2008年08月31日

「Asia Top Gallery Hotel Art Fair 2008」

Asia Top Gallery Hotel Art Fair 2008



「Asia Top Gallery Hotel Art Fair 2008」@東京 ホテルニューオオタニ
8月29日〜8月31日まで


8月30日(土)に観に行っています。
私は今まで全く知らなかったのですが、最近は大きな会場を用意してそこにいくつもの画廊・
ギャラリーが集まり作品の展示・販売を行うというイベントが時々行われているようです。
美術ファンにとって知らなかった作家、画廊との良き出合の機会となるようです。

今回のイベントも始まってから知りました。
あわてて観に行ったのは参加ギャラリーに「ケンジタキギャラリー」があり、ムットーニ
こと武藤政彦さんの新作オルゴールが出品されている、と知ったからでした。


行くまでどういうイベントなのか知りませんでした。
ホテルニューオオタニ、初めて行きましたがガーデンコートと名付けられた建物
から入ったものの会場に行くまで3人の方にうかがいながらやっと、たどり着きました。
なんだかとても分かりづらい。

入場料1000円。
当初高い、と思ったけれど入ってみるとホテルの22,23,24階が会場。
東京、大阪、韓国のギャラリーが約70軒も参加していました。

各ギャラリーがシングル、ダブル、ツインなどの客室を各一室つかって、ベッドや
各備品はそのままに作品の展示をしていて、中にはバスルームに展示してるところも少なくない。
各ギャラリーゆかりの作家さん達の作品を1点ずつ展示して所もあれば、一人の
作家さんの個展になっている所もありました。
見応えたっぷり!
作品に興味なくても、私には縁のない高級ホテルの豪華な客室、バスルームが見られるという
だけでも興味津々でした。

この日は、こんなに見応えのある展示とはしらなかったので次の予定があり全部回れなかったのが残念です。
1回の入場料1000円ですが、これならたとえば2000円か2500円はらったら3日間フリーパスになる、
と言う風ならいいのになと思いました。




さてお目当てのケンジタキギャラリーは23階の4314号室。
先日大阪の国立国際美術館で見てきた塩田千春さんの作品もありました。

ムットーニこと武藤政彦さんの作品は新作オルゴールが一台。
高さ31センチくらい、横21センチくらい、奥行き21センチくらい。
タイトルは「Wind」
グレー(シルバーグレーだったかも)の箱。黒のワクの中に見えるのは、黒いテーブルとゆらゆらと風に揺れているように動く赤い風船。
奥はドアの向こうのように黒い空間があるように見えますが、ハーフミラーになっていて闇の中に少女が
ゆっくりと回って見え隠れします。
回っていても片手は常に、手前にある風船のひもを握っているように見えます。

明らかについこの先日行われた展覧会作品「THE DIARY OF WINGS」とリンクする作品のようです。

黒枠、というのがちょっと気になりましたがゆっくりとした金属音のオルゴール、雰囲気も静かで
幻想的な作品でした。
ホテルの廊下にいると、部屋からオルゴールの音が聞こえてくる(各部屋のドアは開け放てれてます)
のが新鮮というか、なんだか現実離れした摩訶不思議な感覚でした。

部屋にあった作品紹介には購入を考え中の方がいるとかで青いシールが貼られていました。

こんな風でした。

ムットーニこと武藤政彦さんの新作オルゴール「Wind」



<2008-09-02追記>
とてもゆっくりしたオルゴールでなんとかメロディを把握しようとしたのですが、当日の私はそれが出来ませんでした。
他の方に教えていただきましたが、オルゴールの音楽はサティの3つのジムノペディ、第1番だったそうです。

posted by みどり at 12:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イデビアン・クルー公演「排気口」

イデビアン・クルー公演「排気口」


イデビアン・クルー公演「排気口」@世田谷パブリックシアター
振付・演出・出演:井手茂太
出演:安藤洋子、東さくら、金子あい、斎藤美音子、他


8月22日(金)に観に行っています。
コンテンポラリーダンスを見せてくれるカンパニー、イデビアン・クルーの新作公演です。
ダンスと言っても、どこか他とはちょっと違います。
このカンパニーでは以前、しとやかに登場した黒の留め袖姿の女性達が踊り出し、帯がほどけ、
着物がはだけ、それでもかまわず踊っているから、最後にはレオダード姿になってしまう・・・
というのを見せてくれたことがあります。
なんというか前代未聞。当時はかなり話題になりました。


前回公演の「政治的」はどこかの会社のオフィスのようだったし、今回はどこか老舗の
お店のご主人夫婦と使用人達・・・のような雰囲気の中でお芝居のような、ダンスが
展開していきます。

当日会場にくると紙一枚の簡単なパンフレットが配られますが、それを見ると
舞台を見ただけではまったく分からないけれど、ちゃんと役名が書かれていました。

イデビアン・クルーの公演ではいつもそうですが、日常の何気ない動作から
いつの間にかダンス風の動きに変わっていくのがおもしろいです。

冒頭、洋装の男女が登場します。
女性は煙草をスパスパ。男性も吸いたそうだけど・・・この二人は恋人なのか、夫婦なのか。
場面変わって舞台上に見えるのは、日本家屋を思わせる建物の枠組み。
そこを出入りする女性達は使用人風の着物姿。
どこかのお屋敷で、女中達のようです。

着物姿でいつの間にかダンスになってしまう。
けっこう激しい動きでも帯がほどけて、着物がはだけないから縫いつけてでもいるん
でしょうか。

家の中を出入りする人々。
少しボケが出てきたらしいご主人。三味線のお師匠らしい奥方。
息子なのか、使用人頭なのかよく分からないけれど、ワイシャツ、ネクタイ、はっぴ
姿の男性が登場。
これが振付・演出もしてる井手茂太さん。
ちょっと太めの体型なのに、その体型からは想像できないくらい軽やかな動きを
見せてくれます。

約1時間半のお芝居とダンスの中間のような公演。前回公演の「政治的」よりもおもしろかったです。


先日、NHKで日本舞踊の創作舞踏公演の中継があって見ていましたが、普通の
日本舞踊のイメージからはかなり逸脱した公演でした。
むしろコンテンポラリーダンスに近いのではないか、と思いました。
この公演とイデビアン・クルーの今回の公演はちょっとだけ似てる、と感じました。
もちろん、イデビアン・クルーのほうが軽妙でおしゃれですが。

ダンス公演はうまく感じがお伝えできなくて、もどかしいです。





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2008年08月30日

2008年夏・観劇旅行記 その5・赤目滝ぬけて香落渓の落合へ(最終回)

赤目四十八滝を抜けて「出合」に出て、一休みしたところでまた出発です。
ここからは香落渓(こおちだに)の「落合バス停」を目指します。
時刻は12時半頃。
「出合茶屋」のバス停を200メートルばかり過ぎると「ハイキングコース」の看板が
ありました。
ここから落合バス停までは約2,6キロだそうです。
ガイドブックではここから約1時間半かかると書いてあるけれど、私の足だとたぶんもっとかかる
だろうなと考え、余裕を持って出発です。

「落合バス停」から名張行きの直通バスは途中通行止めのため無いけれど、変わりにいったん反対方向へ
向かい遠回りして「敷津(しきづ)」へ行く臨時バスが4時出発で出てるそうです。
敷津に4時48分到着予定。ここから名張行きのバスが5時に出発、5時54分に
名張駅到着予定です。

コンクリートで簡単に舗装された道を延々と上り続けますが、まだ登りなの?と
思ったあたりでコンクリートの舗装がぷつっと無くなります。
遊歩道は続いていますが、まるで荒野に放り出される感じで一人だとちょっと途方にくれます。

「出合」からハイキングコースへ


気を取り直して歩く歩く。
赤目滝とは風景が全く変わって、こちらは完全に山の中。
坂もわりと急、あまり人も通らないせいか遊歩道の岩が苔むしていてとても滑りやすい。
私は今回3回滑って転びました。
赤目滝はスニーカーでもいいけれど、出合から落合に向けては軽登山靴のほうが
いいようです。

聞こえてくるのは鳥や蝉の鳴き声ばかり。
空が少し曇ってきた時、しばらくなんの物音も聞こえなくなるときがありました。
あれだけ鳴いていた鳥や、蝉はどうしたの?というくらいシーンとして、なんだか
怖いくらい。
しばらくして陽がでてくるとやっと森の中もざわついて、少しほっとします。

山の中をみると、木々が倒れてまるで鉛筆をばらまいたように見えるところがありました。
木は枝が落とされているし、上下カットされているから人の手が加わっているようですが、
苔が生えているからそこに倒れてから随分日時がたっているようです。
なんでこういう風になっているのか理由が分かりません。

山の中の倒れてる木々


スッと細く立った木々。
写真に撮るとまるでマグリッドのだまし絵のようです。

マグリッドの絵のような木々の風景


歩いていると生えている木に、時々赤いひものような物が巻かれているのがありました。
これも何かの目印なのかな?

歩いていて、足元をみると人が歩いた気配がないけれどなんだか絵に描きたくなるような景色です。

絵に描きたくなる景色


手持ちの7年前に購入したガイドブックに書いてあった「小笹峠」というのはどこだか分からず通り越したみたい。

「香落茶屋の展望台」も無かったけれど、それらしき残骸はありました。
写真に撮るきがおきないくらい朽ち果てた小さな売店、壊れた椅子も2脚、そして
展望台らしき残骸。

展望台の残骸


一時期はここで商売をしてたこともあるようですが、ここまで品物を運ぶのはかなり
大変そうです。おそらくすぐ店じまいしたのでしょう。

しばらく歩くと、車のドアがぱたんと閉まり出発する音が下の方に聞こえてきました。車道がある。
どうやら落合バス停が近いようです。
ずっと山の中を歩いてきたので、人の気配を感じるとホッとします。

少し歩くとひらけた所に出ました。ここで午後2時ちょっと過ぎ。
木の切り株もあるし、椅子代わりにして一休みするのにちょうどいいな・・・と、思って
回りを見ると、ここに来た人はみな同じ事を思うらしいと分かりました。
なぜって、ペットボトルや空き缶が転がっているからです。
ここまで来て平気でゴミをすてるなんて・・・。

ゆっくり歩いてようやく午後3時ちょっと前に「落合バス停」到着です。
バス出発は4時だから早すぎたけれど、遅いよりずっといいです。


落合バス停


バス停は小さな小屋になっていて、きれいだけれどそこに座っているとなんだか
自分がゴミ置き場のゴミになっているような感じで気分悪いので、荷物だけ置いて
近所をプラプラ歩いてみました。

小さな旅館があったけれど、どうもほぼ休業中らしい。
このあたりの観光シーズンは紅葉の時期のようです。
景色がごちそう。
そうそう赤目滝に入ってからは携帯電話もぜんぜん通じませんでした。
ここ、落合は開けた場所だけど山に囲まれているせいか、やっぱり通じません。

落合バス停の前の景色


しばらく待っているとようやくバスがやって来て、はるか離れた場所に止まりました。
私のいるところがバス停だから、当然こっちに来てくれるだろうと見ていたらバスから
年輩の運転手さんが降りてきて、来い来いと手招きするではありませんか。
私が行くのかい!? (¨;)
おいおいーーー、と思いつつ走っていきました。でもバスに乗れて良かった。

お客は私一人です。
運転手さん、途中でバスを止めて「釣れる?」とドアを開けて誰かと話をしてる。
お客さん?と、思ったら川で釣りをしてるのが知り合いでその人と世間話中でした。
うーん・・・さすがここは田舎だ(^◇^;)

途中の「葛バス停」で一人だけ新しいお客さんが乗りました60歳くらい?の男性です。
乗り換えバス停の「敷津」について、しばらくすると名張駅行きのバスが救いの神
のようにやって来ました。

やって来た名張駅行きのバス



コレに乗れば帰れます!
ただの田舎道にしか見えない国道368号線を北上。ひたすら名張駅を目指します。

運転手さんは、話し好きのようで私ともう一人のお客さんに良く話しかけてきます。
地元のお話しが伺えるのは嫌いじゃないから、こういうのも結構楽しい。

道路沿いに見えるお家は、どれも大きくてりっぱです。
このあたりは昔、林業で栄えたらしい。

大きな比奈知(ひなち)ダム。

比奈知ダム 1



比奈知ダム 2



思いがけなく広々とした景色が見られました。
ダム建設のために、土地を持っていた方は、ほとんど役に立たない土地を言い値で買い取ってもらえたそうです。
ダムの為に、今じゃ全然使われない道も造られた。
地元の評判はあまり良くないようです。

そう言えば、以前知り合いに建設関係の会社で仕事していた人がいて聞いたことが
あるのですが、ダム建設は計画からできあがるまでに約20年かかるから勤めて2,3個のダムを
手がけると定年まで食いっぱぐれがない、のだそうです。
なるほど・・・ダム建設もいろいろな思惑が絡んで作られてるようです。

ようやく名張駅到着。

2008年8月18日の名張駅


結局お客さんは私ともう一人の二人だけでした。
帰りは近鉄桜井駅から東京・新宿駅行きの夜行バスにのります。
バスの出発は10時35分。
時間をつぶすために数駅離れた大和八木駅で食事して、ネットカフェで時間をつぶすつもりでした。
(桜井駅周囲にはネットカフェがなかったのです)

大和八木駅を下車してからバスでご一緒したAさんと、夕飯をご一緒することになりました(^o^)
袖すり合うも多生の縁。
Aさんは京都にお住まい。仕事の関係で川崎に住んでいたこともあるとかで、関東
の事情にもくわいしい。
仕事でアメリカに行ったときはミュージカルの本場ブロードウェイでで「サンセットブルーバード」もご覧になったことがあるとか。
この日は室生寺から室生川を上り、宇野川の源流を越えて、済浄坊渓谷から「葛バス停」まできたのだそうです。
一人旅だったから人とお話しするのが楽しかったです。


Aさんと8時頃お別れしてからは、ネットカフェに行ってみました。
とりあえずここならフリードリンクで時間がつぶせるなと、思ったのですがコーヒーが
いつまでたっても品切れでコーヒー好きの私としてはとても不満でした。
「マンガ喫茶コミックバスター八木駅前店」さん、気をつけてね〜。

9時半頃お店を出て桜井駅へ。
夜行バスに乗って翌朝の6時には懐かしい新宿駅前に到着。
千葉県の自宅へ向かいました。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!(終)

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2008年08月29日

「イッセー尾形のこれからの生活 2008」

2008年 イッセー尾形これからの生活 2008


「イッセー尾形のこれからの生活 2008」@原宿クエストホール
出演:イッセー尾形  演出:森田雄三
8月15日〜8月22日

8月20日(水)に観に行っています。
一人芝居を行っているイッセーさんの新作公演です。

その1
車の運転で初めての路上運転となった中年女性、おのでらのぶこさんがイッセーさん。
先生は、今回初めての若い女の先生。
ドキドキしながらの路上、知り合いにあっておしゃべりに夢中になったり、暴言はいて
先生泣かせたり。
パワフルなおばちゃんです。

その2
なんと男子高校生がイッセーさん。
イッセーさんの舞台は一つパートが終わると、舞台の横で衣装とメイクを変えるので
お客さんからそのようすが丸見えなのですが、これがまた楽しい。
今回もその前のおばちゃんから、どんな役に変わるのかと思ったら・・・白のシャツに
黒のズボンにバックを担いだらたちまちむさ苦しい今時の男子高校生。
最近、都会から転校してきた女の子「いまいけいこ」に放課後「あなたとお話しがしたいの」と呼び出されたらしい。

彼は話が苦手らしく、村祭りの事や村の伝説やらとりとめのない話ばっかりしてる。
村の祭りでは狐の嫁さんの役を毎年やっているらしい。
女の子には全然興味ない、てそぶりを見せるのに実は・・・というお話し。
ほんとは女の子に好意を持たれたのが、うれしいくしょうがないようです(^^)

その3
どんな所にもあるピアノ運びます、という業者の従業員がイッセーさん。
でもいくらなんでも30センチ四方の窓からピアノは出せない。
社長も地下室にあるピアノの移動で四苦八苦してる様子。
白のつなぎ姿がかっこいい。
以前、資産家だった男性が何かの事情で全てを無くして新しい出発として掃除屋さんに就職した
お話しがあったけれど、これはその別バージョンという感じがしました。

その4
休暇で森に蝶を捕りに来た女の子がイッセーさん。
新種を見つけたらすごいね!と友達とはしゃいでる。
イッセーさんの女の子、こんな感じです。

2008年 イッセー尾形これからの生活 2008 女の子




その5
もうすぐ東京タワーが出来る頃、その時代のお父さんがイッセーさん。
息子の頭を刈ってやったり、ご近所のノベヤマさんちはテレビを買ったそうで観に来ませんかとお誘いが来たり。
昭和30年代のとある一家の夕暮れ時。どこか懐かしく幸せな風景です。


その6
しばらく外国を放浪してきた男がイッセーさん。
町の一角で姿を消せる薬をうっている。
今なら500円だが、明日は2000円だという。
姿を消すのを実演して見せますが・・・・。
イッセーさんほんとに消えます。もちろん種も仕掛けも丸見えですが(^◇^;)

その7
サンセットグルーズの船の上で、バンド演奏して司会もしてる人がイッセーさん。
お客さんは金婚式の方ばかりらしい。
イッセーさんのウクレレ演奏も聴けます。


私は今回、男子高校生の話がいちばん好きです。
イッセーさんの男の子という意外性と、初恋の初々しさとほのぼのした雰囲気があってとてもいいですね。
こんな感じです。

2008年 イッセー尾形これからの生活 2008 男子高校生
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「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 歴代グランプリ作家とその仕事」

「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 歴代グランプリ作家とその仕事」


「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 歴代グランプリ作家とその仕事」@千葉市美術館
7月29日〜9月7日まで

8月20日(水) 用事で千葉市内に行った際、観に行っています。
私は千葉県民ですが、住んでいる松戸市内以外は県内はほどんと行ったことがありません。
千葉市内もずいぶんと久し振り、7,8年ぶりかと思います。

「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」、その名前自体初めて聞きましたがスロヴァキア共和国の首都の
ブラティスラヴァで2年に一度行われている絵本原画の国際コンペティションだそうです。

最近では2007年9月から10月にかけて第21回展が開催され、38の国から388人のイラストレーターが参加、
2740点の原画と477冊の絵本が審査対象になったそうです。

会場に入ってまず最初に展示されているのは今回のグランプリ受賞作のアィナール・
トゥルコウスキィの「まっくら、奇妙にしずか」。
チラシにも使われている作品です。
ドイツの方で、デザインの仕事をした後大学でイラストを学んだ若手で、絵本は初めてのデビュー作で
グランプリ受賞作となったそうです。

とある町にやって来た奇妙な男。彼は雲を呼び寄せ、そこから魚を降らせて町の
人々に売りますが・・・・というお話し。
紙に黒の鉛筆だけで描かれていますが、奇妙な装置、どこかロボットのような魚、
すみずみまで細かく描かれた建物と外の風景。
どこに何が描いてあるのか、どんなテクニックで描いているのかとおもわず見入って
しまします。
思わず触ってみたくなるほど細かく表現豊か。印刷したようになめらかできれいな表面。

肉筆画なのに、作家がこれに触って描いていたという余韻がまったく感じられません。
徹頭徹尾、冷静で観ている人にこびを見せない雰囲気があります。
冷たくなりがちですが、輪郭線は曲線が多く柔らかなので、絵本の世界はなんだかファンタジックな優しさもあります。

展示作品は、原画の横に絵本のあらすじも描かれているからとても観やすいです。
会場には、原書ですが絵本そのものも置いてあって手にとって見ることができます。

外国作家の作品群を見ていると、絵本=かわいい絵物語、という図式が自分の
頭に出来ていてそれは間違いだということに、気がつかせてくれます。
私の感性は多分ちょっと古いのでしょう。

1967年には日本人作家の瀬川康男さんも「ふしぎなたけのこ」とう作品でグランプリを受賞しているそうです。

他の作家ではイランのホダ・ハダディさんの「また雨をつれて」という紙に水彩絵の具で描かれた作品が
印象に残りました。

三浦太郎さんの「くっついた」はページを開くと左右に一つずつ、たとえば金魚が描かれ、次のページを
開くと左右の絵が中央でくっついているとう楽しい絵本。
お母さんと坊やが、次のページでくっついて最後にお父さんもくっついちゃう。
ラストのページを開いたとき思わず笑いそうになりました。


posted by みどり at 09:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月28日

映画「ブルグ劇場」 

生誕100年 川喜多かしことヨーロッパ映画の黄金時代


生誕100年 川喜多かしことヨーロッパ映画の黄金時代
映画「ブルグ劇場」 @東京国立近代美術館フィルムセンター
監督・脚本:ヴィリ・フォルスト
出演:ヴェルナー・クラウス、ヴィリー・アイヒベルガー、他
1936年オーストリア映画


8月19日(火)に観に行っています。
川喜多かしこ(1908-1993)さんは、東和商事(現:東宝東和)の社長夫人で、
夫である長政さんとともに、戦前より数々の優れたヨーロッパ映画を日本に輸入する
からわら、日本映画の海外への普及や、「アート・シアター」運動、「フィルム・ライブラリー」運動
にも先駆的な役割を果たした方だそうです。

新婚旅行でヨーロッパへ行った際に観た映画を気に入り、夫におねだりしてその映画を日本で
公開できるようにしたのが最初、と何かの本で読んだことがあります。
その映画が今回の特集企画でも上映されている1933年日本公開(制作は1931年)
のドイツ映画「制服の処女(おとめ)」です。(寄宿制の女学校を舞台にした物語です)



今回の「ブルグ劇場」、名作映画だそうですが観たこと無いと思って行ったのですが
ラストに来てやっと以前観たことある、と思い出しました。
以前テレビで放送があったとき、ビデオテープに録画したもののあまり見る気が起こらず、
日本語字幕付きだったのをいいことに早送りでとりあえず内容だけつまみ食い
するような見方をしていたのでした。


内容は、世間に絶大な人気のある独身の老名優が、初めて若い女性に恋をして
しまうというもの。
<あらすじ・古典映画なのでラストまで書きます>
大金持ちの夫人がいて彼女は数々の芸術家のパトロンでもあり、この夫人に
認められれば出世のきっかけも出来る。
少女は俳優を目指している恋人に、出世のきっかけを作ってあげたくて老俳優の所へ
いったのですが、夫人が老俳優に出したパーティの招待状をつい盗んで恋人に渡してしまいます。
自分宛にきた招待状と思い込んだ若者は夫人のパーティへ。
間違いに気がついたものの、その場を取り繕うために人々にすばらしい才能をもった
新人だと紹介してしまう夫人。
端役ながらも大劇場のブルグ劇場に出演でき、すっかり夫人に夢中になる若者。
パトロン夫人と若者の仲のことで世間ではよからぬ噂がながれるようになり、一方
老俳優は頻繁に自分の所に来てくれる少女にすっかり勘違いしてしまい、真剣に結婚を考えるようになります。
噂のため、劇場を解雇され絶望し自殺まで考える若者。
全てが分かった老俳優は若者に叱咤激励し、自分は演劇に打ち込むことこそ使命
と感じるのでした。




老俳優は実在した名優をモデルにしているそうですが、映画の物語は全くの創作だと思われます。
老俳優役のヴェルナー・クラウスはドイツ古典映画の名作「カリガリ博士」(1919年作品)
のカリガリ博士役を演じた方だそうです。

あらすじだけ読むと、老いらくの恋という印象を持たれるでしょうが、映画の方は
そんな安っぽい感じは全くありません。
ヴェルナー・クラウス演じる老俳優は、とても気品があります。

今まで演劇一筋できたのに、初めて恋をして俳優業を捨ててもいいから幸せに
なりたいとまで思うのです。
少女の方は悪気は無いけれど、恋人のことしか頭になくて老俳優のもとにやって
くるのですからコレでは勘違いしない方が無理。
こんなふうなので観ていて老俳優が気の毒でしょうがありませんでした。

恋人の方はパトロン夫人の所へ頻繁に行きますが、これも下心があるからではなく純粋に感謝の気持ちから。
しかし、こちらも回りのことを考えてないから世間であらぬ噂をたてられ、恋人からも
誤解されてしまいます。

若者が自殺しようと終演後の人気のないブルグ劇場へいき、事の次第をしった老俳優が劇場の
闇の中で若者と対話するシーンがとても印象的です。

穏やかな展開の物語です。
二人の若者の悪気は無いけれど思慮の足りない行動が周囲を巻き込んでしまう物語、とも言えますが
そのせいなのか私はこの映画が好きになれません。
でも、そういう若者を見守る年配者がいるという優しさも感じます。
大劇場での演劇のワクワクする感じ、ヴェルナー・クラウス演じる老俳優のダンディな立ち振る舞い、
パトロン夫人の華やかさ、美しさが物語に花を添えているようです。
こんな映画今ではもう作れないだろうな、と感じました。




posted by みどり at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月27日

2008年夏・観劇旅行記 その4・三重県赤目四十八滝へ

8月18日(月)
出発の約2時間前に起きないと落ちついて支度が出来ないので朝は5時起き。
いろいろ買いこんだおみやげやら、重たいパンフレットなどはまとめてホテルの1階
にあるコンビニから宅急便で自宅に送ることにしました。
大阪・森ノ宮のホテルを朝7時に出発。

この日は三重県名張市の赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)へ行きます。
前回訪れたのは2002年の7月でした。今回は6年ぶりです。

2002年の時も観劇旅行の途中で行ってきたのですが、前回はこんなルートでした。
東京駅から夜行バスで出発。
1日目
宝塚歌劇の公演を本場、宝塚市の大劇場で鑑賞。
手塚治虫記念館にもたちよる。大阪泊。

2日目
三重県の赤目滝と奈良県・長谷寺へ(両者は位置的に近いです)
夜、大阪で劇団四季「キャッツ」鑑賞。大阪泊。

3日目
岡山県へ向かう途中、播州赤穂を観光(忠臣蔵が好きなので)。
岡山県の瀬戸内海にある犬島で行われた劇団維新派野外劇公演「カンカラ」鑑賞。
岡山泊。

4日目
生まれてはじめて四国へ。金比羅さんを参拝。
丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館にもよる。高松から夜行バスで帰宅、でした



さてこの日は宮ノ森駅から乗って、鶴橋駅から近鉄大阪線の松坂行き電車に乗り換えました。
大阪を離れ奈良県内に入るにつれ、回りに山が見えてくるのがとても新鮮です。
なにしろ私は山なんか全然見えない関東平野に住んでいますから。

8時45分頃、赤目口駅に到着。

2008年8月18日の赤目口駅


ここから8時55分発の赤目滝行きのバスに乗りました。
1時間に一本しかないから遅れるわけに行きません。
乗ってるお客さんは、平日のせいか私含めてたった3人。うち一人はカードを使って
乗車していたから地元の方のようです。

赤目四十八滝は奈良県と三重県の県境にあります。
約4キロにわたり大小の滝があります。四十八滝というのは48個滝があるという
のではなく、たくさんある、という意味でつけられた名前のようです。
入山口から、最後の滝の巌窟滝まで歩くと約4キロ。
普通はここから最初の入山口に戻るのですが、今回はさらに先に進み香落渓
(こおちだに)の落合バス停まで歩いてみることにしました。

約10分で赤目滝に到着。ちょっと歩くともう入山口です。
入山料300円也。

2008年8月18日の赤目滝入山口


まずはゲートを兼ねた、各種サンショウウオが展示・紹介されている「日本サンショウウオセンター」に
入ることになります。
ここは前回観てるしあまり興味ないので、さっと抜けていよいよ赤目滝へ。
時刻は9時半ちょっと前。

2008年8月18日の赤目滝 1


うっそうと茂った木々と流れる水。
一気に温度が2,3度下がった感じがします。

2008年8月18日の赤目滝 2


2008年8月18日の赤目滝 3


マイナスイオンたっぷりです。

2008年8月18日の赤目滝 4


遊歩道は観光用に整備されていますが、場所によってはかなり細い所や、けっこう厳しい
アップダウンがあります。

2008年8月18日の赤目滝 5


ここがたぶん一番有名な「荷担滝(にないたき)」。

2008年8月18日の赤目滝 荷担滝


ゆっくり歩いているのでここで11時ちょっと前。
前回来たときは、その数日前に台風通過で落石があり、ここから先に進むことが
出来ませんでした。

いよいよ未知の世界へ。初めて行くところはちょっとワクワクしてきます。
琵琶滝。

2008年8月18</div>日の赤目滝 琵琶滝


そして最奥の巌窟滝。

2008年8月18日の赤目滝 巌窟滝



普通はここで折り返すことになります。
さらに進むと「出合」にでますが、ここからスタート地点に戻るバスが無いからです。
出合からは香落渓の「落合バス停」に歩くことが出ますが、出合からさらに大人の足で1時間半かかります。
(この時間はガイドブックに書いてあったもので私の足ではもっとかかりました)
「落合バス停」から通常は、1時間に一本くらい最寄り駅の名張駅に向かうバスがあるのですが、
今回事前に時刻表を三重交通バスのサイトで調べようとしたら検索で出てこない。
どもうよく分からないので、直接電話で問い合わせしてみると、落合〜名張の途中で落盤に
よる通行止めが行われている、とのこと。
落合から名張駅への直通バスは運行中止になっているが、要望が多いので遠回りするルートで
臨時の乗り換え便をだしているとのことでした。
聞いてみると本数はすごく少ない(なんと朝・夕各1便)のですが、これに乗れば帰れます(^^)V
(土日はまた別ルートの臨時の便が出ているそうです。詳しくは三重交通バスにお問い合わせ下さいね)

さて、巌窟滝を過ぎるととたんに風景が変わりました。
マイナスイオンたっぷりの水と森の風景だったのに、川も水が急に少なくなり
殺風景で殺伐とした感じになりました。

滝の奥に進むにつれて、先に進んでも帰るバスが無くなるから起点に戻るまで約○時間という表示が目に付くようになります。
時間もかかるから今の内に早く帰れよ、という事みたいです。
やっと舗装された林道の「出合(であい)」に出ました。ここで確か時刻12時くらい。

出合茶屋の売店


売店があったけれど閉まっていて、どうやら観光向けに土日くらいしか開いてないようです。
「出合」にあるバス停の名前はなんだかかわいい「出合茶屋」です。
茶屋で一服したかったなあ。
せっかくなのでここで、持ってきたカロリーメイトとポカリスエットで昼食、一休み。


2008年8月18日  出合にて


ここが運命の分かれ道?
ここから先は香落渓の落合バス停を目指します。

ところで当初はスケッチをしようかとスケッチブックと携帯用の水彩絵の具までもっていったのですが、
歩きは思ったよりハードでとても絵を描く気持も時間の余裕もありませんでしたf(^ー^;

(続く)

posted by みどり at 10:05| Comment(4) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月26日

劇団四季公演「オペラ座の怪人」 2008年夏

劇団四季公演「オペラ座の怪人」 @大阪四季劇場



劇団四季公演「オペラ座の怪人」 2008年夏@大阪四季劇場

8月17日(日)に1階S席(J列センターブロック)で観てきました。
去年の3月に東京公演を観て以来の「オペラ座の怪人」なので約1年半ぶりの鑑賞
となりました。

この日の主な配役です。
オペラ座の怪人・・・高井治
クリスティーヌ・ダーエ・・・高木美果
ラウル・シャニュイ子爵・・・岸佳宏
メグ・ジリー・・・荒井香織
カルロッタ・・・種子島美樹
マダム・ジリー・・・戸田愛子
ムッシュー・レイエ・・・斎藤譲


一番びっくりしたのはついこの前まで、東京で公演中の「キャッツ」でスキンブルシャンクスを
演じていた岸佳宏さんが、大阪でラウルを演じていたことでした。
「キャッツ」に登場しなくなったな・・・と、思ったら大阪で「オペラ座の怪人」に出てた
なんて全く知りませんでした。
しかもラウルだなんて、大役ではないですか。
ラウル役をやる方はたいていその後、タイトルロールの怪人役をやることになるから
です。
「キャッツ」のスキンブルシャンクスのダンスはきれいでしたが、歌の方は失礼ながら特に
これといった印象をうけませんでした。
そんな岸さんでしたが、今回のダンス無し、歌がメインとなるラウル役を難なくこなしてるように
お見受けしました。

いつの日か、岸さんの怪人が観られるでしょう。これはとても楽しみになりました。

高井治さんの怪人、高木美果さんのクリスティーヌは以前の東京公演でも観ています。

高井さんのファントム、以前観たときは歌はいいけれど、仕草というか「動き」のキレが悪いし
立ち姿がダラッとしてしまりがない(ごめんなさい)と感じていました。
今回観ていると、以前よりずっと動きがスマートできれいになっていると感じました。

高木美果さんのクリスティーヌ、やはりきれいな歌声でした。

ところで1幕目の「支配人のオフィス」の場面、ここは二人の支配人や、カルロッタ、
ラウル達、複数のキャラクターが登場し、しかも別々の内容をいっせいに歌い出す
という場面があります。
それぞれが何を言っているのか私にはほどんど聞き分け出来なかった場面です。
以前はここでは、二人の支配人がカルロッタのご機嫌をとっている内容しか私には
聴き取れなかったのですが、今回初めてラウルの歌声と歌詞がしっかり聴き取れ
ました。

隅々まで計算しつくされた美しい舞台美術と、場面転換は何度観てもすばらしいです。
改めて、何度も観たい作品だと思いました。

「オペラ座の怪人」も今年で日本公演20年になるそうです。
会場の入り口には、こんなオブジェがありました。
薄暗いし、照明のせいか手持ちのカメラではきれいに撮影できなかったのですが
ご紹介します。
額の高さは二メートルくらいだったかと思います。

劇団四季公演「オペラ座の怪人」 2008年夏@大阪四季劇場の入り口前


劇団四季公演「オペラ座の怪人」 2008年夏@大阪四季劇場の入り口前 左


劇団四季公演「オペラ座の怪人」 2008年夏@大阪四季劇場の入り口前 右

posted by みどり at 09:21| Comment(4) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

「塩田千春 精神の呼吸」展

「塩田千春 精神の呼吸」展@大阪 国立国際美術館



「塩田千春 精神の呼吸」展@大阪 国立国際美術館
7月1日〜9月15日まで


8月17日(日)に「モディリニアーニ展」を観たのでこちらも観てきました。
でも今回国立国際美術館へ行ったのは「モディリニアーニ展」よりも「塩田千春展」
の方がお目当てだったのです。

今回の展覧会は新聞の紹介も観ていたので、ぜひ観ておきたいと思っていました。
塩田千春さん(1972年大阪生まれ・女性)は、ベルリンを拠点に活躍してるアーティストさん
だそうです。

チラシにも使われている作品「DNAからの対話」は、公募によって集められてた使用済みの靴を赤いひもで結んだもの。
そばに行ってみてみると、靴にはそれぞれ元の持ち主のコメントが紙に書かれて
つけられていました。
就職してから買った靴、外国を旅行したときに購入した靴、事故でケガをしてリハビリ
の時に使った靴、母の手作りの靴、などなど・・・中には下駄もありました。

そう言えば赤い糸で結んでいると言うとこがなんだか意味ありですね。
結婚する男性と女性が見えない赤い糸で結ばれているなんていうの、聞きますから。
私の赤い糸はどこかで切れてしまったらしい(T.T)

赤い糸、なんだか体中を巡る血管のようにも見えてきます。
大勢の人々の思いがそこに集められ、一つに結びつけられているような感覚のある作品です。

別の会場ではまるまる一室をつかった「During Sleep」は実際に病院で使われた
というベッドに白い布団がのっていて、その回りを人が入れる隙間も無いくらいに
黒い毛糸のようなひもを張り巡らした作品。
ベッドは30個くらいあったようなきがします。布団はついさっきまで誰かがいたような
感じでみだれています。
人の残像が見えるような感じです。
まるで巨大な蜘蛛が酔っ払って糸めぐらしたようで、絡み合った黒い糸で埋め尽くされた空間に
開けられた通路を歩くと秘密の妖しい場所に来たような感じがします。
このベッドを使った人々はどこへ行ってしまったのか。
過去と今の時間の経過を感じさせる作品で、不思議といつまでもそこにいたくなりました。

ドロに汚れた巨大なコートがつり下げられているのは「皮膚からの記憶」という作品。
これは正直言って意味が分からない。

別の会場では写真作品の展示。
作家自身が真っ赤な血のような物を浴びて立っている写真は「絵になること」という作品。これはちょっと引きます。

もう一枚、泥水に作家がつかっている写真をみてやっとこの方の映像作品を以前観たことある、と思い出しました。
なんという展覧会か忘れましたが何人もアーティストの映像作品が上映されている
会場で観た1本でした。

モノクロの映像の中で泥水と思えるバスタブの中にいる作家らしい人物を写した
作品でした。
他の作家の作品は全く覚えてないのに、この作品だけ覚えているのは作品が
すばらしかったからではなく、そこに写っている裸の人物(=作家)が本物の狂人に見えて
なんだかとても不気味で気持ち悪かったからです。

飛び抜けた才能をもつアーティストは狂人と紙一重か。
そんな人ばかりでは無いと思うけれど、この方はまさにそんな一人だと感じました。
posted by みどり at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「モディリニアーニ展」

「モディリニアーニ展」@大阪 国立国際美術館


「モディリニアーニ展」@大阪 国立国際美術館
7月1日〜9月15日まで


8月17日(日)に行ってきました。
春に東京で開催されていた展覧会が大阪に巡回していたとは知りませんでした。
モディリニアーニの展覧会はわりとよく開かれるので、春の展覧会の時はあまり
興味がなかったのですが、今回はせっかく時間もあるので観てみることにしました。
開館まもなく中に入ったのに、場内はすでに多くのお客さんが来ていました。

20世紀初頭、パリに住み画家を目指していた(生前は絵がほとんど売れなかったので、
活躍していたとは言い難いです)アメディオ・モディリアーニ(1884-1920)。
首の長いひょろっとした人物像で知られますが、今回の展覧会でもそのような油絵作品がありましたが、
素描も数多く展示されていました。

初期のカリアティッド(古代ギリシャの建物の柱に彫刻された人物像)を描いた作品群は、
その後のモディニアーニの様式の原型をみるようでした。

モディニアーニの人物画は、瞳がはっきりしていない、という印象が今まであったのですが
「赤毛の若い女」や「女の肖像(通称:マリー・ローランサン)」はしっかり瞳が描かれているので
目元ぱっちりの美人像。
「ピエール=エドゥアール・バラノフスキ」は男性の肖像画。
美女ではないけれど、でもやはりやや長めの首を斜めに曲げてこちらを観ている男性像。
今まで観てきたモディリニアーニの絵とは少し違う感じのする人物画でした。
男性だけれど、そのポーズのせいかどこか女性的な感じもします。

素早い簡素な線で描かれた素描は、画家の生の時間がそこに移動してるような
感覚があっておもしろい。
私は、画家の素描を観ても今までこんな風に感じることはありませんでした。



それにしても今回は、会場で作品よりも一人のお客さんに目がいってしまいました。
ゆっくり絵の前を歩いている年輩の細身のご婦人。
黒いカーディガンにくるぶしまである丈のグレーのロングスカート。モディリニアーニの絵の前にその方が
いると、絵とご婦人がそのまんま一枚の絵画に見えてしまい、思わず離れたところから見とれてしまいました。
posted by みどり at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする