2008年10月23日

「ブラザーズ・クエイの幻想博物館」・「プログラムC」

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「ブラザーズ・クエイの幻想博物館」・「プログラムC」@シアター イメージフォーラム
10月4日〜10月17日まで



10月15日(水)に観に行っています。
最新作「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」の公開を記念して、双子のアニメーション作家、
クエイ兄弟作品の回顧展が開催されていました。
今回観たのは「プログラムC」です。
どの作品も今回初めて観た作品です。


「人工の夜景」 1979作品 処女作 約20分
人形アニメ作品。
眼をつぶった男(人形)が、街の中を夢遊病者のようにさまよう作品。
どちらかというと汚れた汚い感じの人形の形態から、初期作品だとすぐわかりました。
走る男の足元がアップになると空中を浮かんでいます。
作り物、人形の街の中を走る市外電車、眼は閉じられているのに音に反応して
そちらを向く男。
物語があるような無いようなよく分からない感じ、でも作品から受ける浮遊感がおもしろい。


「アナルモルフォーシス」 1991年作品 15分
人形アニメ+実写作品。
16世紀の「だまし絵」の技法、アナモルフォーシスを人形がナビゲーターになって
紹介していく作品。

アナモルフォーシスは、正面から見ると何が描いてあるのかよく分からないのに、
斜めから観ると初めてそこに何が描かれているのが分かるという技法。
つまり「絵」が極端に横長に引き延ばされて描かれているんです。
何とか言う教会の壁に描かれた絵は、一見下手な風景画なのに横から見ると
初めてキリスト教の聖人が見えてきます。
単純な手法なのに、まるで魔法みたいです。
ただ人形がナビゲーターになっている必然性や、クエイ兄弟のアニメーションならでは、といった魅力は薄いです。


「ファントム・ミュージアム」 2003年作品 12分
たぶんほぼ実写作品。
アニメ作品とはちょっとちがうのですが、これはおもしろかったです。

サー・ヘンリー・ウエルカム氏の医学コレクションの紹介だそうです。
そこはどこかのミュージアムらしい。
医学コレクションと言っても、エロと紙一重の人形もあったりしてかなり怪しげな
コレクションです。
忙しく働いている人物。
急いで階段を上り下りするため手すりに見える手元や、忙しそうに歩き回る足元。
そして後ろ姿からするとこの人物は細身の男性らしい。
頭部は全く見えないけれど、彼は一日中そのミュージアムの作品の管理点検を
しているらしい。
人物の時だけ映像はモノクロになり、その白と黒のコントラストがとてもきれいです。

彼が仕事を終え、靴を脱いだ時そこに現れるのは・・・。
彼はミュージアムに潜む亡霊だったのかも、と言う感じの作品です。
こうやって文字に書いてしまうとあっけないですが、観ていたときはとても意外性が
ありました。
クエイ兄弟の美意識が集結した感じで、もう一回観たい作品です。


「イン・アブセンティア」 2000年作品 20分
実写+たぶんアニメ作品。
現代音楽の作曲家シュトックハウゼンとの共同作だそうです。
聞き続けるのが辛い、苦しい音楽です。現代音楽って、なんでこんなにわけわからん
ことになるんだろう・・・。
精神的に問題のある女性の心の中をのぞき込んだような、混沌とした映像。
正直言ってこれはもう関わり合いたくない映像作品です。
でも好きな人にはたまらない作品かもしれません。




アメリカではクエイ兄弟の最近の小品を収録したDVD「Phantom Museums」も発売されています。
日本でもアマゾンで入手可能ですが、リージョンコードが日本のとは違っている
ので日本の通常のプレーヤーでは再生出来ません。
日本版DVDが発売されることを、心待ちにしています。



posted by みどり at 20:14| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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