2008年10月13日

「キーン」

kean.jpg

今、滋賀県米原から京都へ向かう電車の中です。

昨夜はびわ湖畔で行われた劇団維新派の野外劇公演を観てきました。
今日はこれからせっかくですので清水寺を見て来ようと思います。
夜はまたびわ湖に戻り維新派公演の千秋楽を見てから帰ります。


出かける前に書いて自分の携帯電話に転送しておいた記事を手直しして投稿します。



「キーン」@天王洲 銀河劇場

翻案:ジャン・ポール・サルトル(アレクサンドル・デュマの原作より)
演出:ウィリアム・オルドロイド
出演:市村正親、須藤理彩、鈴木一真、高橋惠子、他


10月4日(土)にA席(3階席)で観ています。
18世紀から19世紀にかけて実在した俳優、エドマンド・キーンをモデルにした
物語だそうです。
キーンを市村正親さんが演じています。

<あらすじ>
19世紀末のイギリス。俳優のキーン(市村正親)はスター俳優で人気者だか、私生活では金遣いがあらく、
飲んだくれの女ったらし。
今のターゲットはデンマーク大使夫人のエレナ(高橋惠子)、しかしキーンと深交の
ある皇太子(鈴木一真)も彼女に夢中で、キーンに対抗心をむき出しにする。
そんな頃、キーンの元に彼の熱狂的ファンであるアン(須藤理彩)が役者にしてくれと
飛び込んでくる。

昔世話になった劇団の窮地を救うため「オセロー」を上演することになったキーン
だが、オセローの妻役の役者がおらず仕方なくアンを使うことにします。
それまで役者などやったことがないアン。
果たして無事「オセロー」の幕はあくのかどうか。



サルトルというと哲学者、としか知りませんでした。
日本ではともかく広く名を知られるようになったのは劇作家としてだったそうです。

実在のキーンは最初大道芸人として活躍し、その後俳優として人気を得たらしい。
人気はあったけれど、素性のよく分からない故に社会的地位のある人々からは
からは下に見られていたらしい。

舞台版でのキーンが人気者になったのに、酒におぼれるような生活をしていたのはやはり人目が
気になっていたからでしょうか。
この舞台では皇太子もデンマーク大使夫人も全然高貴な人に見えません。

サルトルが意図的にそう書いたのか、今回の出演者の雰囲気や演出のせいなのか
よく分かりません。

見れば見るほど、キーンも他の高貴な人々も別に何の違いもない普通の人間に見えます。
貴族やブルジョアなどはなであしらうキーン。
いい役者だけど卑しい出のヤツだからな、とどこか見下している
人々。
どっちもいい勝負です。


必死にキーンについていこうとするアン。目的の為には手段を選ばないある意味純粋なところがあります。
こういうのがそばにいたらとっても困る、という人物で実際キーンも困っています。
おそらくやっかい払いしたいところのはず、ですがこんな彼女にたよらなけば「オセロー」の
幕が開かなくなってしまい、彼女がセリフを忘れたら、合図をすればアドリブで何とかするというキーン。

それまで飲んだくれたり、デンマーク大使夫人をものにしようとするだらしないシーンばかり見て
いたので、この場面はとても頼もしくみえました。
初めてベテランの役者らしく見えた場面です。

キーンの身の回りの世話を焼いているソロモン(中島しゅう)がよかったです。
どうしようもないヤツだとキーンを見ていますが、彼にきりきり舞いさせられている
のではなく、逆にキーンをすっぽり包み込んでいるところがありました。


ところで市村さんはシェイクスピアの演劇では「ハムレット」や「リチャード三世」は
演じてきたことがあるけれど「オセロー」は無いそうです。
と、するとほんの一部ではあるけれどキーン=市村さん演じるオセローが見られる
この公演は貴重なことだなと思えます。

実際、市村さんのオセロー役、迫力があってとても良かったです。ほんとに市村さん主役で舞台「オセロー」を見たくなりました。

舞台上には何人もの出演者はいるのですが、市村正親さんはほとんど出ずっぱりで
市村さんの一人芝居のような公演でした。


posted by みどり at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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