2006年06月09日

映画「チチカット・フォーリーズ」

映画「チチカット・フォーリーズ」@東京 アテネ・フランセ文化センター
 監督:フレデリック・ワイズマン 1967年アメリカ 白黒映画


6月8日(木)に観に行っています。
フレデリック・ワイズマンはドキュメンタリー映画を数多く撮った監督だそうですが
私が観るのは今回が初めてです。
今回上映の映画は、彼の監督デビュー作だそうです。

アメリカ、マサチューセッツ州の精神に問題のある犯罪者を収容し、矯正するための
施設を紹介したドキュメンタリー。
収監者と看守たちの日常の様子を撮っています。
映像のぼかしも、ナレーションも一切なし。
プライバシー問題により、1992年まで公開が禁じられていたそうです。
公開禁止になった映画はいったいどんなものなのか、これは観て確かめたく
なるというものです。


最初に真っ正面から顔をとらえている収監者は、11歳の少女にいわゆるみだらな
行為をした男。
結婚もしてるのに他の女性、それも幼い少女に興味が行ってしまうらしい。
施設側の職員にいろいろと聞かれ、自分のことを告白するうちに判明するのは
彼はなんと自分の娘にまで、わいせつ行為をしていたのです。
彼自身、そんな自分を何とかしたいと思っているらしくこの施設にきてよかった
ということを言っている。

何も食べない収監者に、鼻からチューブを入れて水を強制的に取らそうとする
看守。看護士ではないのです。
たばこをくわえつつチューブに水を注いでる姿には驚きました。

収監者は独房にいるときは、なんと裸。なに一つ身につけていないし、ちらりと
うつる部屋の中にあるのはベッドではなくて床に直に敷いたマットレス。

自分は犯罪者だけどこの施設に来る必要はない、としつこく言い張る男。

何の誇張もなくとらえている映像は、淡々としているせいかかえって衝撃的です。

そしてこの映画の冒頭と、ラストはこの施設での収監者たちによる学芸会
みたいなパーティの様子(コーラス)が撮られています。
しかしこの映画で問題になったのは、単に収監者と施設側の人間を克明に
とらえたことだけでなく、このパーティシーンの入れ方も問われたのでは
ないかと思いました。
冒頭は、収監者たちが舞台上で歌っている歌詞は「これから始まることを
楽しんでください・・・」という意味のことを言ってますし、ラストの歌詞は
「楽しんでいただけましたか」と歌っている。

今まで観てきたドキュメンタリーがまるでショーであるかのような枠組み
を作ってしまったワイズマン。これでは上映禁止になったのも無理ないだろうと
感じました。


posted by みどり at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最澄と天台の国宝

最近なかなか書く時間がとれなくて心苦しいです。
本当は観てきた順番に書きたいのですが、書きたいこともたまってるし、印象的だった
ことは早く書きたいと言うこともあるので、最近は新旧取り混ぜて書いています。
一ヶ月前ですが、これを観に行っています・・・。

最澄と天台の国宝 @ 東京国立博物館
 3月28日〜5月7日まで

5月7日の最終日に観に行っています。
チラシの解説を要約してご紹介します。
天台宗の宗祖は最澄(さいちょう)。
比叡山延暦寺、この地で天台宗が始まったそうです。
比叡山に学んだ僧から、法然(浄土宗)、栄西(臨済宗)、道元(曹洞宗)、親鸞
(浄土真宗)、日蓮(日蓮宗)ら開祖が誕生しているそうで、つまり天台宗は日本仏教
の母なる存在として大きな役割を果たしてきたのだそうです。

今回の展示は国宝31件、重要文化財100件という大規模なものでしたので、
やはりこれは観ておかなければもったいない!と、行ってきました。

特に印象的だったのは次の2点です。

聖観音菩薩立像
まっすぐ立っているのではなくて、上半身がやや右に傾いて、体が軽くS字に
しなっています。左足が少し前に出ている。
左腕をやや上げて手は「未敷蓮華(みぶれんげ)」といわれる形をとっています。
とてもリラックスしたようなお姿で、観てるこちらもやさしい気持ちになれる観音菩薩様でした。

もう一つはお経を書いた巻物です。
「法華経 開結共 第一巻」
金箔を散らしてきれいな文字で書かれていたお経の巻物。
展示品は巻物の軸がなくなっていましたが、蝶と鳥を配した螺鈿(らでん)が施されて
いたそうです。
螺鈿は輝く貝殻を使っているものですから、昔々はお経を読みながら巻物を広げる
につれて巻物の軸がくるくる回って、螺鈿もキラキラと輝いていたことでしょう。
お経を読んでいるお坊さんも気分がいいだろうし、そばで聴いていた人たちも
ミラーボールが回るようなキラキラの風景に、さぞかしあいがたや・・・と、思った
のではないのでしょうか。
視覚、聴覚にうったえてくるお経の巻物。いいなあと思いました。

posted by みどり at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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