2008年12月25日

「アンドリュー・ワイエス展」

「アンドリュー・ワイエス展」


「アンドリュー・ワイエス展」@Bunkamura ザ・ミュージアム
11月18日〜12月23日まで 終了してます
展覧会公式サイトはこちら


12月19日(金)に観に行っています。

アンドリュー・ワイエス(1917〜)と言ったら私はこれまで「クリスティーナの世界」しか知りませんでした。
この絵はたしか中学だか、高校生の時の美術の教科書に載っていた作品でした。

広々とした野原。
ピンクの服を着て野原にすわり、上半身をねじって背中を見せ遠くに見える家の
方を向いている女性の姿。
髪を後ろで一つにまとめ、ほつれた髪が風になびいています。
なんだかとてもさわやかな感じがします。
後ろ姿とはいってもきっとこの女性は美しい方に違いない、そしてなんだか精神的に力強そうな気もしました。
タイトルの「クリスティーナの世界」って、このタイトルに作者はどういう意味を込めたんだろう?
クリスティーナって作者の家族だろうか、恋人だろうか?
とても緻密に精緻な描写、こんなにも愛情が込められている(ように見える)この絵。
大好きでした。
ポスターの販売サイトですが、作品の画像がこちらにありましたのでリンクさせときます。


この女性、クリスティーナ・オルソンは、作者の知り合いで生まれつき体が不自由な方。
この絵も、歩けないのではいずって家に帰る姿を描いたものだと今回初めて知りました。
展示されている作品の多くは水彩やテンペラの完成作の前の、鉛筆や水彩による
スケッチでした。
スケッチといってもその描写力のすごさはよく分かりました。
私の好きな「クリスティーナの世界」もスケッチが何点もあり、なんども構成を
練り直していったそうすがうかがえます。
残念なことに今回は、この有名な完成作の展示はありませんでした。

水彩画の数々、やはり描写の的確さにはびっくりです。
水彩はごまかしがききません。描き手の色の選び方のセンスのよしあし、塗り方つまり絵の描き方の
技量があるのか否か、それらがすべてはっきりとわかる画材です。
(と、私は思っています)

チラシにも使われている「火打ち石」は不思議な絵です。
浜辺に置かれた岩がテンペラで描かれています。

何が不思議かというと、この岩の大きさがさっぱり分からない事です。
手前に貝殻も描かれているけれど、岩とはかないり距離がありそうです。
でもその距離がどれだけ離れているのか分からないから、やはりこの岩の大きさが
分からない。
岩じゃなくて石ころか?

展示されている数点の水彩の習作の中には、岩の上に鳥がとまっている物もあり
ちゃんと大きさの比較ができるようになっていました。
って、ことは作者は完成作ではわざと大きさが比較的できる物を描くことを省いた、ということですね。
岩の持つ存在感のみを強調したかったのかも知れないと感じました。

老いてもなお精力的に制作を続けているアンドリュー・ワイエスの作品展、このあと
1月4日からは愛知県美術館で開催されるそうです。
posted by みどり at 12:24| Comment(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする