパイアは陽の光に弱いかと思ったら、日中に野球の試合だってしちゃう。


アメリカの高校生らしい、スクールライフがかいま見えるのも日本人の私にとっては
新鮮。
学校で、男女のまじめな出会いの場のパーティ(名前は忘れましたが)が催され
たりするなんて、なんだかうらやましくなる。
私がうらやんでどうすんだ、ですが高校生のうちからそういう体験ができるという
のはいいなー、と素直に思ったりするわけです。
男女交際だって教育の一環、大人社会への第一歩ととらえている姿勢がいいなと。

キスすることさえ、危険な二人。
なにしろ片方はヴァンパイアですから。
1作のラストになっても物語は始まったばかりであることが、わかりました。

物語は、ヴァンパイアもの、家族の物語、高校生の恋愛物、そしてセレブのおしゃれな雰囲気と
いろんな事が盛りだくさんに盛り込まれていました。
基本は高校生同士のピュアなラブストーリーだと思います。

主演の二人は知らない方、と思ったらすでに見たことある人でした。
ベラ役のクリスティン・スチュワードは映画「パニック・ルーム」で見てるし、エドワード役の
ロバート・パティンソンは映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」でセドリック・ディゴリー役で出ていた方でした。
どこかで見たなとおもいましたf(^―^;
posted by みどり at 08:51| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月19日

「タトゥー」

「タトゥー」


「タトゥー」@新国立劇場 小劇場
作:デーア・ローアー  演出:岡田利規
出演:吹越満、柴本幸、鈴木浩介、内田慈、広岡由里子
美術:塩田千春 (チラシの美術も)


5月15日(金) 初日公演を舞台脇のBR列席で観ています。
劇場内に入って目にまず付くのは舞台上に無数につるされたたくさんの額縁。
と、思ったら窓枠でした。
ガラスが入っているのと、入ってない物があります。
つるされた窓枠は舞台上を覆い尽くすようにあるので、一瞬演劇公演ではなく
美術館の展示室に迷い込んだ気になってしまいます。

お話はこんな風
とある家族。
父(吹越満)と母(広岡由里子)と、二人の娘。
一見どこにでもあるような普通の幸せな家族、じつはある「秘密」がありました。
そのため母はついに家をでる。
長女(柴本幸)も子どもができたから恋人と結婚すると言って家をでる。
「私を見捨てるの」と姉に訴える妹。
長女が生むのは実は「父」の子どもなのかも。妹もすでに父との「関係」があるらしい。
己の蛮行を正当化しようとする父。
家族とはなんなのか。


岡田利規さんは、劇団チェルフィッチュの作・演出をされてきた方。
チェルフィッチュの公演は去年初めて観ましたが、この時は驚きました。
全然演劇公演にみえなかったからです。
その時の感想はこちらにまとめています。
出演者のしゃべり方は、あまりにも素人っぽくて「セリフをしゃべっている」という感じではありませんでした。
台本が無くて、あらすじだけ出演者に言い渡してるのかと思ったくらいです。
しかし、そうではないと知ってまたびっくり。

今回の出演者のしゃべり方も全く同じでした。
しかし、普通に素人っぽくしゃべるというというのは逆に大変な事なんだなと感じました。
おそらく、今回の出演者の中では一番年長のはずだし演劇公演も一番場数を
こなしているはずの吹越さんのしゃべり方が、一番わざとらしくきこえたからです。
なんとか普通にいかにも素人っぽく・・・を、意識したからなのかなんだな本を
棒読みしてるようにきこえました。

しかし、戯曲そのものが散文詩のような描き方になっているらしい。
と、すると岡田さんの演出は詩のセリフを、観客にそうと聞こえるように演出して
見事に成功してる、という所でしょうか。

家族の形を保っていたいと思っている父、母、姉、妹。
でも父は蛮行を止めないし、母はうわべを取り繕うことにつかれ、姉は父との関係を仕方ないと
ばかりに受け入れていたが恋人ができたことで逃げだし、妹は姉に助けてもらいたいのに
思うようにならない現状に攻撃的になる。

家族の形が崩れそうになっているけれど、それでも家族の形にこだわっている4人の
物語。
この物語を普通の芝居で見てしまったら、恐ろしくやりきれない物語のはず。
なのに岡田さん演出はとても無機質でじめじめして無くて、むしろカラカラに
乾いた感覚がありました。



ケンジタキギャラリー「塩田千春展」2009年


舞台美術を担当の塩田千春さんの個展が、新国立劇場からも徒歩で行かれる範囲にある
ケンジタキギャラリー」で開催中なので、開演前に観てきました。
会場にはいると、そこは白い周囲の壁に赤い紐が張り巡らされた空間。
ギャラリーは小さいので、その小さな空間がそのまんま塩田さんのひとつの作品となっています。
ドローイングの展示もあります。
舞台「タトゥー」の世界がより広がってみえてくる、そんな気がします。
こちらもお勧め。




posted by みどり at 22:39| Comment(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月18日

NYLON100℃ 33 rd SESSION「神様とその他の変種」

NYLON100℃ 33 rd SESSION「神様とその他の変種」


NYLON100℃ 33 rd SESSION「神様とその他の変種」@本多劇場
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、大倉孝二、山内圭哉、山崎一、他


4月24日(金)に観に行っています。
最近は観に行ってすぐ感想を書き留めておかないと、見事に内容を忘れてしまいます。
困ったものです。
今回も感想というより、観に行ったという記録だけになりそうです。

物語はこんな感じでした。
登校拒否になっているらしいサントウケンタロウ(みのすけ)、その母(峯村エリ)、父(山内圭哉)。
サトウケンタロウの同級生のスズキサチオは自殺してるらしい。
スズキサチオの母(犬山イヌコ)と父(山崎一)は、息子が死んだのはサトウエンタロウのせいと思っていて、それを認めさせようとサトウ家にやってくる。
サトウケンタロウの部屋からは近所の動物園がみえるらしい。
動物園の飼育係のユウチャン(大倉孝二)や、サトウケンタロウの家庭教師の女性
もやって来ます。
サトウケンタロウの両親と、スズキサチオの両親の一見穏やかでそれでいて
全くかみ合わない会話が続きますが・・・。


冒頭自分は「神様」です、と自己紹介する男が登場します。
この男は本当に神様なのか?少し頭のおかしいホームレスなのか?
彼の解説でこの舞台が始まっていきます。
最後まではっきりしないけれど、そんな曖昧なところがナイロン100℃らしくていいです。

サトウ家とそれに被る映像が斬新でおもしろかったです。
最近のNYLON100℃の公演は映像の使い方がとてもいい。
上田大樹さん、荒川ヒロキさんが手がけているらしい。上田さんがケラさんの作品とのかかわりが深らしい。

大騒ぎがおこりそうでおこらない、どこか静かで乾いた感覚が漂う舞台でした。
不快でしょうがない、という訳ではないです。
NYLON100℃らしい奇妙で独特の雰囲気でした。



posted by みどり at 08:57| Comment(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月16日

シス・カンパニー公演「楽屋」

シス・カンパニー公演「楽屋」


シス・カンパニー公演「楽屋」@世田谷 シアタートラム
作:清水邦夫  演出:生瀬勝久
出演:小泉今日子、蒼井優、村岡希美、渡辺えり

5月14日(木)に当日券(立ち見)で見に行っています。
この出演者と演出家ですから前評判が高く、チケット一般発売日にはすぐに完売。
私も入手できませんでした。
今回演出を担当してるのは映画「ヤッターマン」でボヤッキー役で出演もしてる、アノ生瀬さんです。
生瀬さんはメジャーになる前は関西の劇団「そとばこまち」の座長さんとして作・演出・役者と何役も
こなされていました。


必然的に当日券狙いしかない(オークションはお断り)ので、この日ならいけそう
だったので劇場に向かいました。
チラシに書いてあった当日券情報は「開演一時間前から発売します」だったので
それを鵜呑みにしていたのですが、実は前日電話予約で整理番号をとった方が
ベストであると当日知りました。
詳しいことはこちらで、ご確認下さいね。


電話予約無しで、当日直接劇場に行くと「当日券のキャンセル待ち」と言う扱いになるのですが、
立ち見覚悟であれば観ることはできました。

<あらすじ>
舞台は、どうやらチェーホフの「かもめ」を上演している劇場の楽屋。
一人の主演女優(村岡希美)が
出演前の一人稽古に余念がない。
そのそばで二人の女優(小泉今日子、渡辺えり)がやはりこれから出演に向けて化粧をしてるが、
どうやらこの二人すでに死んでいて幽霊で、生きているときはほとんどろくに舞台には立てなかったらしい。
主演女優が楽屋に戻るが、ここにかつて彼女のプロンプターを務めていた若い女優(蒼井優)が
「主役を返して」とやってくる。
4人の女性達の「女優」への思いが交錯します。
(プロンプターとは、舞台に出演してる役者がセリフを忘れたときに教えるため舞台下とか机の下とか
客席からみえない所にいる人のことで、通常勉強中の役者が務めます)



楽屋で化粧してる女優の芝居・・・と、言ったらモロ「化粧」を思い浮かべます。
井上ひさし作、渡辺美佐子さんの一人芝居。
鏡に向かって化粧をしてる女座長が、自分の身の上を話していくお芝居です。
今回のはそれの4人分変形バージョンという感じ。
(戯曲が書かれたのは「楽屋」の方が先です)

舞台上では役名が登場しません。
幽霊の二人はどうやら自分たちがもうとっくに死んでることは自覚してるようですが、
それでも化粧をしてるというのは、怨念というより週間になっていて止められない
と言う感じです。
怖いより二人の会話はむしろコミカルで楽しい。
年配(渡辺)の方は、若い方(小泉)よりも端役とはいえ何度か舞台に立ったこともあるらしく、
その時の役を演じてみせるところは真剣かつ、得意げです。
でもそれがどこかかわいらしくもみえてきます。

主演女優(村岡)は、主役をつかむためならあらゆる事も犠牲にしてきたらしい。
時にはずるがしこいこともしたらしい・・・。
性格もかなりきつそうで一緒にいたら怖い人と言う感じです。
それでいてどこか憎めないのは、女優の仕事に真剣だからでしょうか。

役を返して、と言ってくる若い女優(蒼井)はかわいいし口調は穏やかですが、とっくの昔に亡くなってる
チェーホフとお話をしたとか言い出すし、一見かわいいけれどどこか怨念を引きずっているようでちょっと怖い。

約1時間半の短いお芝居です(立ち見ではちょっとつらかった)が見応えがありました。

4人の女性達には女優という姿しか見えてきません。
家族とか友人とか、恋人とかそういうものが全くみえてこない。
女優に打ち込んできた姿だけが見えるけれど、年齢を超えて4人それぞれとても
かわいらしくみえるのです。
もちろんこれは4人の「女優」を演じている小泉さん、渡辺さん、蒼井さん、村岡さんの魅力が
あってのことでしょう。

実はこの実際の4人の女優さん達と、劇中の4人がもっと被ってみえてくるかと思ったのですが、
それほどでも無かったのはちょっと予想外でした。
劇中の4人は情熱は持っていても世間的にはほとんど認められなかった存在なのに、実際の4人は人気のある女優さん達
ですから無理無いかも。


ラストの4人がチェーホフの芝居の役になりきってセリフを語る場面は、とこか
すがすがしく美しいものでした。

やっぱり座ってゆっくり観たかった(x_x)

<追記>
通常料金7000円のところ、立ち見は5000円でした。
当日券の前日予約の場合は、会場内の最後列にあるバー状の腰掛け席になり、こちらは5500円です。
posted by みどり at 14:37| Comment(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月15日

人形劇俳優平常(たいらじょう)さんのこと

2009年5月8日「たいらじょうの受賞を、共に喜ぶお祝いの会」


平常さん公式サイトはこちら


自作の人形で、自作自演の人形劇公演を続けている人形劇俳優の平常(たいらじょう)さん。

平さんのオリジナル作品「お花のハナックの物語」が、厚生労働省より「平成20年度・児童福祉文化財」に認定、
更に年間の全認定作品の中から特に優れた作品を選定し授与される「特別推薦」の称号と
「児童福祉文化賞推薦作品賞」を、
スタジオジブリの「崖の上のポニョ」、角川映画株式会社「旭川動物園物語」などと共に受賞されました。

「お花のハナックの物語」はいつもは動けないお花のハナックが、一日だけ歩き回れるようになり
いろいろな動物達と出会うというもの。
最初は動ける動物がうらやましかったハナックですが、自分がきれいな花を咲かすことでみんなが
喜んでくれることを知る、というお話でした。
人形は総べてダンボールで作られています。
以前2007年の公演を観たときの感想はこちらにまとめています。


5月8日(金)には、厚生労働省内で表彰式があったそうです。

平さんの公演を数年前から観ていたファンとして、受賞のことを聞いたときはうれしかったです。
授賞式の夜8時から「受賞を、共に喜ぶお祝いの会」が開かれ関係者、一般のファンの方に混じって私も参加させていただきました。
ただのファンでしか無い私ですが、平さんが東京公演を始めてされた頃から応援していた(というか、
しつこく観に行っていた)という事で今回、お招きしていただけました。


場所は東京オペラシティ53階「カフェ&スカイバー CAFE AND BAR 53」にて。
窓からみえる夜景のきれいなこと。

会の方は女優の荻野目慶子さん、○○○会の代表、名前を書けばだれでも知っている○○○夫人までみえている
とても華やかな集まりでした
平さんは努力を重ねてオリジナル作品を作られてきましたが、この日の会場をみるとすばらしい方々との
良き出会いにも恵まれたようです。
ただのファンの私がいるのはここにいるのはとても場違い。
実際周囲の方も「この方はどういう関係の方なんだろう?」という感じでチラチラ私を
見てるのがよく分かりましたf(^―^;
すみません、ただの追っかけですm(__)m

当日は関係者の方のご挨拶、後半は平さんによる作品、数作のダイジェスト版上演でお開きとなりました。



初めてこの方の公演を観たのは、調べたら2004年1月16日(金)でした。
下北沢にあるギャラリーLA CAMERA(ラ・カメラ)というとても小さな会場。
偶然観たチラシには、寺山修二作の「毛皮のマリー」の人形劇版と書かれていました。
一人で人形劇で「毛皮のマリー」を上演する?
できるわけ無いだろう・・・できるとしたら、一体どんな風に見せるんだろ?
R−15指定の人形劇、つまり大人向けの人形劇とは?
興味津々、全く期待しないで観たその公演。
びっくりしました。
ほんとに一人で上演してしまったのですから。
自作の人形の「男娼マリー」を自分で操作しつつ、美少年・欣也ご自身で演じてしまう。
寺山さんの戯曲のセリフだけでなく、ト書きまで読んでしまうという上演方法も、斬新でした。
(感想はすぐ、当時の自分のHPで公開しのですが今はサーバーの管理人さんの都合でHPそのものが消滅しました)

子ども向けの人形劇を多く公演されてますが、大人向けの人形劇公演にも力を入れています。
はっきり大人向け、を意識した人形劇公演をされたのは平さんが初めてではないかと
思っています。
大人向け公演としてはいままでも泉鏡花の「天守物語」、サン・テグチュペリの「星の王子様」を作られています。

人形劇といっても、平さんが扱う「人形」は実に様々。
人形に棒がついて、その棒を操作する人形。
指を入れて操作する、いわゆる指人形タイプのもの。
指人形といっても、スポンジの固まりを「頭」に見たてて指を入れただけの時もあったし、
どう見ても巨大なマッチ棒を人形に見たてての公演もありました。

宮沢賢治の「よだかの星」は鳥のよだかを、平さんの両手の平を組み合わせて飛ぶ
鳥に見たて、公演なかで一つも人形が出ないという作品もありました。

創意工夫と、毎日の努力。
ここ数年はTV取材も増え、一般の方々にも知られるようになってきてこれも
昔から見てきたファンとしてうれしい限り。
公式ブログをみてもそのがんばりが伝わってきます。
これでまだ20代の方なんですから、遙かに(?)に年上の私としては恥ずかしいくらいです。
平さんをみてると、平さんのほうがはるかに「大人」なのですから。

東京での次回公演は7月にオリジナル版の歌と音楽による「オズの魔法使い」があるそうです。

下の画像は平さんを初めて見たときの変形版チラシ(A4サイズを縦半分にしたもの)です。
平さん東京初登場公演だったそうです。


2004年 毛皮のマリー人形劇版
posted by みどり at 10:04| Comment(0) | 人形劇俳優たいらじょう(平常) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする