2004年11月25日

劇団四季「キャッツ」

劇団四季「キャッツ」@東京・キャッツ・シアター
2004年11月11日よりロングラン公演開始

11月25日(木)観劇
作曲: アンドリュー・ロイド・ウェバー
作詞: T・S・エリオット「Old Possum’s Book of Practical Cats」より

8年ぶりの東京公演!長く待ちました。
私が一番好きな好きなミュージカルです。
いつか東京での公演が行われるだろうと思いつつ待ちきれずロングラン公演を
行ってた大阪へ二度、地方公演の静岡公演を一度、私のすみか千葉県松戸市から
観に行ったものでした。

すでに来年11月公演までチケットが発売されてるので私も複数購入しました。
ほとんどは一番安いC席です(^_^;)
ちなみに3150円です。

まずは第一回目は今回初お目見えの「ジェリクル・ギャラリー」と言う座席を
試しに購入してみました。
この席は舞台に対してほぼ真横の斜め上、に位置する席。

今回のキャッツ・シアターはこの公演のため特別に造られた劇場。
初めての劇場へ行くときはやはりわくわくします。
JR五反田駅とJR大崎駅のほぼ中間に位置してます。

さて早めに劇場に到着したら、まずするのはお手洗いへ。
かなりたくさん個室があります。

そして今回のパンフレット購入。キャッツのイラスト入りペーパーバック付きで
2000円。バックはいらないのでパンフのみ1800円で購入。

グッズ売り場も終演後は混むだろうけどその時はほとんど人が居なかったので
ゆっくりながめる。本当は以前購入したことのある黒地に黄色の眼のイラスト
と「CATS」のロゴ入りのマグカップがほしかったけど今回見あたりませんでした。
持ってたのを割ってしまったので代わりがほしかったのですが・・・・。

さて場内へはいるとまずは壁を見回す。いろんなガラクタが張り付けてあります。
どこかで見たことのあるお菓子のパッケージや洗剤の入れ物などなど・・・。
猫の視線でつくられてるのでどれも大きさが通常より大きめです。

ジェリクル・ギャラリーの席に座ってみるとなんだか客席がよく見渡せる席でした。
公演が始まってみると出演者達の真横か後ろ側から演技を見る形になります。
今まで見たことのない視点から今まで何度も観た公演を観るのは
とても新鮮な感じがしました。
舞台の一部の中に席があるような猫達がとても身近に感じる席。
しかしながらここは正面の演技が観られない。
だからここはすでに何度もこの作品を見てる人向けの席だなと感じました。
初めてでこの席に座ったら絶対不満爆発でしょう。

一本のストーリィはないものの各猫たちの自慢・紹介が舞台上で繰り広げ
られます。
そして最後に天上へ上ることにできる幸運なジェリクル・キャットが選ばれる
までのあれこれです。

年老いたかつての娼婦猫グリザベラの「メモリー」は聴いてるだけで
じんとしてきます。鉄道猫のスキンブルシャンクスの曲はとにかく楽しい。
マジック猫のミストフェリーズは愛らしいし。

このミュージカルの楽しみは公演の終わった直後に猫たちが客席内を急いで
まわって握手してくれる楽しみがあります。
全員には無理ですが握手できたらラッキー!
私はソロの場面はないものの冒頭真っ先に登場するシャム猫タントミールと
握手ができました。
今回は、まだまだ各役者さん達の個性までには目がいきませんでした。

以前と変わったのは休憩時間中に長老猫のオールドデュトロノミーがお客さんに
舞台上でサイン会を開いてくれてたのが、静岡公演に続き今回の公演でもなく
なっていたこと。
まあコレは致し方ないかなと、思いました。
何しろ20分の休憩時間でサインをもらえるのは数十人。
大阪公演を観に行った時はっきりしてましたが休憩時間に入る直前の娼婦猫
グリザベラのソロボーカルシーンで何人もの人が席を立つので落ち着いてみて
いられませんでしたから。


最後にチケット確保について私の体験をご紹介しますと・・・
私は「四季の会」の会員になってるので会員優先予約が利用できましたが、
それでも発売日は電話がなかなかつながりませんでした。
ネット上で席を選びながら予約も出きるのですが売り出し開始の10時からは
全くアクセスできないのでとにかく早く席を確保したいときは電話が一番早い
ようです。

また人気のS回転席は一般の方が確保するのはかなり難しいでしょう。
劇団四季は会員向けにほとんどの席を押さえていて一般のチケット会社の
割り当て分がとても少ないからです。
「何で後ろの席しか取れないの・・・」とチケット会社イープラスの券を持ってぼや
いてた女の子、つまりはこういう事情があるのですよ。

S回転席は一階最前列から4列目までの席。他のS席と値段は同じですが
ミュージカルがはじまる前は他の客席から観ると、がれきのゴミの山の向こう
の舞台の反対側にあるような席。
この席は場内が薄暗くなり開幕と共に、動きだし通常の座席の位置に
戻るという趣向の席です。まあ、はっきり言ってこれだけなんですが(^_^;)
しかし絶大な人気があるようです。

四季の会の会員優先発売は最初9月5日と、さらに公演期間延長決定のため
10月10日に発売がありました。
2回目の発売ではじめてS回転席を買いましたが実は売り出し日をすっかり忘れて
4,5日後で購入しました。
さすがに土日のS回転席は売り切れでしたが平日夜なら夏以降の公演で
S回転席を位置を選んで買うことができました。

又今回1階B席として発売された席がかなり舞台が見えづらいことが判明し
料金3150円とする事になったそうです。つまりC席扱いです。
ばらくは当日劇場で差額の払い戻し、他の席への振替など行ってるそうです。
もし1階のB席チケットを持ってる方でこの件を知らなかった方は劇団に問い合わ
せした方がよいでしょう。

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スーパー・エキセントリック・シアター公演「一夜千夜物語」

職場でなかなか思うように休みが取れずそれでも午後だけ(T.T)
休みを取って芝居ざんまいの一日を過ごしました。まずはその一。

11月25日(木)昼公演観劇
劇団スーパー・エキセントリック・シアター公演「一夜千夜物語」@池袋・
東京芸術劇場中ホール
脚本: 大沢直行  演出:三宅祐司

劇団創立25周年記念公演だそうだ。
スーパー・エキセントリック・シアター(以下SET)はTVでもおなじみの三宅祐司が座長
を務める劇団で他にも小倉久宏も在籍してます。
旗揚げ公演は池袋・シアターグリーンだそうだ。
この小劇場、もうなくなりましたね。今資料がありませんが去年で閉館だったか・・・?

この二人は人気役者でTVでも引っ張りだこのせいかこの二人が出演する「本公演」は
年一度だけです。
他の劇団員だけでも公演もありますが私はこの二人だけが観たいので本公演しか観
たことありません。・・・劇団員の方、ごめんね!

今回のお話し
昔々。アラビアに美女シエラザード姫がおりました。彼女が大事にしてる巨大ランプ。
ランプを擦りながら呪文を唱えるとアラジン・アリババ・シンドバットが飛び出す。
この三人は魂だけの存在のため、何とか肉体を得ようと外の世界への脱出をねらって
いた。ある日、姫の召使いが掃除をしようとしてランプを拭いてるうちにアラジン・
アリババ・シンドバッドが飛び出し逃げ出してしまう。
失われたアトランティスの発明品を手に入れようとやって来たガリレオ・ガリレイ
(三宅)や、フランス人を母に日本人を父に持つと言ってるワルモン(小倉)、
遣欧少年使節団の若き侍達、ヨーロッパからやって来た修道士と尼僧達が入り乱れ、
ダビンチの名画「モナ・リザ」に隠された秘密を解き明かし?たりとまさにてんこ盛り。


歌ありダンスあり、ギャク満載の舞台なので毎回物語はにのつぎの感じはありますが
今回も約2時間浮世を忘れて大笑いして楽しく過ごせるサービス精神豊かな公演を
観せてくれました。
もっともダンスは若手劇団員の専門で、場をさらうお笑い場面は三宅・小倉の
独壇場となってます。

この劇団は土日に集中するお客さんを振り分けるためか、毎回日によってチケット
料金が違ってます。土日、祝日・平日夜、平日昼間とだんだん安くなってます。
なので今回の昼公演を選んでチケットを購入しました。
もちろん休みとるつもりで(^_^;)  最大二千円も差があるのは大きいですから。

客席を見渡すと何となく学生風の人や友人どうしてきてるオバサマ方が多かったよう
な気がしました。
隣の女の子達が「なんでこんな昼間の回にサラリーマン風のおじさんまでいるのー」
なんて話してるのが聞こえてたけど、そういう君たちは??
おじさんもなかなか休みとれないから、こういう安い昼間の公演観て鋭気を養ってい
るのだよ。
・・・て、私まったくおじさんの立場になって心の中で言い訳してましたわ。

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2004年11月23日

図説トールキンの指輪物語世界

「図説トールキンの指輪物語世界・神話からファンタジーへ」
 原書房:発行 定価本体 2400円
 デヴィット・デイ(David Day):著
  井辻朱美:訳

図書館で他館から取り寄せてもらう際、同じ出版社から出てる「トールキンによる
指輪物語の図像世界」と間違えてしまったのがコレ。
「指輪物語」ついて書いてるようなので、せっかくだし借りることにしました。

この本はやはり、「指輪物語」を読んだ人向けです。
現実のヨーロッパの神話や歴史、言語、英雄神話などを紹介しつつ、トールキンの
「指輪物語」世界を読み解いて行ってるのが本書。

読み進むうちに「指輪物語」のあらゆる部分を、コレはあの神話から思いついた物
アソコは歴史のあの部分からきたものと、細かく指摘というか紹介してるのが少々
ハナについてくる。
トールキンさん、そんなつもりで書いたんじゃないかもしれないのにな・・・と思ったり
したのです。
しかし、すっぱりと指摘できるというのは元の神話・歴史などについて膨大な知識を
持っていなければできないことなのでデヴィット・デイさん、その点では驚異的。

それに彼自身が本書の中で書いている。
『トールキンの世界と、現実世界あの過去の文明や伝説のあいだには、意識的、
直接、間接に多くの関係があって(それを追求するのも大いに興味深いが)
重要なのは、著者がそれらを内的な一貫性とリアリティを持つ一つの自足的な
体系に作り上げたことであって、そのことを常に念頭に置くべきであろう』
読んでくうちにそんなことすっかり頭から抜け落ちてました。

本書はカラーイラストが多数載ってるので、「指輪物語」や映画「ロード・オブ・ザ・リ
ング」を思い出しつつ絵本ような感じで楽しんで読めます。
しかし、このイラストは誰が描いてるか記載されてないのが疑問。
デヴィット・デイさんではないようだし・・・・・?

カバーの表紙はトールキン自身によるイラストが使われています。
表紙は「ホビット庄」の風景、裏表紙は「王の帰還」の本の表紙のために描いた
絵のようです。
posted by みどり at 02:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 指輪物語周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「おしゃべりオルガン玉手箱」@東京・サントリーホール

11月23日(火)行って来ました。
「おしゃべりオルガン玉手箱」@東京・サントリーホール

サントリーホールパイプオルガン、レクチャーコンサートシリーズ2004の三回目。
レクチャータイトルは「Vオルガン・デザイン」

前半約1時間はパイプオルガンについてのさまざまなお話し、後半約1時間は
パイプオルガンの演奏を楽しむという趣向です。
大ホールでのコンサートが楽しめてお値段2千円というのがうれしい。

お話しはオルガン奏者でもある鈴木雅明氏。
ゲストはオルガンビルダー(オルガン制作者のことです)の草刈徹夫氏。
後半のオルガン演奏は椎名雄一郎氏。

しかし祝日の午前11時からのレクチャーというのは眠くて困る・・・(^_^;)
今回はパイプオルガンの構造についてのお話し。
近い音のパイプは離すのが原則だそうだ。なるほど。
そういえば最近新聞にも何度か載ってましたが池袋の東京芸術劇場のパイプオ
ルガンが問題おおありなんだそうです。
演奏者からひいてないはずの音が鳴ると苦情が出たり、メンテナンスに相当な金額が
かかるとか。構造上の欠陥が指摘されてるそうです。
ひいてないはずの音が出るというのは狭い空間に無理にパイプを詰め込んでることに
原因があるらしいです。

さて後半はオルガン演奏。私は音楽の知識が乏しいので感想は簡単にしか書けま
せん。(子どもの頃は6年間ピアノを習ってました。あんまり上達しなかったけど・・・)

1.J・S・バッハ作曲 プレリュードとフーガイ短調BWV543
これはよく耳にするようなメロディのパイプオルガン音楽。

2.フランソワ・クープラン作曲 「修道院のミサ曲」より聖体奉挙「ティエルス・
アン・タイユ」
短いながら、いかにも宗教音楽風の美しい音楽でした。

3.セザール・フランク作曲 コラール第3番イ短調
最初に聞いたバッハの曲に似た感じ。

4.細川俊夫作曲 オルガンのための「雲景」
これはなんとも摩訶不思議な曲でした。
パイプオルガンの音色を雅楽の楽器「笙」としてとらえて作られた曲で、
目の前のオルガンを見てなければまさしく「笙」の音。
大空に大小の雲が浮かび漂い、変化してゆく様が目の前に浮かんでくるような
曲でした。

