2008年06月30日

無声映画鑑賞会 「チャップリンの恋のしごき」「チャップリンの番頭」「サンライズ」

無声映画鑑賞会
「チャップリンの恋のしごき」「チャップリンの番頭」「サンライズ」@門仲天井ホール


6月26日(木)の上映会を観に行っています。

前半2本はチャップリンの短編2本。解説・弁士は桜井麻美さん。

「チャップリンの恋のしごき」  1914年(大正3年) キーストン作品
監督:ジョージ・ニコルズ
出演:チャールズ・チャップリン、他

チャップリン映画というとチャップリン本人が監督してると、思い込んでいたのですが
この作品は別の方の監督。
映画監督、演出家としてはあまり評価されることが無く、当時から俳優として活躍して
いて1917年以降は役者に専念しているそうです。

ヘルパス卿(チャップリン)は勘違いから、恋人に振られてしまう。悲観して自殺しようと
毒を飲んでしまう。その直後、恋人から勘違いをわびる手紙が届く。
実は毒は執事が水と取り替えていたのですが、そうとは知らないヘルパス卿は大あわて、というお話。

単純ですが、ドタバタが楽しい喜劇。

「チャップリンの番頭」 1916年(大正5年)  ミューチュアル作品
監督・脚本・出演:チャールズ・チャップリン
出演:エドナ・パーヴィアンス、他

質屋の店員になったチャーリーの活躍を描く喜劇。
客が持ってきた目覚まし時計を調べてみる、と言ってドンドン分解してしまい最後は
使えないと、バラバラのまま客に返してしまう超絶接客ぶりがすごい(^_^;)


「サンライズ」 1927年(昭和2年) フォックス・フィルム作品
監督:F.W.ムルナウ  脚本:カール・マイヤー
原作:ヘルマン・ズーデルマン
出演:ジョージ・オブライエン、ジャネット・ゲイナー、他
解説・弁士:澤登翠

すでに何度も観たことがある作品です。
何しろ昔のLD(レーザーディスク)版で持っているくらい好きな作品です。
F.W.ムルナウもカール・マイヤーもドイツの方。
ムルナウがハリウッドに招かれて監督した第1作目だそうです。
この監督、脚本家のコンビでは「最後の人」というホテルのドアマンを長年勤めていた
老人の悲哀を描いた作品があります。
無声映画時代の作品は、字幕が普通ですがこれは無字幕映画として有名(実際は最後に
手紙が映し出されるのですが)。
今回の「サンライズ」もわずかに字幕がありますが、なくても映像だけでストーリィが
分かるくらいです。

<あらすじ>古典映画なのでラストまで書きます。
湖畔の静かな田舎。
都会から避暑にやってきた女(マーガレット・リビングストン)は農家の男(ジョージ・オブライエン)を誘惑。
男は都会の女にそそのかされて妻の殺害を企てるが、途中で自分の行いを後悔。
何度もわびて、なんとか妻の機嫌を取ろうとします。
気まずいまま都会にやって来た夫婦。次第に仲直りした二人は都会で楽しく過ごし
小さなボートで田舎に戻りますが途中で暴風雨にあい、ボートから投げ出されてしまいます。
男は岸に流れ着きますが、妻がいない。村人総出で捜索が行われ妻は発見され
二人は愛を誓い合います。


無声映画ですが、都会の遊園地シーンが賑やかで楽しいです。
これらがすべてセットというからすごい。
監督がドイツから連れてきたロフス・グリーゼによる美術は効果的、かつ美しいです。
夫婦が仲直りして、写真を撮ってもおうと待っている時うっかり置物を落として
しまい人形の首がなくってあわてるシーンや、遊園地から子豚が逃げ出すシーン、
夫婦とは関係ないけれど女性のドレスの肩紐が何度もずり落ちるのが気になる
男性の様子など、細部のちょっとしたエピソードがそれぞれ気が利いていて全体と
しては楽しい雰囲気を盛り上げることになっています。
やはり脚本がうまいのだと思います。

字幕も少ない映画で映像で見せる映画です。字幕が無くても話が分かるくらいです。
そんな訳で、澤登翠さんによる弁士付きでしたが、失礼ながらこの映画は弁士なしで
静かに見たい映画だなと思ってしまいました。
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2008年06月29日

映画「ザ・マジックアワー」

映画「ザ・マジックアワー」



映画「ザ・マジックアワー」@MOVIX亀有
脚本・監督:三谷幸喜
出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、他


6月23日(月)のレイトショウー上映を観に行っています。
ポイントがたまっていたので使うことにして、タダで観てきました。
夜8時過ぎのレイトショー上映は1200円と通常料金よりお安くなっているから
ちょっともったいなかったのですが。

<あらすじ>
古い西洋の町を思わせる港町、守加護(すかご)。
この街を牛耳るのは手塩(西田敏行)。彼の愛人・マリ(深津絵里)に手を出して
しまった手下の備後(妻夫木聡)は手塩に捕まってしまう。
なんとか逃げだそうとして口から出任せに伝説の殺し屋「デラ富樫(とがし)」と
知り合いだと言ってしまい、手塩からデラ富樫を連れてくれば助けてやると言われる。
当然備後は約束の期日が迫っても、デラ富樫を見つけることもできない。
窮地に至った備後は、新人の映画監督の振りをして無名のアクション俳優・村田大樹
(佐藤浩市)を雇い、彼を「デラ富樫」に仕立てることにする。
村田には台本無し、セリフは即興の映画撮影と思い込ませ、手塩に会わせることにしますが・・・。



大爆笑ではなく、くすくす笑って楽しめる映画でした。
およそ日本とは思えない架空の港町・守加護。どこなく神戸か横浜をイメージさせます。
ストーリーだけ見ると、全てを映画撮影だと思い込ませるなんて無理だろうと思うのに
映画を見ていると、そんなことをほとんど感じさせません。
三谷幸喜のストーリー構成と、演出のうまさだと思います。
お話しは、最初から無理のある所から始まっているから、備後の思い道理に行くわけがなく
どんどん無理が大きくなってしまいます。
最後はどうなるんだ???と思わせますが、みごとな展開をみせてくれます。

こんなにうまくいくわけがないと、所々感じる部分もありましたが良くも悪くも勢いで
見せられた気がします。
そのせいなのか、なんだか大作を見たという感では無かったです。
おいしいんだけど、こってり油ギラギラの豚骨ラーメンではなく、和風ダシのあっさりコクの
ある醤油味ラーメン・チャーシューとメンマたっぷり付き、みたいな映画でした。
たとえが変ですね。

やはり、佐藤浩市さん演じるアクション俳優・村田大樹の存在感は圧倒的。
備後の言葉を信じ、一生懸命真面目にかっこよく「殺し屋・デラ富樫」を演じる村田は
けなげですらあります。
映画を見る前は、主人公は備後かと思ったらこれはもう村田ですね。
彼のマネージャー役の小日向文世もひょうひょうとした感じがいい。

西田敏行さんが悪役のギャングのボス役というのはちょっと意外でしたが、見ている
うちにだんだん似合っていると感じてきます。
彼の腹心の黒川(寺島進)や、手下の太田垣(甲本雅裕)も真面目なギャングという設定が
好感もてて、私はこの二人が大好きになりました。


映画の中で、村田が大好きな昔の映画として「暗黒街の用心棒」という映画が登場します。
劇中劇ならぬ、映画中映画。
古いモノクロ映画をイメージして作られた映画の断片で、谷原章介さん演じるニコは細身で、
殺し屋という感じでないですがクールな感じがいいです。

あまり書くとネタバレになってしまうのですが、コマーシャル撮影の老エキストラ役
として登場する柳澤眞一さんと、谷原章介さんはみごとによく雰囲気が似ているなと思いました。

今回観ていて一番気になったのは、深津絵里さん演じるマリ。
私にはギャングのボスと、備後をまどわす魅力的な悪女には、とてもみえないのでかなり
違和感がありました。
ちょっと美人の自分勝手なわがまま女には見えますが。
きっと三谷幸喜さんの好みのタイプなんでしょうね。

マダム蘭子を演じた役者さん、見事な厚化粧にパンフレットを見るまで戸田恵子さんとは
気がつきませんでした。
posted by みどり at 10:34| Comment(3) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月27日

「月形半平太 (パテベビー短縮版)」「狂った一頁」

長谷川一夫と衣笠貞之助 特集



長谷川一夫と衣笠貞之助 
「月形半平太 (パテベビー短縮版)」「狂った一頁」@東京国立近代美術館フィルムセンター


6月22日(日)に観に行っています。
俳優・長谷川一夫と映画監督・衣笠貞之助の特集上映、今回は衣笠監督作品の
2本立て上映です。


「月形半平太 (パテベビー短縮版)」 14分 1925年(大正14年)作品 無声映画
今回上映のフィルムは解説によると「9.5ミリパテベビー版として再編集がほどこ
された短縮版」とのことですが、パテベビー版の意味がわかりませんm(__)m
何しろ14分しか無いから話は正直いってほとんど分かりませんでした。
(私は時代劇ファンではないからなおさらでしょう・・・。
私がフィルムセンターによく足を運ぶのは時代劇ファンだからではなく、歴史的に価値ある
フィルムなら観ておきたいからです)
幕末の志士・月形半平太の物語。「月様雨が」「春雨じゃ、ぬれていこう」のセリフ
で有名なお話し。


「狂った一頁」 59分 1926年(大正15年)作品  無声サウンド版
無声サウンド版とは、無声映画(セリフがきこえない)だけれど後年になって音楽は
つけられたフィルムのことです。
この日の上映は、この作品が目当てで行きました。

衣笠監督が、作家横光利一や川端康成に協力を仰いで製作した前衛映画。
今回上映のフィルムは1975年に衣笠監督自らが音楽をくわえたニュー・サウンド版
だそうだ。わざわざニューとつけつところをみると、おそらくその前にもサウンド版が
あったのでしょう。

無声映画でよくある字幕によるセリフも、この作品にはありませんでした。
精神病院(今と違って鉄格子のあるまるで牢獄のような病室)を舞台に、現実と
幻想の世界が入り交じるかなり実験的な映画でした。

嵐の夜。自分を踊り子と思い込んでいる女性患者。意味の分からないシーンが激しく
入り乱れ映し出される。病院へ見舞いにやっている若い女性。町の賑やかな福引き会場。
一等のタンスを引き当てる初老の男性。気がつくと彼は病院に。ここで雑用をしているらしい。
ひょっとすると全ては彼の幻想の世界だったのか・・・。
と、そんな内容です。

字幕がないから、観る人によって話はどうにでも解釈できそうです。

1926年にこんな前衛的映画が日本で作られたと言うのがびっくりします。
精神病院を舞台にした前衛映画ということで、観ていてすぐやはり無声映画時代の
ドイツで作られた「カリガリ博士」が思い出されます。こちらは1919年の製作。
雰囲気はそっくりです。
今見てもかなり前衛的、これで興行的にどうだったんだろう?と思ったらやはり
かなりの大赤字だったそうです。

楽しい映画ではありませんが、かなり興味深い作品でした。



<2008-06-28追記>
パテベビーについて、ネット上を検索してみました。
分かったことを、簡単にまとめておきます。

映画創世記にはいろいろな方式のフィルムが開発されては消える中、主に大正末期から
昭和初期に流行したのがフランスのパテー社が提唱した、パテベビー方式の9.5mmフィルム。
家庭用活動写真や、アマチュア活動写真作成用として用いられたそうですが、
第二次大戦後は徐々に衰退した方式だそうです。
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2008年06月26日

「ダーウィン展」

2008年 「ダーウィン展」



「ダーウィン展」@国立科学博物館
3月18日〜6月22日まで  終了しています


6月21日(土)に観に行っています。
チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809-1882)。
予想はしていましたが、かなり混んでいました。
人混みの中で展示を観るのは我慢ならないくらいイヤで、吐き気はするし、目が
回りそうになります。
とにかく気分最悪の中で鑑賞でした。

展示の内容そのものは、多少不満があるのですが進化論を生み出した博物学者の生涯を
わかりやすく紹介していたと思います。
不満の訳については、このあとで触れます。

一時期、ダーウィンのファンだったことがありいろいろと資料を読んでいたので
今回の展覧会は、私にとっては知っていたことの再確認となりました。

ビーグル号での5年による航海。
この航海での彼の立場は、船長の話し相手兼、博物学者ということだったらしい。
船長はダーウィンのことをいい話し相手だと、知人に手紙を書き送っいて、その手紙
の展示もありました。
私にとってはこれや、ダーウィンが家族に当てた手紙が展示されてるとことが興味
深かったです。

ダーウィンがガラパゴス諸島で出会った様々な動物が、ダーウィンにインスピレーションを与えたらしい。
そう言えば先日NHKのドキュメンタリー番組で、ガラパゴス諸島の現状が紹介されて
いました。
今や観光地として人気のあるため、人口も増え、それにともなってゴミも増えてその
処理が追いつかず、島の生態系もおかしくなっているそうです。


進化論というと真っ先に人々の頭に浮かぶのはダーウィンですが、ほぼ同時期に進化論を
打ち立てたもう一人の人物がイギリス人、アルフレッド・ラッセル・ウォーレス。
考えついたのはウォーレスの方が若干後らしいけれど、二人とも正式に学会に発表
していなかったため、「進化論」の先取権をダーウィンにと思っている人々の画策で
結局最初の論文発表(1858年)はダーウィンとウォーレスとの共著、という形になった、
と言うことは展示でも紹介されていました。
1859年にダーウィンが「種の起源」を発表したことで進化論の先取権はダーウィンに
確定したらしい。

しかし、この紹介だけではとても不満でした。
ウォーレスはもっと、評価されていい、もっと紹介されるべきだと思っているからです。
ダーウィンは裕福な家の出で、様々な標本採取もできるビーグル号の船に親の
お金で乗ることが出来た(お給金もらって乗っている乗員ではないのです)。
それに比べて、貧乏なウォーレスは標本採取をしつつイギリスの学者や博物館にその標本を
売って、東南アジア(特にインドネシア)に行くお金を稼いでいた。
当時このような標本採取者のことはフライ・キャッチャー(直訳するとハエ取り屋)と呼ばれていたそうな。
もちろんだいぶさげすんだ名称でしょう。
標本採取など低級な仕事だったらしい。

ダーウィンがビーグル号での航海を終えても、すぐに標本の整理をしなかったとい
のも訳がわかります。
彼は標本もいつどこで採取したのかと言うことも、きちんと記録してなったらしい。
他の方の航海記録で、これはわかったそうだ。

知れば知るほど私はウォーレスが気の毒で仕方ありません。
結局は貧乏で孤独な研究者だったウォーレスより、金持ちで人付き合いもよく、理解者、
協力者の多かったダーウィンは何かと運がよかったようです。

5年の航海をまとめた「ビーグル号航海記」は文庫本三冊になっているのを読んだ
ことがあります。
これは一般人向けに書かれているし、冒険譚みたいな読み物風なのでおもしろく読めます。
しかし「種の起源」(文庫本全2冊)、これは読み出したけど先に進みません。
こちらは学術書でした。読みづらいです。
いったいいつになったら読み終わるやら・・・f(^―^;



「世界を勇気づけた科学者・野口英世」展


「世界を勇気づけた科学者・野口英世」展@国立科学博物館 日本館1階企画展示室
5月20日〜7月21日まで

こちらの展示も観てきました。
貧しい農家に生まれた野口清作(1876-1928)。名前は後に英世と改名しています。
改名した理由は、当時人気のあった小説のグータラ主人公の名前が清作(字がちがって
いたかもしれませんが読みが同じ)で、それがイヤで買えたんだそうです。

この方は、日本よりも外国での評価の高い科学者ですね。
母シカや、野口の直筆の手紙の展示があるのがとても興味深いです。

彼が金銭的には大変ルーズな人だった、ということは、全く触れられてない展示でしたが、
彼の偉大な業績については子どもにもわかりやすい展示だったと思います。
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2008年06月25日

長谷川一夫と衣笠貞之助 「雪之丞変化」1963年版


長谷川一夫と衣笠貞之助 特集



長谷川一夫と衣笠貞之助 特集
「雪之丞変化」 1963年版@東京国立近代美術館フィルムセンター
監督:市川崑  脚本:伊藤大輔、衣笠貞之助、和田夏十
原作:三上於菟吉
出演:長谷川一夫、山本富士子、若尾文子、勝新太郎、他



6月20日(金)に観に行っています。
フィルムセンターでは6月、7月は俳優・長谷川一夫(1908-1984)と映画監督・衣笠貞之助
(1896-1982)の特集上映が開催されています。

今回見てきたのは「雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)」。
親の仇討ちのため、旅回りの一座で女形として身を隠す中村雪之丞(長谷川一夫)。
仇討ち物語に殿様のお抱えもので雪之丞に恋する波路(若尾文子)、怪盗・闇太郎
(長谷川の一人二役)、スリのお初(山本富士子)、、闇太郎に負けまいとする昼太郎
(市川雷蔵)が絡んできます。ちょい役で若き日の勝新太郎も登場する豪華版。

この物語は、何度も映画化、テレビドラマ化、舞台化されてきた作品で私も大好きな話です。
見たことはありませんが美輪明宏さんが主役を務めたテレビドラマ版というのも
あったそうです。
雪之丞を美空ひばりが演じるという映画版もありました。これは観ています。

原作は小説だそうですが、映画化や舞台化すると主役の雪之丞と、その母親、怪盗
「闇太郎」の三役を同じ役者が演じるのはパターン化しているようです。
元が戯曲ではないから、同じ人が演じるようにという指定は無いはず。
最初にこの配役を考えた人はすごいと思います。
もしかして、一番最初に映画化か舞台化になるときに作者が指定したのでしょうか。


今回の映画は長谷川一夫の「三百本記念映画」として作られたそうです。
1935年に衣笠貞之助が監督・脚本を担当し、主演を林長二郎(後年の長谷川一夫)が
演じ大ヒットした映画の再映画化版。

今回の映画での長谷川一夫演じる闇太郎はかっこいいですが、女形の雪之丞は
二重あごになっているのが気になって、最初は正直言って美しいと感じませんでした。
それでも見ている内に、着物の袖を触る仕草や、身のこなしがとてもきめ細かく優雅
であることに気がつき、だんだんときれいに見えてくるから不思議です。
さすがに名優です。

雪之丞に憧れる波路(なみじ)、心はまさに恋する乙女。
若尾文子演じる波路はかわいいです。ちょい役で勝新太郎が登場するのも楽しい。

映像的には、真っ暗闇の中に人物が浮かび上がるような凝った照明が印象的。
印象的で実験的ですが、今見るとやはり古い感覚がします。

1935年版の上映も今後あるので是非観たいと思っています。
若き日の林長二郎演じる雪之丞はさぞかし美しいことでしょう。楽しみです。
posted by みどり at 10:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月24日

デボラ・コルカー・カンパニー公演「ルート ROTA」

デボラ・コルカー・カンパニー公演「ルート ROTA」(



デボラ・コルカー・カンパニー公演「ルート ROTA」(日本初演)@神奈川県民ホール
振付:デボラ・コルカー Deborah Colker


6月21日(土)に観に行っています。
ブラジルのコンテンポラリー・ダンスのカンパニーの初来日公演ということなので、
興味を持って行ってきました。
もちろん初めて知った振付家さんです。
子どもの頃からクラシックバレエをやっていた、というのはよくあるパターンですが
10代の頃にピアノコンクールで大きな賞をとってコンサートを行ったり、バレーボール選手
として活躍したりとかなり多彩な経歴をもった方のようです。
テレビやショーの振付、カーニバルのサンバの振付などを行う中自身のダンス・カンパニーを
立ち上げたのは1994年、1995年には「VELOX」という作品で賞をとっているそうです。

今回の初来日公演「ROTA」は1997年に賞を受けている作品だそうですから、初演から
すでに10年たっていることになりますね。


前半。
冒頭はクラシックの音楽にのせて、バレエを思わせるカップルのダンス。
男性が女性を持ち上げるのはバレエでよく見る形ですが、女性が下がるときに
チュチュのようなドレスのスカートがめくれ上がるからパンツが丸見えf(^―^;
バレエと違ってタイツはいてないから素足にパンツが見えるのがちょっとドキッと
するというか、コミカルと言うとか、ぶざまというか、およそバレエらしからぬ景色です。
舞台の向こうに見える幾何学的図形は洋服の型紙だそうです。
チラシで初めて見たときは分かりませんでしたが、こうやって拡大して何種類が重ね
られているととてもおもしろい。
舞台の床にも同じ図形があったようですが、1階の私の席からは全く見えませんでした。
その後、数名の男女が流れるように動くダンス。
バレエ風に見えるけれど、やはりちょっと違う。その違う感覚が舞台が進行するにつれて、
だんだん強くなってきます。もちろんこういう演出なのでしょう最後は全員床に座って、
かけ声までかけてまるでボートに乗ってオールを元気よくこいでいるような動き。
これで前半が終幕。


後半、両脇にはハシゴのような物、中央には巨大なリング。ハムスターが中で走って
まわすあのリングを思わせます。
実際、このリングの中にダンサーが入って回したり、ぶら下がったりして、ダンスという
よりサーカスを思わせます。
リングの鉄ワクにぶら下がって丸くなってるダンサーを見るとなんだか繭玉を連想します。
そのままリングが回ると、まるで観覧車。
ハシゴを上下するダンサーの動きと、リングの中で回転するダンサーの動きの組み合わせがおもしろい。
縦の動きと、回転する円の動きの組み合わせの妙とでも言うのでしょうか。

配布物に乗っていたデボラさんのインタビュー記事をみると、前半は「水平」に関する
思考の流れを、そして後半は垂直方向の空間を構成してみたかった、とのこと。

前半と後半の雰囲気がまるで違いますが、おもしろかったです。
途中休憩が20分入り、公演そのものは正味約1時間でした。
このカンパニーの別の公演が観たくなりました。
posted by みどり at 09:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

劇団四季・東京「キャッツ」 64回目


劇団四季・東京「キャッツ」 64回目@東京 キャッツシアター

6月14日(土)の夜の回を1階C席で観ています。

この日の主な配役です。
長老猫オールドデュトロノミー・・・青井緑平
娼婦猫グリザベラ・・・奥田久美子
少女猫シラバブ・・・南めぐみ
プレイボーイ猫ラム・タム・タガー・・・金森勝
マジシャン猫ミストフェリーズ・・・金子信弛
ボス猫マンカストラップ・・・西門宇翔
鉄道猫スキンブルシャンクス・・・岸佳宏
ディミータ・・・レベッカ・パレット
マキャヴィティ・・・片山崇志
タンブルブルータス・・・川野翔
バストパージョーンズ、アスパラガス=グロールタイガー・・・田洋輔



一幕目の猫たちの舞踏会シーンで、たしか全員が言う「太陽さんさん照るひには」
に続くタガーの「全く何にもしないのさ」のセリフが聞こえてきませんでした。
一瞬、舞台の上の時間が止まってしまったように感じましたが、初めてこの公演を
見た方は気がつかなかったでしょうね。
その時、タガーがどの場所にいたのか、いなかったのか覚えていないのですが・・・。
マイクの故障だったのでしょうか。
次にタガーが登場するときにはセリフは聞こえていました。


この日、カーテンコールではスキンブルシャンクスと握手できました(^^)V
私の席は1階の6列目(前にある通路から後、2列目)の端だったので、通常は
彼と握手は難しい位置だと思っていたので、ラッキーでした。
posted by みどり at 09:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 劇団四季・東京「キャッツ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月22日

「ルドゥーテ生誕250年記念 薔薇空間」展

「ルドゥーテ生誕250年記念 薔薇空間」展


「ルドゥーテ生誕250年記念 薔薇空間」展@Bunkamuraザ・ミュージアム
5月17日〜6月15日まで 終了しています


6月13日(金)に観に行っています。 
画家のピエール=ジョセフ・ルドゥーテ(1759-1840)は、マリー・アントワネットや
ナポレオン妃ジョゼフィーヌに使えた宮廷画家だったそうです。
今回の展覧会はルドゥーテ著「バラ図譜」の全169作品の紹介がメイン。

他に、バラの研究家ウィルモットの著作「バラ属」に収められたアルフレッド・パーソンズ
(1847-1920)のリトグラフや、日本のボタニカル・アートの草分け的存在と言われる二口善男
(1900-1997)の作品、さらに現代の写真家・齊門富士男の作品も紹介されていました。

ルドゥーテの薔薇はどれもとても繊細に描かれています。
銅版画の技法だそうで、目を近づけてみると絵は小さな点の集まりであることが
分かります。線の描写も少しありますが、圧倒的に「点」
この技法で柔らかな
花びらや、つややかな葉が描き出されています。
見たままをそっくり描いてるかと思うと、枝や葉が途中で描かれてないものもあり
その構成は美的効果を考えて適宜、カットしていることがわかります。

薔薇の美しさに見せられたルドゥーテ。
美しい薔薇を愛でながら描くのは至福の時だったろうと思われます。
1枚の作品を描くのにいったい、どれだけの時間がかけられたのか知りたいです。

ルドゥーテの絵を観ていると、一口に薔薇と言ってもその形状は様々であることも
わかり、中でも薔薇の「花」から枝が伸びてまた花が咲く、などということがあるなんて
ことも初めて知りました。
家の庭にも薔薇がありますが、こんな咲き方みたことありません。
これも薔薇?
という種類もあって、興味深いです。

二口善男の作品は水彩画。ルドゥーテほどの繊細さはありませんが花の肉筆画を
見るのはとても興味深い物でした。

金曜日の夜、会場内は圧倒的に女性が多い展覧会でした。


下の画像は今月初め庭で咲いていた薔薇の花です。

2008年 庭の薔薇
posted by みどり at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月21日

演劇集団キャラメルボックス公演「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」

演劇集団キャラメルボックス公演「ハックルベリーにさよならを」



演劇集団キャラメルボックス公演「ハックルベリーにさよならを」「水平線の歩き方」@新宿シアターアプル
作・演出:成井豊


6月12日(木)に観ています。
上演時間60分の「ハーフタイムシアター」、通し券で2作品続けてみてきました。
こちらの劇団で言う「ハーフタイムシアター」、昔は上演時間45分の作品のこと
だったのですが、数年前から60分作品に変わってきました。

今回の上演作品「ハックルベリー・・・」は旧作、「水平線・・・」は新作公演です。
「ハックルベリー・・・」はかつて観ていて好きではない作品だし、新作もあまり
期待する気持も起きなかったため、今回ほとんど気持が舞台にのめりこめません
でした。
この劇団の公演を観ていると児童相手の劇団かと感じてしまいます。
もう20年(!)近く前から観ていますが、最初に観たときはこんな風ではなったのに。
昔はアットホームな感じがしていたのですが、いつの間にか何だかこちらのことを
子ども相手にしているような感じがする・・・ようになりました。
いいなと思っている役者さんは結婚や、TVで出演で消えてしまうし、在籍していても
役者からスタッフに変わっていている。
つまり私も長年観ているから劇団内も世代交代が進んでいる、とうことです。
芝居も劇団も「生もの」だということですね。なんだかかっがりします。
しかし1年間公演を見続ける「トライアスロンパス」は購入していますから必ず
見続けていきます。

今回あまり感想が書けません。しかもかなり辛口です。ごめんなさい。


「ハックルベリーにさよならを」
小学6年生のケンジは母と二人暮らし。「面会日」にはお父さんと会えるし、近くの
池でボートに乗れるのがとっても楽しみ。
ある日お父さんの部屋に見慣れないカオルと名乗る女性がいて、ケンジはびっくり
しますが・・・。

ケンジにしつこく寄ってくる女の子、役者さんの演技がうまくないし、ギャクの感覚も
言葉も古いままの演出なので観ていて非常にうっとうしい。


演劇集団キャラメルボックス公演「水平線の歩き方」




「水平線の歩き方」
岡崎(岡田達也)が仕事を終え、アパートに戻るとそこには彼が小学6年生の時に
亡くなった母が。怖いよりも懐かしく思う岡崎でしたが、なぜ今母は目の前にあらわれたのか・・・。

見終わると前にこの劇団の公演「クロノス」を思い出しました。
梶尾真治著「クロノス・ジョウンターの伝説」の舞台化です。この公演は私もすきで
一般的評判もよかったようです。
今回の「水平線・・・」も愛する人を助けるために・・・というあたりが「クロノス」に似ていると感じます。
というよりほとんど影響を受けて書かれた話としか思えません。
成井豊さん、作家としてはややオリジナリティーに欠けると感じました。
岡田達也さんの演技は良かったと思いました。
posted by みどり at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

映画「山のあなた 徳市の恋」

映画「山のあなた 徳一の恋」


映画「山のあなた 徳市の恋」@MOVIX亀有
監督・編集・脚色:石井克人
出演:草g剛、加瀬亮、マイコ、堤真一、三浦友和、広田亮平、他


6月11日(水)に観に行っています。
清水宏監督による1938年(昭和13年)の映画「按摩と女」が元になっているそうです。
平たく言うと昔の映画のリメイクですが、宣伝では「リメイク」という言葉をつかわず
「カヴァー」という言葉を使っています。
その違いがよく分かりません。
「按摩と女」は観たことがないので比較できませんが、今回の「山のあなた 徳市の恋」は
とても気に入りました。私は好きです。


<あらすじ>
昭和初期。新緑の季節の山の中の温泉場が物語の舞台。
目の見えない按摩の徳市(草g剛)と福市(加瀬亮)は、いい相棒どうし。
彼らは冬は海の温泉場で過ごし、春先からは山の温泉場で稼いでいた。
徳市は、前を歩いている人間の人数から性別までぴたりと当てるほど勘の鋭い男。
ある日宿屋・鯨屋から呼び出しがかかり、徳市が療治にむかうとお客は都会の女
らしい美穂子(マイコ)だった。
何か秘密をもっているらしい美穂子にひかれる徳市。
宿屋にはやはり都会から来た大村真太カ(堤真一)と甥の研一(広田亮平)がいて
真太カも美穂子にひかれるのでした。
徳市と真太カの恋の行方、そして美穂子の秘密とは?
そんな頃、宿屋では客の財布が盗まれるという事件が連続して起こります。
いずれも美穂子が部屋にいたときばかりなのですが・・・。


脚本は清水監督が書いた物をそのまま使用しているそうです。
だからセリフは昭和初期のそのまま。
映画の中の日本語がとてもきれいだなと感じました。
これを聴いてしまうと最近の日本語がやけに汚く感じます。
それくらい穏やかできれいです。

映画の新緑の山の中の風景がとても美しいです。
宿屋の情景も趣があって趣があっていいです。
カメラの視線が低くなっているのが、小津安二郎監督作品を彷彿とさせます。


草gさん演じる徳市は目が見えないけれど、しゃれたスーツを着ていてけっこうおしゃれ。
宿の若い女中さんの一人にだけ、特別に椿油(髪を整える為に使う)をおみやげに買ってきて、
「皆さんにはないしょですよ」なんて言って渡したりして、意外と積極的でかわいく見えてきます。
按摩仲間には「ないしょですよ〜」と、からかわれてしまいますが(^◇^;)
先日観た舞台「瞼の母」での草gさんの演技にはあまり感心しなかったのですが、
今回の映画での演技はじつにいいなと思いました。
美穂子の身の上を心配し、彼女に淡い恋心を抱くようすがよく現れていたとおもいます。

美穂子を演じるマイコさん、初めて知りましたがこの上品な雰囲気の美穂子役には
ぴったりだったと感じます。

徳市の相棒の福市は、徳市ほど勘は良くないけれどコミカルな場面もあり徳市とは
いいコンビで見せてくれています。

子役の広田亮平君演じる研一。ほんとは誰かにかまってほしいのに真太カにも
美穂子にも、徳市にもなんだか置いてきぼりにされてふてくされてるところが
かわいいです。
この映画、一見美穂子をめぐり徳市と真太カの三角関係の物語のように見えますが、
よくみればここに研一もからんでいることになり、物語が味わい深い物になっていると感じました。

特別な大事件が起きるわけではないので、この映画を観ても物足りなく思う方が
いるかも知れませんが私はとても気に入りました。
静かな映画です。
徳市の淡い恋は淡いままで終わりますが、きれいな余韻を残すいい映画だったと
思います。
公開中にもう一回観ておきたいと思います。
posted by みどり at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月19日

「岡本敦夫展」「佐々木知子展」

「岡本敦夫展  新作彫刻 Forest」@京橋 ギャラリー山口&ギャルリー東京ユマニテ
6月9日〜6月28日まで  


6月10日(火)に観に行っています。
二会場で開催されている彫刻家・岡本敦夫さんの展覧会です。

この日は、まず初めて行くギャルリー東京ユマニテへ。
こちらは主に新作彫刻のForestの展示。
人間のような形をした石がうずくまるように座っています。その身体は整然と
規則的に並んだ穴が開けられています。
やはり影法師を立体化したような石製の人物らしき立体が立っていますが、これも
同じく整然とした穴が貫通。
この穴のせいか、大きな立体のはずなのに重量感が希薄です。
Forestの名の通り、これらの作品が森の中に置かれていたらぴったり似合うような気がしました。
(そういうつもりで名付けられたのでは無いのでしょうが)


ギャラリー山口では、立体作品を細分化して各地に住むコラボレーターに送り数年間
預かってもらい、その後返却された石を再構成した作品の展示。
このプロジェクトは「ワールド・タートル・プロジェクト」と名付けられています。
私も通称亀石(かめいし)と呼ばれる作品の一部を預かるコラボレーターをしていました。

作品の立体は二重構造になっているので、外側の立体が全部作者の元に戻って
きているなら、内側の立体は本来なら観ることができないのですが、部分的に抜けて
いるので内部が見えていました。
外側を持っている方が返却を忘れたのか、わざと忘れたのか。
各地の時の経過を染みこませた立体作品。参加した私が観るととても感慨深い
のですが、そんなことを知らない方がみるとどうかんじるのでしょうか・・・。

岡本さんらしき方が会場にいましたが、声をかけづらくて逃げるように帰って
しまいましたf(^―^;
どうもアーティストさん、ご本人とお話しするのって苦手です。




「佐々木知子展」@ギャラリー山口 地下会場
6月9日〜6月14日まで  終了しています

ついでと言っては失礼ながら、岡本敦夫展をやっていた地下で行われていた
こちらの展覧会も観てきました。

一見油絵作品かとおもったらアクリル絵の具で描かれた作品。
上でアーティストさんご本人と話すの苦手と書きましたが、会場にいらした佐々木さん
と少しお話ししてしまいました。
結婚、子育てなどでいったんは活動を中断していたが最近再開したのだとか。
作品は抽象画。絵の具の塗り方、色、ともに作品からエネルギーを感じました。
知らないアーティストさんの作品を観るのは、気分的にもなにかといい刺激になります。
posted by みどり at 09:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月18日

「恐竜と隣人のポルカ」

「恐竜と隣人のポルカ」



「恐竜と隣人のポルカ」@PARCO劇場
作・演出・出演:後藤ひろひと
出演:寺脇康文、水野真紀、手塚徹、竹内都子、石野真子、他


6月9日(月)に観に行っています。

お話はこんな風です。
戸田幸雄(寺脇)と、お隣の熊谷柿一郎(手塚)は幼なじみ。
幸雄は妻(水野真紀)と引きこもりの息子の三人家族、柿一郎は妹(竹内都子)と大学生の娘の三人家族。
ある日、幸雄の敷地内から骨が出たらしい。
戸田家ではコレを元に金儲けが出来ると考えたが、隣の家でも敷地内から恐竜の骨が出たらしい。
テレビ番組の取材でレポーターとして「石野真子」がやってくることになる。
「石野真子」は幸雄と柿一郎にとって、かつてのアイドル。
戸田家と熊谷家は、恐竜と「石野真子」をめぐり互いに先取権は「こっちだ」という
争いがエスカレートします。



なんというか、頭を使わなくても楽しめる作品です。
つまりはっきり言って、見終わって何にも全然残らない娯楽作でした。
開演前、会場に入って自分の席を探そうとしていたら、「探検隊」スタイルの役者さんが
ピーッと笛吹くから「なんだ?」と思ってそっちをみたら、両手を出して「ちょうだい」
のスタイル。案内するからこっちにチケット渡してちょーだい、ってことらしい。
早速案内してもらいました(^_^)

作・演出の後藤ひろひとさんは、登場場面は少なくても目立つおいしいキャラクター
を演じているのもいつもどおり。

見終わって何にも残らない、と書きましたが一つ疑問が残りました。
なんで片方の家は夫婦で、片方は兄妹なのか?
手塚徹演じる柿一郎はとっても変人で、これで娘がいるなんて不思議です。
こんな変人と結婚する女性なんているのか?今いないのは死別?離婚?
説明なんてありません。
ふくよかな竹内さん演じる妹は、パワフルな雰囲気がすごいですが、細身の手塚さんと
並んでしまうと妹というよりもっとオバサンの感じがします。
いっそのこと、柿一郎のお母さん役という設定でもいいんじゃないでしょうか??
マザコンの柿一郎という設定ならあの変人ぶりも理解できます。

寺脇さん、水野真紀さん演じる夫婦はごく普通の夫婦なので、両家とも夫婦にしなかった
のは話にアクセントをつけるためだったのか、それとも最初は手塚・竹内は夫婦役だったけど、
夫婦役はイヤだ、と申し出があったのか?

戸田家に比べると、手塚・竹内の熊谷家は変人一家と言えますが、こういう舞台で
観てしまうと、もっともっと羽目外してめちゃくちゃやってくれてよかったと思いました。

石野真子さんは最初「石野真子」の偽物役で登場しますが、偽物のいい加減ぶりがけっこう
はまっていて、もしかしてこの方石野真子のそっくりさん?と思ってしまいました。

後藤ひろひとさんの作品としては、中程度のまあまあの娯楽作品かとおもいました。
posted by みどり at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月17日

ミュージカル版「ロード・オブ・ザ・リング」

ミュージカル版「ロード・オブ・ザ・リング」のガラドリエル


海の向こうで「ロード・オブ・ザ・リング」のミュージカル版が上演されたという記事を
雑誌で見かけたのはたしか去年のこと。
(ネット上で検索したところ、ワールドプレミア上演はカナダのトロントで行われ、その後
イギリスのウエストエンドの劇場で上演されたそうです)

最近になってその音楽を納めた輸入盤CDが入手出来ることをしり、早速注文を
しました。
原作小説のタイトルは「指輪物語」です。
音楽は映画版とは全く関係ないオリジナルですが、キャラクター造形や美術、衣装は
映画版を参考にしているようです。


解説と舞台のカラー写真が収録されたブックレットが一冊。CDが一枚。
DVDも一枚あり、こちらには音楽と舞台風景と製作の舞台裏の静止画像が納められていました。

「ロード・オブ・ザ・リング」のミュージカル版と聞いたとき、そんなものできるわけない
と思っていたし、上演されたにしてもたいしたこと無いだろうと思ってました。
が、CDを聴き、舞台写真を見てこの思いはまったくの誤解だった!と思いました。


原作小説は大長編なので、当然ながら舞台版はかなり細部を切り落としているようです。
邪悪な力を持つ指輪を捨てにゆく物語。
輸入盤なので解説は全部英語。
見ながら入力していますが、もしまちがえていたらごめんなさい。
作曲はA.R.RAHAMAN  VARTTINA(私のパソコンでは入力出来ませんがAの上に点が二つつきます) 
CHRISTOPHER NIGHTINGALE


しかし見て驚きました!
このA.R.RAHAMAN(ラフマーン)はインド映画界で有名な作曲家さんではありませんか。
10年ほど前、日本で大ヒットしたミュージカル仕立てのインド映画「ムトゥ踊るマハラジャ」の音楽も
この方の作曲でした。
音楽もとても良く、この勧善懲悪の娯楽映画は大好きでDVDも買ってしまったくらいです。
今やインドだけでなく世界的に活躍の場を広げていたとは知りませんでした。
VARTTINAは知りませんでしたが、フィンランドの有名なフォークグループのようです。


一番気になるのは主人公のフロドとサムですが、写真をみるとこうなっています。
右がフロドで、左がサム。


ミュージカル版「ロード・オブ・ザ・リング」のフロドとサム

フロドはJAMES LOYE、サムはPETER HOWE、という役者さんが演じています。
二人が歌う「THE ROAD GOES ON」は明るくテンポのよいメロディです。
ケルト的とでもいうのでしょうか、どこか古風な雰囲気もあり、きれいな曲です。
この音楽は物語の終盤でもながれるようです。

冒頭に載せた写真はフロドに助言を与えるガラドリエルです。

フロド達の案内役のゴラムは歌う、というより音楽にのせてひとりでしゃべっています。
ゴラムに歌わせるのはむずかしいでしょうね。


予想外でしたが、このミュージカル、CDで聞く限りは音楽がどれもとても美しいです。
収録されている音楽は約60分。
舞台版は音楽がつかないセリフがはいるでしょうから約2,3時間の舞台と思われます。
映画は三部作だけど、舞台版はこの2,3時間で完結してるようです。

舞台版が見たくなりました。近い将来、来日公演が観られるといいなと思いました。








posted by みどり at 10:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 指輪物語周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

六月大歌舞伎 夜の部

2008年 六月大歌舞伎



六月大歌舞伎 夜の部「義経千本桜 すし屋」「身替坐禅」「生きている小平次」「三人形」@東京 歌舞伎座

6月7日(土)に3階B席で観ています。
5月は歌舞伎座公演を観に行かなかったので、6月は見ておこうとチケットを
取ったのですが、夜の部の演目は興味が持てませんでした。
「すし屋」はTVで何度も観たことあるし、「身替坐禅」は去年見てる演目ですし。
3階B席は2500円と安いからまあいいや、と思ったのでした。


「義経千本桜 すし屋」
「すし屋」は原作の三段目だそうです。私は未だにこの話の全貌を見たことがありません。
全貌知らないで、話の一部を見るのですからおもしろいわけがなく、雰囲気を楽しむだけです。
大和国吉野下市村にある釣瓶鮨屋(つるべすしや)が舞台。
店で奉公する弥助(市川染五郎)じつは、三位中将維盛(さんみちゅうじょうこれもり)。
訳あって身分を隠して、この店にかくまってもらっている身で、店の娘のお里(中村
芝雀)は彼に恋をしています。
恋するお里の積極的な様子がかわいい。


「身替坐禅(みがわりざせん)」
大名の右近(片岡仁左衛門)は知り合った遊女の花子に会いに行きたいが、奥方の
玉の井(市川団四郎)が怖くて屋敷を出られない。
屋敷の中で坐禅をすると言って、部屋にこもることにするが自分の身替わりを
太郎冠者(中村錦之助)に頼む。
途中で身替わりがばれたことも知らないで、機嫌良く帰っている右近ですが・・・。

配役は違いますが、たしか去年も見たことのある演目です。
これは話も分かりやすいし、玉の井の恐妻家ぶりがおもしろいのでよく上演される
ようです。
市川団四郎の玉の井がよかったです。


「生きてる小平次(こへいじ)」
作:鈴木泉三郎   演出:九代琴松(=松本幸四郎)

原作戯曲は大正13年に雑誌「演劇新潮」に発表されているそうです。
太九郎(松本幸四郎)と小平次(市川染五郎)は、ともに旅一座の役者で長年の友人
でもあった。太九郎の女房のおちか(中村福助)に恋している小平次は、ある日
太九郎におちかを譲ってくれと言いだす。
争っているうちに太九郎は小平次を殺してしまう。
その後、殺したはずの小平次が太九郎とおちかの前に姿を現しますが・・・。

大正時代に書かれただけあって他の歌舞伎演目とは、ちがってかなり新しい感じがします。
市川染五郎演じる小平次は、いかにも恋に盲目になるあまりせっぱ詰まったようすが
良く出ていたとおもいます。
松本幸四郎の演じる太九郎の粗野な雰囲気がよかったです。
中村福助演じるおちか、一見おとなしい女かと思ってると、結構身勝手。
約1時間ほどの作品ですが、見応えがありました。

「三人形」
夜桜の吉原仲之町。
傾城(中村芝雀)と若衆(中村錦之助)と奴(中村歌昇)の三人による舞踊。
おもしろいとは思いませんが、視覚的にきれいな舞台でした。
posted by みどり at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月15日

「コレクション展 作品と作品の間に・・・4つの変奏」

「コレクション展 作品と作品の間に・・・4つの変奏」



「コレクション展 作品と作品の間に・・・4つの変奏」@目黒区美術館
4月17日〜6月8日まで  終了しています


6月8日(日)に観に行っています。
目黒区美術館の収蔵作品の展覧会です。
「物語」「細部」「美術史」「快楽」をキーワード及びカテゴリーとして、4つのワクに
分けての展示でした。

「こうした見方もできるということで選ばれたに過ぎません」とパンフレットに書かれて
いるのですが、まさにその通りでキーワードがあるような無いような展覧会でした。
しかし、目黒区美術館が思っていたよりいろいろな作家の作品を収蔵してるのだと
と言うことが分かっただけでも興味深い展覧会でした。

以下、気になった作品についてです。

下村良之助「鳥たちの壁B」
ブロック塀のような壁面に、鳥の化石かと思うようなレリーフが浮かび上がっています。
なにやら静かな時間経過が感じられるような雰囲気が気に入りました。

村上友晴の「作品」と題された2作品は、離れて見ただけでは四角いキャンバスが真っ黒いだけ。
しかし間近に見ると、片方の表面はなめらかで、片方はごつごつとしています。
作家はテクスチャーの違いにこだわりを持っているようです。

日本からフランスに渡り、そこで長年暮らした藤田嗣治の作品あるとはしりませんでした。
白い肌の美人像で有名な藤田嗣治ですが、展示されていた「鶴」「動物群」はともに
一見しただけでは藤田の作品とは思えませんでした。
「鶴」はタッチの荒い日本画ですし、「動物群」はまるで古い絵馬を見るような絵でした。

作品ではないけれど藤田嗣治が愛用したという大型のトランクが展示されている
のはちょっとおもしろかったです。

草間彌生の「無限の網B」は白地に赤の水玉(赤地に白の水玉だったかも)の突起物が
無数に着いた立方体。
見ていて気持ちよくはないのですが、触ってみたい衝動に駆られます
posted by みどり at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「オットーと呼ばれる日本人」

「オットーと呼ばれる日本人」


「オットーと呼ばれる日本人」@新国立劇場 中劇場
作:木下順二  演出:鵜山仁
出演:吉田栄作、今野美佐子、グレッグ・デール、ジュリー・ドレフュス、他

6月6日(金)にB席で観ています。

<あらすじ>
1939年初頭。
上海で新聞社の特派員をしていた尾崎=オットー(吉田栄作)は、ドイツ人のジョンスン
(グレッグ・デール)と出会います。
戦争を何とか避けたいと思う尾崎は、ジョンスンに日本の国家機密を渡す諜報活動を
始めます。
尾崎の妻(今野美佐子)は、夫が本当は何としているのか知りません。
オットーはジョーと呼ばれる、やはり諜報活動をしている画家の日本人と出会います。
記者として妻子と安定した生活をしているオットー、貧しい画家のジョー。
オットーとジョンスンには友情も芽生えてきますが・・・・。





この作品は劇作家・木下順二が、20世紀最大のスパイ事件といわれる「ゾルゲ事件」に
取材し、1962年に発表したものだそうです。

舞台ではゾルゲはジョンスンと名前を変えてあります。
尾崎は実在した尾崎秀実(おざきほつみ)をモデルにしているそうです。

ゾルゲ事件のことは、名前は聞いたことがあるけれどその内容は恥ずかしながら
全く知りませんでした。
予備知識ほぼゼロで観た舞台は、困ったことに内容がほとんど把握できませんでした。
なんとか理解しようとセリフの一つ一つを聞き漏らさないよう、しっかり聞いていたのですが・・・まるで雲をつかむような感じ。
この舞台、観客は「ゾルゲ事件」の詳細は了解済み、として描かれているようです。
(どうりでロビーでは事件の解説がパネル展示されているし、パンフレットには事件のことが
事細かに書かれてるわけだ)
物語のなかで尾崎とジョンスンがどんな機密事項をどうやって入手したのか、とかの
諜報活動の具体的な様子は描かれていません。

この舞台では、事件の全貌を描くのではなく尾崎やジョンスン、後に出会うジョーなど
それぞれの登場人物がそれぞれの心情を語り合う事に重点が置かれているようです。

木下順二の脚本ではセリフは全て日本語で書いてあるそうですが、今回の舞台版では外国人
キャストがしゃべる場面は英語・ドイツ語を使って舞台上方に字幕が出ていました。
舞台劇で字幕が出るときはよく舞台脇に出ることが多いですが、今回のように上方に
出てくれるのはとても見やすかったです。
字幕は見やすいけれど日本語と外国語が混在する舞台は観ていて、なんだか疲れました。

リアリズムをねらっての演出かと思ったら、会話をしている二人が、片方が日本語で片方が外国語
というテレビのドキュメンタリー番組では最近よくあるけれど、実際の会話ではあり得ない
ことも見せていました。
実験的演出なのでしょうが、これも違和感が・・・。
木下順二が書いた脚本通りに上演した方がよかったんではないでしょうか。
その方が、話もわかりやすかった気がします。

夜7時開演で、途中休憩が2度入って終演が10時40分。
重厚な会話劇なのでしょうが、気持が舞台にのめり込めなかった分、長かったです。
posted by みどり at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月13日

南河内万歳一座公演「ジャングル」

南河内万歳一座公演「ジャングル」


南河内万歳一座公演「ジャングル」@下北沢 ザ・スズナリ
作・演出・出演:内藤裕敬
出演:内藤裕敬、河野洋一郎、鴨鈴女、藤田辰也、重定礼子、他


6月5日(木)に観に行っています。
関西を拠点にしている劇団の東京公演です。
劇団名は「みなみかわちばんざいいちざ」と読みます。

公演一週間前にとったチケットはなんと最前列ど真ん中という席でした。
ザ・スズナリはとても小さな劇場、手を伸ばしたら舞台の役者さんにさわれちゃう
くらいなので前過ぎて迫力ありすぎる席でした。

<あらすじ>
舞台が明るくなると、そこはどうも掘っ建て小屋にいるらしい人々が。
小屋の外はジャングルらしい。
小屋にいるのは学校に行きたいけれど行かれない学生、病院に行きたいけれど
行かれない女性、サラリーマンなど。
小屋だと思っていた場所はモーニングサービスを出している喫茶店らしい。

人々がそれぞれの目的の場所に行くためには、ジャングルを通り抜けなければ
ならないが、そこには何か恐ろしい怪物がいるらしい。
うかつに外に出たら喰われてしまう・・・かも。
そこにジャングルを通り抜けて小屋に飛び込んできた親子まで加わります。
親子(特にお父さん)は本当は、カニ食べ放題のツアーに参加したかったのですが
このままでは集合場所に行かれそうもない。
人々は、それぞれの目的の場所まで無事行かれるのか?



無差別殺人まで起きる今時の社会を、どう猛な野獣が徘徊するジャングルに例える
ことはよくありますが、この公演はそれをそのものずばり視覚的にジャングルを
登場させて、そこに迷い込んだ人々を描いているわけです。
怪物を殺そうと、毒入り餃子をみんなで作り出したりします。
最近の事件をそのまんま取り入れてしまい、実にストレート。
ラストになにか大きなひっくり返しでもあるかな、と期待していたのですがそれもなく
ストレート過ぎて、あっけなく終わってしまった感じがしました。

カニが食べたいお父さん(河野洋一郎)、その妻(鴨鈴女)や、相撲留学生の高校生
(内藤裕敬)、病院へ行きたい女性(重定礼子)、小屋の中でキッチン用品の実演販売
を始めてしまう男(三浦隆志)など、登場するキャラクターも、それを演じる役者さん達
もそれぞれ魅力があります。
舞台にたくさんのキャラクターが登場するわさわさした感じは、この劇団の持ち味にも
なっていて私は好きです。
そんな魅力的なキャラクターが生かし切れていない物語。
なんだか物足りない公演でした。
posted by みどり at 10:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

西荻ブックマーク「世田谷文学館のこと」

西荻ブックマーク



西荻ブックマーク「世田谷文学館のこと」@西荻窪 スタジオマーレ

6月8日(日)に参加してきました。
西荻窪で行われているトークイベントで、毎月趣向を変えて開催されています。

今回は以前、世田谷文学館で主任学芸員をされていた斎藤直子さんを招いての
イベント。
斎藤さんは、世田谷文学館の開館にあたり開設準備段階から関わってこられた
そうです。
展覧会では「坂口安吾展」「吉行淳之介展」「没後10年安部公房展」「ムットーニの
からくり書物展」を手がけてきたそうで、それらにまつわるいろいろなお話が伺え
そうなので、参加することにしました。


企画書を立ててもそれが通らなかったことももちろんあるそうです。
開催するまで準備が大変だったのは安部公房展だったらしいです。
現在安部さんの作品の権利を持っている方が、とても難しい方らしく、なにかと要望が
多く作業が大変だったようです。
安部公房展に限らず、準備が深夜終電までかかることもしょっちゅうで、斎藤さん
いわく学芸員の仕事は「文系ブルーカラー」なのだそうだ。

お話はどれも興味深かったのですが、私としては2007年の春に開催された「ムットーニの
からくり書物展」のお話がとうとう一言も伺えなかったのはとても残念でした。
(ムットーニとは、自動人形師の武藤政彦さんのことです)
ムットーニさんのことについては、最後の質問コーナーでやっとでました。
世田谷文学館に常設展示されることになったいきさつについてですが、あるきっかけで
武藤さんのことを知り、文学を元にして作品を作っていただけないかとの依頼を快く引き
受けてくださった、とのこと。
萩原朔太郎の「猫町」、海野十三「月世界探検記」、中島敦「山月記」が作られ、収蔵
されることになったのだとか。
もっとも、このお話は去年の展覧会を観に行っている方や、ファンなら知っていること
であまり新鮮味は無かったです。


時間の制約もあるから全てのことについて語るのは難しいのでしょうが、このイベント
を開催された側の方も、斎藤さんが「からくり書物展」に関わっていたことも宣伝して
いたのですから、斎藤さんと事前の打ち合わせをもう少ししていただけてたらなと思いました。
posted by みどり at 10:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月12日

映画「ラスベガスをぶっつぶせ」

映画「ラスベガスをぶっつぶせ」


映画「ラスベガスをぶっつぶせ」@MOVIX亀有
監督:ロバート・ルケティック  原作:ベン・メズリック「ラス・ヴェガスをブッつぶせ!」
出演:ジム・スタージェス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボワーズ、他


6月4日(水)に観に行っています。
どうやら数学の天才らしい青年の登場する予告編がとても良くできていて、早く観たい
と期待していた映画でした。
予告編はとても良かったけれど、本編はちょっと・・・という感じでした。


<あらすじ>
マサチューセッツ工科大学に通う学生のベン(ジム・スタージェス)は、優秀な学生で
ハーバード大学の医学部に進学したい、という夢を持っていたがその学費は30万ドル。
アルバイトではとてもまかなえないし、当てにしていた奨学生になる試験にも落ちてしまう。
そんな時、かれの天才的数学能力に目をつけたローザ教授(ケヴィン・スペイシー)
から、ある研究チームに誘われる。
それはカードゲーム「ブラック・ジャック」に必ず勝つ方法、カード・カウンティングを
習得するチームだった。
チームで行動し、密かに合図を送ることでゲームに勝つことが出来るが、これは
カジノではルール違反。
教授とチームは週末になるとラスヴェガスに行き、大金を入手。
最初は学費のためと割り切っていたベンもセレブな生活になれ、いつしかかつての
友人達とも疎遠になり、カジノでも怪しいやつと目をつけられてしまいますが・・・。






途中でちょっとうとうとしてしまったのでルールの説明を聞き落としてしまったようです。
「ブラック・ジャック」というゲームのルールを全く知らず、そのあたりがよくわからないままに話が進んでしまいました。
「ブラック・ジャック」をよく知っていれば、より映画を楽しめたかと思いますが物語の
8割くらいは理解できたと思います。
ジム・スタージェス演じるベンは、ハンサムだし勉強熱心の青年だしなかなか好感度
大です。
カジノで密かにルール違反を監視してる男(ローレンス・フィッシュバーン)の存在は
不気味です。
でも見終わると、この映画は何を描きたかったんだろう?と感じました。

ベンの家族や、昔からの友人達とのかかわり、研究チームのメンバーとの関わり
お金を持つことでだんだん変わっていく周囲の人との関わり方。彼の考え方の変化。
この映画ではいろいろ描きたかったんだろうと思いますが、なんだか絞り切れて
なくてとりとめが無いと感じました。

私が気になるのはケヴィン・スペイシー演じるローザ教授です。
ローザ教授はラスベガスにチームと一緒に行きますがカジノでのチームの行動にはなぜ関わりません。
これには訳があってネタバレになってしまうのでここでは書きませんが、この理由が分かると
ますます嫌いになってしまいました。

ローザ教授とベンとの関わりが、最初は主従関係だったのが対等になって来るのが
おもしろいと思うのですが、この展開も活かしきれてない感じがします。
ローザ教授とベンの対決に重点を置いて描けばもっとおもしろかったんじゃないのかなと
思いますが、わたしの感想もとりとめなくなってきました。

映画の邦題どうりラスベガスをぶっつぶす!ような物語が見たかったです。




映画とは直接関係ないけれど、ちょっと思い出したことを。
映画の主人公のベンは数字に対しての特別な記憶力と、暗算能力がありそれを
ローザ教授に買われたわけですね。
私の母は、昔は数字の記憶力はちょっとすごかったです。
(今は認知症になってしまいましたが)
何の意味もなく並んでいる電話番号もすぐ覚えられる。
その記憶力は自分でも自慢してたくらいでした。
数字の記憶と、その他の記憶は脳で処理してる部分が違うんじゃないのか
と思います。

そして昔読んだ本のことも少し。
書いた方の名前も本のタイトルも忘れたけれど、外国のある研究者が、ある
記憶力のすごい男性を調べてまとめた物。
その男性は数年前、数十年前の事でも日にちを言われればすぐその日の事を
思い出すことが出来たという。
で、彼は学業が出来たかというとこちらはダメ。
特に数学は全くダメだったそうだ。
本人に言わせると、ちょっと勉強したことはすぐ全部分かった気になってしまい、
実はまったく理解できていない・・・ということらしい。
第三者には分かりづらいけれど、いろんなことをあまりにも鮮明に覚えているので、自分が実際に
体験して記憶したことと、そうでないことの境界が曖昧になっているらしいです。

なにもかも全部覚えてしまっている、これがかえって「思考」の妨げになっているようでした。


記憶力がある=勉強ができる、ということではないのでしょう。
教科書と参考書を隅から隅まで記憶しておけば、学校の成績はいいかもしれない。
しかしこんな物、学校から一歩出たらなんの役に立たないことぐらい、社会人になればすぐ分かる。

頭がいいというのは、記憶力も大事だけど思考能力があること、だと思うわけです。
頭がよくても、それだけじゃ人間やっぱりダメ。
ありきたりですが映画の主人公も、最後にそのことに気がつくわけで、映画の感想と
やっとつながったのでコレにておしまいにしますf(^―^;
posted by みどり at 09:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月10日

伊東四朗一座 帰ってきた座長奮闘公演「喜劇 俺たちに品格はない」

伊東四朗一座 帰ってきた座長奮闘公演「喜劇 俺たちに品格はない」


伊東四朗一座 帰ってきた座長奮闘公演「喜劇 俺たちに品格はない」@本多劇場
作:妹尾匡夫  演出:伊東四朗、三宅裕司
出演:伊東四朗、三宅裕司、戸田恵子、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、他



6月3日(火)に観に行っています。
一般発売日に「ぴあ」の携帯サイトからとったチケット(座席)はなんと最前列
ど真ん中でした。(先行抽選予約では外れています)


妹尾匡夫さんの作と言うと去年の5月の「熱海五郎一座公演・狼少女伝説 TOH!!」」を見ています。
この時はあまりにも出演者のキャラクターに頼りすぎた脚本で、観ていて「お粗末」という
感じがぬぐえませんでしたが、今回はおもしろい!と思いました。
娯楽作品としてとても良くできていると思います。久し振りに大笑いしました。

お話は、政界が舞台。
登場する政治家達の役名を忘れてしまったので、うまくご紹介できないのですが
とある政治家(三宅裕司)、彼の父(やはり政治家)の代から秘書をしているのが伊東四朗さん。
この政治家の愛人で、全然売れない歌手が戸田恵子さん。
コレを世間に暴露やろうとねらっている別の政治家(ラサール石井)がいて、歌手を
人気者にしてからスキャンダルにすれば相手を失脚させることが出来ると考えます。
IT企業の若手アホ社長(東貴博)と結託して大宣伝をして、あっと言う間に歌手は人気者に・・・・。


伊東四朗さんは、よく見ると正直言ってちょっと顔が怖い。
でも舞台に登場しただけで、存在感がドーンとあります。すごいです。
年取ってきて物忘れがひどいから、といろんな大事な事をメモして全部着ている服に
ペタペタ貼り付けてしまう。
機密事項まで貼り付けてしまう。機密になっていません(^◇^;)
三宅さん演じる政治家にとがめられると、不満そうな顔をするのがなかなかかわいい。
特別ボケたことをしてるわけではないのに、観客を笑わせることができるという伊東四朗さんの持ち味はいいですね。
それにしても劇中で、円周率を下百桁まで暗唱して見せてくれたのには驚きました。
この日は二個所だけ間違えていたようですが、メモなんてみてないし、プロンプターがいる様子もなかったですから。

小倉久寛さんも、登場しただけで笑わすことが出来るキャラクターですが、伊東さん
とは少しタイプが違うなと感じました。
伊東さんは、一見とてもお笑い系の人には見えないのに実は違う、という外見とのギャップが
ありますね。これがおもしろい。

アホ社長役の東さん、体操競技をしてるみたいな体力勝負の役まわりがんばって
くれました。この社長アホだけど、根はいい人物のようです。

戸田恵子さん、失礼ながらお若くはないはずだけど全然年齢を感じさせないのも不思議でした。
posted by みどり at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする