2008年10月10日

NYLON100℃公演「シャープさんフラットさん」

NYLON100℃公演「シャープさんフラットさん」



NYLON100℃公演「シャープさんフラットさん」@下北沢 本多劇場
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ


劇団NYLON100℃の15周年記念公演だそうです。
キャストを入れ替えて「ブラックチーム」「ホワイトチーム」の2バージョンの公演が
行われていて、見比べたくてつい両方のチケットを購入してしまいました。

同一の脚本、同一のセットを使っての公演です。
出演者が異なるので若干演出の違いはあるけれど、同じ物語とは思えないほど味わいが異なっていました。

<あらすじ>
劇作家で放送作家の辻煙(つじけむり)、本名田中正明はそこそこ作家として
食えるようになってきていたが最近は創作に行き詰まり、逃げるようにサナトリウム
(長期滞在する療養所)にとどまっている。
彼は子どもの頃、深夜まで働く父、隠れて酒を飲み浮気をしている母を見てきた。
煙は同棲していた恋人とも折り合いが悪い。彼が悪いのですが。
サナトリウムではいろいろな人が滞在し、家族が会いに来たり来なかったり。
田中は、作品を書き下ろし演出も手がけるはずの劇団から公演間際で逃げ出していたため
メンバーともうまくいっていない。
次回公演間近のメンバーに、自分の脚本は使わせないと言いだしてしまいますが・・・。



公演冒頭や、劇中で時々はいる映像がとても斬新です。
舞台セットはサナトリウムの中、なのですがそこの壁や窓、を上手くスクリーン
代わりにして映像が映し出されます。
死んだ父が煙の元を訪れますが、煙は特にそれを疑問に思わないで会話を
会話をしている。
それによって、物語も観客にとてもわかりやすい展開になっています。

子どもの頃、母と浮気相手が酒を飲み意味もなく馬鹿笑いするのを観たせいで
今ではそんな風に意味もなく馬鹿笑いする連中を嫌悪するようになった、と言ってる
わりにサナトリウムにやって来た、煙の公演のファンだった赤坂とははた目から
みると実にアホな会話のやりとりをして馬鹿笑いをしてます。


10月1日(水)にホワイトチームを観ています。
辻煙は三宅弘城さん。サナトリウムに滞在している音波(おとなみ)をソロ活動を
多く行っている清水宏さんが客演。
煙の父は、作家・役者としても活躍している河原政彦さんが客演。
ブラックチームで煙を演じる大倉孝二さんは、こちらでは複数の脇役を掛け持ちしてます。

煙は父が入院していたとき、看病の傍らお笑いの脚本を書いていたと言っているし
以前、無声映画時代のコメディアン、バスター・キートンの身体をはった演技を観て感動しているようすからも、
煙はケラさん自身がモデルだろうなと思えてきます。
ケラさんも父の看病の傍らで脚本を書き、それが今では再演を重ねている名作
「カラフルメリィでおはよ」だそうです。(ボケ老人を題材にした物語)

大きな事件は起きないけれど、もどかしくやりきれない日々を過ごすサナトリウム
の人々。その割に全体の雰囲気は軽いです。
ホワイトチームはどちらかというと、笑いに趣がいっているように感じました。

しかし、私は申し訳ないけれど、三宅さんが苦手なのでこの公演は笑えるけれどあまり好きになれないのでした。
公演終了後は、キャストを変えるとはいえまた後日ブラックチームでこの物語を観るのか、と思うと
気が重たかったです。



10月3日(金)にキャストを全て入れ替えたブラックチームで観ています。
主人公煙を大倉孝二さん、煙の母とサナトリウムに入院中の一人を犬山イヌコさん
が演じています。
私はこのお二人が好きなので、どうしてもこちらのチームの方に興味が行って
しまいます。

大倉さん演じる煙の父への思いや、自分から離れて行ってしまう劇団メンバーや恋人に対するもどかしい思い。
犬山イヌコさん演じる煙の死んだ母と、元お笑い芸人の夫を励ます妻など、笑いの中にも人生の悲哀が
感じられてなんだか物語が味わい深いものになっていました。
音波さんの娘(ホワイトチームでは息子)が、父に母の具合が悪いことを言えない
のも、父に心配をさせたくないので言い出せなかった為、という理由もブラックチームでは
素直に頭に入ってきます。

好みの問題もあるでしょうが、私は今回後から観たブラックチームの方がおもしろかったです。




posted by みどり at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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