5.ギィ・ボヴェ作曲 サラマンカ
冒頭フルートとドラムの音(もちろんパイプオルガンの音ですがまさしくその楽器の
音がするのです)ではじまりテンポの速いスペインの民族音楽風の陽気なイメージの
する曲。

12月はいろいろ問題ありの東京芸術劇場のパイプルガンを聴きに行く予定です。
12月20日「パイプルガンの夕べ」と言うのが3階自由席は千円と言う安さに
つられてチケット購入してしまいました。
いろいろな意味で楽しみです(^_^;)

posted by みどり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・コンサート・オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月21日

創作お話「戸丸さんの猫」

「創作お話」は「まんがまんだら」の掲示板に遊びに来てくださった方から
「お題」を三ついただいてこれを元にお話しをつくってる「三題話」です。


創作お話:「戸丸さんの猫」

「いったいどこから入って来るんだろ?」
ちょっぴりお金持ちの戸丸さんがここ数日、不思議に思ってるのは毎晩家の中に
現れる一匹の猫のこと。
「お前がちゃんと戸締まりしないからだろ」と奥さんに文句を言ったけど
「そんなはずありませんよ!」と怒られた。

毎晩そろそろ寝ようと思う頃「ニャー」と声がしたと思うともう足元に猫がいる。
「ほら出てけよ」と、出してやってますが。

ある晩、戸丸さんは今でうたた寝してふと目がさめて驚いた。
部屋にかかっている絵の猫が大あくびしてるではないか。
うーーんとばかりに伸びをすると、プイッと絵の外へ飛び出した。
あたりをキョロキョロすると、戸丸氏の前まで悠然とやってきていつものように
「ニャー」
ドアを開けてやるといつものようにうれしそうに出ていった。
あぜん、ぼーぜんの戸丸さん。

試しに、毎日夜中まで起きててわかったのはこの猫、夜中になると
絵の中から出てきてどこかへ行ってしまうのに、朝になるとちゃんと
絵の中に戻ってきてるということ。

戸丸さんから話を聞いた奥さんはびっくりしつつも「あるかもしれないわねえ」
と妙に納得。
実はこの絵は数週間前、奥さんへの誕生日に買ってあげた物でした。
仕事がなかなかうまくいかず今まで奥さんにはさんざん苦労をかけてきた
罪滅ぼしにと、ちょっと高かったけど奥さんが好きだと言ってた画家の
絵を買ったのでした。
奥さん曰く、この画家は旅をしながら絵を描く人で、放浪の画家としても有名
なんだそうだ。

「いい絵は作家の生気が乗り移るのかもよ」て、奥さん。
「そんな馬鹿な」
「ともかくあなた、このことは他の人に話しちゃダメよ」
「うん・・・」
と、言ったもののこんなすごいこと黙ってられるはずありません。

もちろん最初は誰も信用しなかったけど戸丸さんが「嘘だと思うなら見においでよ」
なんて言い出して家にご招待。猫の方は相変わらず絵の外へ遊びに出るもん
だからこの話はアッという間に世間に広まってしまいました。

そのうち「戸丸さんちに泊まって寝てる時に、猫に顔をなめられるとお金持ちに
なれる」なんて噂まで流れだし、TVが取材にも来たけどそんな時は猫は絵から
出ないのでした。

ある日、戸丸さんちに見慣れない人がやってきました。
大きなリュック背負って、帽子に花まで付けてひげ面の、なんだか「ムーミン」に
出てくるスナフキンをむさ苦しくしたようなおじさんです。
戸丸さんにはわかりませんでしたが、奥さんにはすぐわかりました。
この人こそあの絵の作者、歩乱(ぽらん)さんでした。
「いやー私の描いた絵がご迷惑かけたようで申し訳ないです」と歩乱さん。

絵から出歩く猫の話は歩乱さんの耳にも届いてました。
「あの絵は一緒に旅をしてかわいがっていた猫でしてね。死んでしまったので
思い出にあの絵を描いたのです。画商に渡したらすぐ売れたと聞きました。
そのころからですかね、旅先で夢の中にあの猫を見るようになりました。
たまたまこの間、泊まった宿のテレビであの絵の話を聞いてなるほどと思い
ましたよ。
私もあの子も旅が好きでしたから・・・じっとしてるのがイヤだったのでしょう」
「あの猫はあなたのとこへ会いに行ってたんですね」と、奥さんちょっと感心。

「そういうことですね。しかしそれではせっかく絵を買ってくださったのに困る
でしょう?」「いや、そうでもないんですけど・・・・」と、戸丸さん。
猫のことで有名人にもなってましたので、まんざら悪い気はしてなかったのです。

「猫が戻ってくるうちはいいけど、そのうち帰らなくなる可能性がありますよ」
「ええ、そんなのイヤですよ。この絵が気に入って買ったのに」と奥さん泣きそう。
「何とかしますよ。あの猫を夜遊びさせない方法が二つあると思うんです」
「二つですか?」と戸丸さん。
「一つはこの絵を大きなかごの中に入れてしまうか、この猫の絵の上にかごの絵
を描いてしまうのです」
「そんなの絶対ダメです」と戸丸さんと、奥さん。
「そうでしょうねえ。では、こういうのはどうでしょう・・・・」


数時間後、歩乱さんは戸丸さんの家をあとにし、また旅に出かけてゆきました。
そしてその日から、絵の中の猫は外に出なくなりました。

歩乱さんは、戸丸さん夫妻の了解をもらって絵をほんの一部描き変えたのです。
ぱっちり開いてた目を閉じたのです。
絵から抜け出す猫の噂も消えてゆきました。
戸丸さんは、ちょっぴり寂しくもありました。毎晩のように足元にすり寄ってきてた
あの猫はとってもかわいかったなあ、と今にして思うのです。

目を閉じた猫は、幸せな夢を見て昼寝してるようです。
毎晩この絵を見てると戸丸さんの心も、なんだか安らかになるのでした。

(おしまい)


<2009−06−11追記>
「まんがまんだら」は公開を終了いたしました。
ご訪問ありがとうございました。
posted by みどり at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作お話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「バニシング・ポイント」フィリップ・ジャンティ・カンパニー公演

「バニシング・ポイント」フィリップ・ジャンティ・カンパニー公演@テアトル銀座
11月12日(金)観劇。
魔法にかかりたくて久しぶりのフィリップ・ジャンティ・カンパニー(以下FGCと略)
公演観てきました。1列13番という最前列ほぼど真ん中のすごい席。

前回の来日公演は去年2003年の「ジグムント・フォーリーズ」だったけど
これはこのカンパニーの初期作品(日本では初演)で小さい人形主体の愛すべき
小品でした。しかしちょっと物足りなかったのも確か。
なので最新作の今回の公演、楽しみにしてました。

FGCは作・演出をフィリップ・ジャンティ、共同演出に彼の生活のパートナーでも
あるメアリー・アンダーウッドが手がけてるそうです。

公演は各地を回るグループごとにオーディションでメンバーを集め、世界各地を
複数のグループが回ってるそうだ。

今回の公演は男女3人ずつのキャストでの公演。
真っ暗な舞台に地平線と消失線らしき光の線が見える。闇から現れる人物達。
彼らは旅人なのか。
コートを着て帽子をかぶる役者達、そして同じスタイルの小さな人形達との共演。
闇から突如現れる薄い皮膜のような物体は風船をふくらますようにあれよあれよと
いう間に巨大な人物になってあたりを見回しリラックス。
やがてするすると闇に消えていく。
空中を浮遊する人物。

キャストの動きは一つ一つが流れるようにきれい。
おそらくダンスの経験豊かな人達なのでしょう。
これと言った物語があるわけではないのに目が離せない舞台です。

仕掛けはどうなってるの?と、考えてもよくわからないけど最前列で観てる
おかげで目を凝らすとかすかに闇の中を動く人物の姿がわかりました。
FGCの公演はたいてい毎回照明の当たってる明るい部分と、当たってない真っ暗
の部分がかなりはっきり別れてる。つまり中間の部分があまりない。
暗闇をうまく利用し、さらにキャストと黒子のチームワークの良さがあの不思議
を生み出してるらしい。
しかしこれ、見てる人の大半は仕掛けが見えてないはずなのでかなり不思議に
思えるでしょうね。

ルネ・オーブリーによるこの公演のためのオリジナル曲もいい。
私的には今まで観てきたこのカンパニーの公演では一番好きなのが「漂流」
でした。
今回の公演は「漂流」のパート2のような感じもして「漂流」と比べてしまうとちょっと
見劣りする感じでした。

参考までに以下は今までの日本公演の軌跡です。
1988年 「いのちのパレード」
1992年 「漂流」
1993年 「忘れな草」
1996年 「動かぬ旅人」
1998年 「迷宮」
2000年 「密航者」
2003年 「ジグムント・フォーリーズ」

運良く全部見てますが、「漂流」と「忘れな草」のチラシの宣伝コピーが実に
良かった!
今回パンフレットを見てはじめて知りましたがこのコピーは脚本・演出家でもある
鈴木聡(すずきさとし)さんの手になる物だったそうだです。
(鈴木聡の脚本作品、NHK朝ドラマ「あすか」、ミュージカル「阿国」など。
最近は公演がありませんが劇団「ラッパ屋」を主催)


「漂流」 見なけりゃ、一生の後悔。約束します、夢より不思議。
「忘れな草」 魔法にかかりにいらっしゃい。たぶん、一生忘れない。
posted by みどり at 03:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ダンス・芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月17日

海の映画「ディープ・ブルー」

映画「ディープ・ブルー」
原題・DEEP BLUE  2003年 イギリス・ドイツ合作
監督&脚本:アラステア・フォザール、アンディ・バイヤット
制作:BBCナチュラル・ヒストリー・ユニット
製作:BBCワールドワイド、グリーンライト・メディア


11月17日(水)鑑賞@六本木ヒルズ

一時間半だけ、海の中を泳ぎ回るお魚になれる映画。
観てそう思いました。

世界中の「海」の生き物を取材したドキュメンタリー映画です。
イルカ・シャチ・コロコロに太った皇帝ペンギン・そして日の光の全く届かない深海に
さえ生き物がいるのは驚きです。

冒頭の青い海の中を漂うように現れるイルカのシーンはまるでアニメーションかと
思うほど美しいです。
ほほえましい場面、過酷な場面、いろいろな映像がありますが演出された物では
ない「本物の迫力」を受け入れて観るべきでしょう。
広大な海の映像はTVで観るのはもったいないと感じさせます。
大きな画面のTVならいいでしょ、とおっしゃるかもしれませんが映画館の大きな
スクリーンと、いい音響の中でこの映画は楽しんでいただきたい!
ベルリン・フィルハーモニーによる音楽もいいんですから。

もっとも製作にイギリスの放送局BBCが関係してるせいか
この映像一度TVのドキュメンタリー番組でみてるなあ・・・・と言うのも
いくつかありました。
NHKの「地球ふしぎ大自然」とかの番組だと思うのですが。

映画の上映情報は公式HPで確認してみてください。
http://www.DEEP-BLUE.jp/
posted by みどり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月13日

「マティス展」

「マティス展」@東京・国立西洋美術館 12月12日(日)まで

11月13日(土)観てきました。
画家アンリ・マティス(1869−1954)
正直言っていままでマティスの絵がいいと思ったことがなった私でした。
今回実物を目の前にしたら考えが変わりました。
なかなかいいではないの、マティス。

今回の展覧会は「プロセス」と「ヴァリエーション」という二つの視点からマティスの
作品を紹介するもの、だそうだ。
チラシの言葉いわく「作家の『作る喜び』と観る者の『観る楽しみ』の両方を味わえる
これまでにない展覧会」で、まさしくそのとうりでした。

マティスは作品を仕上げるまでにその途中の写真をいくつも撮っており、今回は
展示作品の横にその写真も展示されてるので、製作過程がわかるようになってまし
た。時代が昔だからしょうがないけど写真がカラーでないのが何とも惜しい。
「夢」と言う作品では、最初はごく写実的なデッサン風の絵からだんだんと抽象的な
絵に変貌してゆくのがおもしろい。
女性がテーブルに突っ伏して眠ってる絵ですが、女性の横顔や腕の位置が試行
錯誤を繰り返してるのもわかります。

知らなかったけどマティスは一つの主題で何枚も絵を描いている。
ヴァリエーションを楽しんでる。あるいは模索してる様子がうかがえます。

晩年になると紙に色を塗って、それを切り抜いて貼り付ける「貼り絵」
作品を作るようになってますが、私はこの作品群が好きです。
「ブルー・ヌードU」と言う作品は白地にブルーの紙を切り抜いて女性が座ってる
ポーズで構図事態は何気ないのに、観てるとなんだか「いさぎよさ」を感じてしまい
ます。
「一気にこんな形に切り抜けるなんて、さすがだなあ・・・」と思ってよくよく観れば
結構あちこち「貼り足し」がしてある。
そうかそうかマティスといえどもやっぱり、最後の最後まで考え抜いて迷いに迷って
作品を作り上げているんだ・・・・と、なんだか人間らしい可愛いものを
感じてしまうのでした。

しかしこういうことは実物を目の舞えてみて初めてわかることで、印刷物をみてたの
では絶対わからないことでしょう。
展覧会で作品を直に観る楽しみのひとつがこれですね。
後で絵ハガキを何枚か買いましたがこの作品だけは実物の持つ味の良さのせいか
絵はがきを買う気が起きませんでした。

あと今回の展示で私が好きな作品は「ポリネシア・海」と「ポリネシア・空」。
大きな同じサイズの貼り絵作品ですが片方は海のイメージ・片方は空のイメージ。
色は地の紫と空色、その上に貼られる鳥や魚は白、のたった3色だけ。
なのにイメージも色彩もとても豊かな物を感じる作品でした。

映画は映画館のスクリーンで見るのが一番いいし、絵は印刷物で見るより
実物を目の前で観るのが一番いい。そう再認識した展覧会でした。

気になったことが一つ。
今回の展覧会、結構混んでるにもかかわらず以外とスムースに観ることが
できました。皆さん絵の前でたたずむ時間が短いようでした。

posted by みどり at 00:00| Comment(2) | TrackBack(2) | 美術・展覧会・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月12日

「J・R・R・トールキン−或る伝記」

「J・R・R・トールキン−或る伝記」 評論社発行
ハンフリー・カーペンター著 、菅原啓州訳

「指輪物語」「シルマリルの物語」の作者、トールキンについての伝記です。
「指輪物語」にすっかり惚れ込んだ私が作者についてもっと知りたいと思って
手にしたのがこの本でした。

著者の序文を見ると、本書の元になったのはトールキンの手紙、日記、その他の
文献、家族や友人達の証言だそうだ。
そういう物を参考にさせてもらえたと言うことは本書はトールキン家公認の伝記物
という位置にあるらしい。
つまり書かれていることはかなり信用していい物らしい。

本名ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン。1982年1月3日生。
1973年8月28日没。享年81歳。
序文の日付は1976年なので、トールキンの没後間もなく発行された物らしい。

著者のカーペンター氏は1946年生まれ。
本書のはじめの方で1967年に、著者がトールキン教授に会いに行ったことが
書かれているのが興味深い。(トールキンは大学教授だったのです)
生きてるトールキンに出会えなかった私が、タイムマシンで過去の世界を
のぞきにいたような感じがしました。

カーペンター氏いわく、想像より背が低いとか、
「指輪物語」を何度も読んでるカーペンター氏ですら当惑するような細部について
とくとくと語るトールキン教授の様子とか、なんだかほほえましくなってきます。

「指輪物語」がいったいどうやってできあがったのか、あの物語の魅力的な
さまざまな物、登場人物、舞台設定などはトールキン教授の頭のどこから生み出さ
れてきたのかヒントがどこかに隠されていないかと読み通しました。

読んでると、これは物語のここに反映されてるのではないのかと思えてしまうところは
いくつもあります。
「指輪物語」が好きな私のような物が読むと、ついついこれはあれと関係があるの
ではと、つい結びつけてしまうのかもしれませんが・・・・。

トールキンの父は彼がわずか4歳の時亡くなり、母も彼が10代始めの頃亡くなってる
ことや、3歳年上の恋人エディスとのロマンスをよむと、アラゴルンとアルウェンを
思い出してしまいました。

トールキンの親戚の叔母さんの農場は路のどん詰まりあったので、土地の
人々はここのことを袋小路(バックエンド)と、いっていたなんて言うのは
もちろん「指輪」のビルボとフロドの家、「袋小路屋敷」を思い出しますし。

その他、印象に残るいくつかのところ。
トールキンは子どもの頃から私製言語を作っては楽しんでいた、とか。

トールキンが書いてると言う言葉「わが『サム・ギャムジー』は実はイギリス兵の
1914年の戦争で知った兵たちや従卒たちの面影をつたえたものである」とか。

エディスと結婚後、新しい人生を自覚したのか日記を付け始めてるが文字は
しだいに自分で考案したアルファベットでつけるようになった、とか。
それはいいけど、文字や使い方を自分でも決定できずよく変えるもんだから
後になると自分の日記なのに読むのが難しくなってる、とか(^_^;

「指輪物語」を書き上げるのに何年もかかったが出版にもいろいろ問題が
あった、とか。

トールキン自身は「指輪物語」の指輪が火の中からでて来たとき、
指輪表面に文字が浮き上がって見えるとき本の活字も赤い字にしたかった、とか。


本書を開いたとき、文章が一ページに2段組になってる本なのでこれは読むのが
大変かな、と思ったのですがトールキンについての興味の方が先に立ってたせいか
思いの外、読みづらくはありませんでした。

そういえば伝記物なんて小学生の時ならともかく、大人になってからは
読むことは少なくなりました。
この本を読んで、トールキンの一生を大急ぎで追いかけてみたけど
やっぱり作品の秘密には追いつけなかった気がします。
作品を何度でも読んで味わうことが一番なんでしょうが、まだ邦訳の出ていない
トールキンの遺稿集「ザ・ヒストリー・オブ・ミドルアース」読んでみたいものです。
しかし私の英語力では原文はとても無理・・・・・。

訳者のあとがきの文章を引用しますが「ここでは、不思議な物語を生み出したために、
ごく当たり前の人間の一生が、克明に語られることになった。我々は一風変わった、
しかし等身大の人間の一生を、一つ余分に生きなおすことができるのである。
望外の事といわねばならない」

全くそのとうりで、わずかながらでもトールキンの人生に触れられて追いかけてみる
事ができたのは幸せな体験でした。
posted by みどり at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 指輪物語周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月07日

「ヤナーチェク・フェスティバル」

「ヤナーチェク・生誕150年フェスティバル」
11月7日(日)東京芸術劇場マチネーシリーズ

今年はレオシュヤナーチェク生誕150年なんだそうだ。
レオシュ・ヤナーチェク (1854〜1928)、チェコ出身の作曲家。
と、言っても私も彼のことをほとんど知らないし、日本ではいまいち知名度が
低い作曲家ではないでしょうか。
小・中・高校の音楽の時間で「ヤナーチェク」なんて名前きいたこと一度もなかったな。

私が初めてヤナーチェクを知ったのは映像錬金術師とさえ言われることのある
双子の映像作家ブラザース・クエイの人形アニメーション作品で、でした。
ヤナーチェクの人となり、オペラ作品を題材にした小作品でしたがはじめて彼のことを
知りました。
クエイ兄弟のアニメも独特な物がありましたが、初めて聞くヤナーチェクの音楽も
それまで聞いたことのない不思議な音楽でした。

今年はヤナーチェク生誕150年としていくつかの演奏会があるのを知りどれか一つ
でも聴きたいと思って選んだのは、一度は生で聴きたいと思ってた「シンフォニエッタ」
の演奏があり、しかも安い今回の演奏会でした。なにしろ一番安い席は二千円。
ありがたい。

この日の演奏は読売日本交響楽団。指揮、ゲルト・アルブレヒト。
コンサートマスター、デヴィッド・ノーラン。ホルン、山岸博。

演目は「組曲作品3」「狂詩曲タラス・ブーリバ」「ホルン協奏曲」「シンフォニエッタ」
「ホルン協奏曲」のみヤナーチェクの曲ではなくてヒンデミットと言う方の曲だそうだ。

一番のお目当て「シンフォニエッタ」は5部構成。
元々はプラハのソコル体育祭の為に書いたファンファーレがものになってるそうだ。
第1楽章アレグレット(ファンファーレ)
第2楽章アンダンテ(城)
第3楽章モデラート(女王の修道院)
第4楽章アレグレット(街路)
第5楽章アレグロ(市庁舎)

最初と最後に現れる楽章は荘厳で気持ちのいい曲です。
11のトランペット、2つのチューバ、ティンパニが主体でずらっと並ぶトランペット
奏者の姿は視覚的にも壮観で「偉大な何か」を感じさせます。
オリンピック開会式の幕開けのような感じ、と言ったらわかってもらえるでしょうか。

第三楽章モデラートはタイトルが表すような女性的な柔らかさを感じさせる
それでいてほんの少し、なまめかしさまで感じさせる。

「シンフォニエッタ」は25分ほどの曲ですが構成もおもしろいし、とても聴き応えの
ある演奏でした。
posted by みどり at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽・コンサート・オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする