2006年12月31日

「みんな昔はリーだった」

「みんな昔はリーだった」

「みんな昔はリーだった EXIT from The DRAGON 」@パルコ劇場
作・演出・出演:後藤ひろひと
出演: 堀内健、池田成志、京野ことみ、伊藤正之、竹下宏太郎、瀬川亮、他


12月25日(月)に観に行っています。
後藤ひろひとさんの作、と言うことで期待して観に行きました。
「人間風車」は童話作家を目指していた青年の話から一転してホラーの世界に、
「ダブリンの鐘突カビ人間」は奇病が蔓延した街に起こった奇跡の話、
「ミッドサマー・キャロル」は一癖ある入院患者ばかりの病院と思ってると、次第に
みんなが愛すべき人々に見えてくる物語でした。
後藤さんの話は、どこかひとひねりあってそれがとてもおもしろいのですが、今回は
ちょっと趣が違いました。


<あらすじ>
龍彦は髪型を彼女に馬鹿にされて落ち込み、母親に八つ当たり。
さらに落ち込んだところで、叔父(板尾創路)の昔話を聞かされる羽目になる。

よっと(堀内健)、河田(池田成志)、たっけさん(竹下宏太郎)、桑島(伊藤正之)の
4人の中学生のヒーローは、映画の俳優でクンフーの達人、ブルース・リー。
たっけさんを師匠にクンフーの練習に励んでいる。
彼らのアイドルは、同級生の映画のヒロインににていたミャオ(京野ことみ)
そんな時やって来たのが、ひ弱な転校生・だめゆき(瀬川亮)。
だめゆきも巻き込んでクンフーの練習に励み出すが・・・。


ブルース・リーにあこがれる少年達の物語と、数十年後の再会の物語が平行して
描かれていました。
これはよくある手法で特別珍しい物ではありません。
期待したのは、龍彦と叔父とのやりとり。
板尾創路演じる叔父はどこか一癖ありそうで、途中からとんでもない方向に展開して
行くのではと思っていたのに平板に終わってしまいました。

意外な展開を見せるのは、人一倍ブルース・リーを敬愛していたたっけさんのその後
です。ネタバレになってしまうから書くのはひかえますね。ごめんなさい。

今回の公演は、パンフレットなどを見るとどうもよっと君を演じる堀内健さんが主人公
らしいのですがかなり印象が薄いです。
やはり意外な展開をみせてくれるたっけさん演じる竹下さんや、ひ弱なだめゆきを
演じた瀬川さんの方が印象的でした。

ほのぼのした後味を残しますが、後藤ひろひとさんの話にしては期待していたびっくり
するような展開はないし、変凡すぎてインパクのない物語になってしまった気がします。

ラベル:後藤ひろひと
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2006年12月29日

野田地図(のだまっぷ)第12回公演「ロープ」

野田地図公演「ロープ」

野田地図(のだまっぷ)第12回公演「ロープ」@Bunkamura シアターコクーン
  作・演出・出演:野田秀樹 
  出演:宮沢りえ、藤原竜也、渡辺えり子、橋本じゅん、AKIRA、他
  12月5日〜1月31日まで

12月24日(日)に1階S席(9500円)で観に行っています。
チラシの金子國義のイラストが気にいりました。
そうそうたる豪華な出演者による公演です。チケット代も高かった(^_^;)

公演始まって間もない12月7日に観てきた友人が、宮沢りえさんの声が荒れていて
びっくりしたと言ってたのですが私が観に行った日は、特にそのようなこともなかったので
宮沢さん一時的にのどを痛めていたんでしょうか。

<あらすじ>
舞台にあるのはロープで囲まれた四角いリング。
その横にクローゼットのような小さい小屋があります。
中に入ったままで、出てこないのは引きこもりのプロレスラー、ヘラクレス・ノブナガ
(藤原竜也)。
ある日、リングの下に長年隠れていたコロボックルのタマシイ(宮沢りえ)を見つけて
しまう。見つかったからには結婚してくださいと、ノブナガにせまるタマシイ。

視聴率を上げたい、弱小ケーブルTV局の撮影クルー(渡辺えり子、野田秀樹、三宅
弘城)はノブナガのリング復帰の様子を隠し撮りしようと彼を追いかけている。
悪役をやめたいと悩んでいるレスラー、ダイレクト今川(宇梶剛士)。

ノブナガのリング復帰の為に、ダイレクト今川との試合がセッティングされダイレクト
今川が勝つように、八百長をするように言われていたノブナガだったが・・・。



八百長もある、ロープに囲まれたリングで試合をするプロレスリング。
八百長嫌いの引きこもり純情レスラーと、普段は隠れていて人目にはつかないコロ
ボックルの話かと思って観ていると、いつのまにやらいじめや、「戦争」という名の
国家公認の大量殺人の話になっていました。
パンフレットには野田さんのこんな言葉がありました。
「私は、この芝居で『距離感のない熱狂の中で、繰り広げられる暴力』を描いた」
なるほど、意図するところは私でもわかりやすいものでした。

渡辺えり子と野田さんが演じる夫婦は、渡辺さんのパワフルぶりとそれに比べてひ弱
そうな野田さんのやりとりが笑わせてくれます。
細身の藤原竜也さんはとてもレスラーには見えませんし、出演者の主要メンバー中で
はなかり若手のはずですが、そんなことはまったく気にならないしっかりした演技を
みせてくれました。
宮沢りえさん演じる、タマシイもかわいらしい。

前半笑わせておいて、後半はタマシイによる戦場の実況中継になると内容が内容
なのでちょっと引いてしまいそうになりました。
ネタバレになるので詳しく書くのは避けたいのですが、宮沢さんのかわいい口から
レイプや人が焼き殺される様子が実況中継がされてしまうのですからびっくりです。
それもレスリングの実況中継のように明るく!元気よく!なのですからなおさらです。
あんな台詞を約二ヶ月間の公演中毎日口にするなんて、精神状態たいじょうぶ
なんだろうかと、人ごとながら心配になってしまいます。

リングの中で試合をするレスリングをモチーフに、いろいろな事をレスリングにたとえ
て見せた物語だったようです。
軽いのりで始まって観客を乗せておいて、後半になって人間の残酷さもみせてしまう。
結構重くてつらいです。
しかし、役者の演技と野田さんの演出で怒濤のように一気に駆け抜けるように
観てしまう公演でした。
ラベル:野田地図
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2006年12月27日

NYLON100℃公演「NICE AGE」

NYLON100℃公演「NICE AGE」

NYLON100℃(ナイロンひゃくどしー)公演「NICE AGE」@世田谷パブリックシアター
  作・演出:ケラリーノ・サンドロビッチ
  出演:大倉孝二、峯村リエ、みのすけ、松永玲子、佐藤誓、志賀廣太郎、他
  劇団公式HPはこちら

12月23日(土)の夜の回を1階C列で観に行っています。
午後6時半開演、終演は10時過ぎ。長かったです。
不思議と眠くはなりませんでした。しかし長い。
今回は再演で、初演(2000年)も観てはいるのですがこの時の印象はあまり記憶に残って
いません。
今回は内容も演出もさらにわかりやすくなっていたのか、楽しんで観ることができ
ました。

お話はこんな感じです。
時は西暦2000年。
夫婦と娘、息子の家族4人の廻(めぐり)家がボロアパートに引っ越してくる。
引っ越したばかりだというのに、大家さん夫妻がやって来てこの家には問題がある
ので出て行った方がいいとしきりに説得。
実はこの廻家の浴槽がタイムマシンになっていて、お湯の温度によって過去や未来
に行くことができる仕組みになっていたのです。
そして大家さん夫妻、その実態は「タイムパトロー」(いわゆるタイムパトロール隊員)。
しかし出て行かなかった廻家の人々は思いかけず、過去へタイムスリップしてしまう。
飛行機事故でなくなった長女を助けようとする、妹。
両親が結婚してくれないと自分が生まれなくなってしまうと慌てる、息子。
素直だった昔を懐かしむ妻。夫は17才の自分と出会う。
家族それぞれが別々の時間に移動してしまい、収集がつかなくなった時空管理局は
タイムパトローの二人に「プランB」を遂行するよう告げる。が・・・


第二次大戦の終戦直前の頃や、新幹線が開通する直前の頃、1985年の日航機
墜落事故の頃、近未来、と時間もあちこちに飛びます。
文字で書こうとすると、家族それぞれの出来事がかなり複雑になってしまうのですが
舞台で観る限りはとてもわかりやすいです。

なんでも改造してしまう廻家の長男役の大倉孝二さんは、やはりおもしろいです。
タイムパトローの、池谷のぶえ、原金太郎さんコンビは絶妙のいい味出しています。
特に原さんは、どっしりした体型とはうらはらに繊細な夫という感じがいい。
坂田聡さん演じる、売れない、おもしろくないお笑い芸人カンダタはみていて雰囲気が
他の方と異質でほんと怖い。もちろんこれをめざした演出なのでしょう。

笑わせておいて最後はしんみり。
やり直したいとおもっても、結局過去を変え、今を変えることは無理・・・とケラさんは
言っているようです。
後味は悪くないです。
やり直しはできないけれど、家族はやっぱり家族。
甘酸っぱくて、ちょっとせつない家族の物語だったと思いました。

ラベル:NYLON100℃ 演劇
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2006年12月25日

山の手事情社Xワルシャワ・ドラマ劇場共同制作「王女イヴォナ」

劇団山の手事情社公演 YAMANOTE TRIP
山の手事情社Xワルシャワ・ドラマ劇場共同制作
「王女イヴォナ」@森下スタジオ Cスタジオ

 原作:ヴィトルト・ゴンブロヴィッチ 演出:ピョトル・チェシラック
 監修:安田雅弘
 出演:ユリア・キヨフスカ、山本芳郎、倉品淳子、他

12月21日(木)の初日公演を観に行っています。
劇団山の手事情社の公演が11月から「青い鳥」「ファウスト」「王女イヴォナ」と立て
続けに上演されました。
最初の二作は安田さんの演出ですが、今回の公演は劇団外の方が演出を担当して
います。
外国の作家・劇団との完全なコラボレーションは劇団としても初の試みだそうです。
当日の配布物をよむと、今回の公演のことを監修の安田さんは「試演」と表現して
いるのがちょっと気になります。
今回の公演は正式な公演ではないと言うことなのか?

安田さん曰く、ポーランドに行った際、ワルシャワ・ドラマ劇場の公演を観て俳優の
動きやせりふ回しに、山の手事情社のものとは違うものを感じ、チェクラック氏に演出
をお願いした・・・・と言うことらしい。


とある王国。
宮廷生活に飽き飽きしていた王子フィリップ(斉木和洋)は、たまたま出会った醜い娘
イヴォナ(ユリア・キヨフスカ)と婚約。
礼儀作法もお構いなし、周囲を全く気にも留めないイヴォナの存在で王(山本芳郎)
や王妃(倉品淳子)をはじめ、宮廷の人々の精神状態は次第に混乱してゆくが・・・。
と、言うのが今回のお話。

確かに演出は今までの山の手流とは全く違います。
しかし、これが安田さんが感銘を受けた演出とはちょっと思えなかったです。

物語そのものも、なんで人々がイヴォナがいることで混乱していくのか分かりません。
特に王と王妃が、混乱するというのは納得ができない。
いくら息子の王子が選んだ相手とはいっても、気に入らないなら立場上いくらでも
拒絶できるではありませんか。
拒絶できずに混乱してゆくという話なら、それなりの展開をみせてくれるならいいの
ですがそれらしいつじつま合わせがありません。

ピョトル・チェシラック氏の演出は演劇の演出としては、わりとオーソドックスなほう
ではないでしょうか。
後半上からものが降ってくるなんていうのは変わっていますが、それ以外は冒頭で
イヴォナがせいべい(←たぶん)かじりながら客席側をうろつきながら登場、がおも
しろいくらい。
公演中、客席からは時々笑いが起こっていましたが、どうも身内というか関係者の
うちわ受けの笑いのように感じました。

このお話、安田さん自身が演出した方がよっぽどおもしろいものになっていたろうに
と思いました。

posted by みどり at 02:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

映画「エラゴン」

映画「エラゴン」


映画「エラゴン」@TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
  原作:クリストファー・パオリーニ  監督:シュテフェン・ファンマイアー
  脚本:ピーター・バックマン 
  出演:エド・スペリーアス、ジェレミー・アイアンズ、ギャレッド・ヘドランド、他


12月20日(水)に観に行っています。
原作を全く知らなかったのですが、作者のクリストファー・パオリーニは17才で
この物語を書き上げたのだそうです。
映画の元になっているのは三部作の第1作目「エラゴン 遺志を継ぐ者」

<あらすじ>
森と砂漠と山脈に彩られた帝国、アラゲイジアが物語の舞台。
ドラゴンと心を交わし、その強さと魔法を身につけたドラゴンライダー達によって
平和を保ち、繁栄していたこの国に異変が起こる。
ドラゴンライダーの一人、ガルバトリックスが反乱を起こし、ドラゴンとライダー達は
滅ぼされた。暴君として君臨するガルバトリックス。
現存するドラゴンの卵は三つ。
長い年月の後、エルフのアーリア(シエンナ・ギロリー)によって盗み出された卵は
やがて一人の少年エラゴン(エド・スペリーアス)の元へたどり着く。
卵から生まれたのは雌のドラゴン、サフィラ。
王の追っ手によってエラゴンの養父が殺されてしまい、エラゴンは過去のこと、
ドラゴンライダーの事を熟知する男、ブロム(ジェレミー・アイアンズ)に引きずられるように旅にでる。
新たなドラゴンライダーとなったエラゴンと、ブロム、アーリア達はアラゲイジアの
平和を取り戻すための冒険がはじまる。



壮大なイメージの物語が、たった17才の作者の手で書き上げられたとは
驚きます。
この映画、少年エラゴンの成長物語なのだと思います。
しかし映画を観ていてずっと感じていたのは、映像も物語もどこかで観たような感じ
だなと言うことでした。
何となく映画「ロード・オブ・ザ・リング」とジブリ版「ゲド戦記」を足して二で割った
ような感じがするのです。

少年エラゴンは「ロード・オブ・ザ・リング」のサムとフロドを合わせたような感じだし、
エラゴンにいろいろと教えていくブロムは「ロード・・・」のアラゴンか、ゲド戦記の
ゲドに見えてしまう。
暴君ガルバトリックスと部下のジェイドは、「ロード・・・」のサルマンとグリマ、
エルフのアーリアは「ロード・・・」のアルウェンとダブります。
どうも、あまり新鮮味がありません。

登場するキャラクターの中でもマーダク(ギャレッド・ヘドランド)は、なにやら重要な
キャラらしいのですが、ほとんど説明らしいものがないく、活躍もあまりありません。
まだ子どもっぽいエラゴンに比べるとやや大人びて、影のあるマーダクのほうが、
人気がでそうな気がします。2,3作目での活躍が期待されます。

エラゴンとエルフのアーリアは、今回はこれと言ったことは起こりませんがこのあと
なんだかロマンスが生まれそうな予感です。

今回の映画は、これだけでも楽しめるようになっていますがなにか大事なエピソード
の一つか、二つポコッと抜け落ちているような感じがします。
三部作の1作目のせいなのでしょうね、きっと。
2作目、3作目が待ち遠しいです。

ラベル:映画 エラゴン
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2006年12月23日

薔薇の花のチョコ

メサージュ・ド・ローズのチョコレート

友人よりいただいた、うれしいクリスマスプレゼントです(=^0^=)
薔薇の花をかたどったチョコレート。
見て楽しい、食べておいしい薔薇の花。
メサージュ・ド・ローズのチョコです。
ラベル:チョコレート
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演劇集団キャラメルボックス公演「少年ラヂオ」GREENキャスト

演劇集団キャラメルボックス公演「少年ラヂオ」@池袋 サンシャイン劇場
脚本:成井豊+隈部雅則  演出:成井豊+白井直
GREENキャスト、REDキャストあり。
〜12月25日まで   
  
12月19日(火)にGREENキャストを観に行っています。

11月30日(木)にREDキャストを観に行ったのですが、すでにどちらか一方の
キャストのチケットを持っているなら、別のキャストの平日ステージを半額(2750円)で
予約できるというサービスをやってくれたので、利用してみることにしました。

19日の感想は、こちらにまとめてあります。
REDとGREENのキャストの違いは、私にはほとんど分かりませんでした。
(配役の違いは、脇役の人達だけです)

日がたってきたので出演者の方達の演技がこなれてきたのか、はたまたキャストの
違いによる影響なのか、この日の公演は前回観た公演より遙かに見やすい
おもしろい物になっていました。
19日に見たときは、坂口理恵さんのいねの演技が、かなり声に無理をしている
ように感じたのですが今回はすっきりいい感じになっていました。
少なくともこのいね役をできるのは、この劇団では坂口さんだけでしょう。

ほぼでずっぱりの、畑中智行さんのがんばりには好感がもてます。
私は明智役の大内厚雄さんの、クールぶりが好きになりました。

今回のお話、やはり成井豊さんだけでは書けない話だと思いました。
成井さんの書く話は、良くも悪くも甘くて優しいお話ですから。
(隈辺さんが最初の台本を書き、これを元に成井さんが書き直しているそうです)
世間の現実というか、怖さが物語の中に入り込んでいるのは隈辺さんの影響が
大なのでは思いました。

posted by みどり at 16:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月21日

ミキモト クリスマスファンタジー MUTTONI クリスマスナイトツアー 

ミキモト クリスマスファンタジー MUTTONI クリスマスナイトツアー 

ミキモト クリスマスファンタジー MUTTONI The Night Angel Comes
  〜天使が来る夜〜 
クリスマスナイトツアー @東京・銀座 ミキモト本店6階 ミキモトホール
    12月9日〜12月25日まで

12月17日(日)
今、東京・銀座の宝飾店ミキモトの6階ミキモトホールで自動人形師ムットーニ
さんの作品展示と、ご本人の口上による上演会が開かれています。

初日にナイトツアーのチケットを買いに行ったときは、作品はまだ動いていないので
せっかく行ってもこれと言った感想が書けませんでした。

12月17日(日)に無料のミニ上演会(約25分)と有料のナイトツアー(約1時間)の
両方に参加してきました。

3時半からのミニ上演会を見るための3時頃会場に着くと、前の回のミニ上演会が
まだ終わっていないときでした。
次の回まで、せまい会場内を友人とうろうろ。自動人形はムットーニさんの語る
お話はありませんが自動的に動いてみせてくれていました。
語り付きでないと少々味気ないのですが、それでも動いているところをみせてもら
えるのはうれしいです。
しかし、あっちが動くとこっちでも動いていると言う状態で、作品はどれも音楽付き
なので狭い開場ではかなりうるさい感じです。

3時半からのミニ上演会は、かなり混んでいました。
時間も限られているので、ムットーニさんが紹介できたのは数点です。

展示されている作品は旧作14点と、新作は1点です。

初日に行ったときは動いていないので気がつきませんでしたが、会場の入り口
入ってすぐの所にその作品はありました。
ミキモトの大粒真珠を左手に持った「無原罪の宿り」が。
群青色の小箱が開くと、ふたの裏側には夜空が描かれています。
中から現れるのは翼を持ったビーナス。
パンフレットに書かれた言葉は「天使に抱かれた真珠 その輝きは 海から生まれ夜
空に還る」
箱の造りも、描かれた絵もとても細かく繊細でかなりていねいに作られた感じがします。
仕事から帰って、夜一人でこの作品を眺めたら一日の疲れも癒されることでしょう・・・。

この作品はオークション形式で販売されるそうです。売り上げの一部は慈善団体に
寄付されるそうです。
私もほしいくらいですが、入札開始価格は100万円からだそうです(こりゃ無理だ)
この時のミニ上演会はムットーニさんの弟さんや、お母様もいらっしゃっていました。

今回の展示会で私が初めて見たのは「やがて鐘が鳴る(1994)」という作品でした。
今回の展示の中でも、一番古い作品だそうです。
林の中の教会。その前で歌う女性。この横でムットーニさん自身もギターを弾いての
作品紹介でした。

ミニ上演会とはいえ、新作はもちろん一番古い作品も見せていただけるし、大型
作品、パイルオルガンの中からビーナスが登場する「カンターテドミノ」も堪能できる
かなりお得な上演会でした。
ムットーニ作品はどれもいいですが、特にこの「カンターテドミノ」は何度見てもすばら
しいです。

いったん会場をでてから、5時半前にまた戻りました。
5時半からはクリスマスナイトツアーです。
ミキモト特製のシャンパンとチョコレート2個付き。
私はアルコールが弱いので、どうしようかと思ったのですがレッドオレンジジュースか
ペリエ(微炭酸のミネラルウォーター)、後もう1種(なんだったか忘れましたが)あると
いうのでジュースにしてもらいました。
友人はシャンパンを。チョコも私にはアルコール抜き、友人にはアルコール入りの
物を持ってきてくれたで、さすがミキモトの気配りの仕方は違うと感心しました。
私たちは気がつかなかったのですが、シャンパンはおかわりができたようです。

6時からはムットーニさんが登場しての上演会が始まりました。

ミニ上演会ではみせていただけなかった「プライベートライブ(2000)」が見られました。
これは横でムットーニさんのトランペット演奏付き。
記憶がはっきりしないのですが、この作品も今回初めてみた気がします。
バーのカウンターの前でトランペットを吹く男が登場するこの作品、 昔、劇団遊機械
全自動シアターの公演のために作ったそうです。
バーカウンターの内部デザインを拡大して、舞台セットにしたんだとか。
この時の公演は観ていますが、このお話ははじめて聴きました。

どの作品も3,4分で終わってしまうのが残念です。いつまでも見ていたくなる
ムットーニ作品。
隅々までお手製の人形と箱は、見ていると見るだけでなく自分でも作ってみたく
なります。もちろん素人の私に、できるわけがありません(^_^;)
作品につけられた音楽もクラシック、ジャズなどとてもセンスがいいなと感じます。

今回の展示作品です。(今回全部の上演は見ていません)

やがて鐘が鳴る/1994
メランコリービーナス/1995
クリスタルキャバレー/1995
天使が来る夜/1995
トップオブキャバレー/1997
タイムエンジェル/1997
ドリームオブアンドロイド/1997
タイムアンドロイド/1997
ナイトアフターナイト/2000
プライベートライブス/2000
ババーヌエンジェル/2003
カンターテドミノ/2003
ギフトフロムダディー/2005
タイムナビゲータ−/2006
無原罪の宿り/2006



<2007-03-26追記>
2007年2月17日より世田谷文学館で「ムットーニのからくり書物展」が開かれこれとリンクして
「ムットーニ氏、からくり書物を語る」という講座が開かれました。
そこでわかりましたが、チャリティーオークションの作品は江戸川競艇の社長さんが、
180万円で落札されたそうです。



posted by みどり at 04:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 自動人形師ムットーニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

勅使河原三郎 新作公演「ガラスノ牙」

勅使河原三郎公演「ガラスノ牙」

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勅使河原三郎 新作公演「ガラスノ牙」@新国立劇場 中劇場
  振付・美術・照明・衣装・音楽構成:勅使河原三郎
  出演:勅使河原三郎、宮田佳、他

12月16日(土)に2階のB席で観に行っています。
最近の勅使河原さんのダンスは、十数年私が初めて観た頃とはだいぶ違ってきて
います。私の気持ちも離れ気味になっていたので、今回の公演観ようかどうしようか
間際まで迷っていました。
チケットを購入したのが公演前日。
前日に買えるとは、勅使河原さん人気もずいぶん変わったなと感じました。
15,6年前くらいの勅使河原さんなら、公演チケットは即日完売だったのですから。
当日の客席を見回すと、1,2階とも端の方に空席が目立ちます。
ここ数年、専門家の評価は高いですがお客さんの反応は正直だなと思いました。

今回の公演は、途中休憩が一回入るから見た目は2部構成でした。
舞台の一部に敷き詰められた、氷のようなガラスの破片が今回の公演の主要な
モチーフらしい。

真っ暗な舞台の手前に敷き詰められたガラスの破片。
冒頭、舞台の左から右へ向かい、軽くダンスするように歩いていく勅使河原さん。
勅使河原さんの動きよりも、ガラスが砕けるパキパキきらきらした音の方に気が
惹かれます。
音の形容詞に「きらきら」は変ですが、あの空間では本当にそういう風に聞こえました。
転んだら絶対ケガするから気をつけて!と、見てるこちらはハラハラしてしまいます。
勅使河原さんも、こちらも緊張感が張り詰めるシーンでした。

場面が変わって、男性2名、女性1名のダンス。
初めきごちなく、ゼンマイ仕掛けのブリキのおもちゃのように見えます。
舞台後方に四角い白いワクが見えます。ワクの中はやはりガラスの破片が敷き詰め
られているようです。
舞台の右から、左から駆け抜けるダンサー達。
なんとなく勅使河原さんの昔の名作「NOIJECT(ノイジェクト)」を彷彿とさせます。

途中休憩。

勅使河原さんと女性ダンサーとのダンスデュエット。
動きながら、二人がうめくようなささやき声を、増幅させて会場内に響かせています。
うーん・・・これは、はっきり言って気持ち悪かったです。
動きのことではなくて、お二人のうめき声を延々聴かせられるのはなんだかいたたま
れなくて席からにげだしたくなる感じでした。
これには正直まいりました。勅使河原さん、何でこんな事をするんだろう・・・。
お二人の動きはとてもきれいなのです。
だけどあの音響処理は私にはダメでした。

その後、またもう一場面。
なので実質公演は三つのパートで構成されていると言っていいようです。

あの、ささやきの増幅にはまいりましたが、ダンスは良かったと思います。
私としては、正直言ってあまり人にはお勧めしようとは思えない作品でした。

パンフレットによると今回の公演は「勅使河原さんは『ガラスの破片がつくる無数の
光の反射時間の破片』と語り、その感覚が身体に突き刺さったときの内感を追求
していく」のだそうです。
勅使河原さんの書く文章、語る言葉はとても詩的です。
ダンスも詩の延長と思って、先ほどの勅使河原さんの言葉をかみしめ、もう一度あの
舞台を観ればまた感想が違ってくるだろうと思いました。

posted by みどり at 06:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月16日

宝塚歌劇版「マクロプロスの秘事」=花組公演「不滅の棘」

宝塚歌劇花組公演「不滅の棘」


宝塚歌劇 花組公演「不滅の棘」@DVD鑑賞
原作戯曲:カレル・チャペック「マクロプロス事件」  脚本・演出:木村信司
作曲・編曲:甲斐正人  


2003年3月14日〜3月23日梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
その後、東京の日本青年館で上演された公演が今年になってDVDで販売された
ので購入しました。
当時、この公演はヤナーチェクの歌劇「マクロプロス事件」(現在は「マクロプロスの秘
事」と言うのが一般的)の宝塚版舞台化と思い、ぜひとも観たかったのですがチケットが
確保できなくて悔しい思いをした公演でした。

さてDVDに同封されていた当時の復刻版パンフレット(縮小版)には、「カレル・チャペ
ックによる戯曲『マクロプロス事件』を新たな脚本で舞台化したものでございます」と
書かれています。
でも、ヤナーチェク版の歌劇「マクロプロスの秘事」を観た後で改めてDVDを見直して
みると、これはヤナーチェクが自ら書いたという歌劇用台本の方を参考にして
舞台化しているように思えました。
チャペックの戯曲が読んだことがないのですが、原作戯曲にあるという喜劇的な
雰囲気は皆無だとおもいましたので。

音楽はオリジナルで、ヤナーチェク版とは違います。
でも終盤の雰囲気は似ていた気がします。


前回書いたヤナーチェク歌劇「マクロプロスの秘事」の感想とダブりますが
下記はヤナーチェク版のあらすじです。

「アルベルト・グレゴルとヤロスラフ・プルスは、ヨゼフ・プルス男爵が残した遺産を
巡り裁判で争っていた。
主人公のオペラ歌手、エミリア・マルティ。実は本名はエリナ・マクロプロス。
約300年前、皇帝のお抱え医師だった父が、皇帝に命じられて不老長寿の秘薬
を発明。その薬の実験台となったのが娘のエリナ。
薬は皇帝の手に渡ることなく、その秘薬の処方箋はヨゼフ・プルス男爵の手に
渡っていた。
名前を次々に変えながら337年間生きてきたエリナは、今その秘薬の効き目が
切れることを感じ処方箋を手に入れようしますが・・・。」



宝塚版では主人公で女性のオペラ歌手エミリア・マルティを、男性の人気歌手
エロール・マックスウェル(=エリィ・マクロプロス)に置き換えています。
主人公を演じるのは男役トップの春野寿美礼さん。
主人公を女性から男性へ変えているので、当然周りの人物関係もそれに合わせて
性別の変更がされています。

ヤナーチェク版を知らない、観ていないでこの宝塚版を観たときはさっぱり
おもしろいとは思わなかったのですが、今回ヤナーチェク歌劇版を観た後で
改めて観てみるとこれがとてもおもしろい!
話も分かりやすい、取っつきやすいのです。
最初観たとき、何であんなにつまらなかったのか・・・。

宝塚版では出演者の衣装も全て白。すっきりとしてこれだけで目が惹かれます。
全てを浄化するような白で統一された舞台は、硬質な美しさを感じました。

春野寿美礼さんが演じるエロール・マックスウェルは、どこか冷たく謎を秘めた男性
に見えます。
先日観た、エミリア(エリナ)役のイヴォナ・シュクヴァロヴァーさんが情熱的で謎を
秘めた美女に見えたのとは、似ているようでだいぶ違ってみえます。
これは宝塚の男役に合わせた、演出の変更なのでしょうね。。
人間関係の描写も、どろどろになりそうなところをうまく押さえていたと思います。

欲を言うなら、何か一曲心に残るメロディーがほしかったです。

posted by みどり at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする