2008年12月02日

映画「ブラインドネス」

映画「ブラインドネス」


映画「ブラインドネス」@MOVIX亀有
監督:フェルナンド・メイレレス  原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
出演:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、伊勢谷友介、他


11月26日(水)に観に行っています。
チラシの言葉を引用すると「謎の伝染病によって視力を奪われた人類の生き残り
を賭けた壮絶な闘いを描く心理パニックサスペンス」とのことで、宇宙からの謎の
病原菌によるパニックを描いたSF映画「アンドロメダ・・・」(原作はマイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」)
のような科学的な展開のお話を期待していたら全然違いました。

<あらすじ>
始まりは一人の日本人男性(伊勢谷友介)が突然、目の前が真っ白になって失明
したこと。その後も、同じ症状の人は増え、有効な治療法も見つからない中、政府が
とった処置は感染者の強制隔離。
感染者を診察した医師も感染し収容所送りになるが、その妻は彼が心配のあまり
目が見えることを隠して一緒に収容所にやってくる。
医師も看護師も来ない収容所は軍によって監視され、収容人数が増えるにつれ内部の衛生状態も悪化し、
食料も医薬品も不足状態。
所内の秩序も崩壊し「キング」と名乗り、銃を持って人々を支配する者(ガエル・ガルシア・ベルナル)も現れる。
唯一目の見える医師の妻がついに反撃をするのですが・・・。



原作者のジョゼ・サラマーゴはノーベル文学賞作家だそうで、それを先に知っていたら
この映画はたぶん観に行かなかったろうと思います。
科学的なSFものを期待してましたが、科学とは全く無縁の展開を見せる映画でした。
描かれているのは秩序の崩壊した閉鎖した社会と、その中で現れる欲望丸出しのエゴと暴力。
観ているうちにとても不快になってきました。
収容所内で唯一目の見える医師の妻(ジュリアン・ムーア)が、内部の秩序を整えようと一人努力
しますがやがて法外な要求をし出す「キング」と対決するようになります。
「キング」に不満を持つ者は当然多いのですが、銃を持っているし元々盲目だった男を味方に付けて
いるので他の人々はほぼ無力。観ていてもどかしいです。
みんなで協力すれば、何とかなるのではと思うのにそうはならないのがほんとにもどかしい。
医師の妻が「キング」に反撃できるのも、彼女が目が見えるからこそなので、
これもなんだかすっきりしません。
他の人々とは一人離れていた別の女性が、彼女なりに不満を爆発させる様子が
むしろすっきりしたくらいでした。
これによって収容所そのものが完全に崩壊するからです。
こう書いてしまうと、私もかなり過激な方だなと感じてしまいます。
物語はぜんぜんSFではなく、むしろ文学的で宗教的な雰囲気がありました。
ラストでは、人々に希望が戻ってきます。
でもそれはあくまでも「希望」であって、それが実現するかどうかはかなり怪しいのです。
私にとっては観ている間は常に不快で、見終わってももどかしい思いだけが残ってしまう映画でした。
posted by みどり at 08:37| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする