2007年10月31日

「福原信三と美術と資生堂展」


「福原信三と美術と資生堂展」


「福原信三と美術と資生堂展」@世田谷美術館
9月1日〜11月4日まで
公式サイトはこちら

10月20日(土)に観に行っています。
化粧品会社として有名な資生堂。
資生堂の創業者である福原有信の三男で、資生堂を合資会社として初代社長に就任した福原信三さん(1883−1948)。
会社経営者としてだけでなく、文化面でもいろいろと貢献してきた方と以前TV番組の
中で紹介されていたのを観たことがあったのでお名前は覚えていました。

今回の展覧会は、写真家としての福原信三さんのこと、福原さんがどのような芸術家と交流してきたかの紹介、
そして資生堂の化粧品容器や広告デザインと、それを手がけてきた方々の紹介です。
今ひとつ焦点が絞りきれてなくて、やや散漫な感じのする展覧会ではありますが今まで知らなかったを
いろいろ知ることが出来たのでその意味では面白かったと思いました。


福原信三さんは、日本で薬学を学び、さらに渡米してコロンビア大学薬学部を卒業。
その後パリに渡り、約1年の遊学。
もともと美術は好きだった方のようですが、このヨーロッパ遊学で芸術面の感性が
磨かれたようです。
自ら化粧品の処方を指導し、意匠部を創設して一流のデザイナーを集め広告ポスターや、容器のデザインにも
きめ細かく心配った方でした。
資生堂の花二輪のマークも下図は福原信三さんがデザインしたのだそうです。


会場は2部構成になっていました。

第一部は「福原信三と美術」
交流のあった芸術家、川島理一郎さんの作品紹介。この方は今回初めて知りました。
油絵作品が展示されていますが、正直言って何の感銘もうけませんでした。

写真家としての福原さんのほうが、興味が持てました。
中国の西湖周辺を写した写真は、まるで水墨画のような趣があります。
資生堂の花二輪のマークは、その下図は福原さん自身が手がけたものを元にした
そうです。
また、福原さんは東京銀座に資生堂ギャラリーを作り、ここで後の有名な作家達、たとえば
梅原龍三郎や、須田國太郎は資生堂ギャラリーで初個展を開いているそうです。
多くの芸術家を育てていったのですね。


第二部は「資生堂スタイルと展開」
第二次大戦前の資生堂ポスターや化粧品容器のデザインの数々は、どれもおしゃれな感覚に
溢れていて女心をくすぐります。

資生堂は昔からPR誌の発行にも力を入れていたようです。
最近はあるのかどうか知らないのですが、「花椿」という小冊子があり昔母が家に持ち帰ってくる、
きれいな写真が満載のおしゃれなこの小冊子が大好きでした。


母が使っていた化粧品は、資生堂の物が多かったので展示されている口紅の
ケース、香水の瓶など、
見覚えのあるものがあるのがなんだかうれしい。
当然ですが、それぞれにデザイナーさんがいます。
昔あって、今はない化粧品ケースをみると「アレ捨てなきゃ良かった・・・」と思い
ました。
デザイナーさんの名前を知ると、なんだか捨てられなくなります。

展示会場とは別の場所、レストランへ向かう通路で資生堂の昔TVで流れたCMも
観ることができます。
子どもの頃みたものもあり、懐かしい。

今回の展覧会を見て私にとって一番の収穫はデザイナー、山名文夫(やまなあやお)
さんの名前を知ったことでした。
1950年代から1970年代にかけて資生堂の広告デザインや、化粧品パッケージなど
のデザインを数多く手がけた方でした。
まさに資生堂の顔を作ってきたも、同然の方でしょう。
今でも資生堂の化粧水の瓶、クリームの容器に使われている唐草模様はこの方の
デザインでした。
名前は今回初めて知りましたが、そのデザインは子どもの頃から毎日のように見て
きたわけです。


今回の展示では少ししか触れられていませんが、福原さんはこの頃、洋食と音楽が一緒に楽しめる
日本で初めてのレストラン「資生堂パーラー」も作っています。
当時庶民のお総菜のコロッケが一個三銭だった時代に、一皿50銭のクロケット
をメニューにのせ、意外や人々の評判を呼んだそうです。

「リッチで、スマートで、モダン」が福原信三さんの口癖だったとか。
理数系の頭脳をもち、芸術家の感性を持つ方は私のあこがれですが、福原さんは
まさにそれを体現していた方だったと思いました。
posted by みどり at 07:15| Comment(0) | TrackBack(1) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神田古本まつり

月刊誌「ひまわり」昭和27年発行分復刻版



10月27日から11月1日まで東京、神田神保町の古書店街では「神田古本まつり」
が開催されています。

この時期は、本の種類も増えてるようで掘り出し物があったり、、値段もお店によって
は通常より割引にしてくれたりと、いろいろお得なことが多いようです。
私も、行ったらきっと買ってしまうだろうから行くの止めようか、と思っていました。
しかし、せっかくの「おまつり」行かなきゃもったいない?

職場からは歩いていけるので、月曜日の仕事帰りに行ってみました。
やっぱりいろいろ出てますね。どうしようかしらん?このままではまた散財してしまうし。
結局迷った末、この日の購入は止めました。

未練の残った火曜日、再び古書店街へ。
前日気になった本は、まだありました。これも何かの縁。
思い切って買いました!

昭和20年代に発行された少女向け月刊誌「ひまわり」の復刻版です。
1990年代になって国書刊行会から復刻され、今では出版元でも在庫が無い本です。
創刊は昭和22年(1947年)1月号、昭和27年(1952年)の12月号で廃刊。

数年前、創刊号から数冊ずつ書店を通じて購入していたのですが途中で
ストップしてからすっかり忘れていました。
今回店頭で、この雑誌が1年分ごとにまとめられ販売されているのをみたら、また
むくむくと興味が復活してきました。

今回購入したのは昭和27年発行分の復刻版全12冊がセットになっていたもの。
セット価格12000円。古本とはいえ、かなりの美品。
安くはありませんが1冊1000円と思えばむしろお買い得価格だと思いました。
(復刻版の正規の定価は1冊1900円です)


表紙の女の子達のかわいいこと!
イラストを手がけたのは、中原淳一さん。
イラストだけでなく、この雑誌を創刊したのもこの方です。
イラストレーターで、ファッションデザイナーで、人形作家で、演劇の演出も手がけたり、
日々の生活についていろいろと提唱したりと、マルチな活躍をされた方です。
「ひまわり」は見ているだけで楽しい本で、いい年の私でもなんだか
清純な乙女の女学生に戻ったような気分になります(#^_^#)

復刻版「ひまわり」、これからまた少しずつ買いそろえていきたいと思っています。

神田古本まつり公式サイトはこちら
posted by みどり at 02:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月28日

「坂本龍一+高谷史郎/LIFE−fluid,invisible,inaudible...」展

「坂本龍一+高谷史郎/LIFE−fluid,invisible,inaudible...」展


「坂本龍一+高谷史郎/LIFE−fluid,invisible,inaudible...」展
@NTTインターコミュニケーション・センター ギャラリーA
公式サイトはこちら
9月15日〜11月4日まで(金曜日は午後8時まで開館)

10月19日(金)に観に行ってます。
坂本龍一さんはミュージシャンと知っていましたが、高谷史郎さんのことは全く知りませんでした。
京都市立芸術大学卒業環境デザイン科卒業のアーティストだそうです。
今回の「LIFE」はこのお二人による、インスタレーションです。

ところでこれもチラシを読むまで知らなかったのですが、1999年にオペラ「LIFE」で
音楽を坂本龍一さん、映像を高谷史郎さんが担当したのだそうです。
このオペラ、TV放送されたことがあって昔ビデオテープに録画したのですが、観ない
うちにどこに行ったか分からなくなってしまいました。
家のどこかにこの録画テープあるはずなのですが・・・。
(このオペラのビデオ上映会が土日祝日の午後12時半からあるそうです。詳しくは公式サイトでご確認下さい)
2005年からお二人で実験ライブを展開してきたのだそうです。


幕をくぐるようにして会場内にはいると、そこは真っ暗な空間。
こんなところに放り込まれていったいどこに行けと言うの?と、一瞬とまどってしまいま
すが、向こうの方に明かりが見えているのでそちらの方へ進んでみることに。

チラシの解説をそのまま引用しますが「1.2m四方、30p高の水槽が3X3個グリッド
状に吊られています。水槽内部では人工的な霧が発生し、透過と不透過をつなぐか
のように流動的なパターンが絶えず生み出されていきます。
水槽の上から放たれる映像は、水と霧の織りなすパターンを通過することで絶えず
融解され、抽象と具象の境界をたゆたい続けます」

真っ暗な空間の中ではノイズ系の音楽がエンドレス状態で流れていて、鑑賞者は水
槽の真下に立って見上げることで、様々な映像を眺めることになります。

チラシでは「水槽の下でたたずむことで、可視と不可視、聴き取れるものと聴き取れな
いものの間に潜む生きた変容の場に、立ち会うことになるでしょう」とありましたが、
水槽の下でたたずんでいる人は誰もいませんでした。
皆さん、水槽の下の床に寝っ転がっているからいるからです(^_^;
確かに立った姿勢や、座った姿勢でずっと見上げていると、だんだん苦しくなってきます。
かといって、見ず知らずの方のすぐそばに寝っ転がるわけにもいかず、少し遠慮して
水槽の端の方で私もかまわず横になることにしました。

誰もいないようなら、水槽の真ん中の真下で見上げること、お勧めしたいです。

見始めると、絶えず変化してゆく映像にまったく飽きることがありません。
映像はいくつかのパートがあるのでしょうが、それらがランダムに組み合わされているので、
同じ映像の流れを観ることがありません。
音楽のほうもメロディがある曲が流れているかと思っていると、いつの間にかノイズ系
の音になっています。

音と映像の流れの中に身を任していると、ぼーっと何も考えず1時間でも2時間でも
飽きないで観ていられる麻薬のような魅力があります。
実際私は約1時間、横になったまま水槽の映像を眺めてしまいました。

会期内、本人に限り最初の入場券を提示するともう一回だけ再度入場できるそうです。
私も会期中、もう一回行ってみたいと思っています。



<2008-07-11追記>


昔録画したビデオテープが出てきました。
1999年の深夜に放送された坂本龍一オペラ「LIFE」の舞台中継。
録画してから今年になるまでなんと一度も観ていませんでした。
舞台ではスクリーンに映る映像、ダンサー、そしてオペラ歌手には歌わせず
朗読だけさせたりしている。
ここに坂本龍一の音楽が重なる。
時に民族音楽だったり、宗教音楽だったり、その音楽はいろいろなジャンルのものを聞かせてくれています。

番組では、坂本龍一のインタビューも紹介している。
「オペラ」と言っているけれど、明確な物語は無い。
「命」をモチーフにした言葉と、映像の断片に坂本龍一が音楽をつけてると言った
方がいい。

今回の展覧会を観た後なら、このオペラの映像が高谷史郎の手によるもの
だとすぐ分かりますが、この公演時には坂本龍一のオペラとして話題になり高谷の
名前はほとんど面に出て無かったようです。

この時に使っている映像の一部が、今回の展覧会にも使われていました。
なんだ、映像の使い回ししてたのか、と思ってしまいましたがそのことに気がついた
人などほとんどいないでしょう。

このオペラ「LIFE」はCDのみが発売されていると知りました。

今回の展覧会のDVDも2008年5月に発売されたそうです。





posted by みどり at 02:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月27日

「犯さん哉(おかさんかな)」

「犯さん哉(おかさんかな)」


「犯さん哉(おかさんかな)」@渋谷 パルコ劇場
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:古田新太、中越典子、犬山イヌコ、姜暢雄、大倉孝二、八十田勇一、入江雅人、山西惇


10月18日(木)に観に行っています。
ケラさんと、古田新太さんの組み合わせなら見逃せないと思いましたが、期待どおり
おもしろかったです。
でもやっぱり8500円のチケット代は高い。私的には6500円くらいなら納得しますが。
もう本当に、古田さんのために作られた舞台という感じです。そこに私の好きな
大倉孝二さんも出演しているのでとてもうれしい公演でした。

開演前の舞台の幕には、出演者が中学生の制服着ての集合写真のようなイラスト
が描かれています。
この幕が上がると、イラスト全く同じ姿、ポーズの出演者達が見えたところでこの
お話が始まります。

<あらすじ>
内容はフルタアラタ一代記。
14歳のアラタは母親と二人暮らし。学校ではイジメをうけているが本人はイジメを
うけているという感覚はないようす。
お父さんがいないし、貧乏暮らしを強調し、母と共謀して大人をだましてお金をもらうという生活。
大人になってからは中学生の時のいじめた相手のゴーストライターになるが、彼の
書いた小説はベストセラーになる。
ゴミ集積場に捨てられていた女の赤ちゃんを、アラタの母が見つけアラタにお年玉とし
てプレゼント(^_^;
アラタは大喜び。独身のアラタは昔好きだった女性にそっくりのその赤ちゃんをかわいがって育てます。悪い言葉をいっぱい教えて・・・。



14歳のアラタ少年は、何故かブリーフ一枚だけの裸です。
他の出演者は普通に衣装着ているのに。
なんでこんなカッコしてるの?とも思いますが、観ているうちになんだか風呂上がりの
小学生の男の子みたいに見えてかわいいです。
40代の古田さんはごっつい風貌をしているので、普通に服を着たらどうしたって
子どもには見えないからこれはいいアイデアと思いました。

冒頭の出演者といい加減な神様との会話も笑えます。
出演者はどなたも3,4役をこなしています。
皆さん芸達者な方ばかりなので、なんの違和感もありませんでした。
私は大倉宏司さんが中学生、バカの大学生、警官などの役を次々こなしていくのを
観ているのがこれまた楽しかったです。

犬山イヌコさんは、アラタ少年の母役や、女性編集者役。ゴージャスなドレスを着て
登場する編集者役は、お客さんへのサービスか目に楽しい。
でもいつも道理、犬山さん演じるキャラクターはどこか変人ばかり。

中越典子さんの演じる女性も、犬山さんの演じるのとはまたちがう変なものを感じます。一見おとなしくてまじめそうな中越さんが演じるから、かなり妙。

話の合間に挟まれる上田大樹さんが手がけたアニメーションもとてもおもしろい。
手作り感覚のアニメーションとCGを組み合わせています。


内容はかなりのブラックユーモア満載、ケラさんお得意の一見めちゃくちゃな演出は
私はとても楽しめましたが、人によってはこんなのじゃ気持ち悪くて笑えないよ、と思う
かもしれません。

posted by みどり at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月26日

映画「サルバドールの朝」

映画「サルバドールの朝」
映画「サルバドールの朝」@日比谷 シャンテ・シネ
監督:マヌエル・ウエルガ  脚本:ルイス・アルカラーソ
出演:ダニエル・ブリュール、トリスタン・ウヨア、他


10月17日(水)に観に行っています。
この映画の予告編を見るまでは、こういう出来事があったと言うことすら全く知りませんでした。
不当な判決をうけ25歳でスペイン国家当局により処刑された、実在した青年
サルバドール・プッチ・アンティック(1948-1974)の事を描いています。
事実を元にした映画ですし、事実通りの救いのない結末なので観ていてかなりつらいです。
以下、結末にまで触れていますのでこれから映画を観る予定の方は気を付けてください。

<あらすじ>
1970年代初頭の頃、スペインではフランコの独裁政権に多くの人々が反対の声を
あげ始めていた。
青年サルバドールも(ダニエル・ブリュール)、反体制運動に心を奪われその活動資
金を得るために仲間とともに銀行強盗を働くようになる。
やがて警察に身元をつかまれ、仲間割れ、逃走の日々。
ある日、仲間と密会するはずのカフェで張っていた警官達と銃撃戦になり、混乱の中
周囲がよく見えないままサルバドールの放った銃弾が一人の警官にあたり死亡。
サルバドールは殺人犯として逮捕される。
渋々ながら彼の弁護を引き受けたアウラ弁護士(トリスタン・ウヨア)は、死体にはサ
ルバドールの銃弾以外の弾が残っていて、その事実を警察がもみ消そうとしていたこ
とを発見する。警察は全ての罪をサルバドールになすりつけようとしていたのです。
彼を助けようと奔走する家族やアウラ弁護士。
しかしサルバドールには死刑が求刑されてしまいます。



そもそも私はこの映画に描かれている時代の、フランコによる独裁政権についてもほとんど無知。
サルバドールは、バルセロナ生まれのカタルーニャ人なのですが、刑務所にいる彼が、
家族と話をするときカタルーニャ語で会話をしていると看守から「スペイン語ではなせ」と、
厳しくとがめられる場面が出てきます。
独裁政権の事が分からなくても、市民の置かれた立場や市民の反発が起こるのも
なんとなく分かる場面です。

捕まる前から、逮捕、処刑されるまでのサルバドールと彼の周囲の出来事がきめ細かく描かれていきます。

この映画が重苦しい感じをあまり残さないのは、最期の朝、サルバドールが自分に
科せられた処刑を静かに受け入れるからだろうと思います。
しかし、やはり処刑場面をじっくりみせられるのはつらい。
でもこれがサルバドールのうけた仕打ちなのですね。
事実を変更するわけにいきません。

ひどいのはその処刑法、鉄の環と棒で首を締め付ける「鉄環絞首刑(ガローテ)」と
呼ばれる物だったそうです。
こんな処刑法ではそうとう苦しかったはずだし、人の尊厳など完全に無視しています。
(ちなみに首を切り落とすギロチンは、人を極力苦しめないよう考えられた処刑法
なのだそうです。)

サルバドールを演じているダニエル・ブリュールは、目がくるんと大きめで愛嬌の
あるハンサムさんです。
実在したサルバドールも写真をみるとやはり、なかなかハンサムです。
映画を観る前は、てっきり無実の青年がとらえられた話と思ったので少し違って
いたわけですが、彼の置かれた立場を考えるとやはり同情せざるをえません。

でも映画を観ていてどこか遠い、今の自分の住む世界とはまったく別世界の出来事、
他人事に見えてしょうがなかったです。
今の私はのんびりしすぎているのかもしれません。
「知らなかった」は時には罪になる気がするので、もう少し勉強がひつようですね。
posted by みどり at 07:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月25日

「教育再生シリアスゲーム 昭和クエスト」

劇団スーパー・エキセントリック・シアター公演「昭和クエスト」

劇団スーパー・エキセントリック・シアター第45回本公演
「教育再生シリアスゲーム 昭和クエスト」@東京芸術劇場
作:木和語  演出:三宅裕司
出演:三宅裕司、小倉久寛、
10月6日〜10月21日まで  この後地方公演あり

10月16日(火)の夜公演を観に行ってます。
劇団スーパー・エキセントリック・シアターは年に何回か公演を行っていますが、劇団
の重鎮三宅裕司さん、小倉久寛さんが出演する本公演は、年に一回だけで私も
この本公演だけを楽しみにしている方です。

<あらすじ>
ゲームばかりしている高校生の息子に手を焼いている男(小倉久寛)、仕事は高校の
先生。
学校に行けば授業中に携帯電話で話をしたり、ゲームに夢中の生徒達困り果てる毎日。
ある日、ゲーム開発会社からゲームの高校生モニターをお借りたい、との申し出を
承諾する学校側。
昭和の時代で生活するゲームで、モニターに選ばれた3人の生徒達は三日三晩
特別なカプセルの中に入り、完全に意識がゲームの中に入り込んでプレイする
ことになります。
困難を乗り越えていくゲームの中では何ヶ月、何年にも感じるという世界の中で3人
は無事ゲームをクリアすることができるのか?


ゲームの中の世界は昭和41年頃、とても懐かしい雰囲気です。
このあたり人気を集めた映画「三丁目の夕日」や小説・映画の「東京タワー」の
影響をもろにうけて持ち込んでいる感じがします。
演出の三宅さんが、昭和26年(1951年)生まれだそうなのでこの時代は三宅さんに
とっても懐かしいのでしょう。

当時流行の言葉、音楽満載の舞台はとても楽しい雰囲気です。
ゲームの中で、早くポイント貯めたいが為に毎日せっせとバイトをして中古の楽器を
購入してバンドを結成しようとする姿は、なかなか真面目。
ゲームの内容が、実は人格矯正の目的がありだたのゲームではないということが
分かってきますがなんだか物語の展開がありきたりで私には物足りない。
三宅さん、小倉さんのアドリブもやたら長い。
私は長すぎるよ・・・と、飽きてしまったのですが場内のお客さん達には大受けだったようです。
きちんと台本を作って、それをしっかり覚えることが大切だと思うのですが、どうも
三宅さんはアドリブの方が楽しいでしょ?と考えてるような気がします。
私はそれはちょっと、違うとおもうのですが・・・。
でも確かに、三宅さん小倉さんは他の出演者とは全く違う独特のキャラクターで
登場するだけで舞台が華やかになります。
お二人ともとても魅力のある役者さんなのに、その魅力が生かされてないような
気がしてなりませんでした。

芝居の中のセリフ「一番おもしろいゲームは現実世界だ」、確かにそうだけど
それを言っちゃーおしまいよ、なんて思ってしまったのでした。
現実世界よりも、お芝居のなかで思いっきり楽しませてもらいたかったです。

この日は、場内に関西からの修学旅行らしい制服集団がいました。
高校生かな?
スーパー・エキセントリック・シアターの公演は今や学校公認とはしりませんでした。
posted by みどり at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月23日

劇団四季・東京「キャッツ」48回目

劇団四季・東京「キャッツ」48回目@東京 キャッツ・シアター

10月13日(土)の夜の回を1階C席で観ています。

この日の主な配役です。

長老猫オールドデュトロノミー・・・種井静夫
娼婦猫グリザベラ・・・重水由紀
少女猫シラバブ・・・南めぐみ
プレイボーイ猫ラム・タム・タガー・・・荒川務
マジシャン猫ミストフェリーズ・・・金子信弛
ボス猫マンカストラップ・・・西門宇翔
鉄道猫スキンブルシャンクス・・・百々義則


このところ観るたびに大好きな猫のミストフェリーズは金子信弛さん。
ダンスは文句なくすばらしいです。しかし、歌を歌い出すと声を出すだけで精一杯
と言う感じに聞こえます。
こういっては身も蓋もないけど、歌わない方がいいのではとさえ思ってしまいました。
去年はじめて、ミストフェリーズ役に杜彦昊さんが登場したとき、本来なら
ミストフェリーズが歌うパートをマンカストラップが歌ったので、あれれ?とびっくりしましたが
今思えば、日本語もままならない外国の方が歌うので仕方なくだったのかと納得します。
もちろん、そうするのが一番いいとは思わないですが。
ダンスも歌も一定のレベルに達してから舞台に出すのが本当だと思うのですが
最近の劇団四季の公演を観ていると、そういう風には見えないのでなんだかとても
変な気分です。

実際、公演が終了して周りの方のこんなおしゃべりが耳に入りました。どの役者さんの
事かは分からなかったのですが「あれじゃ歌わない方がいいよね」と。
もしやミストフェリーズの事では?と他人事ながら心配してしまいました。

はじめて「キャッツ」を観に来た人が、がっかりしないような公演をみせてほしいなと
思う今日この頃です。


posted by みどり at 02:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 劇団四季・東京「キャッツ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ミュージカル「キャバレー」

ミュージカル「キャバレー」


ミュージカル「キャバレー」@青山劇場
台本:ジョー・マステロフ  作曲:ジョン・カンダー  作詞:フレッド・エブ
翻訳:目黒条  日本語台本・演出:松尾スズキ
出演:松雪泰子、阿部サダヲ、森山未來、他


10月11日(木)に2階B席で観ています。
このミュージカルの映画版、ライザ・ミネリ主演の「キャバレー」を以前TVで見ていて
あまり楽しい物語ではないし、後味がかなり悪かった記憶があります。
なので今回の舞台、当初は観るつもりがなかったのですが、阿部サダヲさん出演だし、
松尾スズキさん演出ならば・・・と、気が変わり行ってみることにしました。


<あらすじ>
物語の舞台はベルリンの町。
キャバレー「キット・カット・クラブ」では毎夜猥雑で華やかなショーが繰り広げられて
います。
会場を盛り上げる司会者(阿部サダヲ)に、花形歌姫のサリー(松雪泰子)。
ベルリンにやって来た駆け出しのアメリカ人作家クリフ(森山未來)は、シュナイダー
夫人(秋山菜津子)の経営する下宿に部屋をかりる。
友人に「キット・カット・クラブ」に連れて行かれたクリフはたちまちサリーと恋仲に。
独身だったシュナイダーもユダヤ人果物商のシュルツのプロホーズを受けいれ、幸せ
いっぱい。
しかし時代はナチス政党が台頭しだし、人々も不穏な空気を感じるようになります
二組のカップルもそれぞれの現実に目を向けざるをえなくなり・・・。



松尾スズキさんの台本演出は、とてもわかりやすく受け入れやすい気がしました。
ちょっぴり猥雑で華やかなキャバレーのショー。
この場面は文句なく楽しいです。青山劇場の舞台でトップレスの女性ダンサーが登場
するのはちょっとびっくりしましたが。

映画版では不気味にしか見えなかった司会者も阿部サダヲさんが演じると、変人
というよりもむしろかわいいです。
私はもともと阿部サダヲさんのファンですし、そもそもこのミュージカル、彼が観たくて
行ったようなものだったので他の出演者の方の印象がかなり薄いです。
あまり感想が書けないです、ごめんなさい。

オリジナル版のミュージカルの雰囲気は知りませんが、少なくとも今回の舞台版
映画で観たときに感じた不気味さはあまりありませんでした。
後味の悪さも映画版ほど強いとは思わないのですが、はじめてこの作品を見た方に
とっては、思いっきり派手で明るいキャバレーのショー場面からだんだんシリアスな
暗い物語になってくるのでとまどうかもしれないですね。

posted by みどり at 02:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月20日

映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」

映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」



映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」@MOVIX 亀有
監督・脚本:オリヴィエ・ダアン
出演:マリオン・コティヤール、シルヴィ・テスチュー、他

10月10日(水)に観に行ってます。
実在したフランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフの波瀾万丈の人生の物語です。
ピアフの物語を舞台化した作品は以前、美輪明宏さんの脚本・演出・出演版を観た
事があります。
ピアフのことを知ったのも、もともとは三輪さんがリサイタルで歌ってくれるシャンソン
でした。

<あらすじ>
貧しい生まれのエディット。母は路上で歌を歌って日銭を稼ぎ、父は芸人。
父方の祖母の元に預けられ、祖母の経営する娼館で娼婦達にかわいがれるつかの間の幸せな日日。
少女になったエディットは、パリのストリートで歌を歌い日銭を稼いでいた。
名門クラブのオーナーに目を留められ、「エディット・ピアフ」の芸名をもらい歌手と
して新人歌手として大成功をおさめる。
その後、オーナーの突然の死亡で殺人容疑をかけられたり、作詞・作曲家の
レイモン・アッソと出会い厳しい歌の指導を受ける。
その後、アメリカの世界チャンピオン・ボクサーの、マルセル・セルダンと出会い
愛し合うようになります。
しかし、そのマルセルの乗った飛行機が墜落したという連絡がピアフの元に届きます。



少女時代のピアフの風貌は知りませんが、大人になったピアフの風貌とマリオン・
コティヤール演じるピアフはとてもよく似ています。
ピアフの名曲が映画の中で聴けるのも楽しい。
映画を観ていると本当にピアフがそこにいて歌っているような気がしてきます。

映画の中のピアフは、おどおどしていた少女時代から歌手として大成功からも一貫し
てとても生意気です。
しかし、どん底からはい上がるようにして有名人になるピアフの姿はすてきです。
でも周囲にもわがままほうだい、有名人だからこそそんな行動も許されている様子を
見るとやっぱり、やなヤツだなあ・・・という感じはぬぐえません(^_^;)
以前、美輪明宏さんの作・演出の舞台を観たときはそんな感じはしなかったのですが。


今回の映画、何が不満といったら晩年のピアフ(といっても40代後半)が出会った
21歳年下恋人テオ・サラポとの事が描かれていないことです。
マルセルの死後、すっかり身体をこわしていたピアフと出会いピアフはテオを歌手として育る。
その後二人は年齢差を超えて結婚。
この頃のピアフの写真を見るとまるで老婆で、とても40代後半には見えません。
ピアフの死後、ピアフの借金をすべて返済したテオ。
テオが無くなった後、彼はピアフのお墓の隣に埋葬されたそうです。
posted by みどり at 07:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月19日

芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2007年10月歌舞伎


芸術祭十月大歌舞伎 夜の部@東京 歌舞伎座
「怪談 牡丹燈籠」「奴道成寺」

10月9日(火)に3階A席(3階4列目)で観ています。
8月末に同僚が退職してからなかなか休みが取れなかったのですが、この日は
ようやく午後2時間だけ早退させてもらって、歌舞伎座へ急ぎました。

歌舞伎座公演のチケットは、いつもは知り合いの知り合いに取っていただくのですが
今回は「3階のチケットをとれる役者さんに知り合いがいない」ということで、自力で
チケット確保しました。
もっとも発売日をすっかり忘れて、気がついたのが午後3時過ぎ。
この時点でチケットホン松竹に電話したら、土日の夜の回の3階A席は全て完売
だったので、平日で取りました。


通し狂言「怪談 牡丹燈籠」
原作:三遊亭円朝  脚本:大西信行  演出:戌井市郎
出演:片岡仁左衛門、板東三津五郎、坂東玉三郎、他

幕末から明治にかけて噺家として活躍した三遊亭円朝(1839〜1900)の長編怪談
の「牡丹燈籠」が原作。
今年の夏に公開された映画「怪談」は、円朝の「真景累ヶ淵」が原作。
今年はなんだか円朝ブームになっていますね。
今回上演されるのは昭和49年に大西信行さんが文学座のために書き下ろした
物だそうです。

<あらすじ>
浪人萩原新三郎に恋いこがれて死んだ旗本の娘お露は幽霊となって、毎夜新三郎
の元に現れるようになります。
毎夜逢っている相手が幽霊と知った新三郎は、観音如来持ちと住まいに護符を貼っ
て身を守ることにします。
お露と共に死んだ乳母のお米は、お露が新三郎に会えないので新三郎の下男伴蔵
(仁左衛門)にお金を払うから護符をはがしてほしいと頼みます。
金に目がくらんで承知する伴蔵。
お露と会った新三郎は取り殺されてしまいます。
大金をつかんだ伴蔵と女房のお峰(玉三郎)は江戸から遠く離れた栗橋で、商売を
はじめて成功。
ところでその栗橋には、お露の父の妾お国も来ていました。
実はこのお国、自分の愛人にお露の父を殺させていて今は愛人と栗橋にきていたのですが・・・。



という具合にこの物語、実際はもっと人物関係が入り組んでいます。
噺家さんによる口演は、昔ラジオで聞いたことがあるし文庫本にまとめられているの
を読んだこともあります。
今回の脚本は、お露と新三郎の話ははしょっているし、あちこち切り捨ててかなりわかりやすくまとめているようです。
同じ原作を舞台化した2001年に上演された劇団山の手事情社の「平成・円朝・牡丹燈籠」
は話は江戸時代のまま、衣装演出は現代的にしてとても面白かったです。

今回の「牡丹灯籠」は玉三郎さんが出演するというので、ぜひみたいと思い行って
来ました。
てっきり幽霊のお露さん役と思いこんでいたのですが、違ってましたね(^^ゞ
玉三郎さんといったら華麗なお姫様や花魁役が有名ですが、今回のように旦那の
浮気に嫉妬する普通のおかみさん役もいいなと思いました。
玉三郎さんにとっては地味過ぎる役ではないかと思いましたが、やきもち焼いている
おかみさん役はとてもかわいらしかったです。

しかしこの物語、幽霊が人間を金で買収し、その幽霊の話に人間が乗ってくる。
円朝はよくこんなおもしろい展開のお話が作れる物だと感心します。


「奴道成寺」
<あらすじ>
道成寺の鐘供養に美しい白拍子が現れて舞を舞いますが、途中で烏帽子が落ちて
男(板東三津五郎)とばれてしまいます。
男は地元の狂言師。周囲は驚くが、そのまま舞いを舞ってくれと所望します。

こちらは唄と踊りの軽い演目。
唄っている内容が未だに聞き取れない私ですが、ボーッと観てるだけでも楽しめる
内容と思いました。
posted by みどり at 06:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする